[4717] 意識の謎を追いかけて◇買ってよかったウェブ制作を学ぶ本

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《PFOで説明がついちゃう!》

■羽化の作法[77]現在編
 意識について 茂木健一郎さんの最新動画と「最新物理学説で読み解く、
 『生まれ変わり』の実在性」動画の紹介
 武 盾一郎

■LIFE is 日々一歩(90)[ウェブ]
 2018年に買ってよかったウェブ制作を学ぶ本(1)
 森 和恵




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■羽化の作法[77]現在編
意識について 茂木健一郎さんの最新動画と「最新物理学説で読み解く、
『生まれ変わり』の実在性」動画の紹介

武 盾一郎
https://bn.dgcr.com/archives/20190122110200.html

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こんにちは。武盾一郎です。

ところでデジクリ執筆陣のセーラー服おじさんことケバヤシさんは、意識の謎についていくつも執筆されてまして、そのレポートはどんどんハイクオリティになっております。

人工意識研究の第一人者・金井良太氏のツイートをご覧ください。

「セーラー服おじさん、意識研究相当詳しい。研究者でもIITの意味についてここまで理解している人少ないのではないか。」


意識の最先端の研究について、科学者の話を聞いてもちょっと分からなかったりしますよね? そんな時はケバヤシさんのデジクリ原稿をオススメします。ケバヤシさんのデジクリアーカイブ。
https://bn.dgcr.com/archives/GrowHair/


私も懸命に意識の謎を追いかけているのですが、ケバヤシさんのように数学が分かってる訳ではないので、理解に限界があります。それでも自分なりに意識の謎を追いかけています。そこで今回は二つ動画を紹介します。

● #もぎけんの意識ばなし

ひとつは茂木健一郎さんが意識について語っているYOUTUBE動画です。「#もぎけんの意識ばなし」とタグを付けて、今年1月12日から始めています。動画は1本2分台とコンパクトです。再生リストを作りましたので、ぜひご覧になってください。


茂木さんの話を、ざっと自分流にまとめてみます。※は私のコメントです。

『自由意志の両立説について』


私たちは自由意志を持っていると思っています。しかし、実は無意識の因果的決定論に基づいていて、それを自分の自由意志だと錯覚してる。という構図が現代の科学では主流になっている、と。

ではなぜ自由意志という幻想が必要なのか? それは脳の状態をチェックするためなのではないだろうか。「自由意志をもって生きていると自覚してる」という「錯覚」が起こっている時の脳はうまく働いていて、「自由意志をもててないと思う時」は脳はうまく働いていない、といったように。

※意識の謎を調べるほどに、なんで意識が必要なのか? という疑問が湧いてしまう。例えば、AIシンギュラリティが起きたとして、そのAIに意識は宿ってなくていいんですよね。もし違和感なく会話できるロボットができたとしてもそのロボットに意識は宿ってなくていいんですよ。哲学的ゾンビで充分なんですよね。そう考えると「意識が在ること」に対して、どこか超越的な何かを期待してしまうのです。

『自己意識の中心の空虚さについて』


意識には自己意識というが当然あるのですが、この私《セルフ》というのは、中心に行けば行こうとするほど無色(void)になっていきます。

視覚・聴覚などの感覚的クオリア(sensory qualia)はtangibleで実体がある。そして志向的クオリア(intentional qualia)はその感覚的クオリアに解釈を与えるもので、抽象的になる。そしてそれはセルフに近い。つまりセルフに近付くほど抽象化して実体がなくなっていく。

※これは仏教でいう「空(くう)」の概念だろうか。空(くう)とは事物の抽象化の行くつく先である。それが「私」ということでもあるのだろうか。具体的な私と抽象的な私の、両極を併せ持つのが《私》ということなのだろうか。

『志向性と感覚性のマッチング』


志向性とは言葉の意味である。あるものが何かを指し示している、ということである。「シニフィアン」と「シニフィエ」のようなものでもある。

「シニフィアンとシニフィエ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%8B%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%82%B7%E3%83%8B%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A8


例えば、「30億光年離れた場所にある恒星」と聞くと、私たちはイメージの中で「30億光年も離れた場所にある恒星」に行けます。これが志向性です。

それに対して感覚的クオリアとは、「赤の赤らしさ」だとか「水の冷たさ」で、明からに両者は様子は違います。

空間構築も志向的クオリアではないだろうか。「志向的な空間の構成」と「その中での感覚的クオリアの配置」というのが、志向性と感覚性のマッチングの基本であるだろう。空間という不自由さと、言葉の意味という自由さはかけ離れているように見えるが、志向性クオリアとしてひとつのスペクトラムで繋がっているのだろう。

『意識の中の時間の構造について』


主観的な時間の流れは物理的な時間の流れと違う。心理的な時間は現在の連続で、数直線上に点が並んでいるのとは違う。実数ではない。広がりのある今の連続です。物理的な時間を使って心理的時間の流れは説明できないであろう。

※まあ、そりゃそうだろうという感想ですが、ひょっとしてすごく難解な含みがあるのでしょう。「広がりのある今」ってひょっとしたら複素数なのかな? とか、ちょっと思ったりしました。それは意識と虚数って関係あるような気が漠然としていまして、マンデルブロ図形が複素数だからという雑な根拠なのですが。
http://samidare.halfmoon.jp/mathematics/ChaosAndFractal/ChaosAndFractal7.html


『人格の同一性について』


夜寝て朝起きても私という意識の連続性は続いていますが、それはよく分からないのです。睡眠の前後で意識が連続している、自我が連続している、という事をもし認めるとするならば、人は死なないという事になります。

例えば、死んだとしても宇宙の歴史の中で私と同じ生命体が生まれたら、それは寝て起きて私が連続してるのと同じ事になるのではないでしょうか。

※「人は死なない」に一瞬ハッとしましたが、よくよく聞き返してみるとすごく難しいです。でも私が死んだ後、いつかどこかで「私だ」と意識が戻ると思うと、なんだか安堵するのも確かです。

意識はなぜか「永遠」を求めます。それは永遠と関係があるからですよね。ひょっとしたら、意識は永遠かも知れないとも思いますが、これは日本の風土に無意識的にある宗教観の影響かも知れませんし、または単なる欲望かも知れません。ただ、ひょっとして茂木さんはマインドアップローディングをディスりたかっただけなのかな?(笑)、とも思いました。

『ベルグソンの純粋記憶について』


ベルグソンの「純粋記憶」について、小林秀雄が講演の中で取り上げています。それは「脳はなくても記憶は残る」ということで、外套とハンガーに喩えられます。ハンガーがなくなっても外套は残る、と。外套は記憶で、ハンガーは脳である、と。

それを空間的に考えると納得いかないが、時間的に考えることができそうです。5歳の時のあのクオリアと同じ質感の豊穣が現在も立ち上がる。それは時間軸上に「純粋記憶」があると考えるとスッキリします。

仮に私の完璧なレプリカントが、たった今作られたとします。過去から生きてきた私を「自然状態の私」とすると、「レプリカントの私」と「自然状態の私」の違いはあるのか? という問題を「ベルグソンの純粋記憶」で考えることができるかもしれません。

体験(クオリア)が今ここの脳状態に規定されるドグマを採用すると、両者は区別できないことになります。ところが、直感的には「レプリカントの私」と「自然状態の私」は違う気がします。それが「ベルグソンの純粋記憶」と関係しているのではないかと思うのです。

※なぜかこの話がとっても好きです(笑)。それは私が死んでも、私の思い出の質感は残っていて欲しいという願望があるからです。いつに何をした、などの具体的な記録が残って欲しいのではなくて、「あの感じ」が残っていて欲しいのです。「純粋記憶」とはその願望が、哲学的概念として形式化したもののように感じます。

『意識と間主観性について』


意識の存在理由は他人とのコミュニケーションにある、という説があります。メタ認知ができて、それを他人に報告できることが進化論的に大事だということです。意識とは「私」という主観に基づいたアプローチがほとんどなのですが、間主観性から意識を議論する方向です。

間主観性
https://plaza.umin.ac.jp/kodama/ethics/wordbook/intersubjectivity.html


※意識の存在理由を自分に求めても、見つからないのは当然のような気がしてきました。コミュニケーションのために意識が必要であるとすると、ポンッと腑に落ちるところがあります。なぜかこの話も好きです。

『志向性の構造について』


「恐竜たちがいた頃の地球の気怠い午後」と言うと、恐竜たちがいた頃の地球の気だるい午後をイメージできます。この志向性を作っている意識は、私のローカルにあるんですよね。このローカルにある意識が遠くを志向できる志向性はとても面白いのです。

これによって長い間の計画を立てることができるとか、何かを欲することができたりだとか、機能として進化的な意味があるのです。この志向性は運動や選択や処理とかに開かれたものなので、ひょっとしたらAIなどに接続できるのかも知れません。

以上の8本の動画が現時点でアップされています。

これらの動画を観てから次の動画を観て欲しいのです。種市孝さんという理論物理学者の講義です。

●パラサイト・フェルミン・モデル(PFモデル)

「最新物理学説で読み解く、「生まれ変わり」の実在性」


37分間ありますが、自分流にざっと説明してみます。

量子論と相対性理論を統合する仮説として、「超弦理論」があります。この宇宙はひもの振動でできているとするもので、この理論によりますと、宇宙は10次元空間になります。

ちなみに私たちが認識している世界は、空間3次元に時間1次元が加わった「時空4次元」です。高次元の宇宙をイメージする時に、この時空4次元を「ブレーン」、膜のようなものとして考えます。

例えば、5次元宇宙に時空4次元の「膜」があるとするのです。私たち素粒子はすべてこの「膜」に張り付いています。5次元方向に飛び出すことはできません。それを湯川相互作用といいます。

また、5次元方向を見ることもできません。それは光子もほとんどが「膜」に張り付いて飛び出せないからです。飛び出せるとしたら、超高エネルギーとなります。

そこで、4次元時空の「膜」に張り付かない、別種の物質粒子(フェルミオン)を考えてみます。

場の理論で計算をしてみると、ちょうど5次元方向にポテンシャルのくぼみがあることが分かりました。そうすると、そこに物質粒子(フェルミオン)が存在できるのではないだろうか、と。

それを「パラサイト・フェルミオン(PF)」と名付けます。PFで構成される物体を、「パラサイト・フェルミオン・オブジェクト(PFO)」と呼びましょう。

そして、時空4次元の「膜」に張り付いてる、私たちの世界の物質粒子を「ホスト・フェルミオン(HF)」と名付け、HFで構成される物質を「ホスト・フェルミオン・オブジェクト(HFO)」と呼びましょう。パラサイターとホストの関係のように、PFOはHFOと相互作用するものとします。

さて、いよいよここからが問題です。我々の「精神活動」、つまり意識であるとかクオリアは、脳の活動の結果だとされていますが、この常識を否定してみます。

脳は時空4次元にある物質「ホスト・フェルミオン・オブジェクト(HFO)」ですが、意識の実体は時空4次元にはなく、5次元にある「パラサイト・フェルミオン・オブジェクト(PFO)」と考えることが出来ます。

脳と意識の関係は、「ホスト・フェルミオンとパラサイト・フェルミオンの相互作用」によるものとなります。

するとどうでしょう。脳が死滅した後も意識は残ります。死とは何かというと、「脳とパラサイト・フェルミオン・オブジェクト(PFO)とのコネクションが断たれるイベント」である、ということになります。

そうすると、茂木健一郎さんの動画にあった『ベルグソンの純粋記憶について』の「純粋記憶」の外套とハンガーの喩えは、このPFモデルとほとんど同じ形であることが分かります。

また、茂木さんの動画に出てくる「30億光年離れた場所にある恒星」と言われるとそこに行けてしまう意識の志向性も、PFモデルで説明できてしまいます。

種市孝さんの動画では「生まれ変わり」も「胎内記憶」もこのPFモデルを使うと説明できると言っています。

さらに種市孝さんは攻めます。「このPFOは独立した生体と考える事ができる」と。もうこうなるとすごいです。死んで幽体離脱してるなら、目も耳もないのに見えて聞こえるのは変だ、という誰もが思うことにも「感覚野、感覚神経、受容体、それぞれに相当する部位を有する」PFOで説明が付きます。

そしてそれらは「互いにコミュニケーション可能」であると言います。もし、5次元に空気のようなものが存在してたら、「音波」で、または電磁波のようなボゾンがあるかも知れない、と。

そこで私は、この世界時空4次元では発見できてないグラビトンかも? と思ったりしました。なぜなら気分を表現する言葉は「気が重い」とか「気分軽やか」とか重力に喩えてるじゃないですか(笑)。

そして、PFO生体として「意志と個性を持つ」と締めくくります。私たちのすぐそばに、見えないけど、独立したPFO生体が意志と個性を持ってわんさかと蠢いてると思うと、かなりゾッとしますが、ありえなくもないと思ってしまいます。

ところで、この意識の実体であるPFOと脳は、どうやって繋がっているのでしょうか? 無線でしょうか? 有線でしょうか? という話が出てきます。

計算によるとこれは有線で繋がっていると言うのです! てことは、ジャックに相当する部分が、私たちの身体のどこかにあるはずなんですよ。脳の中なのか、チャクラなのか、ツボなのか。

また、これらのPFモデルを使えば「気」の技も説明が付くと、動画で説明していました。ざっくりと説明してきましたが、ひょっとしたら勘違いしてる個所もあるかも知れないので、気になった方はぜひ動画を観てください。

さて、この理論で用いてる仮定はたったふたつです。
1・この宇宙が多次元(5次元以上)であること。
2・湯川相互作用しないフェルミ粒子が存在すること。

1については、ほぼ間違いないと現代科学では言われています。湯川相互作用しないフェルミオンがあるかないかは今のところ、実験方法も含めて何も分かっていないようです。

ゴーストとシェル、ボディとソウル、心と体、などなど、「意識」または霊とか魂とか精神とか、それらはこの世界とは別の場所にあるような世界観を、人類は古今東西共通して持ってきたと言えるでしょう。

それは人類共通の妄想なのか、それとも自然科学としての事実を言い当てていることなのか、これから解き明かされることを期待しましょう!

ただ、意識の実体が5次元にあったとしても、ではなぜそこにクオリアが生じるのかの説明にはならないので意識の謎は依然として残ります。

「パラサイト・フェルミオン・モデル」あなたは支持しますか?


【武盾一郎(たけじゅんいちろう)/頑張りました】

小説すばるの「輪ゴム飛ばし師」に続き、SFマガジン4月号(2月売り)で樋口恭介さん( https://twitter.com/rrr_kgknk
)の新作短編の、扉絵を担当します。乞うご期待!

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装丁画を担当しています!『星野智幸コレクション・全四巻』(人文書院)

星野智幸コレクションI スクエア
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星野智幸コレクションII サークル
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星野智幸コレクションIII リンク
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226414.html

星野智幸コレクションIV フロウ
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b278897.html



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■LIFE is 日々一歩(90)[ウェブ]
2018年に買ってよかったウェブ制作を学ぶ本(1)

森 和恵
https://bn.dgcr.com/archives/20190122110100.html

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こんにちは。森和恵です。もう1月も下旬ですね。しっかりしないとあっという間に今年も終わってしまいそうです。

さて。今回は「ウェブ制作を学ぶためのオススメ本」についてお話しします。インストラクターという職業がら、書籍をたくさん購入するのですが、実際に買ってみてよかったと思うものをいくつかピックアップしてみました。タイトルに(1)とついているのは、シリーズ化しようかなと思っているためです。

●Adobe関連の書籍

まずは、昨年10月に出版した著書から紹介しますね。

【世界一わかりやすいIllustrator & Photoshop & XD Webデザインの教科書】
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4297100320/dgcrcom-22/


おかげさまで売り上げも好調で、読んでいただいた方の感想も好評でした。初学者用の書籍ではなく、これまでソフトを使ったことのある方に向けて書いた本です。

わりと古めのバージョンから最新のCCバージョンに乗り換えて、ソフトを起動してみたら変わってて、浦島太郎状態になっている方が「最新バージョンならではの使い方」を見ていただけると思います。

クラウド上に素材を保管する「CCライブラリ」を利用して、各ソフトを連携しつつ作品を仕上げていく機能は必見です。

続いては、Adobe XD関連で12月に発売されたばかりの書籍。

【Adobe XD プロトタイピング実践ガイド ~ユーザーの要求に応えるUI/UXデザ
イン】
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4297103567/dgcrcom-22/


プロトタイプを作成する部分に特化した書籍で、こちらも初学者向けというよりは、基礎を学んだ後に読んで実践力をつけるタイプです。

ウェブサイト制作におけるプロトタイプは、本制作前に作る試作品の役割があり、クリックやドラッグの操作で画面が切り替わって遷移する必要があります。

ラフにコーディングしてプロトタイプ版を作ってもよいのですが、やはり時間がかかります。

Adobe XDでは、静止画をつなぎ合わせてプロトタイプを制作するため、従来のデザインカンプ作成と同じぐらいの手間しかかかりません。

この書籍では、まず「プロトタイプとは何か? どういう役割があるのか?」という概念の説明から入り、その後にAdobe XDでの操作説明になります。

また、最終章のケーススタディでは、実際に動くプロトタイプを作りながら、制作フローを学びます。単なるソフトの操作説明ではなく、「プロトタイプ」についてしっかりと学べるのがオススメポイントです。

●コーディング関連の本

ウェブ制作の界隈では、最近コーディングの話題はあまり出てこなくなりました。ブログ記事やニュースでも、HTMLやCSSについてはめっきり減っています。

ですが、HTMLもCSSもどんどん進化していて、HTMLは5.2にバージョンアップしたり、CSSも新しいプロパティや属性が増えています。

という私も、しばらくきちんと調べていなかったので、去年の秋ぐらいから少しづつ勉強を始めました。

急務なのが、CSSの「フレックスボックス」と「グリッドレイアウト」です。これらは、従来のフロートレイアウトとまったく異なる方法を用いる、ウェブページのレイアウト手法なのですが、各ブラウザの表示に対応させた正しい書き方がなんなのか、調べるのに骨が折れます。

最近いきなり登場したわけではなく、昔から改訂を繰り返しているので、古い記述方法が混じっているのが原因です。

ウェブページのコーディングを学ぶときは、「エビスコム」さんの書籍に助けられることが多いのですが、去年・今年とよい本が2冊出ていました。

【CSSグリッドで作る HTML5&CSS3 レッスンブック】
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4802611897/dgcrcom-22/


今月発売されたばかりの書籍です。初学者に向けた内容になっていて、HTMLやCSSの基本についてもしっかり学べます。

HTMLの基本では、
などのセマンティックコーディングについてもしっかりとまとめられています。CSSでは「CSSの記述ルール」や「レスポンシブとは何か?」という部分まで掘り下げて解説されていて安心です。ウェブページをコーディングする工程を、追いかける形式になっています。

【HTML5&CSS3ステップアップブック】
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/480261134X/dgcrcom-22/


一年前に発売された書籍です。基礎を学んだあとに「フレックスボックス」と「グリッドレイアウト」を学ぶための書籍になっています。こちらも、段階を追ってウェブページをコーディングする、ステップ・バイ・ステップ形式になっています。

最終章では「ブロークングリッド」と呼ばれている、雑誌風のレイアウトに挑戦していて、単にグリッドでマス目に並べていくだけのレイアウトから一歩進んだテクニックが学べます。

エビスコムさんは、著書のロードマップをまとめていらっしゃいますので、参考にしてみてくださいね。

【エビスコムの本のロードマップ エビスコム】
https://ebisu.com/roadmap/


最後に紹介するのが、Bootstrapの書籍です。

【Bootstrap4ファーストガイド―CSS設計の手間を大幅に削減!】
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/487783432X/dgcrcom-22/


ここ数年で販売されたBootstrapの書籍はすべて読みましたが、この書籍が一番役に立ちました。「あの機能はどうだったかな?」を調べると、かなりの確率で掲載されていて、辞書的に便利な本でした。

というわけで、今回は手元にあった5冊を紹介してきました。最後まで読み切った本をピックアップしたのですが、本当にオススメです。買ってよかったなと思います。

私はヘビーな電子書籍ユーザーで、これまでに購入した書籍は4,000冊程になると思うのですが、最近また「紙」で買うことが増えています。

何度も繰り返し調べるのに手元に置いている本は、電子書籍だと検索性が悪いのです。やはり、付箋を直接はったり、紙をめくって覚えたりすることの大切さを改めて感じています。

ではまた、次回お目にかかりましょう!
(^^)

【森和恵 r360studio ウェブ系インストラクター】
mail: r360studio@gmail.com
YouTube: https://www.youtube.com/r360studio

サイト: http://r360studio.com/



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編集後記(01/22)

●偏屈BOOK案内:がんの時代 中川恵一 海竜社 2018
筆者は東京大学医学部附属病院放射線科准教授、文部科学省「がん教育」の在り方に関する検討会委員。表紙は白地中央にタイトルを黒いゴシック大文字で置いた、デザイン以前のシロモノ。災害大国日本では、がんという病気も一種の天災と捉えている。運命のようにも思える。確率的な病気であるがんには、絶対がない。だが、がんは天災と違ってコントロールできる病気だという。

筆者はまず、わたしはがんで死にたい、と宣言する。心臓発作などで、ある日突然死ぬのはゴメンだ。やり残したこともあるし、燃やしたい資料もある。人生を締めくくる時間が欲しいのだという。がんは治らないとわかっても、数年の猶予がある。死の直前まで、痛みを緩和してつきあえば普通に生活できる病気である。がんになって、生きることの素晴らしさが分かったという人もいる。

心の準備をして迎える死と、なんの準備もしないで迎える死では大きな差がある。告知はがんと向き合い、戦うためのスタートラインだという。いや、戦って勝てる相手ではないとわたしは思ってきた。だから、がん検診に行ったことがない。がんになっても絶望はしない。程度の問題だが。痛みの緩和処置をしてもらい、あとは呑気に暮らしていけ(れば)ばいい、と思っていたのだが。

現在、年間101万人が新たにがんと診断され、37万4000人が死んでいる。日本のがん死亡数は戦前から一貫して増え続けている。欧米各国では年々減少している。先進国の中でがん死亡数が増えているのは日本くらいである。日本はがん対策、治療においては後進国なのだ。緩和治療においてはもっと遅れている。

日本はモルヒネの使用量が先進国で最低レベルである。日本のがん患者は先進国ではトップクラスの、世界平均以上の激しい痛みに耐えている。がんの痛みを取り除く基本は、モルヒネあるいは類似薬物を薬として飲むという単純なものだ。しかしこの方法(WHO式がん疼痛管理プログラム)を知らない医師も非常に多いようだ。無慈悲な医療者側には、患者の痛みに対する関心が乏しい。

日本人男性の発がん原因のトップは喫煙で約3割、男女合わせた日本人全体の1位は感染症である。B型肝炎ワクチンとHPVワクチンは、多くの国で定期接種が勧められているが、日本では極めて消極的だ。学界が接種を推奨する一方で、国としては積極的に推奨を行わないという不可解・無責任な状況が続いている。

遺伝はがんの原因の5%に過ぎない。がんは宿命ではない。2/3は生活習慣で、早期発見のカギはがん検診である。生活習慣を整え、検診をきちんと受ければがん死のリスクは大きく減らせる。ほとんどのがんは、見つかってから時間が経つほど転移する割合が増える。早期発見のためには、検診を受けるしかない。

がんになったとしても、緩和ケアを受ければ、最後まで自分らしく生きられる病気なのだという。適切な緩和ケアが前提だが、「がんは人生を仕上げ、愛する人たちとの時間を与えてくれる病気です」。あまり行きすぎた治療をしない限り、寝たきりにはならない。このへんは医者次第のような気がするが。

対談で現れた養老孟司さんは、いつのとおり「がん検診も人間ドックも受けないで起こってくる結果は、自分で背負うしかない。がんになったらなんて、そんなこと気にしてません。余計なお世話というかんじ」と言って笑う。がんは全体で65%が治る。早期がんの場合が約95%。検診を受けよう。 (柴田)

「がんの時代」中川恵一
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4759316299/dgcrcom-22/


●シリーズ化して欲しい〜!

/トイレの電灯続き。LEDシーリングライトは「光源寿命40,000時間(光束維持率70%)」とあった。その時間は、センサーつきだと点灯している間なのか、通電している間なのか。光源なので前者だろう。

検索すると、40,000時間は4年間と206日と出た。1666日。1日1時間点灯していたら109年。え、生きている間に交換することはないって計算じゃないの。

ちょっと待って、電球二個入り買ったわよ。これも40,000時間だから、死ぬまで交換ないってことよね。LEDシーリングライトを買っている場合じゃない。この買ってしまったLED電球を消費するタイプにしよう。続く。(hammer.mule)