[4696] Apple Watch◇マイクロビット講座・講師レポート◇ほっこりラブコメ

投稿:  著者:  読了時間:23分(本文:約11,200文字)



《冴えない男あるある》

■腕時計百科事典[69]
 腕時計ユーザーからみたApple Watch
 吉田貴之javascript:void(0);

■クリエイター手抜きプロジェクト[563]IoT編
 マイクロビット講座・講師レポート(後編)
 古籏一浩

■映画ザビエル[67]
 ほっこりラブコメ
 カンクロー




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■腕時計百科事典[69]
腕時計ユーザーからみたApple Watch

吉田貴之
http://bn.dgcr.com/archives/20181210110300.html
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▽第2の衝撃

1960年代にクォーツが登場したとき、時計業界は大きく揺れました。それは、新しい技術への期待感と、既存のノウハウや商品が無価値になってしまうことへの恐怖が入り混じったものだったと推量します。

それから50年以上が経過し、再び時計業界を揺るがすプロダクトが登場しました。それがApple社の「Apple Watch」です。

▽Apple Watchの顧客

「Watch」を名乗ってはいるものの、その機能は腕時計を遥かに凌駕しており、5万円前後という求めやすい価格もあって、スマホに慣れた世代を中心にヒット商品となりました。また、これまで腕時計をしていなかった層にも受け入れられました。

▽第4世代の完成度

Apple Watch以前にも同様のガジェットはたくさん販売されていましたが、満を持してのApple製品ということもあり、前述のような時計業界の反応につながりました。

とはいえ、発売直後に実際に手にとったユーザーからは「惜しいところがある」という評価が多かったように思います。それでもApple Watchは毎年のように改良を重ね、2018年時点で第4世代となり、大きく進化しました。

本体の薄型化に加え、画面の角を丸くするなど、よりウェアラブルデバイスとしてのクオリティを高めることに成功したのです。多くのユーザーから「今回は人に勧められそう」との声も聞かれるようになったので、腕時計ユーザーである筆者も購入してみました。

▽既存のウェアラブルデバイスとの違い

なお、これまでにもいくつか同様のガジェットを試したことがあります。SONYのSmartWatchや、運動量の管理に特化したウェアラブルデバイスなどです。これらと比べたときに感じる一番の違いは、「高級感」の一言に尽きます。

▽スポーティなデザイン

ウェアラブルデバイスは常に身につけること考えると、どうしてもスポーティな仕様になってしまいます。これまでに購入したウェアラブルデバイスも、防水性能や一度の充電で稼働する時間を基準に選び、いつも身につけられることを目指しました。

しかし、当然のことではあるのですが、カジュアルやスポーツよりの格好でなければ違和感がありました。これは、腕時計ユーザーならではの感覚かもしれません。

▽高級感

一方でApple Watchですが、一番スポーティなNikeモデルを選んだにもかかわらず、想像していた以上の高級感があります。これは表面加工の上手さやデザインの良さだけではなく、すでに「スーツにApple Watchはおかしくない」という常識が醸成されていたからだと思います。

▽安価

一方で、Apple Watchは5万円前後で販売されており、ブランド腕時計に比べると遥かに安い価格なので、気軽に身につけることができます。

初めて身につけた直後は、電子機器や精密機器ならではの怖さが多少ありましたが、実は国産クォーツの中堅ライン程度の価格である、と気がついてからは、気にせず使えるようになりました。

▽装着感の良さ

特筆すべきはその軽さと、装着感の良さです。長年使ったヴィンテージの時計のように収まりが良く、「手に馴染む」という言葉が一番しっくりきます。これは筆者の腕周りに合わせて、小さい方のサイズ(40mm)を選んだことも要因だと考えます。

▽満足感

機能的には前述したように、腕時計以上のことがいくらでもできます。子供の頃はテレビや映画の中でしかみられなかった「腕時計で通話」ができたり(実際にはやりませんが)、様々な情報が腕時計の画面から得られる度に「買ってよかった」と思わせてくれます。

▽通知機能

重要な機能である通知機能は、ともすると追いかけられているように感じる人も多いのか、多くのアプリがApple Watchでの通知機能を外したり、アプリそのもの提供を終了したりしています。

どちらかといえば、もう一つの重要な機能、体調の管理や運動量の管理が中心になっていくのかもしれません。

▽腕時計ユーザーの希望

これでは腕時計の存在価値がまったくなくなってしまうように感じますが、すでに腕時計が「時間を見る」という役割から脱却しており、違う存在意義を与えられていることはみなさんご存知のとおりです。

腕時計はApple Watchと「機能」を競っているわけではなく、どちらかといえば「腕時計をつける場所」を争う形になっているはずです。

腕時計もApple Watchもいいところがありますが、できれば腕時計のようなものを二つもつけたくはありません。SONYの「wena wrist」のように、普通の腕時計にスマートウォッチの機能を追加できる方向で進化してくれると、腕時計ユーザーとしては嬉しいかぎりです。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
https://www.idia.jp/
腕時計ポータルサイト:腕時計新聞
https://www.watchjournal.net/


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■クリエイター手抜きプロジェクト[563]IoT編
マイクロビット講座・講師レポート(後編)

古籏一浩
http://bn.dgcr.com/archives/20181210110200.html
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今回は、前回のマイクロビットの講座のつづきです。

(4)数枚の講座テキストでは後が続かない

講座によりけりですが、基本的に講習用テキストは数ページ、多くても40ページほどです。数枚では物足りないのは確かです。

イベント展示した時に、子どもたちから言われたのが、講座で作ったけどその後どうしたらいいか分からなかった、とのこと。家に帰ってから学習したり、楽しめるものが用意されていなかったということです。

ここらへんは、講座の関係で仕方ない面もあります。そういう点で、Scratch
(スクラッチ)やマイクロビットは、世界中で作られたコンテンツを見ること
ができるので、上手にクリアしていると思います。

とはいっても、見てどうにかしろというのも不親切だと思ったので、それなりのテキストを用意することにしました。基本一枚で一つのネタにしました。表には説明文章を、裏面にはブロックエディタの画面キャプチャーしたものをレイアウトしました。説明を読んでから裏面だけ見ればプログラムが作れる、というわけです。

ネタは以下のものを用意しました。

001_準備
002_文字や数字を表示しよう
003_LEDを1秒ごと光らせよう
004_計算してみよう
005_温度を表示しよう
006_音楽を演奏させよう
007_ボタンを押したら音を出そう
008_カウントダウンタイマーを表示しよう
009_乱数を使って星空を表示しよう
010_部屋の明るさに応じてLEDの明るさも変えよう
011_画像をスクロールしてみよう
012_マイクロビットをゆらしたら音を出そう
013_LEDの点をボタンで動かしてみよう
014_反射ゲームを作ってみよう
015_○×ゲームを作ってみよう
016_サイコロを作ってみよう
017_ルーレットゲームを作ってみよう
018_方角を矢印で示してみよう
019_LED表示を反転させよう
101_抵抗入りLEDを光らせてみよう
201_無線通信をしてみよう
202_リモート温度計を作ってみよう
203_無線でメッセージを送ろう
301_電気が通るか調べてみよう
401_ブレッドボードを使ってみよう
501_信号機ボードを使ってみよう
601_ピアノボードを使ってみよう
701_サーボモーター使ってみよう
801_液晶モジュールを使ってみよう

ブロックエディタでもいろいろ作れますが、将来的なことも考えてPython版のテキストも用意しました。ただし、これは興味あれば家に帰って学習してね、という性格のものです。実際の講座内ではAIのディープラーニングなどで使われてます、といった説明をした後で配りました。

Python版では以下のネタを用意しました。

001_準備
002_文字を表示してみよう
003_マークを表示してみよう
004_画像を表示してみよう
005_画像をアニメーションさせてみよう
006_乱数を使って星空を表示しよう
007_ボタンを押したらLEDに数字を表示しよう
008_カウントダウンタイマーを表示しよう
009_LEDの点をボタンで動かしてみよう
010_傾きセンサーを使ってみよう
101_抵抗入りLEDを光らせてみよう
201_音を出そう
202_音楽を鳴らそう
203_しゃべらせてみよう
301_電気が通るか調べてみよう

ブロックエディタのテキストが76ページ、Python版が36ページです。これだけあれば数日は楽しめるかなといったところです。

(5)開発環境のインストールから始めてはいけない

講座によっては開発環境のインストール&構築で、大半の時間が終わってしまうことがあります。というか、何度かこのパターンがありました。

開発環境は各自がマシンを持ち込むために、うまく構築できないこともあり、それで多くの時間を浪費してしまいます。さすがに、子供向けの講座でそれをやってはいけません。

手伝ったIchigoJamの講座でもっとも優れているのは、この開発環境のインストールが不要で、電源を入れればすぐにプログラミングできるという点です。実際見ていてなるほど、と感じました。電源を入れてすぐに使えるのは重要なポイントです。

幸いマイクロビットは、ブラウザさえあればよいので、開発環境のインストールは不要です。ところが、運の悪いことに11月初めにブロックエディタがバージョンアップされ、ブロックの形状や機能が変わってしまいました。

購入したモジュールが最新版で使えるかテストしたところ、動かないものがいくつかありました。そこで、一つ前のバージョンのブロックエディタを使うことにしました。URLとしては以下のようになります。

https://makecode.microbit.org/v0

また、パソコンの電源を入れたり、ブラウザを起動して下さい、というのも時間コストがかかるので、講座が始まる前にブロックエディタが使える状態にしておきました。このようにしておけば、すぐにプログラミングに取りかかれるからです。

失敗から学んだことを教訓にして、マイクロビットの講座にのぞみました。まあ、学校の授業ではないので楽しみながら作りましょう、という感じで話を進めました。

さて、今回の講座で作るのは「信号機」です。交差点にある赤、黄、緑の信号機です。無線機能を使って信号機を制御するわけです。

信号機だけ作っても面白くないので、二つのグループにわけて、それぞれ街を作ってもらう感じにしました。最終目的は街の交差点を作ることですが、そこに至るまでに、以下のように時間と内容の配分をしました。

1時間目:マイクロビットの説明と、ブロックエディタを使ったプログラミングの説明です。ここは基本になるので、子供だけでなく親が補助するようにお願いしました。基本部分でつまずくと先に進めないからです。

2時間目:講座用のテキストは70ページほどあり、全部作ることはできません。そこで、テキストの中から自分で作りたいものを選んでやってもらうようにしました。この段階でいろいろ試行錯誤したり、プログラミングに慣れてもらうというわけです。ここまではそれぞれ単独でプログラミングします。

3時間目:最後はグループでの街作り、信号機作りです。信号機だけでなく周辺に飾るLEDも作ります。装飾系男子というわけではありませんが、とにかくLEDをブレッドボードに差しまくって点滅させたりと、いろいろです。

グループでの開発なので、誰が何を作るのか、信号機の点滅はどうするのかなどを話し合って作っていきます。

講座はこんな感じでしたが、困った部分もありました。時間を区切っているので、途中に休憩が入ります。ところが、ほとんどの人が休憩しようとしないのです。途中でお菓子が配られるのですが、お菓子はほったらかし……。

また、親の方が真剣に開発してしまっている、というのもありました。ここらへんは仕方ないかなという気もします。

とは言え、全体的にはトラブルもなく時間も切迫することなく終わったので、ほっとしたといったところです。

会場の様子を撮影してツイートしたのがあります。以下のような感じです。


マイクロビットに関係する雑誌や書籍、マイクロビット以外のシングルボードコンピューターも展示しました。

IchigoJam/IchigoLatte、Raspberry Pi(2,ZERO)、 Arudiono UNO、obniz、M5 Stack、 PINE64、 Orange Piなど。

こういう展示をしておくと、親が興味を持ってくれるというのもあります。子供がうまく学習していくかどうかは親の影響も大きいので、そこらへんアピールしておくのも重要なポイントです。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
http://www.openspc2.org/

講座では、持ち帰ることができるマイクロビットはひとつですが、2時間目からはもうひとつマイクロビットを配ります。無線通信をやりたい場合に必要だからです。

さらに3時間目の街作りでは、必要な分だけ使ってもよいことにしてあります。これは、発想をなるべく制限しないようにといったところからです。時間があればアイデア出しでいけるのですが、そうではないので資金力(?)で解決するという具合です。

こういう講座の成果がいつ出てくるかはわかりませんが、将来的に何か面白いことをしてくれる人が出てくるといいかなと思ってます。

・創って学ぼうプログラミング
https://news.mynavi.jp/series/makeprogram

・みんなのIchigoLatte入門 JavaScriptで楽しむゲーム作りと電子工作
https://www.amazon.co.jp/dp/4865940936
[正誤表]
http://www.openspc2.org/book/error/ichigoLatte/

・After Effects自動化サンプルプログラム 上巻、下巻
https://www.amazon.co.jp/dp/4844397591
https://www.amazon.co.jp/dp/4844397605

・IchigoLatteでIoT体験
https://www.amazon.co.jp/dp/B06X3X1CHP
http://digiconcart.com/dccartstore/cart/info/2561/218591

・みんなのIchigoJam入門 BASICで楽しむゲーム作りと電子工作
http://www.amazon.co.jp/dp/4865940332/

・Photoshop自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00W952JQW/

・Illustrator自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00R5MZ1PA/

・4K/ハイビジョン映像素材集
http://www.openspc2.org/HDTV/

・クリエイター手抜きプロジェクト
http://www.openspc2.org/projectX/


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■映画ザビエル[67]
ほっこりラブコメ

カンクロー
http://bn.dgcr.com/archives/20181210110100.html
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◎ラブ・アゲイン

英題:Crazy, Stupid, Love.
公開年度:2011年
制作国・地域:アメリカ
上映時間:118分
監督:グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
出演:スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリング、ジュリアン・ムーア、
エマ・ストーン、ケヴィン・ベーコン

●だいたいこんな話(作品概要)

キャルは40代の冴えない男だが誠実で、良き夫であり良き父でもある。ある晩、夫婦水入らずでの外食の最中に、25年連れ添った妻エミリーから突然「離婚したい」と告白される。そして、会社の同僚デイヴィッド・リンハーゲンと浮気をしたことも。

10代で結婚し、妻一筋で生きてきたキャルはショックのあまり、反論や抵抗をまったく出来ずに離婚を受け入れ、家を出てしまう。

独りになったキャルは、地元のバーでヤケ酒を呑みながら、相手構わずに妻に浮気され捨てられた身の上話を繰り返していた。それを見かねた、バーの常連客でプレイボーイのジェイコブは、キャルを垢抜けたナイスミドルに変身させ、女性の口説き方を伝授する。

キャルは初めのうちは少しも乗り気ではなかったが、ほぼヤケクソでジェイコブの言う事を聞くうちに、バーから女性をお持ち帰り出来るほどになる。キャルとジェイコブの間には、いつの間にか不思議な師弟関係と友情が生まれていたのだが。

●わたくし的見解/悪人の出てこない出来のいい落語みたいなのだ

主演のスティーブ・カレルは、もともとTVで人気を博したコメディアンで、映画でもコメディ俳優として活躍しています。でも顔だけ見ていると、あまりコメディアンには見えないですよね。

ミスター七・三とあだ名を付けたくなるような、とても真面目に見える顔立ちだし、何気にハンサム。正直、ジョージ・クルーニーあたりのスタアと写真を並べても、誰も違和感を覚えないのではないでしょうか。

だから、どんな悪ふざけやバカをされるより、ハンサムが過ぎるところが、一番スティーブ・カレルの面白おかしいところだと思うのです。

本作もコメディではあるのですが、スティーブ・カレルはほとんどバカをしません。時々、我慢しきれずに悪ふざけしかけても、すぐにやめます。一見まともなのに何か含みのある「佇まいの可笑しみ」という彼の持ち味が、よく活かされた作品です。

主人公のキャルは、冴えない見た目の中年男性ですが、人から疎ましがられるようなキモ男ではありません。

ただセクシーとは程遠く、その年齢の多くの既婚者がそうであるように、マイホームパパらしい洒落っ気のない服装と髪型。幸せな父親らしく、会話は子供が起こす日常のささやかな事件や、深入りしない仕事の話。

子供たちもパパの帰りを待ちわびる、素晴らしい家庭人に他ならないのです。

キャルの場合「真面目な男はつまらなく、ちょっとワルな感じの方が女性にはモテる」というような定説に振り回される年齢でもありませんが、青天の霹靂、離婚のせいで、年下のジェイコブによるモテ男レクチャーを受けることになります。

おっさんながらも「マイ・フェア・レディ」よろしく、まず外見から変えるため、ショッピングモールで改造計画が始まります。その時、ジェイコブから指摘される「冴えない男あるある」が楽しい。

サイズの合わない服を着るな。スティーブ・ジョブズでもないのに、ニューバランスのスニーカーばかり履くな。それから買い物のあいだ、しばらくスルーされていましたが、最後に「ビリビリ(マジックテープ)の財布はやめろ」。

ところが、冴えないあるあるコンプリートのキャスに、ずっと恋している女性も登場する。この映画の、ただただ真面目な良い人(男性)に惹かれる女性もいるのだ、という視点に私は好感を持ちました。

物語全体としては、ラブコメ(ロマンチック・コメディ)と言うよりも、ハートウォーミングな群像劇の印象が強いです。

それでも、あえてラブコメを銘打っているのは、多くの登場人物が、恋心や愛情の矢をそれぞれ一方的に放っているから。ちぐはぐだった恋の(愛の)矛先は、最終的に「恋のから騒ぎ」さながら見事に収束します。

それぞれの恋や愛(片思い)に、歯が浮くような甘ったるさも、狂おしいほどの切なさもないところが個人的にとても好み。素直に、登場人物を祝福したり応援したり出来ました。

なんとも、ほっこりした気分になれるので、ふだんはラブコメなど観ない人も、落語の人情話のような感覚で楽しんでもらいたい作品です。

ちょっと余談ですが、「ラ・ラ・ランド」の二人がすでに、ここで共演していました。「ラ・ラ・ランド」でも本作でも、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの仲睦まじい様子は、実に微笑ましいのです。

エマ・ストーンに対する、ただの私のエコ贔屓なのかも知れませんが、彼女はイチャイチャするのがとても上手なんですね。恋人同士が「一緒に居ること」の楽しさを見せるのが、いつも巧い。

ライアン・ゴズリングもエマ・ストーンもそれぞれ、プライベートではすでにパートナーがあるようですが、往年の三浦友和・山口百恵のように、いずれ結婚してくれないだろうか、と思ってしまうほど相性の良さを感じます。

二人の相性の良さは、自他共に認めているから共演も重なるのだろうし、プライベートはさておき、トム・ハンクスとメグ・ライアンみたいな、作品上のベストカップルに今後なってくれると嬉しい。

鑑賞を終えると、コメディとは思えない豪華なキャスティングにも納得の、構成のよくできた作品でもあります。

サスペンス要素はまったくないのに、序盤からうっすら気になっていたことが「なるほど、ここに繋がっていたのね」とスッキリするツイスト(どんでん返し、という程でもないのだけれどチョットかした種明かし)が心地よかった。

年末年始に、お家でゆっくり、ほっこり楽しめる作品としてお薦めします。


【カンクロー】info@eigaxavier.com

映画ザビエル
http://www.eigaxavier.com/

映画については好みが固定化されてきており、こういったコラムを書く者としては年間の鑑賞本数は少ないと思います。その分、だいぶ鼻が利くようになっていて、劇場まで足を運んでハズレにあたることは、まずありません。

時間とお金を費やした以上は、元を取るまで楽しまないと、というケチな思考からくる結果かも知れませんが。

私の文章と比べれば、必ず時間を費やす価値のある映画をご紹介します。読んで下さった方が「映画を楽しむ」時に、ほんの少しでもお役に立てれば嬉しく思います。


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編集後記(12/10)

●残念な映画その1「ステファニー 死体と暮らす少女」。とにかくよくわからないお話。森の中の大きな一軒家に一人で住む少女。正確に言うと、その少女・ステファニーが殺した兄の死体がベッドにある。幼いのにものすごく美しい子。なぜ一人で暮らしているのか説明がない。さびしくない様子で、備蓄してあるらしい保存食を食べ、機嫌よくひとり遊びしている。毎朝、服は着替えている。

ミキサーの危険な扱いにハラハラさせられたり、割れた壜のかけらを踏んで出血したりして痛そう。何日か経過する。けっこう長い一人だけの生活描写。なにか恐い物を見て怯えるシーンもあるが、とにかく退屈である。正直、いいかげんにしろと思ったあたりで、ステファニーは超能力者らしいことが分かる。

ようやく両親が現れる。両親にはさまれてステファニーは眠る。翌朝、目覚めたとき両親の姿がない。二人は兄の墓をつくっていた。ステファニーは両親に「なぜ私を置いていったの?」と質問する。わたしも聞きたい。だが、両親ともに曖昧に応じる。どうなっているんだ、この家族。いったい何があったんだ。

どうやら子供達が何か(エイリアンか? 悪霊か?)に取り憑かれ、殺人や破壊行為を行い、世界が滅亡に向かっているらしい。ステファニーもそんな子なので、科学者である両親は一時避難していたようだ。二人はステファニーを眠らせ、脳手術に取りかかるがどうしても果たせなず、殺すしかないと考える。

父親はステファニーを散歩に誘い、毒殺しようとするが気付かれて、形相が変わったステファニーを射殺する。しかし、彼女は死んでいない。家に戻った父親を追い、吹き飛ばし、ナイフを使って殺す。母親を宙に浮かせ、さば折りにして殺す。なかなか派手なシーンが最後にあった。二人の死体を誘導し、墓地の弟の両脇に置く。一人、麓の町に下りて行くステファニー。なんじゃ、これ。

本当になにがなんだか、よくわからないので、ネットの映画評をチェックしてようやく、ステファニーの正体やおかれている状況がわかった。そういうお話だったのか、どうしてそんな世界観をこの映画から汲み取れたのか、映画見巧者の能力には感動すら覚える。わかったからといって、面白い映画じゃないが。

残念な映画その2「ブラッド・インフェルノ」。アルゼンチンにある廃墟の町、大洪水で壊滅したエピクエンを舞台にしたBC級ホラー。1985年11月10日に水没したこの町、今は人影もなく不気味(でもない)廃墟が広がる。ドキュメンタリー映画の撮影に来た六人の男女、年長の監督役はともかく、全く感情移入のできない、魅力度ゼロのバカ者揃いで、ほとんど意味のないシーンばかり続く。

廃墟の町に変態キチガイ殺人食人一家が生息していて、撮影隊は全員がむごい殺され方、食われ方をするというグロい話だが、一人だけピンピンしてるガイド役の女がいて、こいつは食人一家の家族だった。エンドロールでとってつけたように水害のニュースを見せるが、被災地に失礼すぎるバカ映画。(柴田)

「ステファニー 死体と暮らす少女」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07DRMPZXT/dgcrcom-22/

「ブラッド・インフェルノ」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07DJGZ5JH/dgcrcom-22/


●PayPayしてきたぞの続き。海外旅行での決済はめんどくさい。最初にイギリスに行った時は未成年。クレジットカードは持っておらず、現金は怖いからとトラベラーズチェックを持って行った。そのまま使う時もあれば、銀行で現地通貨に換金してから使うこともあった。

硬貨が覚えられず、レジで咄嗟に出せないため、最初の頃はお札を出すのみ。小銭が手元に多くなる。帰国する頃には慣れて、端数を小銭で出し、お札でお釣りをもらうやり方ができるようになる。レジの人から「多すぎるよ」と注意されることも。

クレジットカードを持つようになっても、あまり使わなかった。カードを店の裏など、いったん見えないところに持って行かれるから怖かった。サイン前の金額チェックも厳重にした。続く。 (hammer.mule)

【2018年版】トラベラーズチェックの現在まとめ
http://sekaishinbun.net/travellers-check/now/