[4598] パンダに行ってきた◇東大駒場寮◇言ってはいけない中国の真実

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《一回目としてはおそらくラッキー》

■装飾山イバラ道[226]
 パンダに行ってきた
 武田瑛夢

■Scenes Around Me[30]
 東京大学駒場寮の事(9)
 アリテンに入り浸る
 関根正幸




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■装飾山イバラ道[226]
パンダに行ってきた

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20180703110200.html

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やっとパンダに行ってきた。「パンダに行ってきた」って、日本語としてはかなり間違っていると思うけれど、シンプルで内容にあったユルさがいい感じなので採用。行ったらほとんどの人がこう言うような気もするし。

・上野動物園 公式twitter
https://twitter.com/UenoZooGardens


以前、パンダ観覧の抽選にトライしたことを書いた。パンダが小さかった、抽選が激戦の頃や、整理券方式だった時には結局行かなかった。

抽選には当たらず、整理券の頃は忙しかったのだ。今現在は、列に並んだ順というシンプルな方法だった。

まだ一時間待ちは当たり前な感じで、これ以上暑くなると熱中症対策を講じる必要が出てくるので、夏休み前の今しかないんじゃないか? と頑張ってみた。(夏休みになるとまたルールが変わるかもしれないので、行く前に最新の情報を確認した方がいい)

開園の一時間前ぐらいに着いて待つ。パラパラと雨が降ったり止んだりで、涼しくてよかった。動物園の入場券は先に買っておくのがいいらしいけれど、コンビニにはなく、動物園の券売機でないと買えないようだ。

今思えば、チケットショップに行けば売っていたんだな。入場券を持っている人の列と、これから買う人の列は違うので数十分の違いが出そうだ。園内の行列は木陰の場所も通るけれど、帽子や日傘、飲み物の用意が必要だ。

シャンシャンはとても元気だった。昔コアラが来た時に見た、木の股で寝続ける灰色の丸い塊のような状態ではなく、なんとアクティブに水浴びをしていたのだ。

ガラスの前がちょうど水場なので、暑くて早い時間だと水浴びをすることが多いのかもしれない。WEBのライブカメラで、何時頃がアクティブなのか調べておくのもよさそうだ。

・上野動物園 シャンシャン
http://eimu.com/dgcol/pand01

これはiPhoneの動画から切り出した写真だ。こちらに顔が向いている時に撮ることができて良かったけれど、ボケていて申し訳ない。パンダの前に居られる時間が短いので、ワンショットづつ狙うよりも、動画の成功率が高かった。

一歳になったばかりのシャンシャンはとても可愛くて、黄色い声を上げている人がいる。パンダの前では立ち止まらないで歩くのがルールで、警備員の人が誘導していた。私の写真にも青色の警備員の服がかなり写っている。もっとじっくり見たいよう。

・シャンシャン 茶色の肉球
http://eimu.com/dgcol/pand02

動いている姿をはっきり見られたので、一回目としてはおそらくラッキーだったと思う。シャンシャンは丸々としていて、肉球は茶色だった。

朝から費やした時間に比べると、見るのって本当にあっという間だ。パンダコーナーの外に出されると次にすることが思いつかなくて、しばしさまよってしまう。

簡単な食事をしてから園内を見回った。プレーリードッグが可愛くて、小動物好きの人にはオススメだ。まだ生まれたばかりの小さい子も数匹いて、愛らしい動きがたまらない。

・プレーリードッグの子供(手前)
http://eimu.com/dgcol/prepre

奥の大人のプレーリードッグに比べると、子供の大きさは三分の一程度で、片手に乗せられそうだ。もう立派に草を食べている。両手で葉っぱを持ってカジカジと食べ続けていて、本当に可愛い。

こちらはパンダ舎と違っていくらでもいられるので、時間を忘れて見てしまう。

夏はシロクマが水の中を泳いでいて、清涼感があってとても人気で、人だかりができていた。猿山も見たけれど、午後は暑くなってきたので、皆日陰に入ってしまい、外から見られる猿は少なかった。

連夜のワールドカップ中継で、寝不足なのに朝が早かったので、今日は見たいものだけ見て帰ってきた。

動物園は入場券も600円と安いし、年間パスポートでも2,400円だ。私は一年に四回以上動物園に行った実績は今までないのでやめたけれど、もっと近くに住んでいたら、動物園に散歩に行くのもいいと思う。

シャンシャンを毎月見に来ているという人もいるらしいし、行くたびに違うことを発見するのが楽しいのはよくわかる。思いついたらすぐに行ける距離にあるレジャーも、たまにはいいものだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


とうもろこしや枝豆、スイカが美味しい夏が来た。とうもろこしも枝豆も、生からレンジで美味しく出来るのが便利でありがたい。スイカは小玉スイカ。最近のはだいぶ甘いと思う。


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■Scenes Around Me[30]
東京大学駒場寮の事(9)
アリテンに入り浸る

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20180703110100.html

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今回も訂正から始めます。

サークルの部屋の扉ですが、「蟻天国」でも「蟻天獄」でもなく、「蟻天」とだけ書いてあったようです。(1998年3月頃の写真)

https://farm1.staticflickr.com/900/42795549471_fe1ab27617_c

もし扉に「蟻天」の次の文字まで書かれていたならば、「蟻天獄」を「蟻天国」と思い違いせずに済んだかもしれません。

また、この部屋に出入りしていた人の多くは、サークルや部屋の名前を「アリテン」と呼んでいました。

なので、今後はサークルや部屋のことを「アリテン」と記すことにします。



前回書いたように、歌舞伎の女形の中村しのぶさんは、アリテンの中ほどに畳を敷き、毛布や布団も用意して、アリテンに来た人が寝泊まりできるようにしました。

この事もあって、1998年に入ってから私は、アリテンに寝泊まりを繰り返すようになります。

それは主に次に挙げる二つの事情によるものでした。

一つは、この頃仕事が忙しくなったことです。

武盾一郎さんの個展の時にも触れたことがありますが、私は当時、駒場の近くにあった土木の設計会社でアルバイトをしていました。

当時、私と私の直属の上司は、ある種の土木工事に関してゼネコンに行ったアンケートを集計する作業をしていました。

アンケートは項目数が100以上、対象の工事件数も1000件以上あり、データとしてそれなりに大きなものでした。

作業のほとんどはアンケートの入力ミスの修正でしたが、エクセルの基本的な機能しか知らないまま作業するのは効率が非常に悪く、時間がかかりました。

大学はこの頃春休みに入っていたこともあり、しばらくの間、私は毎日朝から深夜まで、この作業に関わっていました。

私は会社まで自転車で通っていたため、終電車の時間を気にする必要がありませんでした。

また、上司も仕事を切り上げる様子もなかったので、私は午前1時〜2時頃まで会社にいることもザラではありませんでした。

そこで、仕事を終えた後で自宅に戻るより、駒場寮で寝泊まりした方が睡眠時間を確保できると考えたのです。



もう一つの事情は蟲くんの事でした。蟲くんは前回紹介した、石倉麻里さんの写真を撮影しています。

蟲くんの本名は竜二なのですが、名前に「竜」の字があることをなじられたらしく、「蟲」と名乗ることにしたようです。

もともと高円寺岡画郎の定例会に出入りしていた蟲くんは、私と同様、AKIRAさんののざらし画廊に参加しました。

のざらし画廊で展示のアイデアを、AKIRAさんに褒められたことに気を良くした蟲くんは「AKIRAの弟子」を自称するようになります。

そして、AKIRAさんが下井草のA倉庫から日光に引っ越す際、蟲くんはAKIRAさんが作品に使うつもりだった、古い人形などのガラクタを大量に引き取っていました。



1998年の3月頃だと思いますが、蟲くんは、付き合っていた女性との同棲を解消するにあたり、新たな住家として私のアパートの部屋に居候できないかと打診してきました。

蟲くんが私に声をかけてきたのは、私がその時すでに小川てつオくんを居候に受け入いれたことがあったからでした。

てつオくんは岡画郎のブレーンの一人で、当時、居候ライフと称して複数の人の家に居候し、居候先でミニコミを共同製作していました。

蟲くんの申し出に、私はあまり深く考えずにOKを出し、合鍵を蟲くんに渡しました。

ところが、てつオくんが二、三の手荷物だけで部屋にやってきたのとは対照的に、ある事件が持ち上がります。

蟲くんに合鍵を渡した次の日、私のポケベル経由で、岡さんから連絡がありました。

岡さんは、蟲くんがAKIRAさんから引き取った大量のガラクタを車に積んで、私のアパートに運ぼうとしているのを見かけたそうです。

当然、岡さんは「セキネさんに荷物を部屋に置いても良いか話をしたのか」と注意しました。

ところが、蟲くんは「セキネさんに話はしていないけど、大丈夫だって」と気にしていない様子だったため、念のため岡さんは私に報告することにしたそうです。



岡さんから連絡を受けて、私はある程度の覚悟は出来ていました。

しかし、自分の部屋に戻った時、部屋の中央にガラクタがうず高く積まれていて、人一人寝られるだけのスペースがやっとあるだけの状況を見て、私は部屋に帰る気持ちが失せてしまいました。

そこで、私はアパートに帰らず、アリテンに寝泊まりするようになります。

すると、蟲くんも、私が帰って来ない部屋にいるのは寂しかったようで、アリテンにやって来るようになります。

こうして、アパートの部屋は単なる物置になったのでした。



この頃、私はカメラを知人宅に置き忘れてしまいました。

カメラはそのまま知人宅の小物類の中に紛れ込んでしまったため、発見されるまで一か月以上、私はカメラを持たないまま過ごしました。

そのため、上に書いた自室の状況は撮影していません。

今回紹介する写真は、カメラが戻ってから撮影したアリテンの写真です。

アリテンの責任者だった学内生のテツくんが、「アリテン中にゼロバーを復活させる」とアリテンの窓際にカウンターを作りました。

写真はバーの窓際のインスタレーションです。

https://farm2.staticflickr.com/1758/42795550971_50f91a241c_c

https://farm2.staticflickr.com/1758/42745742272_7041eb7db1_c

店内の様子

https://farm2.staticflickr.com/1723/42795551801_4f35be045a_c

ゼロバーは北寮の一階入口、オブスキュアギャラリーの向かいにあったバーでした。

私は数えるくらいしか通わなかったので、詳しいことは知りませんが、ゼロバーは1997年の後半には営業を終了していたようです。


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://www.geocities.jp/sekinemajp/photos

1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔


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編集後記(07/03)

●橘玲「言ってはいけない中国の真実」を読んだ(2018/新潮文庫)。2015年にダイヤモンド社から発行された「橘玲の中国私論」の文庫化で、親本の発売以降の変化を踏まえた一章を追加している。本書は「中国社会についての『原理的』な説明であり、留学やビジネス、あるいは観光でこの『不思議な隣人』とふれあい、私と同じ疑問を抱いたひとにはきっと役立つだろう」と自讃する。

見ものは巻頭カラーの、「人類史上最大」といわれる不動産バブルが生んだ10大「鬼城(ゴーストタウン)」である。廃墟ファンにむけたガイドもある。なぜこんな愚行が続いたのか。地方政府が濡れ手に粟の錬金術に気づいて、フル活用していたからだ。筆者これを「フィールドオブドリームス」と呼んだ。

「民主化できない平等な社会である中国(と筆者は定義するが、そうかなあ)では、テクノロジーを駆使した監視社会化が進む。Googleは撤退し、Twitter、Facebookが禁止され、YouTubeにアクセスができないのは天安門やチベット問題に関するニュース映像などの投稿を警戒しているからだ。政治的に利用される可能性のある海外の〈危険な〉ネットサービスは、すべて禁止されている。

通常はこのような極端な情報統制はうまくいかないが、中国では楽々可能だ。公安当局がネットの監視に大量動員できるからだけでなく、禁止されたあらゆるサービスと遜色ないサービスが、即座に提供されるからだ。これは13億の巨大な市場を持っているからであり、他の独裁国家ではこんなまねはできない。

実際、中国の一般消費者にとってGoogleやTwitterを使えないことが、大きなストレスにはならない。困っているのは日常的にこれらを使っていた外国人だけ。ネット企業は自由よりも規制を歓迎し、率先して公安当局に協力している。官民あげて情報統制を強化することで、中国はますます監視社会化している。

政府による極めて高度な技術を用いた情報統制はネット企業、ハイテク企業にとって関税障壁のようなありがたい存在だ。高い競争力を持つ海外企業が参入できないので、国内企業だけで13億の市場を争えるからだ。中国は官民あげて情報統制を強化する、負のスパイラルができあがっている。政府は社会の動揺をさらなる規制強化で防ごうとし、国有・民間企業は率先して協力する。

民間企業が集積した個人情報や信用情報は国家に流出する。2018年中にすべての電子決済が人民銀行系の決済システム経由で行われるようになる。スマホでの電子決済取引は国家が完全に把握可能である。国民の大半は中国版LINEである微信などを利用しているが、通信内容は開発企業が自主検閲している。検閲対象語は1万以上ある。習近平似といわれる「くまのプーさん」も発信不可能w

筆者の観察は細かく、ツッコミも豊富、資料もたくさん読まれているようなので、優れたレポートになっている。だが、「近現代史における日本の中国侵略は歴史的事実だから、多少の誇張があったとしても『歴史の改変』には当たらない」という、異様に中国に寛容なお方であった。ならば、国家の歴史認識と個人の人間関係を切り離せばいい、というステキなドリーマーである。(柴田)

橘玲「言ってはいけない中国の真実」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101213518/dgcrcom-22/



●ひったくりにあった時のシミュレーションってします? 私はたまにあります(笑)。銀行でお金を下ろした時が多いです(笑)。

自転車で後ろからひったくられる場合。かばんを取られるが、紐が腕にかかっているので、身体を持っていかれるか、踏ん張るであろう。持っていかれるなら、最初数秒は、自転車と一緒に走ることになる。何十秒も併走はできないはずだ。

きっと利き腕にスマホを持っているので、それで後頭部または背中を叩く。腕でもいい。ヒットしたら、一瞬スピードが落ちるだろうから、自転車に追いつき、横から蹴って倒す。

倒れたら自転車の下に、犯人の足が残るから、そのまま自転車の上に乗って、自分を重しにして逃げられないようにする。そして犯人の髪の毛を掴んで……。あ、相手が坊主頭だったらダメだわ、これ。

えーと、真夜中に書きました……。ネタないのよ〜。寝不足で頭が働かないのよ〜(笑)。 (hammer.mule)