[4640] 「AD-LIVE 2018」を生で観劇してきました◇1998年「しんげんち」へ

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《縄文と現在を結ぶのはファンタジー》

■羽化の作法[69]
 1998年「しんげんち」へ
 武 盾一郎

■LIFE is 日々一歩(82)[コラム]
 「AD-LIVE 2018」を生で観劇してきました
 森 和恵




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■羽化の作法[69]
1998年「しんげんち」へ

武 盾一郎
https://bn.dgcr.com/archives/20180918110200.html

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この絵は『お月さまが落っこちてきた夜』というタイトルで、1999年神戸市須磨区下中島公園にある非公認避難所「しんげんち」で描いた作品です。

『お月さまが落っこちてきた夜』とは、阪神淡路大震災のことをさしています。

https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/2149403488437860



「しんげんち」は、街中にある普通の公園内にコンテナハウスが10棟ほど立ち並ぶ集落で、1995年の阪神淡路大震災で被災して仮設住宅にすら入れなかった人たちが、いわば「スクワット(不法占拠)」して作ったテント村です。

https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/2149403461771196



私はこのテント村「しんげんち」に、1998年1月17日から滞在することになりました。自主的な動機はなかった、といっていいでしょう。

コリーヌ・ブレに「(まだ被災者がいて復興できていない)神戸に行って何かをするといい」と強く推されて、行く決断をしたのでした。自分を褒めてくれたのがただ嬉しくて、彼女の言う通りにしたのです。

お金のことも、アーティスト活動としての見通しも、予定も、何もありませんでした。

ただ、ポンと見知らぬ場所に放り出されて、そこからサバイバルゲームを始めるような感じでした。

ではこの「しんげんち」とはどんな村だったのでしょう。

このテント村は長田町の被災者がメインのコミュニティでした。長田町とは靴工場などが密集してたところらしく、地震と火事で壊滅的な被害を受けた地域だったようです。

私はここら辺の地域の歴史にはほとんど無知だったのですが、どうも震災で最も被害がひどかった場所が、在日コリアンと被差別部落の人たちの暮らす地域で、その人たちがどういうわけかまるで支援の手が差し伸べられておらず、挙げ句、自主的に公園を占拠して助け合っている拠点が、この「しんげんち」だったのです。

復興の差異に差別が働いてたのかどうかは分かりませんが、見てはいけない日本の歴史の闇に、覆い被さった蓋のようなものがあるような感じもしました。

なんならその場所に暮らしながら、岡本太郎よろしく「芸術は爆発だ!」と陽気にアートの花を咲かせてやろうじゃないか! と意気込むしかありませんでした。自分なりの正義感もあったと思います。

「もし差別があったならばそんなもの吹き飛ばしてやる」と。「芸術で革命を起こすのさ!」と。なんのあてもないけどそう思ったのです。と言うか、そう思い込むしかありませんでした。

「走り出したら何か答えが出るだろうなんて俺もあてにはしてないさ 男だったら流れ弾のひとつやふたつ
胸にいつでもささってる」



そんな歌詞(SHOGUN「男達のメロディー」)を心の励みにして、神戸の滞在に挑みました。

足掛け3年にわたり、私は神戸で何かを形にしようと試行錯誤しました。

https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/2149504401761102



結果を先に言うと、私はこの神戸での体験で7〜8年にわたり、うつ状態に苦しむことになりました。自殺寸前まで追い込まれました。

要するにアーティストとして何も成すことなく、「芸術で爆発する」ことはおろか、何の意味も役にも立たず、最終的には追い出されて、身も心もボロボロになって、一文無しで上尾の団地に倒れるように帰ってきたのです。

2018年に福島市に設置された、現代アーティストのヤノベケンジさんの作品『サン・チャイルド』が地元の人たちの意見によって撤去されるニュースがありましたが、私から言わせたらそんなことは大成功の類いです。

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20180829-301929.php


毎朝、「無能な自分は死ぬべき人間だ」という文言で目覚め、ふと我に帰ると「死にたい」と思うのでした。毎日毎日、「自分は生きていても意味はない」「死んだほうがいい」「死ぬべきだ」「死にたい」という言葉が、私の意識を襲うのでした。

回復の兆しが見えたのは2009年でした。

ある朝、お腹のあたりが光るような奇妙な感触を覚えて、目覚めたのでした。そしてその日の朝は、「死んだほうがいい」という言葉が聴こえて来なかったのです。

このお腹に光を宿すような体験をした日をさかいに、徐々に「自分は死ぬべきだ」という言葉が発生しなくなって行ったのです。

ただ体調が最も悪くなるはそのあとの2011年で、とうとう怖くて電車にも乗れなくなってしまうのでした。それは夏至が過ぎた後に、最高気温が来るような感じでした。

そんな、人生どん底まで落ちるきっかけが、神戸での滞在制作だったことは事実でしょう。

そしてまた、この神戸での体験がきっかけとなって私は「ファンタジー」を描くことになるのです。絶望の淵から「ファンタジー」が芽生えてきたのはとても不思議でした。

私の自分自身が、自分の作品の主人公でした。ライブペインティングなどのパフォーマンスを多くやったのは、自分の身体も丸ごと作品の内側に入れるからでした。

「新宿西口地下道ダンボールハウス絵画」では、新宿の街が丸ごと絵画だったし、「東京大学駒場寮」では、駒場寮が丸ごと私の絵画だったのです。

なので実際に私が描いてる画面の絵は、作品のほんの一部でしかなかったのです。つまり、私の絵は不完全なカケラでしかなく、最初はそれがすごく面白かったのです。

ところが、神戸をきっかけにして、私は体験を作品内に封入して完結させて、自分から独立させたいと思うようになって行ったのでした。

体験を籠めるならエッセーのようなスナップのような写実ではなく、また批評でもなく、「ファンタジー」だ、と強く思うようになって行ったのです。

ファンタジーに行くきっかけになったのが、コンテナハウスに滞在している時に見た夢でした。

https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/2149567428421466



岡本太郎とゾンネンシュターンの絵が混ざったような世界に、私は立っていました。赤い有機的な曲線の巨大な何かが漂っています。

すると「縄文と現在を結ぶのはファンタジー」という意味合いのことが、言語ではなくて直接テレパシーを受けたように、何か啓示でも授かったような感じで響いてきたのです。

そして私はすごくそれを「理解した! 合点した!」と言う感触を味わったのでした。

そこで私は目覚めました。ナゾナゾを解いた時のような快感が、残り香のようにまだ胸に火照っていました。

「これってどう言う意味だろう?」
「ひょっとして神話をちゃんと読めってことかな?」

私はそう解釈したのでした。それから私は、日本神話に初めて興味を抱くことになるのでした。

私はコンテナハウスに暮し始める初日の1月17日、市役所前での被災者たちの抗議集会のイベントで、ライブペインティングをしました。自分にできることは内側から寄り添って描くことだけでした。

それから、集会所となっている「しんげんち」のコンテナハウスに数か月かけてペインティングし、パネルに絵を描き続けました。

そして6月に行われる「しんげんち祭り」のスタッフとして、祭りを盛り上げるためにあちこちに駆け回るのでした。

「しんげんち」ペインティング

https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/2149504425094433



しんげんち滞在中に描いた絵

https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/2149504415094434




『お月さまが落っこちてきた夜』

お月さまが落っこちてきた夜
お空はひっくり返り
地上にいたたくさんの魂はお空に昇ったよ

お月さまが落っこちてきた夜
夢の世界が現れて
この世が夢の中に消えていったよ

お月さまが落っこちてきた夜
仮面が剥がれ落ち
天使は悪魔に変身し
悪魔は天使に変わったよ

お月さまが落っこちてきた夜
あべこべの神さまが降りてきてこう言ったよ
「さあ、あべこべを始めよう」
(つづく)


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■LIFE is 日々一歩(82)[コラム]
「AD-LIVE 2018」を生で観劇してきました

森 和恵
https://bn.dgcr.com/archives/20180918110100.html

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こんにちは! 森和恵です。ようやく秋めいて来ましたね。
暑くないというだけで、体がホッと休まります。

●今年も登壇! Adobe MAX Japan 2018

さて。まずは、「Adobe MAX Japan」2018登壇のお知らせから。

https://maxjapan.adobe.com/


昨年につづいて、『Dreamweaverで学ぶBootstrap 4! 〜Adobe XDカンプからレスポンシブWebページを世界最速コーディング〜』というセッションを担当します。

今年バージョンアップしたBootstrap4の変更点と共に、PhotoshopからAdobe XDで作成したカンプからのコーディングをお話します。

また、デジクリでも連動企画を考えていますのでお楽しみに。詳細は、以下のツイートをご覧ください。



●イベントの応援動画を配信中!

続いて、10月6日にも↓のイベントに登壇します。『Bootstrapありきで考えるXDでのページレイアウト』というタイトルで、Bootstrapのコーディングに適したXDカンプの作り方や制作フローをお話します。

【Web Design Creative Plus ? 今とこれからのウェブデザイン - 】
https://wdcp.doorkeeper.jp/events/79575


このイベントのセッションの見所を“ちょっと学べる”YouTube動画を公開しています。

【SVGアニメーションの仕組み】



※ベクターグラフィックのSVGファイルをどうやって動かすか? について

【Webフォントサービスを比較してみた】



※デジクリメンバーの関口浩之さんのセッション紹介。

このあとも、わたしのYouTubeチャンネルで、応援動画を配信する予定です。お楽しみに。

●「AD-LIVE 2018」観劇レポート

さて本編。この三連休の初日に、「AD-LIVE」というお芝居を観にゆきました。

https://ad-live-project.com/


AD-LIVE(アドリブ)という名前の通り、脚本がないまま、二人の役者さんがアドリブで90分間演じるお芝居です。同じ役者さんで、一日に昼・夜の二回公演がおこなわれます。

座長が声優の鈴村健一さんということもあり、メインキャストの二人が声優さんになることが多く、人気声優さんが登場する回では、まずチケットが取れません。

わたしは今年で三回目の参戦でしたが、過去二回はチケットがかすりもしませんでした。昨年、ライブビューイング(映画館で観劇)したことをブログに綴っています。

https://r360studio.goat.me/68ZOy7OG


なのに、今年は夜の回のチケットが奇跡的に当たりました。それも舞台中央の前から五列目という、めちゃくちゃよい席です。当選メールを見たときは、心臓が止まるほどびっくりしました。その後、家中飛び回って喜びました。

http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis82-1

埼玉県三郷市文化会館が会場だったのですが、初めて行く土地ですし、超弩級の方向音痴の自覚があったので、旅行日程をしっかり組んで、当日に大阪から現地に向かいました。

http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis82-2

新幹線、山手線、つくばエキスプレス……と事前に調べておいた時刻表通りに、正確に乗り継ぐことができました。

JR秋葉原からの、つくばエキスプレスの乗り継ぎがむずかしいと聞いていたのですが、YouTubeで調べたら乗り継ぎルートを動画でアップしてくれている人がいて、助かりました(動画、五回は見たと思う)。

三郷駅に着いて、まずは「お迎えポスター」探しから始めました。公式Twitterで「2番線出入り口付近にあるよ」という情報をみていたからです。現物はこちら。

http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis82-3

AD-LIVE Project( https://twitter.com/AD_LIVE_Project
)さんは、ツイッ
ターを使った告知がすごくうまいと思います。

観劇に行くひとが当日知りたい情報(物販とか開演時間とか)を、タイムリーにつぶやく、イベントが終わったら役者さんの集合写真をアップする……など、至れり尽くせりです。

よく考えたら宣伝なんでしょうけれど、ツイートからあふれてくる「なんか、楽しそう!」に、ついつい私たちお客さん側は乗っかっちゃうのです。よい気分で、お金を使えます(笑)。

ちなみに、今回買ったグッズは「パンフレット・リボンバンド・ピンバッチ・アドリブバック」です。パンフレットとリボンバンドは、毎回買ってる記念品みたいなものですね。

http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis82-4

三郷駅からMOVIX三郷に移動し、昼の回をライブビューイングで観劇しました。私と同じように、夜の回に参加する人たちが、昼の回を映画館で見るために集まっていました。やはり、みんな考えることは同じですね。

http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis82-5

これまで映画館でみたAD-LIVEと違って、画面を見ているだけなのに拍手があったり、声をかけたりと熱気がすごかったです。

また、本会場から移動に間に合うぐらいの近さで、映画館をおさえてライブビューイングしてくれることに感謝しました。

一緒にみていたみんなが、ライブビューイングを見終わった後に、一斉に会場まで移動します。ざっと100人ぐらいの人たちが、同じように動いたのではないでしょうか。移動するバスも大行列で、通りすがりの人は何事なんだろう? と首をかしげていました。

現地についたら、座席が決まっているので、並ぶこともなくすっと入場できました。入り口には、AD-LIVE2018の記念撮影用の立て看板や、演者に送られた花が飾られていました。

http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis82-6
http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis82-7

これまでライブビューイング組だった私が、当日Twitterで「現地に行くとこんなかんじなのかー」と、うらやましく見ていたものを目の当たりにして、わくわくしました。

テンションMAXで座席に着くと、ちょっと恥ずかしくなるほど前の席でした。「あ、これ、お顔がバッチリ見える距離だわ……」と動揺しすぎて、心臓バク
バクでした。

そうやって待っていた時間もあっという間にすぎ、客席が暗くなり、舞台がスタートしました。

舞台はもちろん、めちゃめちゃ楽しかった! です。表情までしっかりと拝見できました。見えすぎて、こっちが照れちゃって目線外したりしたけど、客席が暗いので、向こうからこっちは見えてないんですよね。我ながら、純情だわ
(苦笑)。

http://r360studio.com/dgcr/dgcr-lifeis82-8

最後に、舞台の感想を少しだけ。昼夜見ましたが、お芝居として好きだったのは、ライブビューイングで見た昼の回のほうでした。

『ジャンケンしたら、舞台終了』

全編アドリブなのですが、実は終わりのシーンだけが事前に決まっています。

昼の回は、演者の中村悠一さんが決めたエンディングでした。相方はラストを知らないで舞台に立つので、中村さんのほうが、90分の終わりがじゃんけんになるように進めていく……。

たったこれだけの設定で? エンディングに持って行けるの? と最後の種明かしで驚き、同時に中村さんはメンタルが強いなと思いました。私だったら、いろんな設定を脚本にいれちゃうと思います。保険として。

でも、シンプルな設定だからこそ、自由度も増えるし、アドリブで話を広げやすくなる。そういうことだったんだなと感じました。

エンディングに向かって手探りをしながらストーリーが進み、脇役の方々も徐々に絡んできて、一気に話が展開し、最後の「じゃんけんぽん!」からの怒濤の暗転。

……思い返すと、なんてことないストーリーなんですが、最後まで面白かった。アドリブで進むというのが、醍醐味に感じました。

三年つづけて、中村さんが出演するのを拝見しましたが、毎年勉強になります。

目標を立て、等身大でのびのび無理せず、他のことはあまり気にせず、突き進める。そういう人に、私もなりたいなと思います。

三年連続してやりきっただろうなという雰囲気を感じたので、次は中村さんがでないかもしれない……今年、生で見に行けたことは本当にうれしかったです。

さて。AD-LIVEは、この後も続きます。時間が取れれば、大阪のライブビュorアトリブで、櫻井さんと津田さんの回を観にいきたいな。

……ということで、今回はここまで。最近の声優さんブームのことを、ちょっと垣間見ていただけたら何よりです。

ではまた、次回お目にかかりましょう! (^^)

【 森和恵 r360studio ウェブ系インストラクター 】
mail:r360studio@gmail.com
サイト:http://r360studio.com/



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編集後記(09/18)

●久しぶりにスピルバーグ+トム・クルーズの「宇宙戦争」を見た。もはや13年も前の映画だった。内容はおおまかに覚えていたが、やはりニュージャージー州ベイヨンからボストンまでの逃避行を描いているだけだった。どうしてタイトルがこんなに大きいのか。まあ、原作があるのだから仕方がないか。

主役のレイは腕のいい港湾労働者だが、アメリカ映画のお約束通り家族崩壊で、妻は子連れで金持ちと再婚している。元妻は夫婦でボストンの実家に行くからと、息子と娘をレイに預けていく。しかも彼女は妊娠中である。悪意ある設定だ。二人の子は父親を露骨にバカにしている。彼らはハグも握手もしない。

ギャーギャー叫ぶ10歳娘が鬱陶しい。息子の態度も冷たい。レイのマヌケな対応もいやだいやだ。こんな三人が一緒に車で逃げる。トライポッドと呼ばれる、長い足のマシンが立てるボーッという不吉な音が怖い。宇宙船からの閃光で、血も流さずあっけなく灰燼と化す人間たち。一方的な大殺戮シーンが怖い。

数秒しか映らないものの、超絶ショックなのが、大量の死体が川を流れていき、全体が火だるまの列車が走っていくシーンだ。「大阪じゃ何体か倒したそうだ。日本人ができたんだぜ」という誰かのセリフもあった。この段階ではアメリカ人は何もできない。ただただ集団で逃げるだけだ。息子は軍隊に志願すると言って別れる。まともな男の子。レイと娘は、安全そうな友人宅で一夜を過ごす。

ところが友人が恐怖のあまり、次第に狂って喚き立てる。宇宙人に存在を知られたら、三人は殺されるだろう。そこでレイは、友人を永久に黙らせるという異常な手段をとるんだから、そんなのありかと思う。何考えてんだ、スピルバーグとトム・クルーズ。これは劣悪すぎる設定だ。マシンの不気味な触手が家の中に入り込んでくる。必死にやり過ごす父子。じつにスリリングである。

お約束通り、子供の世話も満足にできず、妻子に逃げられた超絶ダメおやじが、宇宙人の攻撃を逃れ、娘とともに囚われてもなんとか反撃して脱出し、ボストンにいる元妻とその両親に娘を届けた。そこには息子もいた。このへんは宇宙人の攻撃がなかったようで、みなさん動揺のようすはない。ご都合のよいこと。

逃避行の過程で、娘と息子に父親として認められたように見える。ぐうたら親父が変身し、映画のヒーローのような活躍をみせる。というほどでもないが、とにかくプラスの方向に転じることができた。しかし、子供らには母の再婚相手と裕福な暮らしがある。レイには感謝の言葉「しか」返ってこないのだ。

この父親の超絶報われのなさといったら。気の毒と言うより、ショックであった。家族愛を描いた秀作とかいう評価があるが、違うだろう。これから後の彼の人生に家族愛などない。それにしても、遙か大昔から地中にマシンを埋め込んで、征服の時期を待っていた超先進科学のエイリアンが、地球上の微生物であっけなく滅びるなんて、ちゃんと調査分析してしなかったんだね。(柴田)

「宇宙戦争」2005 アメリカ
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000FBHTO4/dgcrcom-22/



●神戸でそんなにまで……。/Adobe MAX登壇おめでとうございます!

/超ニッチ情報。iOS 12(iOS12)にアップデートし、4Gにならず1xになる、iPhone 5s au版、UQ mobileのnano SIM利用の方へ。プロファイルをiPhone 6以上のものにして、端末の再起動をかけたら4G接続できるかも。こちらは今のところ繋がってます。

/先週、iPhone XSを予約した。買い替える理由が見つからなくて、5sを約5年使い続けている。バッテリーは自分で2回変えたよ。でもそろそろスピードが限界のようで、たまにフリーズしているみたいになる。

欲しくて買うというよりは、必須家電を買い替えるような半ば諦めの境地。普段使う機能としては5sで事足りていて、気になるのはスピードだけだったから。OSの切り捨てがあったら検討するけれど、iOS 12までは入れられるとのことで、まだ使おうかなぁなんて迷ってしまう。

auからUQに変えて2年で、その差額分がXS・256Gの税込価格ぐらいにはなる。新製品に買い替えるための調べ物や準備って結構しんどいので、長く使えたらなぁ。そのため最新のXSにしたのだ。劇的な機能追加はもう今後なさそうだし。有機ELの焼き付きには注意しなきゃなぁとは思っている。

と書いているが、XSが届いたらワクワクしていたりして。新しいものに触れるのは、いつも楽しい。届く日は急ぎ仕事が入る予定で、何もできなさそうなのがネック。/ただし二年後ぐらいに5Gが来るという話なので、買い替える必要はあるかもしれない。/iOS 12にアップデートしたら、使える程度には速くなった。あれ? (hammer.mule)

iOS製品の設定方法。プロファイルのインストール
https://www.uqwimax.jp/support/mobile/guide/apn/ios2.html


iPhoneX 画面の焼きつきに注意!
http://shield-okazaki.com/iphone-info/iphonex-gamenyakituki/