3Dプリンター奮闘記[111]勉強会っていいな
── 織田隆治 ──

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台風も去ったと思ったら、急に暑い! なんでしょうね…この天気は…。皆様、体調を崩さないようにしましょうね。

先日、ある勉強会に参加してきました。3Dプリンターについての勉強会でしたが、光造形、熱融解式プリンターについて、初歩的な事からコアでマニアックな部分までを、制作例を交えながらの勉強会でした。

僕が学校や企業等で講習をする際にも、似たような内容で行っているのですが、他の方々はどういった内容で講習を行っているのかが、とても興味津々でした。

同じ機種をお使いの方でしたので、他の人がどういった設定で、どういう工程でやっているのかを知るのは、本当に勉強になりました。





「おお!これは僕の講義でも使える!!」とか、「こんな設定の仕方があるのか!」他にも、「あの設定はこんな感じに使うと、こんな効果があるのか!」等々、始めから終わりまでノートに鉛筆を走らせまくりの勉強会でした。

こんなにノートにメモしたのって、何年ぶりだろう……。というか、こんなにメモ取ったこと、なかったんじゃないかなぁ(笑)

という感じで、目からウロコの連続でした。やっぱり年取っても、こういった勉強会に出て、新しい事、今まで気がつかなかった事を知るのは、本当に刺激になるなぁ。

自分の方法とは違うやり方って、慣れた自分の方法以外を受入れないと損しますね。仕事にも繋がる事でもあるんですが、3Dプリンターの奥深さを改めて認識しました。

詳細は、書いて行くとコアすぎるし、またそういう講義をする際にでもネタと
して取っておこっと(笑)

さて、前回でも書きましたが、

大丸心斎橋デジタルアートギャラリー「3Dプリンターアート」
https://www.daimaru.co.jp/shinsaibashi/dgcatalog/3d_art/html5m.html


さすがに平日は来られる人数が少ないだろうし、土日で沢山の方に見てもらえるな〜と思っていましたが、なんと最終日の日曜に、あいにく台風の影響で大丸さんがお休みとなり、当然、この展示会も土曜で最後となってしまいました。

それでも、予想を上回る来場数となりました! 1220名くらいの来場者数となったようです。

これ、多いと見るか少ないと見るか、意見が別れるかとは思いますが、代理店、大丸さんの感想では、かなり多いという事でした。とても好評で、実は他の百貨店さんからも、「うちでやってほしい」というオファーを頂いたようです。

今回の展示には、僕自身の作品は準備出来なかったんですが、次回開催されるようなら、僕の作品も出してみたいなぁ〜。まあ、間に合えばですが(笑)

今回のこの企画に携わってみて、やっぱり自分の作品を作る、という事の大事さを認識しましたね。手作りの造形品なら色々あるんですが、3Dプリンターを使った造形ってのは、ほぼ仕事でしかやってなかったんですよね。

ワンダーフェスティバルというガレージキットの祭典にも、何故かすべて「手作り」を貫いてきた僕ですが、これからは少しずつそういった「デジタル造形」も取り入れていかんとなぁ……と思います。

以前、うちの事務所にテレビの取材が来た時も、ほとんどが企業さんからの依頼品であったため、作品を見せる事がほとんどできなかったという事例もありました……。

よし、これからはちゃんと自分で発表できる「デジタル造形」も、少しずつ作って行こう……。出来ると思う……。出来たら良いな(笑)

さて仕事では、最近あるロボットの大きめのモックアップの制作をしているのですが、大型の3Dプリントの扱いで注意している事について、ちょっと書いてみます。

大きい3Dプリンターで、どっ! と出力すればいいんじゃね? と思うかもしれませんが、実はここに落とし穴があります。3Dプリンターも万能ではないので、たま〜に失敗します。

3〜4年前と比べると、今ではかなり3Dプリンターの性能、機能が上がっていて、そのリスクはかなり少なくなってきているのですが、まだまだ油断禁物なんですよ。

そこで、僕の場合は、オブジェクトをモデリングの段階で、3Dプリントに適した形状に分割し、20〜30cmクラスの3Dプリンターを複数稼働させて造形しています。これは、以下のような狙いがあります。

1)サポートを出来るだけ減らす

3Dプリンターの性質上、逆バンクのところには、必ずサポート材という支える部分が必要になってきます。このサポート部も本体と同時に、3Dプリンターで出力して行きます。

当然、サポートにも材料が必要ですし、サポート部を出力する時間も必要になってきます。また、サポートが接触している部分は、そうでない部分と比べると、表面が必ず荒れてしまいます。後での研磨仕上げ行程にも時間がかかる訳ですね。

という事で、サポートを出来るだけ減らす事で、コスト、時間、手間をカットできる訳です。

2)プリントミスによる被害を出来るだけ小さくする

次に、プリントミスによる被害を出来るだけ小さくするという事ですが、大きいプリンターで一気に出力する場合、部品を接着しなくていい、という利点も当然あるのですが、その分リスクが生じます。

これは、先ほど書いた通り、3Dプリンターも万全ではありません。出力ミスにより、造形に失敗する事もあります。大きいパーツが途中でNGになった場合、すべてをやり直す必要が出て来るんですね。素材、時間が膨大に消費されてしまいます。

出力に長時間がかかる場合、事務所を出る際にプリントをしかけて、次の朝出て来るまで放置プレイになる訳です。かつて3DCGのレンダリングの際も、こんな感じでした。朝来て、失敗していた時の絶望感と言ったら…もう…orz

そういう事で、パーツをある程度分割し、複数の3Dプリンターで出力すれば、万が一どこかでエラーが出た場合、その失敗した分割した部分だけをやり直せば良い訳ですね。分割したパーツは、後で接着するという手間は増えますが、リスクを分散できるという事で、僕はずっとこんな使い方をしています。

でも、最近かなり大きい制作も増えてきて、もうちょっと大きい3Dプリンターも欲しいなぁ…。40cm級のが一つ…。頑張って稼いで導入したいなぁ。

当たり前ですが、大きい出力品の場合、使用する素材の量もかなり増えてきます。今まで、750g、1Kg、巻き、といった素材を使っていましたが、さすがにしょっちゅう入れ替えしないといけないので、今回3Kg巻きの素材を使ってみる事にしました。

熱融解式のプリンターの場合、ほとんどがフィラメントと呼ばれる1.75mmΦの線材を巻いたリールでの購入となります。

それくらいの重さなら、適当に棒にリールを指しておけば、材料が引っ張られて回転するんですが、さすがに3Kgとなると、材料の重さで棒に突っ込んでおくだけでは自重で回転しにくくなります。

リールをうまく回転させる台があるんですが、純正は高いんですよね…。そこで、余った部品なんかを入れてる箱をゴソゴソすると、以前予備で買っていたベアリングが7〜8個出て来ました。

後は、軸になるアルミパイプもこれまた在庫があったので、アクリルをレーザー加工でカットし、簡易のリール置きを作りました。

無事完成! ベアリングが入っているので、クルクル気持ち良く回っております! こういった部品の制作も、自分で出来てしまうのは本当に良いな〜って思います。「DIYバンザイ!」ですね〜。

そして……。そしてですね……。前回も書いたんですが、応募〆切が近いという事もあり、「てめ〜しつこいんだよ!」と言う逆境にもめげず、最後に書かせてください……。すみません……。

「シゴトバLAB 3Dプリントコンテスト03」いよいよ来週月曜の10月15日がエントリー〆切となります。15日中に、データが到着すればOKです!
https://shigotoba-base.com/event/1027/


最新の3dプリンターFLASHFORGE ADVENTURER3(アドベンチャー3)
ZBrushCoreライセンス2名
fusion360関連本、データからシルバー、真鍮鋳造などなど、賞品盛り沢山!
お急ぎください! 全身3Dスキャナーの体験会なんかもやりますよ〜

「そんなん言うても、3Dなんか出来るかい!」
「3DCGなんて、やっとらんわ!」

という方も、レーザー彫刻機部門では、イラストレーターのデータで参加できますよ〜。前回は、レーザー彫刻機部門に応募された学生の方が最優秀賞に輝き、3Dプリンターをゲットされています!

月並みですが、「詳しくはwebで!」
https://shigotoba-base.com/event/1027/



【織田隆治】

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