[4702] ライブコマース◇オブスキュアギャラリー◇セミナー講師の気持ち

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《モノやコトでもないのねトキなのね》

■装飾山イバラ道[236]
 人が集まる「ライブコマース」
 武田瑛夢

■Scenes Around Me[41]
 東京大学駒場寮の事(20)
 オブスキュアギャラリー1周年
 《1》オブスキュアの展示:「殺風景」展を中心として
 関根正幸

■crossroads[55]
 セミナー講師の気持ち
 若林健一



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■装飾山イバラ道[236]
人が集まる「ライブコマース」

武田瑛夢
http://bn.dgcr.com/archives/20181218110300.html
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12月ということもあり、週末になるとセールのお知らせがたくさん来る。ネットでのライブ中継を取り入れているところも多く、私もいくつか覗いて見ている。完全に見る側だ。

インスタグラムのライブ配信の「インスタライブ」では、ライブ終了後には消されてしまう動画内でのコミュニケーションが盛んだ。

これは「トキ消費」と呼ばれている、同じ志向の人たちがその場でしか味わえない盛り上がりを共有して楽しむことだという。モノやコトでもないのねトキなのね、という感じだけれど、移り変わりの早さに疲れる、いや驚く(笑)。

スマートフォンのFaceTimeを使って顔を見ながら電話する感覚で、生放送を多人数に届けられるわけだからとても気楽だ。フォロワーの多い芸能人が多く活用していて、使い方を間違うとお騒がせも起こりうるのは、最近話題の件でご存知かと思う。

これとは違って、企業のセールなどにインスタライブが使われる場合がある。結局モノを売るので、盛り上がり共有という話だけではない。

その場に集まった人たちの作り出す独特な雰囲気を利用して、どんどん購入の確約を取っていくのだ。電話と違って多人数なので、視聴者たちはコメント入力で会話に参加することになる。

視聴者の打ち込んだ文字が、映像の上に流れていくのを両方見るのは忙しい。文字の滝が下から上へ流れていく勢いで、人の多さや活気を感じる仕組みだ。

このような販売形式は「ライブコマース」と呼ばれ、少規模から始められる生中継の通販番組だ。海外での成功実績があり、個人のお店でも始めやすい仕組みのために人気があるのだ。

もちろん集まって来てくれるフォロワー、ファンがいることが前提だけれど、たった一人でも配信できる通販番組なのだ。

●ライブ配信が始まると

販売系のインスタでのライブ配信の場合、商品紹介の時間になると「視聴者数」の数字がどんどん増えて、人が集まっていることがわかる。挨拶をしながら皆ライブの部屋へ来るのだ。そして集まっている視聴者に向けて、商品が一点ずつカメラ内に入って来る。

進行者が商品の概要や魅力を説明し、いよいよ価格発表。お値段を言うところが一番盛り上がるのは、テレビ通販と同じだ。「おお〜」「これはお得!」などとコメントが書き込まれていく。

そして、一番先に購入を決断した人に購入権利が確定する。商品は一点しかないもの、数が決められているものなどがある。

誰も購入希望がない場合は、価格を少し下げて再度希望者を募る。商品特性によってそのルールは様々で、手直しを加えながら開催しているようだ。私もさほど多くを覗いたわけではないので、他のバリエーションはわからない。

購入意思の示し方は、コメントで「買う」という文字が送られた時に決まる方式だったり、配信後にメールやメッセージを送信する場合などがあるようだ。基本的に早い者勝ちだ。

「このアイテムは○○さんに決定しましたー」と進行者の声が聞こえると、「おめでとうございます〜」と文字で祝福される購入者。規模にもよるけれど数十人とはいえ、大勢の他の人が見守る中で購入意思を決めて手を挙げるわけだ。これにはちょっと勇気も必要だ。

動画はその時だけで消えるものもあれば、一日だけ録画が残っていてどんな雰囲気だったかを確認できる場合もある。配信者の決めたルールで違うようだ。

●買える人、買えない人

そしてタイミングやラグによって勝ち負けが決まるのは、このタイプの方法ではしょうがないことだ。

複数が同時にコメントを送信している場合は、誰が一番かわからないわけだから、「運」要素も強い。

そこで一喜一憂しているコメントが流れてくるのも、ドラマチックで興味深かった。視聴者のお客さんも知ってか知らずか、演者として加わっているのだ。お店側としては、美味しい要素が多いのではないだろうか。

最初に決めていることは、どの商品をいくらで出すかということだけで、何が起こるかはその場の出来事で、どんどん変わっていくのも面白い。急遽視聴者のコメントで、リクエストされた商品の紹介に変更するなどだ。

セールに興味のないうちの夫に言わせれば、「そんなの最初から決まってるに決まってる」ことかもしれないけれど(笑)。テンション高めの人たちを見ていると、だんだんとあったまって来てしまうものなのだ。

そして笑いの要素もとてもうまく使っている。希望の物が買えずにしょげているコメントの視聴者を、進行者が励まして取り上げたり、次のものが出てくるたびに「〇〇さんコレはいいんですか?」イジられたりする。

基本的に同じブランドのファンや、同じ物のコレクターが集まっているので、欲しい気持ちや残念な気持ちは皆共感できるのだ。

視聴者の可愛いコメントや、面白発言を進行者が取り上げることで、目立ちたいタイプの人は、より面白くなるために協力を始める。

そうなって来れば、もうライブ中継は大盛り上がりという雰囲気で、商品もどんどん購入者が決まっていくのだ。

買いの流れの創出のためのポイントはそう多くもなく、臨機応変がキーワードだ。進行役を命ぜられた担当者も、スキルがないと大変だと思う。

参加者もマナーの良い人ばかりとは限らないけれど、言っていいことと悪いことの想像力があれば、あまり困ることはない。

例えば、出てきた商品について欠点を見つけていても、人前で書き込まないのがオススメだ。もし「ここが残念だなー」と書いてしまえば、買おうと思っていた人はやめてしまうかもしれない。もちろん意見があれば自由ではないかとも思うし、自分のスタンスは自己責任だ。

どちらにせよどの商品も、一瞬先には所有者が決まるものだと思って見ていなければならない。

●役割に目覚める人々

見ているといつの間にか商品の概要をまとめる人が出てきたり、購入を迷っている人の背中を押す役目の人が出てきたりもする。

人は人に親切にしたいという本能を持っているようで、集団が円滑に楽しめるような流れになってくる。いつの間にか個々が自分の役目、役割を持つのだ。

商品をホメ続ける人、どんどん買う人、タッチの差で全く買えない人。勇気が出なくて買えない人、人の背中を押す人、なぐさめる人。そして、ただ見てるだけの人。

進行者の力によるところも大きいけれど、なぜかどこのライブでもそんな人た
ちが出現してくる。集団心理というものだろうか。

まとめると、ライブ配信セールには「その場限りの集まりに参加しながら、自分のコメントでも盛り上がって、人のためにもなれた満足感」があるのだ。

結局何も買えなかったとしても、お店やお客のためになれたし、楽しかったという満足感は持ち帰ることができるのだ。そして、ただ見ているだけでも「視聴者数」という数字に貢献しているのを忘れてはならない。

顔は見えずユーザーネームなどの文字の人たちを見ているだけなのに、個性を感じ取ることができるのは面白い。パソコン通信やチャットだけの時代とは、映像があるなしの違いでしかないのかもしれない。

注意点があるとすると、自宅で見ているのに人前に出ている高揚感のようなものがあることだ。

雰囲気に飲まれやすい人は、少し気をつけた方がいいかもしれない。高いものほど「このタイミングで即決したらカッコイイかもしれない」と思う人がいそうなのだ。後で後悔しない範囲で参加しよう。

結局、いわゆる現代版バナナの叩き売りなのかもしれないし、年末ならアメヨコでのお正月用食品の買い出しでも、似たようなシーンを見かける。

「今日だけ特別! うちに来てくれたからには安くしちゃうよっ」

きっと毎日これをやってるってわかっていても(笑)、何だか楽しいのである。昔も今も、やり方のベースはそんなに変わらないのかもしれない。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/

この週末はスプラトゥーン2のフェス。ヒーローvsヴィランが開催されている。ヒーローと悪役では、どちらが好きか。私はヒーローにしたけれど、インクの色が赤系で見やすかったからだ。暗くてコントラストがないのとか、見えづらくて嫌になっちゃう。


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■Scenes Around Me[41]
東京大学駒場寮の事(20)
オブスキュアギャラリー1周年
《1》オブスキュアの展示:「殺風景」展を中心として

関根正幸
http://bn.dgcr.com/archives/20181218110200.html
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●オブスキュアギャラリー

東大駒場寮の北寮にあったオブスキュアギャラリーは、1998年8月1日のオープン一周年記念パーティーに合わせて(だと思いますが)展示記録のアーカイブファイルを作製しました。

それを閲覧した記憶によると、オープニングの武盾一郎さんの展示が終わった後、オブスキュアは展示期間が一〜二週間程度の展示を矢継ぎ早に行っていたようです。

また、駒場祭の頃に一〜二日限定のイベント、もしくはグループ展を行なっていました。

写真家の安彦幸枝さんや、イラストレーターのハッチ(八反田めぐみさん)も展示を行っています。

安彦さんやハッチは、オブスキュアが駒場寮を出て豪徳寺に移った後、コーキくんや鷹野依登久くんたちと、共同生活を送っていました。

安彦さんの展示は早い時期に行われたらしく、残念ながら私は見ていません。

また、ハッチの展示は、フライヤーが駒場寮の廊下に貼られているのを見ています。

ですが、ハッチと知り合う前だったこともあり、ギャラリーに入って展示を見た記憶があいまいで、いつ頃だったのか思い出せません。

後述する1998年のアレクさんの展示の前後だったかもしれません。

その他、1997年11月頃だと思いますが、アーティスト・グラフィックデザイナーの立花文穂さんの展示は、私も見ています。

アーカイブのファイル自体、現存するかどうか分からず、内容について何らかのメモを取っておけばよかったと思います。

オブスキュアギャラリーの展示は、1998年に入ってからは一通り見たはずです。

ただ、8月のオブスキュア一周年記念パーティーまで、私は展示やギャラリーの写真をまったく撮影していませんでした。

そのこともあって、それぞれの展示について正確な会期などの詳細は不明で、これ以外にも展示があった可能性はあります。



中村しのぶさんの鳴神公演の後、写真家・編集者だった浜田蜂朗さん(1941〜96)の「殺風景」という写真展が開催されました。

浜田さんは、雑誌「現代の眼」の編集者や、「写真時代21」の編集長を務める一方、写真家としても活動、「写真時代」に「殺風景」という連載を行っていたようです。

浜田さんはアルコール依存症で、1996年に肝硬変で急逝しました。

浜田さんの没後、有志で遺作展を開催する計画が持ち上がったのですが、様々な事情から遺作展は不可能だと分かり、代わりに写真集「殺風景」を出版することになったそうです。

写真の選定は森山大道さんが行い、写真集は1997年12月に出版されました。

当時から森山さんをリスペクトしていたコーキくんは、その出版記念展を兼ねた遺作展をオブスキュアで、と写真展を企画したようです。

もちろんそれだけではなく、森山さんが選んだ写真自体が良いものでした。

https://made-in-wonder.com/item_detail.php?item_id=1912

展示の会期は1997年の年末、もしくは1998年の年始から一か月半くらいだったと思います。

当初、一か月の予定だった会期を、半月ほど延長したという記憶があります。また、コーキくんを通じて、写真集の購入も可能でした。

オブスキュアギャラリーの名前は出てきませんが、当時の美術手帖に蔵屋美香さんによる展示のレビューがありました。

それによると(メモを取り忘れたので正確な引用ではありません)、浜田さんの写真は「カミソリのような」金属製のフレームに入れて吊るされていました。

フレームはこの展示のために作られたのか、それとも以前から使っていたものかは分かりません。

オブスキュアが豪徳寺に移ってから撮影した写真を見ると、写真のサイズとフレームの大きさが合っていないので、写真展以前から使っていたのかもしれません。

ともかく、これ以降の展示でこのフレームが使われることが多く、一周年記念パーティーの時にもこのフレーム自体が展示されました。



先日、「写真時代」の編集者で、森山大道さんや荒木経惟さんの担当だったYさんに浜田さんのことを伺ったことがありました。

Yさんは、こういうようなことを話しておられました。

「浜田さんのやったことは、森山さんも荒木さんもやらなかった、やろうとしなかったことで、それは誰かがやらなければならないことだった。しかし、浜田さん本人がお寺の出ということもあり、生真面目すぎた。森山さんや荒木さんに比べて華がなかった」

「華がなかった」というのは、本人を知らないので何とも言えないのですが、「生真面目」というのは写真集のあとがきに、草森紳一さんが寄稿された文章を読むと納得がいくところがありました。

ちなみに、写真展で展示されていたのだと思いますが、浜田さんが生前使っていたカメラ(Pentax Spotmatic)は、コーキくんが引き取った後、現在私の手元にあります。

https://farm5.staticflickr.com/4825/44528795000_3a8dd36172_c.jpg



1998年の2〜3月頃、山根康弘くんの展示がありました。

山根くんの絵は小さなサイズの肖像画で、縦横比もまちまちだったので、各々の絵に合う石膏製のフレームを作って、その中に絵を展示していました。

この展示の写真も撮影していないのですが、それはこの頃カメラを出先に置き忘れて、ひと月ほどカメラが出てこなかったからだと思います。

印象に残っていることとしては、山根くんとコーキくんがギャラリーで話し込んでいたところに、スパゲティーをアリテンで作ったコックくんが、フライパンを手に現れたことでした。

それを見たコーキくんが、スパゲティーをむさぼるように食いつくさまが面白かったのです。

5〜7月には、今井アレクサンドルさん(以後、アレクさんと記)の個展がありました。この展示も正確な会期は覚えていませんが、長期に渡ったと思います。

アレクさんは、十字架をモチーフにした絵を展示していました。その他に、「W.W.BOO.」という、アウシュビッツやプラハなど第二次世界大戦中のホロコーストの現場に、ブースカ人形を配置して撮影した写真集を展示販売していました。

この展示はギャラリーに誰もいなければ、こっそり撮影しようと思っていました。しかし、物販があったせいか、弟子と思われる若い男性がいつも在廊していたので、結局撮影しませんでした。

オブスキュアギャラリーでは、定期的にライブ演奏のイベントを行なっていましたが、アレクさんは展示期間中のイベントに合わせて、北寮前でバーベキューを行いました。

その日のことだと思いますが、私は北寮入口の排水枡の蓋がガタついているのに気付き、即興的に鳴らして遊んでいました。

すると、イベントに出演していたtechnical cutの白井知樹くんとセッションになりました。

technical cutは佐藤久順(ひさとし、kujun)くんと白井くんのユニットで、
この日、私はひさとしくんとも面識ができました。

このこともあって、私はオブスキュアが駒場寮を離れた後に出したアートブックに関わることになります。

●デザインフェスタギャラリー

今回は、1998年4月、原宿のデザインフェスタ事務所に出来たギャラリーの、オープニングイベントの写真を紹介します。

https://farm5.staticflickr.com/4855/32426635338_3a316ac0d5_c.jpg

写真には左から鷹野くん、中央にあるオブジェを制作した鈴木まさおさん、オブスキュアのシンヤくん、シンヤくんの陰に武さん、が写っています。

1997〜8年頃、武さんや鷹野くんたちはデザインフェスタの事務所の壁画を描いていました。

https://farm5.staticflickr.com/4913/46298602641_f0e728d4c7_c.jpg

1998年4月初旬、私は渋谷〜原宿間を自転車で移動中、鷹野くんにバッタリ出会いました。

その際、鷹野くんから、デザインフェスタの事務所内に出来たギャラリーのオープニングでライブペインティングを行うので、音を出して欲しい、と頼まれました。

当日、私は押入れのようなところにこもって音を出した記憶があります。

後日写真をスキャンした際、タイトルをclockworkと付けているのですが、ギャラリーの名前だったのかもしれません。

現在、デザインフェスタ内にclockworkという名前のギャラリーはないようです。また、デザインフェスタの壁画も定期的に描き替えられるようになり、武さんや鷹野くんたちが描いた壁画も現存しません。

ただ、鈴木まさおさんが屋根の上に設置した単管は、現在も黒く塗られた状態で残っています。


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://www.geocities.jp/sekinemajp/photos(2019年3月まで)

1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔


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■crossroads[55]
セミナー講師の気持ち

若林健一
http://bn.dgcr.com/archives/20181218110100.html
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こんにちは、若林です。今週は二つのセミナーで登壇させていただきました。

ひとつは、Git/GitHubのハンズオンを含むソフトウェア開発のセミナー。もうひとつは、2020年から始まるプログラミング教育の実際を知っていただくとともに、これからの子供たちがどんな学びをすべきなのか? を考えるセミナーです。

非エンジニアのための開発環境構築──Git/GitHubによるソースコード管理編
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=27148

Future Meeting──これからの子どもたちに必要な学びとは?
http://www.kansai-u.ac.jp/umeda/event-seminar/future-meeting/future-meeting181216.html

どちらも参加者の方が熱心に耳を傾けてくださり、講師としてとてもやりやすいセミナーになりました。講師の立場としては、大変ありがたい限りです。

セミナーで話している時の講師は孤独です。決して自信満々でやっているわけではないのです(中にはそういう人もいますが)。

講師も話しながら不安でいっぱいなのです。「みんな、わかってくれてるかな」「参加してくれたみなさんの役に立ってるかな」ということを考えながら話しています。

参加されている方からすれば「先生の話を聴きにきました」という感覚で、じっと聴いていないと失礼だと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。話していることに対して何らかのフィードバックを返してくださると、講師はとても安心します

話していることが腑に落ちていれば、軽くうなずいてみるとか、メモを取ってくださるのも「あぁ、話したことを受け入れてもらえてるな」と感じることができます。

必ずしもポジティブな反応でなくても構いません(ポジティブな方が嬉しいのは確かですが)、わからなければ、少し首を傾げてみるといった反応があれば「今のところをもう少し噛み砕いてみよう」といった軌道修正ができます。

セミナーが終わってから、話しかけてくださるのも嬉しいです。この瞬間にホッとすることもたくさんあります。

セミナーが終わってさっさと帰られてしまうと「内容に不満があったかな?」と心配になってしまいます。きっとそんなことはなくて、次の予定があるからなんでしょうけれど。

できれば、急いでいる時でも一言、「ありがとうございました」と声をかけてくださるとありがたいです。

もちろん、内容に満足していないのにお礼を言う必要はありませんが、満足しているのであれば、何か言葉をいただけると、次へのモチベーションにもなります。

セミナー中にフィードバックがあると、講師側は話すペースが掴みやすくなり、予定していた以上のことを話すことができる場合もあります。

終わってから話しかけていただけると、セミナーの中では話さなかったことを話すこともたくさんあります。(少なくとも私は色んなことを話します)

セミナー講師が全員同じではないと思いますが、多くの方はこのように感じていますので、セミナー講師の気持ちを知った上で参加していただいて、期待以上の成果を持って帰っていただければと幸いです。

どうぞ、セミナーに参加する時には思い出してみて、実践してみてください。


【若林健一 / kwaka1208】
https://croads.jp/aboutme/

子供のためのプログラミングコミュニティ「CoderDojo」
https://croads.jp/CoderDojo/

貧困問題に取り組みお寺の福祉活動「おてらおやつクラブ」
https://otera-oyatsu.club/


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編集後記(12/18)

●近藤大介「未来の中国年表 超高齢大国でこれから起こること」を読んだ。2025年、「中国製造2025」は労働力減少を補えるか。「世界一の科学技術強国の実現」という野望を実現させるべく、AI、量子力学、自動運転車、次世代通信ほか、いまオールジャンルで凄まじい投資と開発競争が行われている。

誰も聞いたことのない「中国製造2025」は、2015年3月5日の「政府活動報告」で李克強首相がブチあげた。その内容は「5大工程、10大分野」に集約されてなかなか壮観だが、中国が本当に製造強国になれるかは、AI、ロボット、IoTなど製造業の技術革新のスピードが、労働力減少を補えるかにかかっている。

中国の生産年齢は、今後一直線に減り続ける。なかでも致命的なのが、ブルーカラー人口の急激な減少だ。1980年代以降の中国人は基本的に一人っ子で、工場での単純労働などやりたくない。製造業における人手不足は、日増しに深刻になっている。ブルーカラーよりホワイトカラーの方が多いという頭でっかちの構造になり、待遇の逆転現象も起こっている。日系企業も深刻に悩んでいる。

人口ピラミッドと生産年齢が逆三角形現象の中国が、今後の製造業を発展させる方法は二つ。移民の導入、ロボットやAIなどに人間の労働の肩代わりをさせる。後者が李克強の目指す方向で、深センで「双創」なる新語を用いて熱弁を振るった。インターネット・プラスの時代において、創業プラス創新(イノベーション)を結合せよという意味だ。中国の政治家のかけ声だけは立派だ。

双創の奨励は短期的には新規雇用の増加を目論む。年間600万社の創業だ。いわば「究極の自転車操業社会」である。急速に減少していくブルーカラー対策でもあり、工場のオートメーション化、AI化が急務になっている。そして、中国は世界最強のAI大国を目指す。これから起こる第4次産業革命において、20世紀には果たせなかった、先進国入りの悲願を21世紀に実現するとしている。

筆者の観察によれば、まことに「鬼気迫る」中国政府の力の入れようだという。AI分野で世界のトップを走るという気概は、アメリカの調査会社によれば2017年のAI分野での資金調達額で、中国は世界全体の48%を占め(2016年は11.3%だった)、アメリカの38%を抜いて世界一になった。中国の「IT社会主義」の成否は、21世紀前半の人類を左右する最大のテーマかもしれない。

2035年、総人口が減少しインドの脅威にさらされる。中国の歴史上初めて人口が減少。インドは2024年に中国を総人口で追い越したあとも、若い国民が中心のエネルギー満ちあふれた社会が続く。中国は急速に少子高齢化の道を進んでいく。「経済的に見て明日の中国の姿は今の日本で、いまの中国の姿は明日のインドということだ」。中国は仮想敵国を日本からインドにシフトしつつある。

2049年、建国100周年を祝うのは5億人の老人。日本と同じ急速な高齢化を、日本のような社会保障制度、インフラが整備されていないまま迎える。しかも日本の10倍の規模の、人類が体験したことのない、要介護人口2億人、未曾有の超高齢化社会が誕生する。日本の「高齢化ビジネス」輸出のチャンスである。

筆者は、習近平が台湾統一を果たす可能性を示唆する。第二首都の建設の目的は、台湾統一戦争になった場合の首都移転先の確保にある。国家主席の任期撤廃は、長老達に自分の代で必ず台湾統一を果たすという約束、取引をしたからではないのか。台湾統一は中国にとってプラスばかりである。人口2355万人を加えれば、将来の人口減をかなり補える。そういう見方もあるのか。(柴田)

近藤大介「未来の中国年表 超高齢大国でこれから起こること」2018 講談社現代新書
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4065120489/dgcrcom-22/


●メルカリのライブ配信を見たことがある。朝6時頃だったので、こんな時間に誰が見るんだ? と覗いてみたら、○○ママさんたちがいっぱい。説明している途中に、「子供(名前で)が起きてきたので、もうそろそろ終わります」と。子供の声はするし、売り物を触る子供を注意している。たまに子供が映りこむ。

小さな子供がいて外で働けないから、どこかで仕入れてメルカリで売っていると見受けられる人が多かった。子供が起きる前にゆっくり眺めたいという人をターゲットにしている売り手も。覗くだけ、挨拶するだけの常連も多いように感じた。売り物は子供用のいろいろや手芸材料、ちょうどいい価格帯のブランド品など。

ああいうライブ販売は顔出しをするものだと思い込んでいたら、画面は固定で商品しか映らなかったり、首から下しか映らなかったりで、案外売りやすいのかもしれないなと。朝4〜6時から30〜1時間程度のネット勉強会をやったら、ママさんたちのコミュニティが作れるのかもな〜なんて思ったりした。続く。 (hammer.mule)