エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[30]長崎の出島 水の中の空気遊び
── 柴田友美 ──

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◎長崎の出島

祖母の一周忌で、また長崎に行ってきました。今回は散歩のついでに出島に行ってみました。長崎の出島は、今発掘調査をしていて、出島の街並みが再現されています。

出島はもともと長崎に雑居していたポルトガル人を集めて住んでもらうのにつくられたそうです。(島原の乱などでキリスト教の布教を抑えたものの、貿易は続けたかったためだそうです。ポルトガルと言えばカステラですね)

そのうちオランダが、「ポルトガルよりうちがええよ。」と誰かに言って、ポルトガルとの取引はなくなる事になったそうです。出島はしばらく空き家になったものの、平戸にいたオランダ人達が引っ越してきて、新たな住人になったそうです。(オランダと言えばハウステンボスですね)

そのうち日本が開国し、出島はその役割を終えたそうです。





その後も長崎には外国人がたくさん住んで、南山手にはイギリスの商人のグラバーが住んでいます。(長崎の住人で以外と多いのがロシア人みたいです)

秋の長崎くんちでは、町内が持っている船や龍踊りが長崎市内を巡回していくわけですが(町内には7年に1度当番が回って来るそうです)、船は日本の船だけじゃなくて南蛮船(ヨーロッパの船ですね)、唐船(中国の船ですね)もあります。

おくんちは出し物を追いかけて、町中を行ったり来たりしないといけないので大変ですが、見る価値はあると思います。前に長崎県庁の前で龍踊りを見ている時に、さだまさしも龍踊りを見ているのに気がついてびっくりしたことがあります。

出島には当時の暮らしの再現された部屋、蔵の様子が展示された建物、どんなものが輸出入されていたかが展示されている部屋がありました。お侍の格好をしたスタッフさんもいて面白かったです。

出島の発掘調査には、ヨーロッパや東南アジアにも協力を依頼したそうです。(オランダ人は218年間出島に住んでいたそうです)出島には東南アジアから来た人もいたようで、バトミントンをしている絵が残されているようです。

ちなみに中国とも貿易は続けられていて、中国人は唐人屋敷という出島とはまた違う所に住んでいたようです。中国人はオランダ人よりは長崎の人との交流が許された(?)ため、長崎に色々な中国文化が根付く事になったようです。

出島は今は埋め立てられて、陸地の一部になっています。もしかすると迷子になったポルトガル船や、オランダ船が、あなたの家のベランダにやってくるかもしれません!

もし船が来たら、遊女の手配をしたりしないといけないし、荷物の中に生きたゾウがいたら無事に江戸のお殿様に届けないといけないし、結構大変だと思います。

そういえば、長崎の原付バイクのナンバープレートは出島の形をしていました。


◎水の中の空気遊び

どうしてもあの人の事を考えてしまうのをどうにかしないといけないと思って、川の浅瀬に行って足をつけてみた。

そうすると私の肺が大きくなって、一頭のゾウが出現した。そのゾウと水遊びをしていると、突然男の人が現れて、そのゾウを引っ張って行ってしまった。

「まったくこんな所にいたのか。水ならさっき飲んだばかりなのに」「待ってください、それは私の肺なのです」そう言っても、その人はゾウを連れて行ってしまった。

すると突然空の色がまだらになり、私の口に飛び込んできた。

私の肺は、どうやら新しいものになった。新しい肺になると、声が出しやすくなるようだった。私は「愛してるよ。」とつぶやいてみた。終。

【柴田友美(しばたともみ)】

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