もじもじトーク[94]海津ヨシノリさんのセミナーに参加して
── 関口浩之 ──

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。

この一週間、自分が主催するイベントを水木金と三日連続で開催し、土曜は大阪のグラフィックデザインのイベントに参加しました。

皆さんから「毎週のようにフォントに関するイベントを開催したり、出演したりするのって、大変じゃない?」と、よく言われます。

たしかに、体力的には大変です。しかも、おっさんですし……。

仕事として活動ですが、「文字やフォントって日本の大切な文化であり、それをみんなで一緒に楽しく、そして正しく学びたい」という想いで飛び回っています。

また、おこがましいですが、それら歴史や先人の知恵を伝承したいと思ったからなんです。役職がエバンジェリストなので伝道師ということで……。

理由は何であれ、その分野の専門家や書体デザイナーから直接お話を聞くことで、新しい発見が生まれ、仕事に役立つヒントをたくさん学ぶことができますよね!

もうひとつの原動力は、イベントを開催したり、出演することで、なかなか会えない皆さんに定期的に再会できること、また、たくさんの新しい方々との出会いがあるからです。

イベントの準備をするのは、仕事が一段落した深夜にやることがほとんどなので、正直な話、大変です。だけど、イベントを通じて、日頃のストレスを発散することもできます。それが一番の理由かもしれません。

この記事を会社の人が読んでいないことを祈ってます……(笑)

さて、今日のもじもじトークのテーマは「海津ヨシノリさんのセミナーに参加して」です。





●大阪DTPの勉強部屋とは?

先週土曜に参加した「大阪DTPの勉強部屋」のセミナーは、今回で30回目を迎えました。おめでとうございます。2009年3月から定期開催しているので、もうすぐ10年ですね。何事も10年継続するって、すごいことだと思います。

このコミュニティではDTPに関連する「隔週金曜勉強会」が開催され、それとは別に100名規模のセミナー形式の勉強会が年数回あります。

・大阪DTPの勉強部屋
http://www.osakadtp.com/


大阪DTPの勉強部屋は、宮地知さん(えむさん)が中心となって活動しているコミュニティです。宮地さんの10年前の取材記事を見つけたのでご紹介します。

勉強会&セミナー会場を提供している「メビック扇町」のウェブサイトの記事です。

・DTPオペレーターの地位を確立したい(公開日: 2008年8月26日)
https://www.mebic.com/creators-file/833.html


この記事が公開された翌年3月に、大阪DTPの勉強部屋/第1回が開催されたようです。

主催の宮地知さんをはじめ、大石十三夫さん、藤林朋実さん、林直樹さんほか、みなさんには、ずいぶん前からお世話になっています。

筑紫書体の藤田さんのセミナー開催では、いままでに三回ほど企画をご一緒してますし、Webフォントの認知度が低かった五年ぐらい前頃からWebフォントを紹介する機会を何度もいただいています。感謝いたします。

そして、このコミュニティ、とてもアットホームなので、肩の力を抜いてたくさん学んで、心地よく楽しめる場所なんです。

●海津ヨシノリさんってデジクリの?

今回のセミナーは、グラフィックデザイナーとして広く知られている海津ヨシノリさんの「画像処理テクニック講座」でした。

先月発売された「グラフィックデザイナーのためのコンテンツ作成術」の出版記念セミナーも兼ねてました。

海津ヨシノリさんは以前から存じあげてましたが、お会いするのは今回初めてだったんです。お会いできて、うれしかったです!

あれっ、もしかして、海津さんってデジクリの海津さんのような気がする……。

気になって、デジクリの筆者一覧をみてみました。やはり、そうでした! しかも1999年からメルマガ書かれていますね。

筆者一覧を久しぶりに眺めてみたら15人がお友達でした。世間って狭いですね。

●海津ヨシノリさんのセミナー

海津ヨシノリさんの『画像処理テクニック講座〜コンテンツ作成術祭〜』は大盛況でした。ツイッターまとめを読むと、楽しさとトークの奥深さが伝わってくるので、ぜひ、ご覧ください。

・ツイッターまとめ
https://togetter.com/li/1276498


海津さんのセミナーは、ツールの裏技を紹介するのではなくと、ツールとの付き合い方、コンテンツ制作におけるクライアントとの折り合いのつけ方、仕事の発想転換などが中心でした。

海津さんは「僕のセッションの半分は脱線話や裏話ですよ」って言ってましたが、本当にその通りでした(笑)

でも、それが実に楽しい。タメなった!

だって、ツールの習得やTipsとかは、本人がその気があれば、インターネットからいくらでも情報入手できます。だけど、その人の情熱や生きる姿勢とかは、リアルな会場でなければ感じることができません。

また、脱線話、裏話、失敗談、ばかばかしいお話とかは、直接、本人からでないと伝わってきませんよね。そういう言葉の中から、物事の本質が見えてくることが多いと僕は思ってます。

●メモをとるのは忘れるためにとっている?

セッションの中で、印象に残ったことのひとつを紹介します。

日頃、大事なことはメモを取りますよね。

「メモをとる目的は、脳に記憶させるためでなく忘れるため」だそうです。

えっ、そんなんだー。

メモをとることは、脳に記憶させるために書いているものだと思ってました。

一言一句間違いなくきれいに書いても、数日経つと書いたことを忘れること、ありませんか。きれいにメモを残せばいいということではないんです。

備忘録なのです。メモをみると、その時に聞いたことを思い出すことができますよね。つまり、人間の脳は、忘れるようにできているんです。

「ブログ書くのは自分の備忘録として書いてる」という海津さんのお話、同感です。

僕は参加したセミナーの登壇者の写真掲載したり(もちろん、許可もらいます)、気になったフレーズをブログやFacebookで書き残すようにしています。そして、懇親会の写真をFacebookに毎回アップしてます。

なぜなら、ホテルに帰ると、その日に聞いたセミナーの内容、結構、忘れちゃったりします。そして、その日にはじめて逢った人の顔と名前をほとんど忘れています。

でも、写真やコメントを見返すと、どんなセミナーだったか、誰とどんな話をしたかを思い出す可能性が格段に高まります。

備忘録として活用してるのです。それでも同じ人と三回ぐらい名刺交換しちゃうことあります(笑)

●秋のフォント祭り3DAYSセミナー

秋は学園祭シーズンということもあり、100人規模のセミナーを三日連続で開催しました。三つのセミナーの様子は、もじもじトークで、後日、とりあげる予定です。

・FONTPLUS DAYセミナー [秋のフォント祭り 3DAYS]
https://webfont.fontplus.jp/info/4399


最終日の「フォントかるた学園祭」フォントかるた大会の一コマを動画でご紹介させてください。じゃーん!

http://fontplus.sakura.ne.jp/20181018/fontkaruta.m4v


すごいでしょ。楽しいでしょ。変態でしょ(笑)

では、二週間後に、またお会いしましょう。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com

フォントおじさん
https://event.fontplus.jp/about/hiroyuki_sekiguchi.html


1960年生まれ。群馬県桐生市出身。1980年代に日本語DTPシステムやプリンタの製品企画に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現 ソフトバンク・テクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANの立ち上げなど、この20年間、数々の新規事業プロジェクトに従事。

現在、フォントメーカー13社と業務提携したWebフォントサービス「FONTPLUS」のエバンジェリストとして日本全国を飛び回っている。

日刊デジタルクリエイターズ、マイナビ IT Search+、オトナンサー等のWebメディアにて、文字に関する記事を連載中。CSS Niteベスト・セッション2017にて「ベスト10セッション」「ベスト・キャラ」を受賞。フォントとデザインをテーマとした「FONTPLUS DAYセミナー」を主宰。

フォントおじさんが誕生するまで
https://html5experts.jp/shumpei-shiraishi/24207/