ネタを訪ねて三万歩[168]最大の情報源は映画
── 海津ヨシノリ ──

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花粉の季節到来と言うことで、例年どおり主治医に薬を処方してもらったのですが、例年よりも激しい状態のはずなのに、症状が軽くてなんだか拍子抜けです。もっとも、重い症状の友人を何人か知っているので、軽いに越したことはないですね。

●日増しに増えるネタ

さて、ほぼ毎日Blogにアップしているネタは、休日にまとめて作成したりするのですが、アイデアのメモを頼りに実際に作業をしてみると「ダメだ~」となることが5割。そのうち半分は実験不足だったりします。

実際に作成したネタも順番どおりに公開してしまうと、一部のソフトや方向性に偏ってしまうので、適度にばらけているのですが、長くて二か月ほど後の公開ということもあります。なかなかうまくいかないものです。

でも、ネタは日増しに増えています。相乗効果っていう感じですね。そして、「ダメだ~」となったネタの答えが、突然見つかったりします。やはり、躓いたら離れてみることも大切ですね。離れて遠くから観察することで、答えが見付けやすくなるようです。

アイデアの出し方が随分変わりました。昔はテレビや新聞、雑誌を見たりすることもありましたが、どれも見なくなって10年以上経ちますので、今はネットや散歩が、アイデア出しの一部を担っています。





散歩といっても、車で突然出かけるなんていうこともあるので、一般的な散歩とは少し違うかもしれません。

ネットはほとんどFacebookですね。Twitterはまだ使いこなせていません。ただ最近解ってきたことに、FacebookとTwitterの両方をやっている人でも、両方アクティブという方は多くないですね。

Facebookがメインの方、Twitterがメインの方と別れていますね。もちろん、いい悪いの話ではなく、相性のようなものでしょう。あと、どちらを先に始めたか? も影響しているでしょうね。

また、自分でも意外でしたが、昔の雑誌を見ることも刺激になります。雑誌といっても非PC系です。うまく説明できませんが、昔の写真アルバムを懐かしんで見返すような感覚です。

それと最大の情報源は、なんといっても映画ですね。前にもネタにしたように、映画館には行きません。基本的に人混みが嫌いなのと、隣りにマナー違反の人が来たりしたら(私の場合は確率が異常に高い)最悪なので。

とにかく映画館へ出かけるのは腰が重いので、もっぱらレンタルまたはネットです。もちろん時々「借りるのではなかった」と後悔しか出てこないような作品にも当たりますが、それはそれで刺激になっています。刺激がなくなったら、解らなくなったら終わりですかね。刺激が相乗効果を生むのです。

例えば、大昔の人は必要に迫られて道具を自作して、使い込んでいたわけです。それを別の人が改良して、使い勝手をよくするという流れですね。そして、異業種間でも「その道具はこちらでも使える」といった展開も当然出てくるわけです。

その考え方ってとても好きです。PCを酷使して仕事をしている者にとって、大切なのはちろんPCとソフトウェアなのですが、そうではない部分から、それらに繋がるアイデアを導き出す流れがとても楽しいのです。

もちろん、すぐにアイデアなんて出ないのですが、一連の流れがとても刺激になることは確かです。色々な具材の混ぜご飯状態が、相互に刺激し合うという感じですね。とても良好です。

●130回で初の告知ミス

ところが、遂に混ぜご飯状態ゆえのミスを犯してしまいました。

それは、今月の月例セミナーで勃発しました。正確には130回で初の告知ミスです。告知で「ZBrushCoreでUVマッピング」としてしまい、ギリギリになって気が付いたという大失態。

ZBrushCoreでは、UVマッピングの機能がありません。逃げ道としての、ポリペイントによるテクスチャー書き出し機能もありません。

結果、ZBrushCoreからペイント情報は書き出せないのです。もちろんZBrushやZBrushCoreで開く、あるいはOBJ形式のインポートであれば問題はありません。他の、例えばペイント3DやMixamoなどで開いたり、Wordに配置したりすると、ペイント情報がない状態の粘土細工になってしまいます。

セミナーではもちろん、告知に対するフォローを予定しています。

言い訳ではないのですが、私のセミナー用マシンにはZBrushCoreだけでなく、本家のZBrushもインストールされており、普段の作品はすべて本家ZBrushで作成したので、勘違いしてしまったようです。

それと、3Dをやっている人はある程度共通していると思うのですが、複数のソフトを使い分けていたりするので、余計に勘違いが発生しやすくなりますね。私の場合の使い分けは、以下の通りです。

モデリング(メイン)ZBrush
モデリング(サブ)modo, Fusion360
モデリング(補助)Blender, Strata Design 3D CX
ペイント処理(メイン)modo
ペイント処理(サブ)ZBrush
レンダリング(メイン)modo
レンダリング(サブ)Strata Design 3D CX

もちろん、この先もこの組合せが続くわけではありませんが、今はこんな感じです。しかし、何だかんだで25年も3Dやっていて、進歩がないのは我ながら笑えます。

で、とにかくZBrushCoreではUVマッピングが不可能な状況なので、せめてレンダリングだけでもということで、3Dレンダリング用として、あると便利な背景ベース(写真撮影用のテーブルもどき)を公開しました。

ZBrush系でこの形状作るのはちょっと面倒臭いので、Illustrator CC 2018とStrata Design 3D CX 8.0にてサクッと作成しました。OBJ形式なので、ほとんどの3Dソフトで読み込みことができます。

3Dレンダリング用背景ベース
https://kaizu-blog.blogspot.com/2019/03/3d.html


●今月のお気に入りミュージックと映画

"Hidden Figures" on Theodore Melfi in 2016(US)

邦題「ドリーム」。合衆国のマーキュリー計画の影の立役者であった三人の黒人女性にスポットを当てた伝記映画。60年代でもまだ有色人種への差別が法(条例?)のもとに実在していたわけです。

史実と違う部分もありますが、とにかく主演キャサリン・ゴーブル・ジョンソン役のタラジ・P・ヘンソン、ドロシー・ヴォーン役のオクタヴィア・スペンサー、メアリー・ジャクソン役のジャネール・モネイの三人が、とってもキュート。

ちなみにキャサリン・ゴーブル・ジョンソンは、今年100歳でまだ存命なのが凄いです。ところで、当初の邦題は「ドリーム 私たちのアポロ計画」だったそうです。担当者のアホさ加減が笑えます。マーキュリー計画よりもアポロ計画の方が有名だったからとか、そのまま確定していたら、世界の笑いものになっていましたね。

映画『ドリーム』予告A


"Amapola" by ?? at 2018(?)

アマポーラ(Amapola)は、スペイン出身の作曲家ホセ・ラカジェが1924年に発表したポップ・ミュージック。

きっかけは、ネットCMの「2045年のSAKURA」。色々なCMで使われていたので頭の中に残っていましたが、なんていう曲なのかを探すので苦労しました。なにせShazamでも引っかからなかったからです。

やっとの思いで曲を探り当てても、誰が歌っているのかが分らずプチイライラ。なにせ企業サイトの情報にも、楽曲関係はスルーされているのです。ご存じの方がいたら教えて下さい。

ということで、ボーカルが素敵なAmapolaを堪能しながら「2045年のSAKURA」を鑑賞するのをお奨めします。ただし、楽曲が完全に終わるまで画面から目を離さないで下さい。ちなみに、主演の高山沙織さんは、昨年公開された「2042年のクリスマス」でもアンドロイド役で出演していましたね。

2045年のSAKURA


2042年のクリスマス



【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
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ポストが大きい我が家には、毎日大量の投げ込み広告が挿入されてしまいます。新聞は取っていないので、郵便物が届いたときに開けて回収するのですが、100%その場でゴミ箱行きです。印刷に絡んでいる仕事をしているので複雑な気持ちではありますが、要らないモノはいらないですからね。

ただし、ただ捨てるのではなくて、資源ゴミ用の箱に入れてまとまったら放出です。少しは地域の役に立っているというわけです。しかし、いつも不思議に思うのは、チラシの広告効果ってどのくらいなのでしょうね。昔演劇をやっている教え子から聞いた話では、1000通配れば一人来てくれる計算だとか……。

●4月の画像処理セッションは4月18日を予定しています。
~Photoshopの活用【パターン作成と組合せ述】~

参加は無料で、どなたでも参加できます。詳細は以下のサイトでご確認下さい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/


講演内容:Photoshopでパターンを作成する手順のお復習いと、応用処理としての組合せ手法を整理します。Illustratorで作成したパターンの、取り込み時の注意点も整理します。

・元サイズと展開
・Illustratorからの取り込み
・基本パターンと組合せ
・カラーリング調整と描画モード