LIFE is 日々一歩(80)[コラム]一生かけて嫌いな人 〜その2
── 森 和恵 ──

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こんにちは! 森和恵です。今年は台風が多いですね。お盆明け、日常に戻ってきていらっしゃいますか?

さてさて。今回は「一生かけて嫌いな人」の二回目を書きます。

2015年に、一回目のコラムを書きました。

【LIFE is 日々一歩(9)[コラム]一生かけて嫌いな人】
https://bn.dgcr.com/archives/20150406140100.html


大嫌いな二人の人について振り返るという、超後ろ向きなコラムでした。

「嫌な人は、忘れなくても、ゆるさなくてもいい」という持論が結末でした。時間が憎しみを解決してくれる……なんてきれい事、わたしは信じていません。

嫌いな人のこと、無理矢理忘れようとしても無理ですもの。忘れられるぐらいなら、嫌いなんてしんどい思いを持ったりしません。もし、それができるぐらい軽い憎しみなら、「無関心」という状態で止めておくことができるはずです。

どうしても許しがたくて、止めたいのに、忘れたいのに、折に触れてあの時の憎しみを何度も反芻してしまう相手。こんなの、増やしたくはなかったのですが、増えてしまいました。

どうしても忘れることができない負の荷物。「一生かけて嫌いな人」のことを話します。





●友人をだました友人

二人の友達がいました。会社社長のAさん、年下のBさんと仮にしておきます。

Aさんが私に言いました。

「Bさんをうちで雇いたいと思っているんだ。仕事ができて気立てがよいので、Bさんがいいと思っている。でも、うちに信用がないかもしれないので、森さん、大丈夫だよって口添えしてもらえないだろうか?」

そのときのわたしは、Aさんを友達だと思っていたし、真面目で紳士だと思っていたので、もちろん! 私も賛成するよ! とばかりに、BさんにAさんの会社を薦めました。

その後、BさんはAさんのところに就職するのですが、しばらくして様子が狂ってきます。Aさんから、Bさんのあまりよくない態度を聞くことがしばしばありました。

そうこうするうちに、Aさんは一歩間違えば警察沙汰になるかもしれないようなことをBさんに対してしました。それをBさんから聞かされた時に、あまりの怒りに目の前が真っ暗になったのを覚えています。Aさんのしたことは、人間として卑劣極まりないことでした。

Aさんだからと信頼して、Bさんに薦めたのに……。その事件の片棒を担いだような、罪悪感に見舞われました。いまでもこのことは、Bさんにどれだけ謝っても謝り足りない気持ちでいっぱいです。

わたしが烈火のごとく怒っているということが、Aさんに伝わったのでしょう。Aさんは、会うと避けるようになり、わたしもまた、Aさんの姿を見ると嫌悪感から鳥肌が立ってしまうようになりました。

そして、Aさんと会わないようにわたしのほうが場を避けるようになり、行きたいイベントや飲み会に参加ができずに、悲しい思いをしたことも何度となくあります。

このことから得た教訓ですが、いくら仲がいいからといっても、第三者を巻き込むような立ち位置にならないように努めています。誰かを推薦するときは、十二分に慎重に。

●自分の思うように他人を操りたい人

チームで仕事をしていたときの話です。ひとつの納品物をパートに分けて制作していました。

もちろん、各人いきなり作業に入らずに「設計→ラフ制作→本制作」と段階を経て作業を進めていました。しかし、いざ納品直前になったときに、わたしが担当していたパートにチームのメンバーからダメだしが入りました。

「デザイン的にどうしても許せないほどダメなので、差し替えて欲しい」と。

びっくりしました。私が作ったものに自信があるのでダメだしなんてありえない、ということでは
なく、2か月前にはラフ制作が完了していて、周囲のチェックもあって、みんなが作成する工程をみていたはずなのに、チームのメンバーからそんな風に言われることに驚きました。

いまさら? 何を言い出すの? と思う中、驚きは続きます。

「どうしても許せない。差し替えができないなら仕事から降りる。これまでに自分が作ったデータもすべて引き上げる。」

というのです。なんてひどい脅しなのでしょう。自分の思うように動かしたいために、そこまでするのかとあきれました。

いままでの経験で、納品先のクライアントさんからの納品直前のダメだしというのは、じつはあります。若かりし頃、確認をあまり取らずに納品まで突っ走った結果でした。

それが、味方であるはずのチームのメンバーから、こんなことを言われるなんて想像もしていませんでした。最後までわたしには判断がつかなかったのですが、私が出したデザインがそれほどに最低なできだったのでしょう。きっと。

その話を聞いて、わたしは「これはクレーム対応」だと自分に言い聞かせました。もうほとんど終盤まで進んだプロジェクトを止めずに進めるには、わたしがこれをすんなり受け入れるしかないのだと思いました。

そして、訂正作業をする日々が一週間続きました。もちろん、他のメンバーの方々が手厚いフォローしてくださいましたが、作った本人である私には、訂正作業を完全に手放すことはできませんでした。

ひどいデザインだといわれても、自分が受けた仕事です。それなりに設計して作ったものです。この最悪の状況から、少しでも本筋がゆがまないようにする努力をしたかったのです。

これから得られる教訓はなんでしょう。ちょっとまだ整理がついていません。

ひとつ言えるのは、自分の主旨に会わないからといって、人を脅すようにして動かすということを、わたしは絶対やりたくないということです。

人質を取るような、そんな人間として最低なことは、するべきではないと思います。

人を呪わば穴二つ、因果応報。理不尽にかった恨みは消えることがなく、めぐりめぐって本人に戻ってくると信じています。

……というわけで、今回はここまで。文章が愚痴っぽくてごめんなさい。次回は、先日の「Adobe XDセミナー」の登壇報告などをしようかと思います。

しばらくお休みしていたYouTubeライブ配信ですが、先日再開しました。ちょうど、そのセミナーのフォローアップをお送りしています。

https://www.youtube.com/r360studio


ではまた、次回お目にかかりましょう!
(^^)

【 森和恵 r360studio ウェブ系インストラクター 】
mail: r360studio@gmail.com
サイト:http://r360studio.com/