ネタを訪ねて三万歩[164]幾つになっても学び続ける姿勢を持ちたい/海津ヨシノリ

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●留学生から学ぶこと

大学の授業に関わっている楽しみのひとつが、留学生との懇談ですね。実は私の環境だけなのかも知れませんが、かつては台湾や中国からの留学生が多かったのに、最近はヴェトナムからの留学生が増えています。

あっ、ここで言う留学生とは、あくまでも私と懇談した学生のことで、履修していても会話もない学生は含まれていません。

で、今までで懇談した留学生の数ベストテンは多い順にカウントすると、台湾>中国>ヴェトナム>ネパール>以下同数(インド、インドネシア、スリランカ、パキスタン、フィリピン、フランス)となっています。

漢字圏ではない国からの留学生の、日本語の理解度がハンパなくて驚きです。しかも、概ね留学生は誰よりも早く教室に来て予習をしているので、日本人学生のノホホ~ンとした動きが、亀のよう感じることが時々あります。




ちなみに、卒業してしまっても時々連絡をくれるので、交流が続いているのは圧倒的に台湾からの留学生です。いや、ほとんど台湾からの留学生だけですね。もちろん今のところ……ですが。

にもかかわらず、私が訪れた国はシンガポール、マレーシア、インドネシア、香港、マカオだけです。実は台湾の地にも立ったことはありますが、シンガポール行きの飛行機が途中で立ち寄ったためで、一時的に空港内に居たというだけです。教え子も多いので出かけないとバチがあたりますね。頑張らないと……。

さて、留学生の話をしたのは、私自身が色々と刺激をもらっているという意味です。私は一度たりとも、誰かに何かを教えるというスタンスを持ったことがありません。大学での授業も当然そのスタイルです。

では、大学へ何をしに行っているのか? というと、私自身が学びに行っているのです。

学生からの質問で、私が調べ物をして学ぶ。ワカラナイというレベルを私が学ぶ。用意した資料ではない部分に質問が集中することを学ぶ。学生の興味が予想外であったことを学ぶ。気分転換に話した内容に学生の興味をもったと学ぶ。つまり、コレです。

これがとても楽しいのです。学びの喜びと言ったら大袈裟ですが、私の基本姿勢はコレです。だから、留学生との懇談はとても刺激的です。

●授業のためにガリ勉

以前もネタにしたと思うのですが、大学での授業がなければ、20歳前後の学生達との接点はほとんど絶望的ですからね。しかも、海外の若者とも話すことができるわけですから、ビックリです。

いや、別に同世代の人達との懇談が面白くないという意味ではありません。生きている上で、色々な世代の人との接点を持てることが素敵だという意味です。

でもね~、「同窓会に出席してはいけない・旧友を整理し友達を入れ替える勇気が必要だ」という記事をネットで読んだときは衝撃でした。

年齢はともかく、同調圧力に負けない生き方はどの世代にとても大切ですね。同世代だからといって、みんな同じじゃないんですよ。いや、同じになりたくないです。

だいたい同世代で仕事などで関係しているわけでもないのに、しかも何十年ぶりの再会で、いきなり上から目線で話しかけてくるってオカシイですよね。仕事でそんな生活が染み付いてしまったのでしょう。完全に老化一直線ですね~。

そういえば確か、脳は老化せず、大人になると記憶力が落ちる原因は感情老化というような記事を読んだときに、「ピン!」ときたことを思い出しました。

実際のところはわかりませんが、なるほどの連続。わざわざ自発的に老化する必要はないでしょう。年齢相応の話題で一同が傷をなめ合う、なんて集まりは正直パスです。まったく建設的ではないですからね。

幾つになっても学び続ける姿勢を持ちたいと思っています。それはとても楽しいコトですから、同類の人達とは年齢に関係なく交流を持ち続けたいと感じています。そもそも私は、社交辞令を本気にしてしまうオバカさんだったので、随分苦労しました。

実は具体的な内容は省きますが、大学での授業のために冬休みと夏休みに、人生で未だかつてないほどガリ勉をしたコトが何度かありました。これからもあるでしょう。

ちなみに私が大学で関わっているのは、コンピュータ関連の授業が多いのですが、すべてが専門範囲というわけでもなく、またコンピュータ以外の授業もあり、専門知識が求められたりするので、死にものぐるいでした。

なんでそんな科目を引き受けたのか? という突っ込みが入りそうですが、大学側の勝手な思い込みで私にオファーをしてきて、ギリギリまで内容を詳しく説明してくれなかったことと、私の勘違いが悪い方向で重なってしまったという感じです。笑えないのですが、大学ではよくある話です。

とにかく知識は連鎖します。何の関係もないことが知識を得たことで連鎖反応を起こし、今までわからなかったことが一気に解決したりします。そしてまた新しいコトを覚えてその上を目指す~ですね。

でも、覚えたそばから忘れてしまうと言う諦めを時々聞きます。それは誰でも同じです。忘れたらまた思い出すようにすればいいのです。それはメモであり、ノートであり、タイピングしたデータかもしれません。

いずれにしろ、一度覚えたことを一字一句忘れない人なんてほとんどいないわけですから、安心して忘れちゃいましょう。メモやノートで後から思い出せるようにしておけばいいだけですから、簡単でしょ。

ちなみに現在まで大学でどんな科目を担当していたのかは、Linkedinで公開しています。ただし、五年以上続けているLinkedinですが、完全に開店休業中で、メッセージのお返事ぐらいしか使っていません。

開始早々に海外の方から仕事の依頼が幾つか入ったのですが、それがもう完全に怪しい世界で、一気に冷めてしまったという感じデス。でも、そんなことを言っていないで何とかしないと……。
https://www.linkedin.com/in/yoshinori-kaizu/

■今月のお気に入りミュージックと映画

"A Bridge Too Far" on Richard Samuel Attenborough in 1977(UK, USA)

邦題「遠すぎた橋」。第二次世界大戦後期に行われた、連合軍の空挺作戦であるマーケット・ガーデン作戦を題材にした作品。

特に気に入っているのは、マクシミリアン・シェル演じるヴィルヘルム・ビットリヒ親衛隊中将が、アンソニー・ホプキンス演じるジョン・フロスト中佐にイギリスのチョコレートを渡すシーン。ジェームズ・カーン演じるエディ・ドーハン軍曹が、戦死した戦友を治療するように銃を突きつけてアーサー・ヒル演じる軍医大佐を責めるシーンです。

ジーン・ハックマン演じるスタニスラウ・ソサボフスキー准将もいですね。しかし、なによりロバート・レッドフォード演じるジュリアン・クック少佐が格好良すぎ。ほとんど彼が主役と言った感じですね。

ちなみに、彼の役は当初スティーブ・マックイーンで、リヴ・ウルマン演じるケイト・テル・ホルスト夫人役もオードリー・ヘプバーンにオファーがあったそうです。実現していたら作品のイメージは随分変わっていたかも知れませんが、実現しなかったのはギャラの関係だとか。私はむしろロバート・レッドフォードとリヴ・ウルマンで良かったと感じています。

遠すぎた橋 予告編


"A Bridge Too Far" by John Addison, at 1977(UK)
今回の音楽は「遠すぎた橋」のメインテーマです。イギリスの作曲家ジョン・アディソン。数多くの映画音楽を手がけています。

「遠すぎた橋」序曲:A Bridge Too Far



【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
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電動工具を買い漁っています(一部は納戸から出土)。

ドリル/丸ノコ/サンダー/ジグソー/ヒートガン/ディスクグラインダー

と言ってもポツポツとですが、気が付いたら、後はトリマーがないぐらいですね。別に日曜大工に凝っているわけではないのですが、時々変なモノを衝動的に作ったりしています。

子供の頃から木工細工は好きでしたので、まだ脳内はそのままなのかも知れません。で、今一番はまっているのがハンダ付けです。調べたら工具箱に三つのハンダゴテがありました。そして、思った以上にハンダ付けの強度が高いことも知りました。

中学生の頃、科学部でラジオを作成して以来なのには思わず笑ってしまいましたが、プラスチックや木材の加工とは違った楽しさが見え隠れしています。

■12月の画像処理セッションは12月20日を予定しています。

~3Dメイキングの復習【応用力が付く3Dデータの静止画展開】~

参加は無料で、どなたでも参加できます。詳しくはサイトでご確認下さい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/11612.html

講演内容:3Dデータを静止画として活用するためのノウハウと、レンダリングのコツを整理します。テクスチャーと光源の関係、様々なツールの組合せによるデータ生成術を整理してみます。

・Photoshopで素材作り ・Illustratorでロゴタイプ作成
・ZBrushでモデリング  ・modoでレンダリング