もじもじトーク[93]グッドデザイン賞を受賞しました
── 関口浩之 ──

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。

昨日の夜は、自宅にあるiPhone3台から一斉に緊急地震速報の大きな音が鳴り響き、びっくりしました。心臓に悪いですね。僕も、しばらく、心臓がばくばくしてしまいました。

最近、スマホを購入した年配の一人暮らしで、あの音が何を意味するか知らなかったとしたら、かなり、心臓に悪いのではないかと思いました。





「大きな地震が来るかもしれません」を事前に知らせてくれる機能ですが、音でビックリしてしまうので、慌てずに身の安全を確保することが大事です。

うちのかみさんは、大きな音に驚いて「えっ、どうすれば、いいの?」って顔をして、挙動不審になってました。

こんな時しか、気象庁のホームページを見ることはないと思うので、しっかりと確認してみました。

気象庁 - 緊急地震速報を見聞きしたときは
https://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nc/koudou/koudou.html


「緊急地震速報を見聞きしたときの行動は、まわりの人に声をかけながら『周囲の状況に応じて、あわてずに、まず身の安全を確保する』ことが基本です。」と書いてありました。

なるほど……。

「周囲の状況に応じて」は、たしかにそうですが、具体的にはどういうことでしょうか。

自宅にいる場合、電車の中、車を運転している最中、エレベータに乗っていた場合、などなど、状況と対応はまちまちになりますよね。

過去の教訓話です。電車やエレベータに乗る可能性があるときは、外出前に必ずトイレに行きましょう。

通勤で電車に乗る時は、わりと時間に追われていることが多いですよね。

トイレは必ず行っておきましょう。というか、トイレに行きたい状況だけど、数駅だから、今来た電車に乗っちゃおうという考えは避けたほうがいいですよ。

ある程度の規模の地震が発生した際は緊急停止することはありますが、停電や車両故障などでも、長時間、電車やエレベータが止まる可能性はあります。

かなり前のことです。トイレを我慢して状態だったのですが、自宅の最寄駅まで三駅だし、ちょうど着た電車に飛び乗りました。

そこそこ混雑している電車で、しばらく走ると、線路上で電車が緊急停止しました。結局、20分ぐらい、電車が立ち往生したんです。

違う意味で、大災害になりそうでした。冷や汗が出てきた時に、ちょうど運転再開になり、どうにか助かりましたが……(笑)

みなさんも、そんな災害にあうかもしれませんので、くれぐれも、気をつけてください。

さて、今日のテーマは「グッドデザイン賞を受賞しました」です。

●グッドデザイン賞を受賞しました

僕が勤務している会社のプレスリリースの記事を紹介させてください。

https://www.softbanktech.co.jp/corp/news/press/2018/038/


総務省やW3C/慶應と一緒に推進してきた『次世代Webブラウザのテキストレイアウトに関する検討会』(通称、縦書きWeb普及委員会)の活動が、グッドデザイン賞を受賞しました。

その委員会で立ち上げたサイトが、こちらです。

縦書きレイアウトをWeb標準へ
https://tategaki.github.io/


三年前に、縦書きWeb普及委員会に参加する機会をいただいことに感謝です。

受賞メンバーのみなさま、おめでとうございます。受賞祝賀会で、みんなで喜びを分かち合いましょう。

2015年から縦書きWeb普及委員会に参加しているのですが、Webフォントの提供や、縦書きウェブ普及のためのエバンジェリング活動などを継続的に実施しました。

当たり前のように日々使っている日本語の「縦書きと横書き」ですが、縦と横の書字方向の選択肢があるという文化は、世界的にみてもとても珍しいことなんです。

さらには、漢字・ひらがな・カタカナ・欧文などを同時に駆使して文章を書いています。日本人って凄いですよね。

そんな日本語の組版文化や知見を、今後ますます大事に継承していきたいと感じた一日でした。

2018年度グッドデザイン賞審査委員会からの、評価コメントが素敵だったので、以下に引用します。

「Webデザインに縦書きがあったら、新たな表現文化が生まれるのではないか。そんな可能性を感じるプロジェクトである。この取り組みの素晴らしい所は、こうした縦書きを場当たり的な対応方法として普及させるのではなく、国際標準化を後押しするというアプローチを取っている点である。今後、縦書きが可能になることで、新たなユーザビリティの課題なども予見される。しかも横書きと縦書きを自由に選択できることは、これからのWebデザインに多様で自由な表現をもたらすきっかけとなるはずだ。」

ブラウザ上で、紙のデザインの世界とまったく同じように日本語組版できるかと言えば、まだまだ課題はたくさんあると思います。

五年前なら、実現することが難しかった文字詰め対応や縦書き対応などは、いまでは、簡単に実装できるようになりました。

これは、大きな第一歩、いやっ、大きな10歩だと思ってます。また、Webフォントを活用すれば、さまざまな書体をブラウザ上に表示させることができます。

ちなみに、このサイトで使われているWebフォントは、筑紫B丸ゴシックです。
https://tategaki.github.io/


筑紫B丸ゴシック、筑紫A丸ゴシックは、最近、よく目にするようになりました。macOSに標準搭載されるようになりましたし、日本人は丸ゴシックが好きなのです。

丸ゴシックを使用することで、優しさを表現することができますし、多くの日本人は嫌われたくないという気質を持っていると思うので、丸ゴシックのバリエーションが増えて欲しいというニーズはあるのだと思います。

ちなみに、筑紫A丸ゴシックと筑紫B丸ゴシックの違いは、カタカナとひらがなのテイスト(味わい、雰囲気)が異なっているところです。AよりBのほうが、独特の雰囲気がある仮名書体に仕上がっています。

では、Webフォントで、筑紫A丸ゴシックと筑紫B丸ゴシックとスーラ(一般的な丸ゴシック)を見比べてみましょう。

http://bit.ly/2RkF1Ih


ねっ、丸ゴシックにも、いろんなバリエーションがあるでしょ!

私、フォントおじさんは、組版やタイポグラフィに関してまだまだ修行中ですが、今後も、みなさんと一緒に楽しく文字やフォントを学ぶ活動を続けていきますので、よろしくお願いします。

では、二週間後に、またお会いしましょう。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com

フォントおじさん
https://event.fontplus.jp/about/hiroyuki_sekiguchi.html


1960年生まれ。群馬県桐生市出身。1980年代に日本語DTPシステムやプリンタの製品企画に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現 ソフトバンク・テクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANの立ち上げなど、この20年間、数々の新規事業プロジェクトに従事。

現在、フォントメーカー13社と業務提携したWebフォントサービス「FONTPLUS」のエバンジェリストとして日本全国を飛び回っている。

日刊デジタルクリエイターズ、マイナビ IT Search+、オトナンサー等のWebメディアにて、文字に関する記事を連載中。CSS Niteベスト・セッション2017にて「ベスト10セッション」「ベスト・キャラ」を受賞。フォントとデザインをテーマとした「FONTPLUS DAYセミナー」を主宰。

フォントおじさんが誕生するまで
https://html5experts.jp/shumpei-shiraishi/24207/