[4674] 『2001年宇宙の旅』IMAXリバイバル上映◇クラフトワークと楽しき農夫

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《iPhoneのSiriに「HAL9000についてどう思う?」と聞いてみた》

■ユーレカの日々[69]
 AE35ユニットが故障です
 まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[586]
 「クラフトワークと楽しき農夫」他、小ネタ集
 吉井 宏



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■ユーレカの日々[69]
AE35ユニットが故障です

まつむらまきお
https://bn.dgcr.com/archives/20181107110200.html

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<著者のご意向により削除いたしました>


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■グラフィック薄氷大魔王[586]
「クラフトワークと楽しき農夫」他、小ネタ集

吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20181107110100.html

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●Astropadで1600x1200

Astropadをフルスクリーンで使用すると、24インチディスプレイの1920x1200ではiPad Proの上下に黒フチが出て狭くなる。
http://www.yoshii.com/dgcr/astropad_IMG_0051

しかし、「1600x1200に設定すると全面使える!」に、ようやく気づいた。こりゃ快適〜。

フルスクリーンで全面使えるということは、メインディスプレイを見なくてもいいので、机の端や離れた場所でも作業できるのだ。もちろん、ショートカット用のキーボードも別に用意すればベスト。

シネマディスプレイなどで4:3(左右黒フチあり)の解像度が設定できないものが多かったため、EIZO24インチで試したことなかった。

快適だけど、iPad用Photoshopが出るまでの繋ぎかな。先日のAppleイベントで、iPad Pro上のPhotoshopが、12000x12000pixelの画像にレイヤー100枚載せて平気で動いてたらしい。早く使いたい!
https://www.gizmodo.jp/2018/10/ipadpro2018_photoshop_layer.html


●Photoshop2019の不満な点

・ホーム画面がジャマ

もちろん、環境設定で「ホーム画面を無効にする」にしているのだが、それでも全書類を閉じるとホーム画面が現れる。アプリケーションフレームを使ってない場合、「書類を閉じる=Finder上のファイルを見る」なのに、ファイルがホーム画面で隠されてしまい、イラッとくる。早く直ってほしい!

・変形のShiftキー

変形の際のShiftキーの効き方の変更(従来と逆で、押してないとき比率を保つ)が徹底されてない。回転やスマートオブジェクトでは、従来の効き方だったりして混乱する!

・「ゆがみフィルタ」でノイズ

Photoshop 2018と2019で、「ゆがみフィルタ」を使うと、大きなノイズが出るようになった。
http://www.yoshii.com/dgcr/yugami_noise

環境設定のパフォーマンスで「グラフィックプロセッサーを使用」をオフにすると出なくなる。GPU非搭載のMacBook Pro 13では出ない。MojaveとGPUドライバの相性か何かか? 「ゆがみフィルタ」は多用するのでこれはちょっと困る。

と思ったら、既知の問題だった。確かにoptionキーを押しながら「ゆがみ」を起動するとグラフィックプロセッサを無効にできる。
https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/kb/photoshop-and-macosmojave.html


・連続UNDO

command+Zで連続取り消しには一応慣れた。でも、今までUNDOを単に取り消しに使ってただけじゃないことがあらためてわかった。「一段階だけ戻してみて違いを確認する」ことが多かったのだ。

連続UNDOだと戻すのに別のショートカットを押さなきゃいけないのがちょっと面倒。こちらは従来のショートカットに戻せる。

●クラフトワークと楽しき農夫

すでに掲載は終わってるけど、Arturiaの特集ページのシンセ演奏サンプルにクラフトワーク「アウトバーン」のベースラインがあった。「シンプルなシンセ音とディレイの重なり」だけでこんなに美しい! とかあらためて感動。クラフトワークを聴き直したりしてた。


シンプルなシンセ音とディレイだけで聴かせる曲といえば、「ヨーロッパ特急」の最後に入ってる「フランツ・シューベルト〜Endless Endless」。繰り返し聴いてるうちに、これがクラフトワークのベスト曲なんじゃないかという気がしてきた。頭の中でずっと鳴ってるわw


ところで、それとは関係なくApple Musicを物色してたら「特選! ピアノ名曲150-2 美しく青きドナウ/エンタテイナー」という脱力タイトルのピアノ曲集を発見。まあ、こういう有名曲の曲名とメロディを結びつける学習もいいかな。
https://apple.co/2CTI3OU


と思って聞き始めた、一曲目の「楽しき農夫(シューマン)」。もちろん知ってるこの曲。あれ? ピアノの音の延びの感じがクラフトワークっぽい? と思った次の瞬間、サビのメロディにびっくり! 「放射能 - Radio-Activity」の「エアウェーヴス - Airwaves」にそのまま引用されてたんだ!

楽しき農夫

Airwaves


クラフトワークって、なんかドイツ古典音楽や民族的な何かを踏まえた雰囲気あったけど、そういう小技をきっとあちこちに使ってるのね!

そういえば、「Europe Endless」がワーグナー「ラインの黄金」のイントロを下敷きにしたものだってのは昔から思ってた。

Europe Endless

ラインの黄金、冒頭



【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com

http://yoshii-blog.blogspot.com/


モノを減らそうとずいぶんがんばってるのに、どういうわけか増えていく。「コレを買えば、アレとアレを処分できるぞ!」ってつもりで新しく入れたモノの性能が期待ほどなかったりして、機能が被るものが何台も並ぶことに。一台で済ませたい〜。

・スワロフスキー「HOOT HAPPY HOLIDAYS 2018年度限定生産品」
https://bit.ly/2QbNMmg


・スワロフスキー「SCS ペンギンの妹 PATTY」
https://bit.ly/2OZa3n9



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編集後記(11/07)

●「トラ・トラ・トラ!」を見たあとで、偶然、図書館のAV棚で見つけたのが「パール・ハーバー」だった。「1941年現地時間12月7日、ハワイ・オアフ島。運命は若者たちの愛と友情を引き裂こうとしていた」とパッケージにある。二枚組183分もの映画で、愛と友情とやらを最後まで引っ張るが、それは殆ど共感を呼ぶものではなく、日本の真珠湾攻撃を非難するときの添景に過ぎない。

ものすごくカネをかけた、本当の歴史はうっちゃらかした、超絶トンデモ映画といっていい。日本の真珠湾攻撃シーンは、史実無視、非現実的設定だらけなのはともかく、迫力満点の素晴らしいビジュアルだった。見せ場はここだけだろう。物語の軸となる三人の男女の人間ドラマのほうは、古くさい三角関係だ。

主人公の男二人は陸軍航空隊の戦闘機パイロット。頭悪そうなレイフと意気地なさそうなダニー(というのは意地悪なわたしの見立て)は、幼友達で深い絆で結ばれているという設定だ。美しい看護婦イヴリンが登場、レイフが恋に落ちる。それなのに一人で渡英、英軍飛行中隊に入り独軍と戦い、戦死した模様。悲しみのイヴリンとダニーは、慰め合ううちにできちゃいました。予想通りの展開だ。

ところが、レイフは生還した。二人が恋仲になっていることを知って愕然とする。三人とも共感を呼ばないキャラで、こんなウジウジした話なんか見ていたくないと思うのだが、ちょうどいいタイミングで日本の真珠湾攻撃の日になる。史実など何も考証していないらしい、ありえない攻撃と防御のシーンには呆れるが、なにしろものすごい迫力で、そこだけは大いに評価できるのであった。

日本側の描き方がもう、無知か悪意か、その両方であろうとんでもないもの。貧相な爺さんたち(軍部の重鎮か)が、天幕もなく野原に置かれたテーブルで作戦会議をしているらしい。「勇戦」とか「軍機密」とか大書きされた看板、鳥居に日章旗がぶら下げられている。すぐそばで子供らが遊んでいる。屋外の小さなプールで、艦船模型を用いて模擬演習だか作戦会議だかをやっている。

とにかくみすぼらしい日本軍人。そんな日本に滅茶苦茶叩かれたハワイ軍港。日本軍が現地の民間人や、海面に浮いている米軍兵士たちを機銃掃射で殺戮するシーンもあるが、これはありえない。悪意をもった演出があちこちにある。専門家によれば、この映画に登場する戦闘機は本物にみせる工夫や配慮が足りない。挙げればきりがないほど間違いだらけ、史実歪曲の故意まみれ映画だ。

一方、恋愛の方はどうなった。どうでもいいけどと思うが。イヴリンはレイフに(ダニーの子を)妊娠したと告げて「わたしはダニーに心を捧げるけど、夕日を見る度あなたを思い出すわ。あなたを愛し続ける」ときれいごとを言う。結局、日本に対する初の空襲に参加した二人、レイフだけが生還する。

二枚目のお皿には「完成までの道のり」と称する特典映像40分がある。監督か誰かが「6週間の戦争だった。今までにない映画だ。史実を伝えるという使命感で乗り切った」とか「主人公たちこそ架空だが、史実と証言が織り込まれている」なんて言ってる。レイフ役が「ストーリーの意味も深い」なんて言ってる。あまりにもバカバカしいので、少し見てからイジェクトした。 (柴田)

「パール・ハーバー」2001 アメリカ(ディズニー系)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00FW5YFBS/dgcrcom-22/



●パスポートの更新続き。最上級のを選んだはずが、普通の証明写真画像なんだよなぁ、まぁ新しい機械が試せたからいいやと思いつつ、次の行程に進むと、加工モードだった。

記憶が定かではないが、明るさとコントラストを、それぞれ五段階選べるようになっていたと思う。明るさなら、標準より明るく二段階、暗く二段階。男性なら黒くするのだろうか。迷わず二段階上げての白さマックス。

これによって、粗が自然な程度に見えなくなった。日当たりの良い部屋で、自然光による撮影をしたような、ふわっとした白さ。地下鉄で、電車の窓を見てギョッとする、あれの真反対。

本人確認に使えるギリギリのラインなのかもしれない。これが最上級の実力ってことか。確かにいい感じ。

ボックスにして良かったわ。もし家で撮影していたら、Photoshopで粗を飛ばし、のめり込んでビニールみたいな肌にしていたかもしれない(笑)。 (hammer.mule)