[4621] 再調査「水からの伝言」◇一生かけて嫌いな人◇「ハクソー・リッジ」

投稿:  著者:  読了時間:23分(本文:約11,400文字)


《意識という主観領域に踏み込む科学》

■羽化の作法[67]現在編
 再調査「水からの伝言」
 武 盾一郎

■LIFE is 日々一歩(80)[コラム]
 一生かけて嫌いな人 〜その2
 森 和恵



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■羽化の作法[67]現在編
再調査「水からの伝言」

武 盾一郎
http://bn.dgcr.com/archives/20180821110200.html
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こんにちは! 今年の夏は暑かったですね。30度だと涼しく感じてしまうくらいでした。

ところで、「羽化の作法[63]ポスト・トゥルースと水からの伝言と私」で「水からの伝言」について言及してしまったことが気にかかっておりました。
http://bn.dgcr.com/archives/20180612110200.html

ふと思い付いてタイトルにしてしまったのですが、もうちょっと調べようと思いました。

●やればいいじゃん「水からの伝言」反証実験

『水からの伝言』は故・江本勝氏の著書である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%9C%AC%E5%8B%9D

ウィキペディアには、こう書かれている。

名勝の水や『ありがとう』等の言葉を見せた水からは綺麗な結晶ができ、水道水や『ばかやろう』等の言葉を見せた水からはいびつな結晶ができるといった、科学的には荒唐無稽な話が写真と共に語られる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E4%BC%9D%E8%A8%80

「科学的には荒唐無稽な話が写真と共に語られる。」と言う言い回しに吹き出してしまうのだが、この江本勝氏の活動の熱心な支持者の一人が、現在我が国の首相夫人・安倍昭恵氏である。そのことを示すこんな記事がある。

「波動」というオカルトを信じる昭恵夫人
https://president.jp/articles/-/21857

記事から一部引用します。

「実際、昭恵夫人は、江本氏が主宰する『国際波動友の会』の機関誌において、『江本先生のおっしゃる水・意識・波動の話は正しいと直感しています』と述べている。たんに共感しているだけではなく、江本氏とは直接に付き合いがあったようだ。昭恵夫人からは義父にあたる故安倍晋太郎氏が、江本氏から波動を調べてもらい、『転写水』を作ってもらったこともあったという。」

「転写水」が気になるが記事にはこう記してある。

「転写水と聞いても、多くの人たちはいったい何のことかと思うだろうが、これはオカルトやスピリチュアリズムの世界ではよくみられるもので、人間の発する気をこめた水のことである。その水には、病を治したり、健康を増進したり、さらには幸福をもたらしたりといった効果があるとされるのである。」

人間の発する気を込めた水だそうだ、、、一体いくらするのだろう?信じるならばプラシーボ効果で、本当に病が治ったりするのでしょうね。

また、こんなツイートもある。


「【拡散希望】安倍昭恵と江本勝の対談、必読です。江本は『水からの伝言』の波動研究家で、昭恵に大麻のことを教えた人間。昭恵が資金を出して、『水からの伝言』ミャンマー語訳を出した時の記念対談です。この翻訳者が、加計学園ミャンマー支局長。
http://hado.com/ihm/subscription/for-children-in-myanmar/

これらの記事やツイートにあるように、「水からの伝言」著者の江本勝氏は政治権力とも近かったようです。もし政府が「水からの伝言」の思想を採用すれば、「波動」は国民が信じるべき真理となったかも知れない。

「エレクトリカルな大都市として有名な《TOKYO》を首都に持つ日本は、意識の波動で統制されたスピリチュアル国家だった」なんて設定のアニメがあったら『AKIRA』みたいで、ちょっと観てみたい感じはする。

とは言うものの、日本は今も昔も充分にスピリチュアルなのかも知れない、とも思ったり。

「水からの伝言」をグーグル検索するとトップの方に出て来るのがこちら。科学者からの批判である。

「水からの伝言」を信じないでください
http://www.gakushuin.ac.jp/%7E881791/fs/

引用します。

「これまでの科学の知識から考えれば、水が言葉の影響をうけて結晶の形を変えるということは、けっして、ありません。本や写真集には、実際に試してみたという『実験結果』がのっています。でも、これは、実験する人の『思いこみ』が作りだした『みかけ』だけの結果だと考えられます。ただの『お話』と思って聞くならいいかもしれませんが、事実だと思うのはよくないでしょう。

それに、どんな言葉が『よく』で、どんな言葉が『わるい』かは、私たち人間がいっしょうけんめいに考えるべき、人の心についての大切な問題です。水に答えをおそわるような問題ではないはずです。また、『きれいな結晶なら、よい言葉』というように、見た目のきれいなものが『よいものだ』と決めているのも、私には、おかしく思えます。ものごとを、見かけだけで決めてしまっていいのでしょうか?

人の心は、すばらしい力をもっています。ほかの人たちを思いやる心、愛と感謝の心は、とても大切です。しかし、それと『水が言葉の影響をうける』という『お話』には、なんの関係もありません。

私たちは、学校の授業など、教育の場に『水からの伝言』をもちこむのは、絶対によくないことだと考えています。」

と、もっともなことが書いてあります。おっしゃる通り。これに対して、ツッコミを入れるブログがあったので紹介します。

「『水からの伝言』を信じないでください」と言うのならやるべき事は一つだろう?
http://www.virtual-pop.com/tearoom/archives/172

「やればいいじゃん反証実験。その結果を示すだけで、ごたくを並べなくとも完膚なきまでに否定できるじゃん。」

と、バッサリ。思わず「あはは、その通りだわ!」と笑ってしまいそうになる。なら私がやってみようかと思ったがちょっと面倒臭い。と、思ったら実験してた人のブログを見つけたので、こちらを紹介します。

【実験】バナナにいろんな言葉をかけてみた話
http://nogreenplace.hateblo.jp/entry/2014/11/28/110224

このブログ主はバナナを6切れ使い、6パターンの言葉をかける実験をやっている。かける言葉は以下の6種類である。

A:きれいな言葉
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zeromoon0/20141119/20141119161000.jpg
B:汚い言葉
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zeromoon0/20141119/20141119160956.jpg
C:英語できれいな言葉
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zeromoon0/20141119/20141119160952.jpg
D:英語で汚い言葉
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zeromoon0/20141119/20141119160949.jpg
E:卑猥な言葉
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zeromoon0/20141128/20141128105620.jpg
F:意識の高い言葉
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zeromoon0/20141119/20141119160939.jpg

実験開始の状態はこちらのツイートに。


そして、結果の画像はこちらのツイート。


以下ブログより。

「一番黒くなったのは『D』です。次点が『A』と『E』と『F』、そして『B』、一番きれいなのは『C』ですね。(中略)もしかしたら、バナナは外国産だから英語じゃないと理解できないとかそういうオチかなぁ? バナナは日本語を理解できないという興味深い仮説ですね。

スペイン語や中国語だったらどうなるんでしょう。とりあえず日本語だと『きれいな言葉のAバナナ』より『汚い言葉のBバナナ』のほうがなんとなくきれいな気がします。これは説明のつかない不思議な現象ですね。」

こう書かかれています。個人的には「卑猥な言葉」の選び方が生ぬるい感じがしましたが、その言葉をもっとディープにエグくさせたところで、実験の結果は変わらないと思われます。

要するに、かける言葉の意味・内容で物理現象は変化しない。かけ声の音の高さや音量、口から飛び出す唾液などで変化することはあるにしても。これは普通に当たり前のことでは、ある。

また、お花に「ありがとね」と言いながら水やりをするときれいに咲くし長持ちする、なんていう話はよく聞く。

お花に話しかけるほどの人は、花を枯らせない方法を調べて実行してるワケで、当然と言えば当然だ。

だけど、その人に「花に良い言葉をかけたから長持ちしてるのではなくて、適切な処置をしてるから長持ちしてるんですよね」なんて言ったら機嫌を損ねかねない。ひょっとしたら、本当に言葉をかけると長持ちするかも知れないし、何よりその人の花に対する愛があってこそなのだから。

この場合、問題になるのは「ありがとうと花に声をかけて水やりをする人を分析する客観」と「ありがとうと花に声をかけて水やりをする人の主観」の齟齬で、これがなかなか難しい。

●事実と真実とを再編成している時代

「ファクト」と「主観」が入り乱れてしまうと混乱が起きる。人は誰でも「ファクト」よりも「主観」を優先する。人は「主観」を「真実」に据える。私が見たあの日の夜の美しい月が、私にとっての「真実」なのだから。

政治でもそうだ。それを「ポスト・トゥルース」と呼ぶのだろう。

「ファクト」と「トゥルース」は引き裂かれ、「ファクト」はゴミ箱行きになり、感情が「トゥルース」となって投票を行う。

IT最先端のGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon.com)を産むアメリカから、一方でファクトがおざなりになった感情投票で大統領が生まれる。

今は「事実(ファクト)」と「真実(トゥルース)」を再編成してる時代だと思う。

科学は客観的な真実を記述してきた。というか、「真実は客観的に調べたところにある」と定めた。

例えば、天体は観測によってその運行は影響されない。天体観測データによって、かつて常識だった天動説は誤りで地動説が正しいという事実を突き止めた。そしてこのパラダイムシフトは、「真実を解き明かす科学」の原型として、今でも引き合いに出されます。

もちろんパラダイムシフトはとても重要です。しかし、「観測者が対象の外側にいるのが科学の原型」と限定してしまうと、ますます「ファクト」と「トゥルース」の乖離や混乱は増すばかりだと思うのです。

「調べたい謎」または「科学で解き明かしたい問題点」はむしろ、観測者が観測対象のフレーム内に放り込まれている環境の方が多いのではないだろうか? そうすると「主観」を科学しないとならないのではないだろうか?

私が意識(の科学)に並々ならぬ関心があるのは、科学が意識という主観領域に踏み込んでいるからである。

江本勝「水からの伝言」は科学ではない。これは確かだろう。科学者のほとんどは「水からの伝言」を上記の「『水からの伝言』を信じないでください」のように批判するか、または鼻で笑うだけかも知れない。

がしかし「水からの伝言」のようなことこそ、これから科学で取り扱う分野のような気がしてならない。

もちろん、そういった分野の研究がない訳ではないようです。どうやら最近、幸福を科学として研究することが増えてきているようなのです。

2018年8月17日掲載の広島大学の研究結果。

“幸福感”は年収の高さに依存するのか? 〜心理的傾向「マインドフルネス」の影響を初めて解明〜
https://research-er.jp/articles/view/73142

「・一般に収入の高い人の方が、幸福感が高い傾向にあります。しかし『マインドフルネス』という心理的な傾向の高い人は、収入の多い少ないにかかわらず、高い幸福感を感じていることを大規模な調査によって解明しました。

・『マインドフルネス』傾向は、トレーニングで向上させることもできます。今回の結果は幸福にいたる多様な道筋があることを示唆しており、ワークライフバランスや過労の問題など、働く人の多くが直面する問題へのよりよい解決の糸口につながることが期待されます。」

つまり、
マインドフルネス傾向の高い人は、年収に左右されず幸せな傾向。
マインドフルネス傾向の低い人は、年収が高い人ほど幸せな傾向。
ということです。

ここで私が面白いと思ったのは【参考資料】のグラフです。

図1 自分の体験を批判的に見ない人は収入と関係なく幸福感が高い(赤い点線)。
https://research-er.jp/img/article/20180817/20180817103813.png

図2 自分の体験を言葉で表現するのが得意な人は収入と関係なく幸福感が高い
(赤い点線)。
https://research-er.jp/img/article/20180817/20180817103824.png

過去を省みず自分の出来事ばかり喋る人っていますよね。デリカシーがない印象を持ってしまうのですが、そういう人こそ幸福なのであります。

話を「水からの伝言」に戻します。
「水からの伝言」には三つの疑問があると思います。

1)水は情報を保存できるのか?
2)言葉の意味、つまりは意識で物質が変化するのか?
3)プラシーボ効果以外で病を治す水があるのか?

私は内心「3つともYesだといいなあ」なんて思ってたりします。それは、どれかひとつがYesでもすごいことだからです。

1)は結論がそう遠くない将来に出るような気がします。
2)は難しい。そもそも意識がなんなのかが分かってないですもんね。
3)は希望です。

あなたはどう思いますか?


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■LIFE is 日々一歩(80)[コラム]
一生かけて嫌いな人 〜その2

森 和恵
http://bn.dgcr.com/archives/20180821110100.html
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こんにちは! 森和恵です。今年は台風が多いですね。お盆明け、日常に戻ってきていらっしゃいますか?

さてさて。今回は「一生かけて嫌いな人」の二回目を書きます。

2015年に、一回目のコラムを書きました。

【LIFE is 日々一歩(9)[コラム]一生かけて嫌いな人】
http://bn.dgcr.com/archives/20150406140100.html

大嫌いな二人の人について振り返るという、超後ろ向きなコラムでした。

「嫌な人は、忘れなくても、ゆるさなくてもいい」という持論が結末でした。時間が憎しみを解決してくれる……なんてきれい事、わたしは信じていません。

嫌いな人のこと、無理矢理忘れようとしても無理ですもの。忘れられるぐらいなら、嫌いなんてしんどい思いを持ったりしません。もし、それができるぐらい軽い憎しみなら、「無関心」という状態で止めておくことができるはずです。

どうしても許しがたくて、止めたいのに、忘れたいのに、折に触れてあの時の憎しみを何度も反芻してしまう相手。こんなの、増やしたくはなかったのですが、増えてしまいました。

どうしても忘れることができない負の荷物。「一生かけて嫌いな人」のことを話します。

●友人をだました友人

二人の友達がいました。会社社長のAさん、年下のBさんと仮にしておきます。

Aさんが私に言いました。

「Bさんをうちで雇いたいと思っているんだ。仕事ができて気立てがよいので、Bさんがいいと思っている。でも、うちに信用がないかもしれないので、森さん、大丈夫だよって口添えしてもらえないだろうか?」

そのときのわたしは、Aさんを友達だと思っていたし、真面目で紳士だと思っていたので、もちろん! 私も賛成するよ! とばかりに、BさんにAさんの会社を薦めました。

その後、BさんはAさんのところに就職するのですが、しばらくして様子が狂ってきます。Aさんから、Bさんのあまりよくない態度を聞くことがしばしばありました。

そうこうするうちに、Aさんは一歩間違えば警察沙汰になるかもしれないようなことをBさんに対してしました。それをBさんから聞かされた時に、あまりの怒りに目の前が真っ暗になったのを覚えています。Aさんのしたことは、人間として卑劣極まりないことでした。

Aさんだからと信頼して、Bさんに薦めたのに……。その事件の片棒を担いだような、罪悪感に見舞われました。いまでもこのことは、Bさんにどれだけ謝っても謝り足りない気持ちでいっぱいです。

わたしが烈火のごとく怒っているということが、Aさんに伝わったのでしょう。Aさんは、会うと避けるようになり、わたしもまた、Aさんの姿を見ると嫌悪感から鳥肌が立ってしまうようになりました。

そして、Aさんと会わないようにわたしのほうが場を避けるようになり、行きたいイベントや飲み会に参加ができずに、悲しい思いをしたことも何度となくあります。

このことから得た教訓ですが、いくら仲がいいからといっても、第三者を巻き込むような立ち位置にならないように努めています。誰かを推薦するときは、十二分に慎重に。

●自分の思うように他人を操りたい人

チームで仕事をしていたときの話です。ひとつの納品物をパートに分けて制作していました。

もちろん、各人いきなり作業に入らずに「設計→ラフ制作→本制作」と段階を経て作業を進めていました。しかし、いざ納品直前になったときに、わたしが担当していたパートにチームのメンバーからダメだしが入りました。

「デザイン的にどうしても許せないほどダメなので、差し替えて欲しい」と。

びっくりしました。私が作ったものに自信があるのでダメだしなんてありえない、ということでは
なく、2か月前にはラフ制作が完了していて、周囲のチェックもあって、みんなが作成する工程をみていたはずなのに、チームのメンバーからそんな風に言われることに驚きました。

いまさら? 何を言い出すの? と思う中、驚きは続きます。

「どうしても許せない。差し替えができないなら仕事から降りる。これまでに自分が作ったデータもすべて引き上げる。」

というのです。なんてひどい脅しなのでしょう。自分の思うように動かしたいために、そこまでするのかとあきれました。

いままでの経験で、納品先のクライアントさんからの納品直前のダメだしというのは、じつはあります。若かりし頃、確認をあまり取らずに納品まで突っ走った結果でした。

それが、味方であるはずのチームのメンバーから、こんなことを言われるなんて想像もしていませんでした。最後までわたしには判断がつかなかったのですが、私が出したデザインがそれほどに最低なできだったのでしょう。きっと。

その話を聞いて、わたしは「これはクレーム対応」だと自分に言い聞かせました。もうほとんど終盤まで進んだプロジェクトを止めずに進めるには、わたしがこれをすんなり受け入れるしかないのだと思いました。

そして、訂正作業をする日々が一週間続きました。もちろん、他のメンバーの方々が手厚いフォローしてくださいましたが、作った本人である私には、訂正作業を完全に手放すことはできませんでした。

ひどいデザインだといわれても、自分が受けた仕事です。それなりに設計して作ったものです。この最悪の状況から、少しでも本筋がゆがまないようにする努力をしたかったのです。

これから得られる教訓はなんでしょう。ちょっとまだ整理がついていません。

ひとつ言えるのは、自分の主旨に会わないからといって、人を脅すようにして動かすということを、わたしは絶対やりたくないということです。

人質を取るような、そんな人間として最低なことは、するべきではないと思います。

人を呪わば穴二つ、因果応報。理不尽にかった恨みは消えることがなく、めぐりめぐって本人に戻ってくると信じています。

……というわけで、今回はここまで。文章が愚痴っぽくてごめんなさい。次回は、先日の「Adobe XDセミナー」の登壇報告などをしようかと思います。

しばらくお休みしていたYouTubeライブ配信ですが、先日再開しました。ちょうど、そのセミナーのフォローアップをお送りしています。

https://www.youtube.com/r360studio

ではまた、次回お目にかかりましょう!
(^^)

【 森和恵 r360studio ウェブ系インストラクター 】
mail: r360studio@gmail.com
サイト:http://r360studio.com/


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編集後記(08/21)

●戦争映画「ハクソー・リッジ」を見た(2016/アメリカ)。たまたまGEOの棚にあったから借りただけで、「世界一の臆病者が、英雄になった理由とは」というコピーからはユーモラスな戦場ものかなと思った。ところが、ちょっと、いや全然違う。リアル戦場もので、戦闘シーンの迫力たるや大変なものだった。

しかも、戦場は沖縄であった。あとから予告編を見たが、沖縄に関する情報は全然ないではないか。日本の配給会社の“忖度”か。だとしても、そんなこと無意味のような気がする。沖縄戦であることを隠す理由がわからない。じっさい、描かれる日本軍はとくに悪意ある演出ではないと思う。しかも史実なのだ。

ハクソー・リッジとは鋸・崖の意味で、150メートルの断崖絶壁の崖が、鋸のように険しいことからアメリカ軍が命名したようだ。沖縄の前田高地の崖をいう。確かにみごとな絶壁である。アメリカ軍は大きなネットを上から垂らしていて、海上の戦艦が高地に砲撃を加えた後で、4人ずつ横並びで上っていく。

前田高地の戦場に行くにはこのルートしかない。夜間は戦闘がないから、そのまま放置されるのだが、なぜ日本軍は夜間に忍び寄ってネットを切り落とさないのか。そもそも、どうやってネットを張ったんだ。なぜ空軍が前田高地の日本軍本営を直接叩かないのか。海軍の砲撃はいったいどこを狙っていたんだ。

とかなんとか思いながら戦場のシーンを見ると、日米の壮絶な戦いぶりの描写は凄まじいものがある。やはり人体が破損するシーンはこわい。アメリカ兵はヘルメット、日本兵は軍帽、それで見分ける。撃っても撃っても、わらわらと湧き出すという表現がぴったりの日本兵、アメリカ人の視点で見ると怖ろし過ぎる。この戦場を主人公・デズモンドが一人、武器を持たずに走り回る。

彼は故あって戦場でも武器を持たない。そのことは前半で語られる。志願兵なのに銃器を持つことを断固拒否する。軍隊としては困った存在だ。除隊せよと迫っても応じない。ついに軍法会議にかけられ,絶体絶命の時、父が現れ「良心的兵役拒否者の権利は憲法に守られている」というかつての上官からの手紙を示す。これにより彼の権利は守られ、衛生兵としての活動が認められる。

彼はハクソー・リッジ戦で中隊の衛生兵として大活躍する。負傷者を助けようと、弾丸が飛び交う戦場内を丸腰で移動する。負傷兵を担いで後方に下がり、また戦場に飛び出し負傷兵の手当を続ける。「正気じゃない」とは彼にかけられる兵士たちの声だ。やがて、その日の戦闘は終わり、生き残った兵士達はネットを伝って本営に帰っていく。しかしデズモンドは一人で戦場に戻る。

彼は重傷者を背負って崖まで戻り、ロープで下ろしていく。そしてまた戦場に戻り、同じことを続けた。デズモンドはこの戦いで孤軍奮闘、75人もの命を救ったのだ。終戦後、良心的兵役拒否者としては、アメリカ史上初めての名誉勲章が授与された。戦場のシーンに比べ、家庭内事情とかロマンス、兵営での出来事などはやや退屈だ。強く「信仰の力」を感じる映画であった。 (柴田)

「ハクソー・リッジ」
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B074WWS8KR/dgcrcom-22/


●高校野球、甲子園決勝。どちらが勝つか、とても楽しみ。東北・秋田初の優勝になるか、それとも常勝高校なのか。

雑草軍団、雑草魂の金足農業。これぞ高校野球というようなチームで、ドラマもあって、つい肩入れしてしまう。近江 対 金足農は、近江優勢の時点でトンネルに入り、出てきたら金足農がサヨナラ勝ちしていた。

常勝エリートの大阪桐蔭。ドラフト候補がぞろぞろ。こういうチームにはレギュラーになれなかった、地方からスカウトされた強者がたくさんいるわけで、彼らの分も頑張らないといけない。勝って当たり前、秋田初の優勝を見たいという声が多いため、しんどいだろうなぁ。 (hammer.mule)