[4746] アート関係のニュース/アートで自立◇保険屋さんのひとことで

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《これは自分を変えるよい機会かもしれない》

■羽化の作法[80]現在編
 アート関係のニュースからアートで自立まで
 武 盾一郎

■LIFE is 日々一歩(93)[コラム]
 保険屋さんのひとことで、生活が変わった話
 森 和恵




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■羽化の作法[80]現在編
アート関係のニュースからアートで自立まで

武 盾一郎
https://bn.dgcr.com/archives/20190305110200.html

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●あるニュース

アート関係のニュースから。2月27日
「会田誠さんらにゲスト講義で自慰写真など見せられ「セクハラ受けた」 
美術モデルの女性が学校法人を提訴」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/harassment-at-school_jp_5c761c9ee4b0031d95634396


ツイッターのタイムラインにこんなニュースが流れてきました。そしてこのニュースは炎上し、アーティストやクリエイターたちは皆反応していました。私はこのニュースに関するツイートはしてませんが、とても気になっていました。

私は一応(会田さんが覚えていれば)知り合いですし、それに同じアーティストなのでどうしても会田さんに同情する側なのですが、ちょっと思ったところもあったので、ここに記述しておきます。

このニュースを受けて、手塚るみ子さんは「難しい時代になりましたね。手塚治虫だと思って安心して読んでたら、レイプだのバイオレンスだの、なにこれひどい! って言われかねない。」とコメント。


一方、北原みのりさんは「『天才』とあがめられ、彼への抗議が嘲笑される芸術界の中で、本当に勇気ある声だと思う。声をあげてくれて、本当にありがとう!」とコメントしています。


ツイッター上では賛否両論が喧々諤々巻き起こっていました。

カオス*ラウンジの黒瀬陽平さんは、以下のようにツイートしています。「どれだけ配慮しても、美術の話をする以上、誰かを傷つける可能性はゼロにならない。もし実際に人を傷つけてしまったのなら、まずは当事者の訴えを真摯に受け止めて対応するのが基本ではないですか。その意味では、会田さんや鷹野さんは、その姿勢は持ってると思います。持ってなかったのは大学側です。」


トータルとしては黒瀬さんのように「大学の対応に問題がある」という見解が多い感じでした。

会田誠さんはメディアのインタビューを断り、連続ツイートでこのニュースについて述べています。


「寝耳に水でした。メディアからの取材はとりあえず断りました。自分のツイッターは編集されないので、ここに何か書きましょうか…。遠い記憶ですが、その夜のトークは僕の通常運転だったことは確かです。通常運転とは、学者や研究者のやる講義からはほど遠い、実作者としての言葉だったことです。(続く

続き)落ち着いた文化教養講座をイメージしていたなら、すごいギャップがあったでしょう。僕は芸術が「落ち着いた文化教養講座」の枠に押し込められることへの抵抗を、デビュー以来大きなモチベーションとしてきた作り手です。(続く

続き)そもそも西洋から来た「ヌード」という美術のジャンルが、歴史的に「妙なもの」であるという点を軸に話したつもりでした。研究者でないので結論なくグダグダ話しただけと思いますが。全体的には「人類にとって芸術とは何か」という僕の人生を賭けたシリアスな問いの一環だったはずです。

「モデルをズリネタに」云々という文字がありましたが、おそらくこういう文脈で出てきたものです。美大油絵科の学生としてみんなとヌードモデルを描いていた時に、はたと気づいた。裸の女性が真ん中にいて、たくさんの男たちが(当時美大は男子学生が多かった)それを凝視している。(続く

続き)そして言外に欲情は禁じられてる。これってなんなんだ? 何ゆえなんだ? 歴史的経緯は? 美術・芸術の領域(具体的には芸大上野キャンパス)から一歩出た世間は、まったく違う風か吹いているじゃないか? どっちが嘘をついているんだ? どっちが病的なんだ? そういう問いです。」

会田さんのツイートはまだ続きますが、メディアのインタビューを断ったところになんというか少し希望を感じました。

動画のニュースもありました。
「“ゴキブリとセックス”画で吐き気 大学側を提訴(19/02/28)」


ちなみに会田誠さんのレビューはデジクリでも書いてます。

「武&山根の展覧会レビュー コントと思えばよくわかる──【会田誠展 天才でごめんなさい】を観て」
https://bn.dgcr.com/archives/20121212140200.html


今回のニュースのネット状況を的確に喩えてるのは、デジクリ執筆陣の一人「キョージュ」こと関根正幸さんで、以下のようにフェイスブックにコメントしていました。

「世界の珍味を食するイベントにキャビアやトリュフが食べられると参加したら、昆虫食や特殊な発酵食品が出てきてしまい、我慢して食べたもののあまりに辛いので、主催にクレームを言ったが対応が悪く、公に訴えたら、我が国の食材をディスるとは何事か、と叩かれるようなものだと思ってる。」

これ以上にうまく喩えることは私にはできないので(笑)、その他で気になったことをここに書きます。それは、宮台真司の言う「劣化」のことでした。

「落合陽一×宮台真司 次の時代をどう生きる」
http://www.news24.jp/articles/2019/02/08/07416470.html


宮台真司さんはネットが普及する前から「島宇宙」という言葉を使って、人々のクラスター化について言及していたようなのです。

「見たいものしか見ない、同じ価値観を持つ人達同士でしか付き合わない」コミュニティの出現。ネットはそれらを加速させ「エコーチェンバー現象」と呼ばれています。

「エコーチェンバー現象」
https://www.weblio.jp/content/%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E7%8F%BE%E8%B1%A1


「人間は偶発性、未知性に誘発される存在」なのに、偶発性のほぼない状況になってきています。道で人と人が出会わない。他人と目を合わせない。予想外のことに耐性がない。こういう状況に慣れ切った人たちを宮台は人間の「クズ化」とか「劣化」という強い語気で批判しています。

私が感じたのは、この提訴ニュースも宮台真司さんのいう「劣化」の一つの表出なのかも知れないということでした。

そこで、私は子供の頃を思い出します。

私は子供の頃、音楽のこととか宇宙のこととか「俺って本当にいるのか?」とか、そういうことを話せる人たちと出会いたいと、団地の窓から夜空に向かって強く強く願ったのでした。子供心に孤独だったのです。自分を分かってくれる人がこの世にいるのだろうか? いるとしても出会えるのだろうか? と深く思い悩み、星空に祈ったことを思い出すのです。

そして21世紀の現在、音楽のこと、宇宙や意識の謎、哲学、芸術etc…関心のあることは、即座にネットで共感できる人と出会って話すことができます。現代は子供の頃の夢が叶っている社会なのです。それって素晴らしいことだと思うんです。

しかし一方で、このことが実は人間の「劣化」を招いている、と宮台氏は指摘するのです。

だとするとですね、大学側の対応に問題があったのは確かだとは思いますが、しかし(訴えを起こした方にとっては気の毒かも知れませんが)、そういう予期せぬ出来事を提供する「場」があることは、実は「希望」なのかも知れない、とも思ったのです。それが「大学」という学びの場であったことも含めて。そんなことを思ったのでした。

ただ、提訴した大原直美さんが今後、会田誠含む現代美術的な芸術観に共感を示すことは難しいだろうなあとも思いました。

それはこのツイートを見て思いました。「会田誠氏の講演会をセクハラで訴えた人のブログ見た感じだと、『大人の休日デート』感覚で行ったんだろうね。『芸術』と『癒やし』を同列に扱う人の多いことよ... 何かもう絶望的な気分になる。
http://www.chibacity-ta.or.jp/5beach/hajimemashite-ooharanaomidesu



ブログ先には彼女の活動が紹介されていますが、こういう日常を生きてる人に会田誠作品はやはりちょっと無理かなあと思ってしまいます。

逆に会田誠さんが彼女の活動しているキラキラした場所に居合わせたらきっと居心地悪いだろうなあ、とも。何か相容れない「文化ギャップ」を感じたのでした。

現代日本人はうまく「文化の棲み分け」をしていて、その垣根は高い。多分、ジェネレーション・ギャップよりも「世界観の違い」の方が絶望的に噛み合わないだろう。

「ネトウヨ」と「パヨク」のように、ツイッター上で罵り合うコミュニケーションすら存在しない「文化部族」に別れていると思う。それは同じ日本語を使いながらも、すでに言葉は通じないくらいに。

各々の部族が幸せだったら、それはそれで良いのではないかと思ってしまう。そしてテクノロジーが背後でインフラを繋いでくれているから、経済はくまなく回るので問題も起こらない。

たまに違う部族と衝突してしまったら、今回のように即座に訴え、判断は法に任せてお金という数値で解決を図る、と。

宮台さんの「劣化」批判とは裏腹に、この方向はさらに加速するような気がする。ということは、ある意味、大原直美氏の姿が来たるべき未来系なのかも知れない。

これらを踏まえて、「私はどのような芸術観を持って活動して行ったらいいのか?」と自問してみました。

「今やってることを精一杯やって、アートで回して行けるようになる。自分はどこの部族にも入れてないので、文化経済圏を探してそれらとしっかり接続して回して行けるようになりたい」が答えです。

ひょっとしてニュース関係ないかもですね(笑)。そして具体的な接続(仕事)先ですが、美術界というよりSF界です。

●SF小説の扉絵を描く

今年に入って最初の仕事は、「SFマガジン」4月号に掲載される樋口恭介さん
https://twitter.com/rrr_kgknk
)の『一〇〇〇億の物語』の扉絵でした。


http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014150/shurui_71_SFM/page1/order/


以前、「小説すばる」2018年10月号で短編『輪ゴム飛ばし師』の扉絵を依頼され、樋口さんとは2回目のお仕事となります。本当に有り難いです。


http://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/bnumber/2018%E5%B9%B410%E6%9C%88%E5%8F%B7%E3%80%80%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E3%81%99%E3%81%B0%E3%82%8B/


まさか自分がSF小説の絵を描くとは思ってなかったです。やってみると違和感はなく、自分の作品がそこにあるのが楽しげに感じられてとても嬉しい気持ちでした。SFは詳しくないのですが、ひょっとしたらそのおかげで考え過ぎずに済んでいるのかも知れません。

ここ最近、自分の作品に望むことは「展開可能性」のある表現でした。

それは原美術館のジム・ランビーのインスタレーションを観てから、徐々に意識に上るようになりました。
http://ism.excite.co.jp/art/rid_Original_02592/


ジム・ランビーは美術館の床や壁にビニールテープを貼って、インスタレーションにしています。

ビニールテープひとつで、どの空間に対してもアプローチできる、この「展開可能性」にいたく惹かれたのです。シンプルな素材とシンプルなルール。そしてどこにでもインストール可能。

「ある特定の立地条件とか、ある特定の雰囲気にしかマッチしないとか、そういうニッチな作品」ではなくて、「どこにでも展開可能なシンプルなルールで書かれたものすごく柔軟なプログラム」みたいな作品のあり方。

何かそういう方法ってあるのだろうか? また、そういう作品は制作できるのだろうか? 「展開可能」でありたいと切に望んでいたのです。

ジム・ランビーはデジクリでもレビュー書いてます。

「武&山根の展覧会レビュー メンドクサくない感じ【ジム・ランビー:アンノウン プレジャーズ】を観て」
https://bn.dgcr.com/archives/20090121140300.html


シンプルなルールで展開していく例を挙げると、イワシや鳥の群れがあります。こちらに動画があります。

「数千羽のムクドリ達による空のダンス」

「フィリピン・モアルボアルのイワシの群れ」


イワシや鳥の群れの動きはとても美しく感じます。しかし、そこに複雑な動きを指揮する司令塔はありません。各々の個体が「衝突回避」「整列」「結合」の、シンプルな3つのルールで動いているそうなのです。

参照:「イワシの群れは「ルール」にしたがう/身近な科学 信じられない本当の話」
https://news.walkerplus.com/article/158616/


そんな感じで、シンプルなルールから無限の美しい形を生み出すような作品が作れないかと考えてた時期がありました。

作品がシンプルなルールを展開している美しい形であり、かつ、作品のあり方自体も展開されて行く、みたいな。線譜は展開可能なアプリケーションのように生きて欲しいのです。SF小説の扉絵がその実装だったら嬉しい。

ちなみに『一〇〇〇億の物語』なのですが、最初に原稿を読んた時、儚い透明感に「おお〜!」と思って、あれこれイメージを膨らませていました。しばらくすると、修正した原稿が送られてきて、あまりにもガッツリと変わったのでものすごくびっくりしました。その変更のダイナミズムに感動したくらいです。

そして、出版された小説を読むと更に変更してあって、またもやビックリしました。小説自体が生き物のように成長し、分量もスケールも大きくなって、タイトルも出世魚のように変わっていました。完成作品そのものにも感動したのですが、変わって行く原稿のエネルギーにも圧倒されました。

私は出かける電車で完成作品を読んだのですが、赤羽駅で乗り換えてホームに立ちながら読んでいて、思わず泣きそうになってしまいました。

どんどん変わって行く油絵の制作過程のようで、とても贅沢な体験をさせて頂きました。樋口作品は詩であり音楽であるんだなあと思います。ぜひ「SFマガジン」4月号をお手に取ってお読みくださいませ。

これからもいろんなところに接続して展開して行きたいです。

そして今、私は自分たちのアートが展開して行く源となる「場」を作っている真っ最中でもあります。それがこの世界ともうひとつの世界の狭間、結界であり出島である「13月世大使館」です。

●13月世大使館のいま

13月世大使館とはポオエヤヨさん( https://twitter.com/Poelett
)とのユニット「ガブリエルガブリエラ」で運営するギャラリー・ショップです。現在外注工事がほぼ終わり、いよいよ最後のDIYに取り掛かるところです。

室内を白く塗装しました。
「室内は現在こんな感じです」


外装はこんな感じです。
「ひさしの屋根が取り付きました。」


工事開始から一年以上経ってようやく完成が見えてきました。なんだかこれまでは、人生のリハーサルだったような気持ちが湧いてきます。

苦節二十年。いよいよ「アートで自立」への旅立ちが始まります。完成したらまずは自分たちでしっかり嬉しがろうと思います。(つづく)


【武盾一郎(たけじゅんいちろう)/新人画家】

劇団ビタミン大使「ABC」の座長・宮川賢さんのラジオ「宮川賢MT」に出演しました。
宮川賢MT:武 盾一郎 1

宮川賢MT:武 盾一郎 2


こちらにも、インタビュー動画がアップされています。
段ボールアート/武盾一郎


絵画レンタル/販売のCasie かしえさん( https://twitter.com/Casie_jp

で取り扱って頂いてる線譜『惑星』がレンタルされました!


アーティストとアートファンを繋ぐプラットフォーム「メセロ(mecelo)」に私のページができました! 応援よろしくお願いします! インタビューもあります。
https://mecelo.com/artists/take_junichiro


インタビュー前半
https://mecelo.com/artists/take_junichiro/interviews/57

インタビュー後半
https://mecelo.com/artists/take_junichiro/interviews/58


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ガブリエルガブリエラ
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ブログ http://gabrielgabriela-jp.blogspot.jp


装丁画を担当しています!『星野智幸コレクション・全四巻』(人文書院)

星野智幸コレクションI スクエア
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226418.html

星野智幸コレクションII サークル
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226413.html

星野智幸コレクションIII リンク
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226414.html

星野智幸コレクションIV フロウ
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b278897.html



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■LIFE is 日々一歩(93)[コラム]
保険屋さんのひとことで、生活が変わった話

森 和恵
https://bn.dgcr.com/archives/20190305110100.html

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こんにちは。森和恵です。重いコートとさよならして、いよいよ春!職場や学校が変わって、新生活が始まるという方も多い季節ですね。

今回は、保険を入り直すことで新生活を始めたというお話をしたいと思います。

●保険の更新をきっかけに「Vitality」と出会った

2月末に保険の更新日が来ました。若い頃に保険セールスをしていた母の勧めで、小学生から保険に入っており、自分の稼ぎで支払うようになってから、これで二度目の更新です。

「家族に迷惑をかけないよう、備えておくことが大事だよ」と言われて育ったので、母がかけてくれた保険を止めずに続けていました。

更新前に担当の保険屋さんが訪ねて来られて、次回のプランを説明してくれました。

高齢になったこともあり、同じ保険を継続すると金額がかなりアップしてしまうので、いまの保険と同額ぐらいに抑えたいのであれば『Vitality』へ加入してみてはどうか?

というお話でした。

『Vitality』とは、“健康への取り組みによって保険料が変動する”健康増進型の保険商品です。南アフリカのディスカバリー社が世界17カ国で提供するプログラムで、一国一社としか契約をしないルールになっており、日本で独占契約を得た住友生命が昨年の夏にスタートしました。

【住友生命「Vitality」とは】
http://vitality.sumitomolife.co.jp/about/


ユーザーの健康状態や、日々の健康促進活動に応じて加算されたポイントからレベルを算出し、次年度の保険料が決まる仕組みとなっています。健康を維持しようと努力する人は保険料が安くなり、なにも考えずに無防備に過ごしている人は保険料が高くなります。

●健康増進活動とは、何をさせられるのか?

「健康になろうと頑張れば、保険料が安くなる」と聞かされたものの、これまで健康に不安を感じたことがほとんどなく、無防備に過ごしている私には不安がつのりました。

「具体的に何をしたらいいんですか?」と尋ねると、「毎年、健康診断に行っていただいて、毎日少し散歩すれば、プランを利用しない時より15%の割引がされます」との返答がありました。

……健康診断。フリーランスになってからほとんど行ってない。
……毎日散歩。ほぼ、机の前にかじりついて動いてない。

「しないとどうなっちゃうんでしょうか?」と恐る恐る尋ねると、「えっ?健康診断って、毎年行ってないんですか?」と質問が戻ってきてしまいました。

……そっか。会社員なら、毎年の健康診断って義務ですものね。

40才を過ぎて介護保険料を支払うようになってから、健康診断を無料で受けられるチケットが届いています。

届いているのですが、機会がないとついつい後回しになってしまうのと、なにか見つかったらどうしよう? という不安が入り交じり、行かないまま過ごしておりました。

それからしばらく、保険屋さんといろんな方のケースや健康に取り組むことの大切さを話して、半ば説得されて、その日は一旦保留としました。

「保険に入る入らないは別として、もうこの歳になっているのなら健康診断ぐらいは毎年行くべきだし、多少の運動をしなければ生活習慣病を間違いなく引き起こすだろう」と、これからの自分の健康について、真面目に考えるようになりました。

……これは、自分を変えるよい機会かもしれない。そう思って、うーんと1週間悩んで「Vitality」に入ることを決めました。

●「Vitality」に取り組むための準備

健康促進活動のレベルは、ブルー(0ポイント)・ブロンズ(12,000ポイント)・シルバー(20,000ポイント)・ゴールド(24,000ポイント)と定められています。

初年度は全員15%%の保険料割引を受けられますが、2年目以降はブルー(割増2%)・ブロンズ(変動なし)・シルバー(割引+1%)・ゴールド(割引+2%)と加算されていきます。

割引率は、+10%(割増)から-30%(最大割引)の間で変動します。

次の保険の見直しが10年後なので、ある程度ゴールドを維持できれば、割引率は最大30%受けられる仕組みです。30%割引って、大きいですよね。ヤバイ。

ということで、ポイントの獲得方法は大きく分けて4種類あります。

▼オンラインチェック(各年1回)

会員向けのポータルサイトで、オンラインで質問に答えてチェックします。回答の結果によっての罰則規定はなく、無条件にポイントが付きます。

チェック項目は、「Vitality総合チェック(慎重・体重・BMI・血圧などを申告)」「Vitality食生活チェック」「たばこチェック」「こころのチェック」の4つ。ただ単に質問に答えるだけで、3000ポイントをゲットできます。

▼Vitality健康診断(年1回)

医療機関で健康診断を受け、画像で結果を提出してポイントをゲットします。既定の数字をクリアしていれば、さらに上乗せポイントが付きます。

▼予防(期間に応じて1回)

各種がん検診や予防接種を受け、画像で実施結果を提出してポイントをゲットします。たとえば、大腸がん検診なら1年に1回、胃がん検診なら2年に1回の実施ができます。

▼運動(日々)

歩数・心拍数に応じて、毎日最大60ポイント、たた、既定のスポーツイベントに参加したりすることで応じたポイントをゲットできます。

例えば、50才の人なら、日に12,000歩くか、平均心拍数119を維持した運動を30分すれば、60ポイントを獲得できます。

【健康増進メニュー】
http://vitality.sumitomolife.co.jp/about/program/


レベルアップを狙うためは、日々の運動が欠かせません。

・スマートフォン(会員ポータルにアクセスする専用プログラムのインストールと歩数や心拍数などを送るためのアプリのインストール)

・Vitality対応のウェアラブル端末(Bluetoothでスマートフォンに心拍数を送るため)

が必要となってきます。

歩数は対応アプリを入れればスマートフォンだけでも計測できるのですが、日常生活で歩く歩数も余さずカウントしたいとなると、始終スマートフォンを持って行動しなくてはならないので、始終手首に着けておける腕時計のようなウェアラブル端末を使うのが現実的だと思います。

ウェアラブル端末は、会員ポータルから割引価格で購入することができます。

【各種割引等の特典(リワード)】
http://vitality.sumitomolife.co.jp/reward/benefits/#top


会員ポータルに入れるようになって、早速、Garminのvivosmart4というウエアラブル端末を購入しました。

【vivosmart 4 Merlot RoseGold】
https://www.garmin.co.jp/products/intosports/vivosmart-4-merlot-r/


始終、腕に装着しなくてはならないものなので、実際に販売店に出向いて手に取ってみたり、仕様を比較したり、ネットの口コミを見たりして決めました。

vivosmart4にした理由は、Garminが住友生命と直接提携している会社だということと、軽さ、細さ(始終腕に着けてて邪魔じゃない)、値段の安さが決めてでした。

もっと多機能なものもありましたが、心拍・歩数・Bluetooth・充電・防水・時計・アラームと必要最低限の機能は揃ってて、あまり専門的な運動をする予定のない私にちょうどよいと思います。

Vitality特典で買ったら、市場価格より5,000円ぐらい安く買えちゃいました。注文から到着までに2〜3日はかかり、いまはまだ届いていないので、とりあえずはスマートフォンを持ち歩いて歩数を計測しています。

初日に12,000歩いてみましたが、90分ぐらい時間がかかりました。雨の日だと外へでかけるのもおっくうになるので、このまま続けるのはやっぱりつらいかなと思いました。

ウエアラブル端末があれば心拍が計測できるので、自宅のエアロバイクを使って毎日30分の運動を続けていこうと思っています。

Vitalityのことを調べている途中、ブログを見つけて知ったのですが、2年目の保険料は最初の半年を経過したところで判定されるそうです。

【Vitality】2年目から保険料を安くしたいなら1年目の最初の半年間はとにかく運動をする
https://curobuchi.com/vitality-1year-motion/


ゴールド目指して頑張ろう! と思います。ついでに、痩せてくれるとうれしいな。

“健康に気をつける”という新しい生活をスタートして、気分が新鮮なうちに頑張って、習慣化させないと続かないだろうし、頑張るしかないなーという思いです。

あ。健康診断は、年度末駆け込みで来来週に行ってきます。ドキドキです。

というわけで、今回は保険を入り直したのをきっかけに、健康を考えてみたというお話でした。3か月経ったぐらいで、途中経過をお伝えしたいなぁと思ています。

ではまた、次回お目にかかりましょう!
(^^)

【 森和恵 r360studio ウェブ系インストラクター 】
mail: r360studio@gmail.com
YouTube: https://www.youtube.com/r360studio

サイト: http://r360studio.com/



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編集後記(03/05)

●偏屈映画案内:「おとなのけんか」

お洒落なアパートメントの一室内で勃発した、不寛容な大人たちのえげつない論争。それだけで約80分。一応配慮ある話し合いで始まったが、少しずつ変容していき、とうとう(見ている者の期待通り)罵り合いになる。それまでの一部始終を丹念に描いていて、4人のキャラクターが徐々に崩壊していくさまは、実にスリリングで、実にお笑いで、他人の喧嘩の見物ほど面白いものはない。

ことの発端はこどものけんかで、はずみで相手の前歯を折る怪我をさせてしまった少年がいる。加害者少年の両親(弁護士のアラン、投資ブローカーである妻・ナンシー)が、被害者少年の両親(家具屋を営むマイケル、物書きである妻・ペネロペ)の部屋を訪問する。わたしが知る俳優は、ペネロペ役のジョディー・フォスターだけである。じつにうまい。他の3人もじつにうまい。

2人の女は職業がら論が立つ。弁護士はいわずもがな。家具屋だけが口舌の徒ではなく素朴で、事を荒立てたりはすまい、と思ったら違った。アランとナンシーが型どおり謝罪し、お二人の寛大さに感謝します、と帰ろうとしたが、ペネロペが引き留めてまた話が続く。エレベーター乗りかけたアランも戻って来る。もう一杯コーヒーどう? ということで一同はまた部屋で話合いが続行。

弁護士には度々電話がかかってくる。なにかトラブルが発生したようだが、彼は強気だ。両家族の話し合いの最中に、平然と長電話している非礼を何とも思っていない。また話がむしかえされるが、彼だけは他人事。底意のある会話が、主に女同士で行われる。ナンシーが吐き気を訴える。ペネロペがコーラが効くといって与える。ナンシーが口論中に盛大に吐き、アランのズボンを濡らす。

テーブルの上にも汚物が飛び、ペネロペはパニック。自慢の画集の汚れを必死にふきとるが、レア本が台無しになる。ナンシーとアランはトイレに逃走。しばらくして、話し合いを再開。ペネロペ「息子は前歯を2本失ったのよ、神経も」アラン「義歯があるだろ、耳を失うよりマシ」ナンシー「(化粧に熱中しながら)もっと根深い問題があるはずよ」以下、4人の言い合いが続行する。

穏やかそうだったマイケルも強烈。「フン、ゲロしたら元気になった」「気にくわん(アランが電話で対処する薬の)副作用が出たら集団訴訟を起こすぞ」。帰りかける二人に向かい「ひとつだけ言っておく。親がこのざまじゃ、子供も問題児だろうよ」「穏やかな話し合いなんぞまっぴらだ。リベラルな親を演じたが、こんな茶番やってられるか。俺は短気な野蛮人なんだ」。二人は留まる。

そのうちマイケルVS.ペネロペの論争も始まる。身内で争ってどうする。やけくその彼が、とっておきの18年もの超レアなシングルモルトを出し、敵の二人にもふるまう。ナンシーは言う。「あなたとは気が合わないけど、平凡な人生が一番と決め込んでいる男よりましよ。それが私の夫。何も変えたくない、何の刺激もいらないって」。でも、次第にその夫が一番まともに見えてくる。

彼はつぶやく。「結婚生活ってのは神が与えし試練だな」たしかに。ひっきりなしに弁護士にかかってくる電話にキレたナンシーは、ケータイを水中に沈める。男二人、恐慌。女二人、グラスを掲げて大笑い。罵詈雑言の応酬。面白い面白い。後日、こども同士は完全に和解。大人の喧嘩の方は、どうなっただろうか。酒と激情で怒鳴りあい、後始末は考えるだけでもコワい。(2019/2)

「おとなのけんか」2011 ドイツ・フランス・ポーランド・スペイン合作原題は「Carnage」で「大虐殺」という意味。ロマン・ポランスキー監督
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B012EPYB5I/dgcrcom-22/



●健康増進型の保険商品は気になってる! せっかくApple Watch持ってるんだしなぁ。数年前に保険の見直しをしてしまったので、乗り換えは迷うところ。/健康診断、今年度は行きそびれました……。来年度こそ受けなければ。/自宅にエアロバイクがあるなんていいなぁ。

/会田誠さんの作品は、文章だけで怖いので見たことがない。見たら気になってしまって頭から離れなくなって、好きになるかもしれないけれど、絵として見るのはたぶんつらい。

今やっているドラマ「絶対正義」は、イヤな話なのに、続きが気になって見てしまう。私のボーダーはきっとここまで。精神的なもの、イヤミス、湊かなえの「告白」ぐらいまで。グロは無理、なはず。

絵は美しいと思ったり、ほっこりしたり、上手いなぁ真似できないなぁとか思ったり、いい意味で感動させてくれる作品が好き。以前書いたように、感じる「アート」はわかるような気はするけれど、作為が見え隠れする「アート」は理解できない。で、その次は? と頭が要求してしまう。

実用的なものが好きなのに、アイデアとか規模に圧倒される、安藤忠雄さんの「水の教会」「光の教会」も好き。非日常を感じる。それ作っちゃいますか? と思う。作為の大きさも好きに関係するみたい。(hammer.mule)

秋吉理香子「絶対正義」
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07NDJ3RCW/dgcrcom-22/


湊かなえ「告白」
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00FIWNDNG/dgcrcom-22/


水の教会
https://tomamu-wedding.com/waterchapel/


光の教会
https://ibaraki-kasugaoka-church.jp/gallery.html