[4712] ぬくぬく生活のススメ◇CONTAX G1/1998年8月の写真◇Scratch3.0

投稿:  著者:  読了時間:20分(本文:約9,800文字)


《子供プログラミングもIoTの時代へ》

■装飾山イバラ道[237]
 ぬくぬく生活のススメ
 武田瑛夢

■Scenes Around Me[42]
 東京大学駒場寮の事(21)オブスキュアギャラリー1周年
 《2》CONTAX G1を購入・1998年8月1日に撮った写真
 関根正幸

■crossroads[56]
 Scratch3.0がやってきた
 若林健一




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■装飾山イバラ道[237]
ぬくぬく生活のススメ

武田瑛夢
http://bn.dgcr.com/archives/20190115110100.html
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最近の母は調子が良く、「どこも痛いところがない」というのが口癖だ。ただ低体温気味なので、冬場は血流が悪そう。それなのに新潟生まれの寒さ耐性によって、部屋の風通しをよくしたがるのが困りもの。

私が若い頃に風邪をひくことが多かったのも、これが原因とみている。寒さに鈍感な母なので、冷え性の私にはキツかったのだ。古いマンションは断熱材も適当だし、部屋の中なのにパソコンが黒ずんだりするのが謎だった。外気が相当量入ってくるのである。

今の私の環境は機密性の高い部屋なので、物の痛みが少なくなった。古い部屋は日差しも外気も気持ちは良いけれど、服も壁紙もすぐに古びていたように思う。部屋の中のものが風化するのだ。今日は、人間もそうかもしれないというお話。

●長寿と高断熱

調べてみると、冬場は部屋の温度を高めておく方が体の負担が少ないらしい。健康でいられる部屋の温度は21℃前後で、16℃以下になると健康リスクが高まるそうだ。

機密性の高い部屋に引っ越した方が、高齢の体には優しいのだという。私もここ数年そういう思いが強い。以前、年齢を重ねても美しい女優さんが、体調管理の秘訣を「温かめの室温」と答えていたのを覚えている。

お風呂場や脱衣室を先に温めておくと、湯船との温度差が少なくなって、血圧の急激な変化を抑えられるのはよく言われる話だ。差はない方が負担が少ない。

思い出せば小さい頃の田舎の家は、お風呂場が離れていたり、トイレも長い廊下の先にあったりして、ほとんど外のような温度だった。冬場に行ったことはないけれど、冬だと夜中のトイレは相当着込んで行かないと厳しいと思う。

そういう温度差の積み重ねが体の血管の過剰な頑張りを引き起こして、急に具合が悪くなったりしそうだ。現代でも気をつけないといけない。

●快適は贅沢か

うちの母は、エアコンはつけっぱなしの方が電気代の節約になるという、現代的な提案をしてもちっとも聞いてはくれない。私が部屋に行く数分前にエアコンをつけるようで、部屋に着いた時点ではまだだいぶ寒いのだ。

前もってつけておいてくれるだけ優しい気もするけれど、きっと私に口うるさく言われることからの防御のためなのだ。

寒いのが平気で体調が良いならいいけれど、冬になると母は途端に活発さがなくなる。自然な季節の温度に合わせて行動レベルを変えているとも言えるけれど、ちょっと工夫すればいいだけのようにも思える。

だって、お風呂上がりは途端に元気になって、ピンクの頬で幸せ全開の顔をしているのだ。私「やっぱり温めるだけで元気じゃん」。

私たち世代には、親は「寒いのを我慢する」のが普通になっているように見える。しかし、母からすると「寒くもないし我慢もしていない」という。

夏も「暑くもないしクーラーなんていらない」ということで、体調を崩す人が多いと思う。温度と過ごしかたの好みが、生体反応の現実と離れてしまっているのではないだろうか。体感温度だけでなく、そこから来る体調不良にも鈍感になってしまうのだ。歳を重ねるほどにその傾向が強まると思う。

そして若い世代とは違って、上の世代の人は自分が快適であることの優先順位が低いように思う。快適というのが贅沢に思えて、できないのかもしれない。快適は贅沢なのだろうか。

私は長年頑張ってきた世代こそ、もっと快適を求めても良いと思うのだ。

●誰が見守るか

ただ私も反省しなければならないと思うのは、どんな人でも物事は「自分で決められる自由が一番」ということだ。

自分の部屋の温度ぐらい、自分の好きにさせて欲しいのだ。私だって、自宅から母の家の室温を調整しようとは思わない。温度は数字だけでわかることばかりではないと思うし、その場にいる人が決めないと無理なこともある。

そのうちに部屋の温度も自分の血圧も血流も、何かの機器で見張られる時代が来る。体に負担が強まった時だけ、気がつかないうちに調整してくれるのだ。それはそれで微妙に気持ちが悪い気もする。

母の主治医が、「この間すごく寒い日があったけど大丈夫だった?」と母に聞いていて、ドキっとしたことがある。(あれ? いつのことだ?)私は自分の家がエアコンに依存しているので、特別に寒い日があっても気がつかなかったのだ。

自分が行く日だけ、母の家の寒さに気づいて怒っていたわけだ。いろいろと迂闊な自分に気がつくけれど、できる範囲で気をつけてあげたいと思う。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/

夫のiPadProを使ってもよいというので、Apple Pencilを試している。以前のタイプなので、充電する時に脇に沿ってつければいいのではなくて、シッポみたいに飛び出す方のApple Pencilだ。なぜこの角度なのか疑問。新しいペンでは解決していることなのでいいけれど。

久しぶりの筆圧感知は気持ち良い。しかし、慣れるまではあまり自由に使えない。どんどんスマホやタブレットでの画像加工が当たり前になるだろうし、ソフトもゲーム感覚の操作になってきている。触るだけ、撫ぜるだけで、できることが多くて、実体がつかめない感じなんだなぁ。その場合の実体って何?


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■Scenes Around Me[42]
東京大学駒場寮の事(21)
オブスキュアギャラリー1周年
《2》CONTAX G1を購入・1998年8月1日に撮った写真

関根正幸
http://bn.dgcr.com/archives/20190115110200.html
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以前の連載に書いたように、私は1998年7月にCONTAX G1(以下 G1と記す)を購入しました。

それまで、私はCONTAX TVS(以下TVSと記す)を使っていましたが、故障が多く、カメラを修理に出している間、写真が撮れないことに苛立ちを覚え始めていました。

これが、中山道の写真だけを撮っていた頃なら、カメラの修理中は旅に出なければ済んだ話でした。ところが、周りの人たちの活動を記録するようになると、写真に撮っておきたいと思う瞬間に、カメラを持っていないという場面に出くわすようになります。

例えば、のざらし画廊のAKIRAさんが1998年の2月頃、自伝的小説「Cotton100%」の出版を記念して、「血のサイン会」を渋谷EDGEで行いました。私は、音響スタッフとして、会場の設営から撤収までサイン会に関わりました。

AKIRAさんは会場の壁に自作の絵を展示したのですが、それはスカトロアートと称する、うんこで描いた巨大な「可愛いコックさん」の絵でした。

また、AKIRAさんは自分の腕から血を採取し、注射器をペンの代わりにして血で本にサインしました。ところが、血には凝固しないように薬剤を混ぜたため、サインした血もなかなか固まらず、サイン会の参加者は本を開いたまま、会場をウロウロしていました。

この時はカメラを修理に出していたのではなく、知り合いの家に置き忘れていたのですが、もしカメラを持っていたら、間違いなく会場の様子を含め記録していたはずです。

血のサイン会を含め、私が撮影できなかった出来事は今でも記憶に残っていますし、その後の記録行為の原動力になりました。

そういう訳で、私はTVSの修理中に使うサブカメラを欲しいと思っていました。そんな時、高輪にあった松坂屋カメラで、G1の中古のボディが4万円台で売られているのを見かけました。

実は、TVSを購入する際にG1の購入も検討していたのですが、レンズはともかく、ボディの価格が15万円以上したため、購入をあきらめていました。

それが、後継機種のCONTAX G2が発売されたこともあり、この頃からG1のボディの中古価格が値下がりし始めていたのです。そこで、私はレンズ(Biogon 28mm)は新品を購入することにして、中古ボディを入手、G1ユーザーになったのでした。

その結果、TVSの方がサブカメラになってしまいましたが。これ以来、1998年10月にアリテンが駒場寮を退去する頃まで、駒場寮およびオブスキュアギャラリーの写真を集中的に撮るようになりました。

○東京大学駒場寮内で撮影した写真

今回は、オブスキュアギャラリー1周年記念パーティーが行われた1998年8月1日に、東京大学駒場寮内で撮影した写真を中心に紹介することにします。

ただし、カメラの操作に不慣れだったこともあり、紹介するのが忍びない写真もあるのですが、駒場寮が写っている写真なので、枚数が多めながら紹介してみます。

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パーティー当日、オブスキュアギャラリーのコーキくんとシンヤくんが、荒川の河川敷に工場のファンが廃棄されているという情報を得て、車を出して拾ってきました。

拾ったファンは、オブスキュアギャラリーと北寮入口の渡り廊下の間に置かれました。写真がピンぼけなのは、この前の日にボディのレンズ交換用のボタンにうっかり触ってしまい、レンズが緩んでいるのに気づかず撮り続けていたせいです。

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オブスキュアのパーティーと同じ日に、学外サークルだった弁天庵が北寮の屋上でDJパーティーを行いました。

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オブスキュアのパーティーが始まる前に、アリテンの常連だった内藤くんや写真家の小山基彰くんたちと、屋上で暗くなるまで過ごしました。

https://farm5.staticflickr.com/4861/31721251927_a840bc92c1_c.jpg

日が完全に暮れた後、屋上はシャッタースピードが1秒くらいの暗さになりました。この日、私は一脚しか持っていませんでした。そこで、実験的に多重露光モードにして1/60秒のシャッタースピードで何度も繰り返し撮り続けました。

https://farm8.staticflickr.com/7926/45747781355_70f4c0fa9d_c.jpg

屋上から降りてきた時、アリテンの扉の前に猫がいるのを見て撮ったようです。

https://farm5.staticflickr.com/4897/45747780825_4592912e1b_c.jpg

猫を追いかけて、階段の踊り場付近を撮影しました。

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オブスキュアギャラリーの扉の前で猫を抱く女性(キャット)。キャットは、本名がカテリーナで、その愛称だと後になって知りました。

オブスキュアギャラリーの扉の前で、関係者および展示作家の記念撮影が行われているのを横から撮影しました。

https://farm8.staticflickr.com/7899/45747781675_32eb3fe0dc_c.jpg

写真は、右からシンヤくん、小山くん、キャット。

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この女性は当時の知人のはずですが、誰か思い出せません。

この日、写真家の安彦幸枝さんのことを始めて知りました。安彦さんは、記念撮影で襷を口にくわえたポーズを決めようとしていました。ところが襷がなかったので、代わりにトイレットペーパーを使おうとしたようです。その結果、トイレットペーパーが唾液で溶けて、慌てている様子が記憶に残っています。

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ギャラリーの中で撮った写真。キャットがこちらに怒っているように見えますが、ネガの次のコマを見ると普通に談笑しているので、たまたまそういう表情が写ったのかもしれません。

手前に、先ほど拾ってきたファンが置かれています。また、展示ではないパーティーなので、壁には空のフレームが掛けられていました。

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ギャラリー内の写真

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パーティーが終わってコーキくんの部屋に移動しました。一枚目の帽子をかぶっている男性がコーキくんです。私はこの日、適当な時間でアリテンに引き上げました。


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://www.geocities.jp/sekinemajp/photos(2019年3月まで)

1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔


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■crossroads[56]
Scratch3.0がやってきた

若林健一
http://bn.dgcr.com/archives/20190115110100.html
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若林です。新年あけましておめでとうございます。

お正月といえば、お年玉。今年はZOZO TOWN前澤社長のTwitterでのお年玉企画が話題になりましたが、それと同じようなTweetをする悪質なアカウントが出ています。

それらのアカウントはフォロワー集めか、住所などの個人情報を引き出すことが目的と思われます。どこの誰ともわからないTwitterアカウントが「フォロー&RTでプレゼント」といったTweetをしていても無視してください。

●祝Scratch3.0リリース!

さて、インターネットの世界は悪いことばかりではありません。新年早々、私たちにとってのビッグイベント、Scratch3.0のリリースがありました。

昨年の夏頃からベータ版が公開されていましたが、1月2日(日本時間の3日)に正式リリースとなり、Scratch 3.0で作ったプロジェクトの共有や公開が可能となりました。

Scratch3.0になって良くなったことはたくさんあるのですが、その中でも特にこれというポイントを3つ紹介します。

1)FLASHからHTML5に移行

Scratch 2.0まではFLASH Player上で動くアプリケーションでしたが、3.0からHTML5のみで作られたwebアプリケーションになりました。これにより、2.0では動作しなかったスマートフォンやタブレットでも使えるようになっています。

おー、これでiPadでもできるぞ! と喜んだのもつかの間、キーボードやマウスの入力が必要なプロジェクトの場合、タブレットでは操作できないことがあることに気づきました。逆にタブレットだから作れるプロジェクトもありますが、PCとタブレットの操作方法の違いを意識しておく必要があります。

2)連携できるハードウェアが増加

3.0から新たにmicro:bitやMakey Makey、LEGOマインドストームEV3などのハードウェアを動かせるようになりました。

昨年夏のScratch開発チームメンバーとのミートアップでも、「ハードウェアの連携は増やしていく」ということをおっしゃっていたので、今後も対応ハードウェアは増えていくかもしれません。

その中でもmicro:bitが比較的入手しやすく価格も手頃で、単体でも注目が高まっていることから、Scratch + micro:bitの組み合わせたプロジェクトがたくさんでてくると思います。

私も、既存のプロジェクトをリミックス(他の人のプロジェクトをコピーして改造すること)して、100m走をmicro:bitで楽しむプロジェクトを作ってみました。
https://scratch.mit.edu/projects/279168171/

micro:bitを持って走る(その場で手足を動かせば、実際に走らなくてもOK)と画面の中のランナーが走るというもので、子供達には大ウケ。

体を動かすプログラムは子供達の引きが強くて、運動不足の大人もいい運動になるので、おすすめです。

3)クラウド機能との連携が追加

強化されたのは、ハードウェアとの連携だけではありません。2.0まではなかったクラウド機能との連携が追加され、音声合成や翻訳機能がプログラムに組み込めるようになりました。

翻訳機能はGoogle翻訳、音声合成は明らかにされていませんが「協力 AWS」となっているところをみると、Amazon Echoの音声合成機能を利用しているのかもしれません。

今までなら、キャラクターに英語のセリフを話させる時には、あらかじめ翻訳した文章を作っておかなければなりませんでしたが、翻訳ブロックを使えばプログラムの中で英語に翻訳させられるので、プログラムの作成が速くなります。

音声合成を使えばキャラクターのセリフを表示させるだけではなく、音声で喋らせることもできます。翻訳を使う機会はそれほど多くは無いかもしれませんが、音声合成は色んなアイデアが生まれそうです。

●子供プログラミングもIoTの時代へ

micro:bitのように安くて手に入れやすいハードウェアが増えている今、Scratch3.0の登場でインターネットとハードウェアの連携、つまりIoTプログラミングがやりやすくなりました。

子供達がどんなアイデアを生み出し実現していくのか楽しみです。サポートする私たちも子供たちに負けないよう、必死で頑張ります。


【若林健一 / kwaka1208】
https://croads.jp/aboutme/

子供のためのプログラミングコミュニティ「CoderDojo」
https://croads.jp/CoderDojo/
貧困問題に取り組みお寺の福祉活動「おてらおやつクラブ」
https://otera-oyatsu.club/


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編集後記(01/15)

●偏屈映画案内 『ソイレント・グリーン』(Soylent Green)1973 アメリカ舞台となるのは、2022年のニューヨーク。インターネットの原型の運用開始が1981年である。それ以前の1973年に映画人の想像した2022年は、まだアナログの世界だった。景観に未来感は全然ない。人口爆発によって資源が枯渇し、格差が拡大した暗鬱な未来社会で起こる殺人事件と、その背景を描いている。

ニューヨークの人口は4000万人、失業者は2000万人、ごく少数の特権階級と多くの貧民という超格差社会では、ほとんどの人間はソイレント社が配給する高栄養食品と水で、細々と生き延びている。ある夜、ソイレント社の幹部が殺害され、殺人課のソーン刑事(チャールトン・ヘストン)が捜査に乗り出す。

彼は富豪である被害者の邸宅に行き、職権乱用で酒を請求し、バーボン、石鹸、タオル、紙、鉛筆、リンゴ、トマト、タマネギ、牛肉などを堂々とかっさらう。苺ジャムのついたスプーンまで。また「ソイレント海洋調査報告書」全2巻も持ち帰る。同居する「本」と呼ばれる老人・ソルと一緒に、喜々として食べる。

被害者は食品冷凍乾燥機の専門家で、食糧供給の要・ソイレント委員会の重要人物だ。強盗にやられたのではなく暗殺だとソーンは考えるが、ソイレント社から圧力をかけられた上司から、捜査終結に署名しろといわれて拒む。その後は様々な妨害を受け、海中プランクトンで作った奇跡の高栄養食品、ソイレント・グリーンの配給中断による暴動の、どさくさ紛れに暗殺されそうになる。

「本」の本部に行ったソルは、「被害者は委員の一人で、『事実』を知って正気を失った。会社側は彼の動揺を察知し、口外を恐れて彼を消した」との分析結果を知らされ、驚愕し、絶望し、公営安楽死施設「ホーム」に赴く。そこの職員は「好きな色は、音楽は、署名を。20分ね、はい、ご安心を」と流れ作業式に、安楽死部屋に送り込む。この部屋のシーンは以前に見たから憶えている。

すでに失われた大自然の美しい映像と、「田園」の響きに包まれて安楽に死ねる。いい死に方だなと思ったし、今回もまたそう思った。真実を知ってしまったからには、死を選ぶしかなかったソルは、駆けつけたソーンに「海もプランクトンも絶滅だ。あとは人間。ソイレントグリーンの原料は人肉だ。人肉が食料になれば、次は食用人間の飼育だ」と告げ、裏付けをとれと言って死ぬ。

ソーンは、ホームからソイレント社の工場に向かう死体運搬トラックコンテナの上に潜み、工場に入って製造工程を確認する。極秘のはずの工場内の警戒が甘い。だが暗殺者に追われ、深手を負ったソーンは、病院に搬送されながら声高に真実を叫ぶのだった。この驚愕の事実は、工場従業員を含め関係者はみな知っているはずで、いくら厳重に管理されていても外に洩れないのが不思議だ。

その真実を知る幹部の一人が正気を失い、会社にとって危険だから暗殺されたということだろうが、杜撰な連中だ。もっとうまい始末の方法はいくらでもある。それにしても救いのない未来をよく考えついたものだ。ハリイ・ハリソンのSF小説「人間がいっぱい」の映画化だ。未来感はまったくないが。 (柴田)

ソイレント・グリーン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00FIWMG8E/dgcrcom-22/


●地震続き。/以前、商業施設で火災報知器が鳴り響いた時、食べ続けている人や注文をする人までいて驚いた。すぐに状況確認中とのアナウンスが入ったが、避難指示はなかった。私たちのテーブルに店員さんが注文を取りに来られたのだが、状況がわかるまでは待ってと伝えた。

自分たちのいる場所は地下。なかなか音が鳴り止まず、火災元らしき場所が上の階とのことで、不安になってくる。トイレでタバコを吸った? いたずら? 本当の火災?

何が起きているのかわからない状態で、判断を委ねるのって怖くない? まわりの誰も事実がわからないのに。友達や店の人に伝えて、店の外に出たら、他店の店員さんたちも出てきて困った顔をしていた。

結果、火災は起きていなかったとのアナウンスが流れて、火災報知器の音は鳴り止み、普通の生活に戻った。実際に火が出ていたとしても、コンクリートの塊だし、煙は上に行くしで、何ともなかったのかも。映画だったら好奇心で余計なことをして、最初に死ぬキャラ?(汗) (hammer.mule)