グラフィック薄氷大魔王[571]思い出のイラストマップ/ハン・ソロ /吉井 宏

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●イラストマップは苦手だった

「半分、青い」で、イラストマップや星占いカットや腸のイラストが、「そんな仕事」と言われてたらしい。反感を持ったイラストレーターの間で話題になってるとのことで、昼の放送で確認してみた。

なるほど、「そんな仕事」って言ったのは、マンガ家の主人公じゃなかった。引っ越しバイトよりマシってことで、仕方なくやってるのがイラストカットの仕事。

どちら側から描写するかによるし、成り行き上まあしかたないでしょうw 現実には、カットよりもマンガ原稿1ページの単価のほうが安いんじゃないかとも思うけどね。

イラストマップはデザイン事務所時代に無数に描いた。事務所内のイラスト仕事の2割はイラストマップだったんじゃないか? くらい。チラシやパンフなどに、主に名古屋鉄道関連の観光施設のイラストマップを描いた。





リトルワールドや明治村など、施設自体が町になってるものもあって、明治の建物や世界の民族の住居など繰り返し描いた。たいていの施設やランドマークは、資料見なくても描けるようになったw

実はめちゃくちゃ苦手だった。先輩デザイナーが楽しそうにシャーペンで細かい下絵を描いて、ロットリングや水彩絵の具で仕上げ。

ちゃっちゃかと描いててスゴイ! と思ったけど、僕は1cm以下の四角形もちゃんと描けないくらい、細かい絵が苦手(デジタル移行以後は拡大して描けるから大丈夫)。スラスラ描けたら楽しいだろうな〜と思ったけど、何年やっても苦手なまま。

●ガソリンスタンドの折り込み広告

最後にイラストマップを描いたのは、たぶん1994年。ガソリンスタンドの新聞折り込み広告の仕事で、輪転サイズのB3よりひとまわり大きい裏面いっぱいに、スタンド周辺のイラストマップを描いた。90年から5件やった。

上尾とかぜんぜん知らない町に取材に行き、イラストマップに描けそうなものを写真に撮った。スタンドの人にクルマに乗せてもらい、そのへんを走り回ってビデオ撮りまくったり。

ずっと行方不明だったけど、この記事のために探したら出てきた〜! 5回もやったんだ。大変だったろうなあw デザイン・レイアウトまで僕がやってたんだった。
http://www.yoshii.com/dgcr/nisseki_illustmup.jpg

1990年12月 上尾
1991年 8月 王子台
1992年 4月 千葉小倉
1992年 7月 鎌田
1994年 7月 中野哲学堂

驚いたのが、上尾とか千葉とかぜんぜん知らない遠くの町ばかりと思ってたら、比較的近くの世田谷区鎌田のスタンドもあったこと。年に数回はタクシーで通りかかる。当時は荒川区に住んでたから、すごい遠くだと思ってた。

イラストマップ、今見ると全部歩き回って写真撮って描いたなんて、とても信じられない。体力あったんだなあ。っていうか、まだ上京直後で、これやらないと死ぬから必死だったんだと思う。

今ならGoogleマップやストリートビューがあるから、多少はラクだろうな。

イラストはちゃっちゃと描けるように、線画に着彩(Painter使い始めたのは92年の鎌田の3ヶ月後)。顔とか鳥山明風の感じが残ってる。上尾の人物、ヘタだなあ。中野哲学堂の表面のスタンドはAdobe Dimensionを使った。

●日本SF大会のイラストマップ

他の古い印刷物を漁ってみたけど、ろくなイラストマップがない。これが、事務所時代に描いてたイラストマップの標準的な感じ。1色だけど。左上の女の子のポシェットが時代を感じさせる。
http://www.yoshii.com/dgcr/map_IMG_0999.jpg

こちらはぜんぜん違う画風の、1989年の日本SF大会「ダイナ☆コンEX」の冊子に描いた「三谷温泉の全貌!」見開きの版下。現地で数百枚の写真を撮ったり、歩き回ってメモしたり、スケッチしたり。
http://www.yoshii.com/dgcr/dainaconex_map.jpg

大友克洋風みたいな密度出そうと意地だったw 同大会では、ポスターや大量の印刷物の編集デザインやイラストの大半を、もう一人のデザイナーと手分けして作業したのでした。

○おまけ。同じく「半分、青い」関連で、星占いイラストをアップするのが一部で流行ってるらしいので便乗。東京ウォーカーに描いたモノ。1996年頃から一年くらい使用された。腸のイラストは描いたことない。
http://www.yoshii.com/dgcr/Tokyo-Walker_horoscope.jpg

●映画「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」

初日の朝に観た。面白かった! 冒頭数秒でちゃんと「ハン・ソロの若い頃」に見えてくるから心配しなくてOK。後半で一息つくところまで「インディ・ジョーンズ」的に畳みかけるノンストップアクション。

もちろん100%満足とは言わないし、メインシリーズへの関連付けや続編を意識してるところも、全部余計とは思ったけど。

大コケするような映画には見えなかったな。深みとか意外性とかあんまりなくて、言われてた批判「ディズニーはリスクを取らなかった。単にキャラクター商品になってる」は、確かに当たってると思う。

だから逆に、安心して楽しめる娯楽映画になってると思う。大コケは、SWシリーズ乱発しすぎて、一般人がお祭り騒ぎに付き合いきれなくなった感じかな。

見どころが多すぎてメリハリがない、とも言えるけど、どこを見ても面白いから、テレビ放映を何度か繰り返すと人気出るかもね。僕的にはマカロニウエスタン風バイオレンスでやってほしかったけど、「ハン・ソロ=いい人」の範疇では無理だなあw

悲劇じゃないSWって、最初のEP4以来じゃん! あと、「戦争」じゃないのも初めてだ。


【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com
http://yoshii-blog.blogspot.com/

朝、「半分、青い」の続きを見ようと思ったら、終わってたw 8時ちょうどからなのね。昼は12時40分開始だと思って、テレビの前に座って5分イライラ待ったり。決まった時間にテレビの前に行くの苦手。

前回、朝ドラをほぼ毎日見てたのっていつだっけ? と調べたら、18年前の竹内結子「あすか」だった。その7つ前の松嶋菜々子の「ひまわり」を見て習慣づいて、「ふたりっ子」には夢中になったけど、その後数本でしぼんじゃったんだ。

18年間で見てない朝ドラ36本だよ。多すぎるw 「あまちゃん」くらい見ておきたいとは思うけど。

・スワロフスキー「招き猫」と「HOOT HAPPY BIRTHDAY」も出ました。
https://bit.ly/2qWbmZh

・rinkakインタビュー『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii