腕時計百科事典[74]腕時計の洗剤
── 吉田貴之 ──

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「腕時計の洗剤」といっても、腕時計をまるごと洗える便利な洗剤があるわけではありません。一般的な家庭にあるものを洗剤や溶媒(汚れを溶かすもの)として、腕時計をきれいにする方法についてまとめました。なお、これらの方法はあくまでも簡易的な洗浄方法であり、ご自身の腕時計にためす場合は、自己責任でお願いします。

▽水

腕時計の汚れを落とす一番の溶媒は「水」です。大抵のホコリやヨゴレは、水で落とすことができますが、ポイントは「汚れた直後」に水洗いすることです。皮脂などの油性の汚れであっても、水に濡らした後、乾いた布で拭えばおおむねきれいにすることができるでしょう。

もちろん、アンティークやヴィンテージには水が厳禁ですし、現行の腕時計であっても、蛇口から直接水をかけるのは避けたほうが良いでしょう。





▽お湯

お湯は水よりも汚れが落ちそうなイメージがありますが、これはブレスレットなど金属部分に限ります。風防にお湯を使うと、表面の保護コーティングが取れてしまうことがありますので、あまりおすすめしません。

▽石鹸

水洗いで落ちない汚れは、「石鹸」を使うと良いでしょう。固形石鹸でも液体石鹸でも、きちんと泡立ててから使ったほうが良いです。石鹸残りは新たな汚れになりますので、石鹸を使用した後はよく水洗いしましょう。

▽中性洗剤

食器用などの中性洗剤も、石鹸同様いろいろな汚れを落とすことができます。泡切れや水切れも良いので、オススメの洗剤のひとつです。直接かけるよりも、少量の水で泡立ててから使うほうがより効果が期待できます。

▽オイル

石鹸や中性洗剤では簡単に落とすことができない油性の汚れは、「油(=オイル)」で落とすことができます。油といっても食用油やオリーブオイルではなく、揮発性の高いライターオイルやしみ抜き用のベンジンなどがオススメです。

複雑な構造のブレスレットなどは、雑巾の上にブレスレットを置いて、オイルをかけて汚れを溶出させると、効率よくお汚れを落とすことができます。オイルを使ったあとは、必ず石鹸などを併用しながら水洗いをして、オイルが残らないようにしましょう。

▽アルコール

消毒用エタノールなどに代表されるアルコールは、水に溶ける汚れも油に溶ける汚れも落とすことができるので、万能の洗剤と言って良いかもしれません。

ただし、一部のプラスチックやガラスには、アルコールに反応して変質するものがありますので注意が必要です。上記のオイルを使ったクリーニング後に使うのも効果的です。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

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兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。