コロこと川合です。いつの間にか師走ですね。師も走るってほどに忙しいはずなのに、忘年会だらけなのはどういうことか……忙しいし、仕事しようよ。
さて、大河ドラマもいよいよ佳境ですね。今年はあまり触れませんでしたが、ちゃんと毎週見てきました。ついに西南戦争に向かいます。ラスト二話で。
西郷さんが東京を離れて鹿児島に戻り、今回鹿児島を出立するまでが三話で。
島流し先での愛加那との話は、四話かけてやってたのに。
話数の配分もさることながら、人物の描き方も中途半端だったように思えて、全体的にちょっと物足りなかった感がぬぐえません。ラスト二話に期待しつつ、終わったら再来年の『麒麟がくる』を楽しみにしたいと思います。
来年の大河はちょっと異色な『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で、これはこれで楽しみですけども、明智光秀の方がずっと楽しみ。(笑)
まにころも年内は残すところ二回。大河話はこの辺にして、本題へ進みます。
◎──巻第二「里仁第四」一
・だいたいの意味
住む里は仁であることを美とする。仁である里を選んで住まないで、どうして智者といえようか。
◎──巻第二「里仁第四」一について
「里は仁なるを美となす」とするのが、上記の解釈。「仁におるを美となす」として、住まいの話ではなくて心の置き所を仁とする解釈もあります。
でも「えらびて仁におらずば」と、選ぶ話が後ろには続くので、住まいの話でいいんじゃないかなと。孟母三遷じゃないですが、住環境は大事ってことで。
◎──巻第二「里仁第四」二
・だいたいの意味
不仁者は長く苦しい生活を送ってはいけないし、長く安楽な生活を送ってはいけない。仁者は仁に心落ち着き、智者は仁を好み求める。
◎──巻第二「里仁第四」二について
仁の心を持たない不仁者は、苦しい生活が続くと悪事に走ったり、安楽な生活が続くと堕落したりするので、どちらもよくないと。仁者は環境に左右されず心の芯に仁があるし、智者はそういった仁の心を求めるから、放っておいても大丈夫だよと。
たいていの人は、ここでいう不仁者に当てはまりそうですよね。理想的な人間像として「仁者」があるので、なかなか簡単に仁者にはなれなさそうです。
でも、智者として、さっきの話のように仁の風紀が感じられる土地に住まい、苦しい生活にも腐らずに、安楽な生活にも流されないでいようとすることは、心がけひとつでできなくもない。仁者とまではいかなくとも智者であることは目指すべきかなと。
◎──巻第二「里仁第四」三
・だいたいの意味
ただ仁者のみが人を好むことができ、仁者だけが人を憎むことができる。
◎──巻第二「里仁第四」三について
人の正邪を私心なく公正にジャッジできるのは仁者だけ、ということです。
逆に言えば、人の好き嫌いを公言するような輩に対して、「お前は仁者かよ」とツッコミをいれているのかもしれません。お前は他人をどうこう批評できる器なのかと。そう考えると、なんだかすごく耳が痛いです。中耳炎かな。
◎──巻第二「里仁第四」四
・だいたいの意味
本当に仁を志せば、悪いことはしなくなる。
◎──巻第二「里仁第四」四について
そりゃそうでしょ……と。
「本当に仁を志せば、憎まれなくなる」とする解釈もあります。
そりゃそうでしょ……と。
◎──巻第二「里仁第四」五
・だいたいの意味
富と高貴な地位は誰しも欲しがるものだ。しかし正しい道理でそれを得たのでなければ、そこに留まろうとしない。貧しさと賤しさは誰しも嫌がるものだ。しかし正しい道理でそれを得たのでなければ、逃れようとしない。
君子は仁を離れて名を成すことはない。君子は食事の間でさえ仁を違えない。慌ただしい時も、事変にあった時も、仁を離れない。
◎──巻第二「里仁第四」五について
君子として仁に根ざした生き方の話。富貴を得ることは否定しないけれども、道理に適ったものでなければ、恥じてそれを良しとしない。貧賤に陥っても、いわれのない理由によるものならば、気に病むことはない。
仁であることと、ある時点での富貴や貧賤とは関係ないし、君子はいかなる時も仁であり続けると。仁の重みを感じますね。
◎──巻第二「里仁第四」六
・だいたいの意味
私はいまだ(本当の意味で)仁を好む者も、不仁を憎む者も見たことがない。仁を好む者は、(素晴らしく)もういうことがない。不仁を憎む者は、不仁者の影響を受けることなく、その態度は仁であるといえる。
しかし、一日だけでもその力を仁のために用いることはできないか。それすらできないほどに力の足りない者というのも見たことがない。いるかもしれない、でも、私はいまだ見たことがない。
◎──巻第二「里仁第四」六について
本当の仁者なんて見たことないけど、仁に向かう努力をまったくできない者も見たことがない。一歩ずつ努力しようぜ、って話。勇気づけられます。
◎──巻第二「里仁第四」七
・だいたいの意味
人の過ちというものは、その人の属するところの性質によるものだ。だから、過ちを見れば、その者の仁を知れる。
◎──巻第二「里仁第四」七について
過ちにはそれを犯した者の性根があらわれると。確かにそうかも知れません。基本的には過ちを犯している時点で仁者ではないと思いますが、仁者であろうとする者の犯す過ちと、根っからの不仁者が犯す過ちは、違うでしょうね。
◎──巻第二「里仁第四」八
・書き下し文
子曰わく、朝(あした)に道を聞かば、夕(ゆうべ)に死すとも可なり。
・だいたいの意味
朝に道理を悟ることができたなら、その夕方に死んでも構わない。
◎──巻第二「里仁第四」八について
久しぶりに超有名なフレーズが出てきて高揚しますね!(笑)
悟りを開いたお釈迦様も、そんな心境だったかもしれません。真理に辿り着き、満足感と、その深遠は誰にも理解してもらえないであろうという諦観とから。
お釈迦様はブラフマンから「そう言わずに説いて回ってよ」と頼まれて、布教を決心することになるんですが。
孔子先生はどうだったんでしょう。多くの弟子に教えを説く孔子ですが、悟りを開いた人という感じではなく、ずっと求道者のイメージです。お釈迦さまやイエス、マホメットとは全然違って、かなり普通の人間です。超人のカリスマではなく、人間的な魅力で信奉されるのが孔子先生。愛され系です。
◎──巻第二「里仁第四」九
・だいたいの意味
道を志す士であるとしながら粗衣粗食を恥じるような者は、いまだともに議論するレベルではない。
◎──巻第二「里仁第四」九について
物質的なことに心を奪われているようでは道を語り合うに値しないと。ううん、厳しい。耳が痛いですね……内耳炎かな。
◎──巻第二「里仁第四」十
・だいたいの意味
君子が天下に対するにあたっては、こうすべきである、こうすべきではないと決めてかかることはない。ただ義であるかを考え、義に従うのみである。
◎──巻第二「里仁第四」十について
これまた色んな説がある箇所ですが、どれも結局は、義が行動基準であるとの話です。その行為に義はあるか。義を求めて、義に親しんで、行動すると。
◎──巻第二「里仁第四」十一
・だいたいの意味
君子が徳を思う一方で、小人は土地のことを思う。君子が法による統治を思う一方で、小人は得られる恩恵のことを思う。
◎──巻第二「里仁第四」十一について
君子は精神的な豊かさを、小人は物質的な豊かさを求めるという話。
◎──巻第二「里仁第四」十二
・書き下し文
子曰わく、利によりて行えば、怨み多し。
・だいたいの意味
利益ばかり考えて行動していては、恨まれることが多くなる。
◎──巻第二「里仁第四」十二について
そのままです。
恨まれたくないならそうするな、という話ではなくて、そうすれば恨まれるよ、という話。行動の基準が利にあってはだめ、と。
◎──巻第二「里仁第四」一三
・だいたいの意味
礼譲の心で国を治めるならばどんな困難があろうか。礼譲の心で国を治められないならば礼制もなんの役に立とうか。
◎──巻第二「里仁第四」一三について
礼譲の心とは、礼儀を尽くす心、譲り合う心です。統治の根本にその礼譲の心がなければ、礼制をいくら整えても意味がないということです。
◎──巻第二「里仁第四」一四
・だいたいの意味
地位がないこと自体を憂うのではなくて、地位を得られないのはどうしてかと憂いなさい。己を知る人がいないことを憂うのではなく、知られるだけのことをしようと努力しなさい。
◎──巻第二「里仁第四」一四について
ああ自分には地位がない……と憂うのではなくて、どうして地位を得られないのか、何が足りないのか、どうすればいいのか、それを考えなさいと。
ああ私を認めてくれる人はいない……と憂うのではなくて、認められるだけのことをするよう励みなさいと。
耳が痛い……痛いよ……外耳炎かな。
◎──今回はここまで。
論語を知りたければ通読しない方がいいと言う人もいるくらい、論語にはよく分からない話やら、今となってはどうでもいい話がたくさん出てくるのですが、今回の部分は納得感のある話が多かったですね。
そんな風に言われているのになんで通読してるんだよって話ですが、やっぱり一度は通読してからでないと、そんな風に言うこともできないですし。
一緒に最後まで読み通したら、「論語は通読しない方がいいよー」って誰かに言いましょう。(笑)
【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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冒頭の言葉に反して忘年会のお誘い? いえ勉強会です!(神戸)
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