[4765] 1998年、神戸から戻ってきて◇2019年の春アニメはコレを見よう!

投稿:  著者:  読了時間:24分(本文:約11,500文字)


《わたしの名前から一文字》

■羽化の作法[82]
 1998年、神戸から戻ってきて
 武 盾一郎

■LIFE is 日々一歩(95)[アニメ]
 2019年の春アニメはコレを見よう!
 森 和恵



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■羽化の作法[82]
1998年、神戸から戻ってきて

武 盾一郎
http://bn.dgcr.com/archives/20190402110200.html
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羽化の作法[79]しんげんちペインティングと新宿西口段ボール村の火事
http://bn.dgcr.com/archives/20190219110300.html
の続きです。デジクリサイトでは「現在編」と書いてありましたがそれは間違いです。申し訳ございません。

●デザインフェスタビル丸ごとペインティング

1998年2月25日。神戸市須磨区下中島公園テント村「しんげんち」コンテナハウス・ペインティングを一旦切り上げ、神戸を後にしました。

時は遡りますが、前の年の1997年に「デザインフェスタビル丸ごとペインティング」という制作をやっていました。

裏原宿にある三階建のこのビルは、当時はなんとなくさびれた外国人アパートでした。3階の一番奥の部屋にデザインフェスタのオフィスが出来て、臼木さんという女性がリーダーになって、「デザフェスをさらに盛り上げよう!」と気合が入っていたところだったのです。

そこでオフィスの内装画と、ビルの外壁画のオファーが来ました。当時デザインフェスタにガンガンにコミットしていた、イトヒサこと鷹野依登久が臼木さんから話を振られたのでした。

「それじゃあみんなでやってやろう! ビルを丸ごと絵にしちゃおう!」ということになったのです。

絵描き3人(武盾一郎、鷹野依登久、斉藤ヨーコ)と造形1人(スズキくん)の4人チームで制作しました。

https://www.facebook.com/pg/junichiro.take/photos/?tab=album&album_id=2449932905051582


外壁はビルを取り囲むように足場を作ってもらいました。ペインティングは外壁だけでなく、屋上にも登って描きました。さらには屋上の上にある貯水タンクにも描きました。

クライアントはビルのオーナーで、不動産会社だったと記憶しております。その会社がデザフェスも運営してたのだと思います。当時、「不動産会社が税金対策でデザフェスを始めたんだよ」という噂を小耳に挟んだりしました。もちろん、本当かどうか定かではありません。

現在、このデザインフェスタビルは全てギャラリーとなっていますが、私たちがビル丸ごとペインティングをしてた頃は、様々な外国人が暮らしていました。

ビルの外壁だけでなく、階段の天井、壁、廊下と、全ての平面に筆を走らせていたのですが、住人からクレームが来たのでした。どうも住人たちは壁画制作は知らないようだったようです。

「僕らは頼まれてやってるんです!」と言っても日本語が通じないので、デザインフェスタの臼木さんに頼んで、ビルの全部屋に壁画制作することをきちんと知らせてもらいました。

「もし、塗装業者ならきっと何のクレームも言われないんだろうなあ」なんて思ったのでした。住民たちは、デザインフェスタの事務所がビルに入り、そして壁画を描き始めたものだから、追い出されてしまうのではないかと不安に感じたようでした。

そこで「決して今すぐ追い出すようなことはありません」と、デザインフェスタのスタッフたちが住民全員に説得して回ってくれたようでした。とはいえ、排除される側の段ボールハウスに絵を描いている自分としては、ちょっと複雑な気持ちでした。

また、この壁画の制作中に脚立に乗って天井を描いていたイトヒサが、脚立ごと倒れ、頭を打って入院する、という大事故もありました。

そこから再び「Sakura A House」のペインティングの依頼が来たのですが、どんな仕事をしたかはあんまり覚えてません。ひょっとしたら、デザインフェスタビルの空き家になった部屋か、別の壁の壁画だったかも知れません。その仕事を3月に行ったと日記には記してありました。

●ラブホ駐車場の壁画を制作

そして4月。千葉のラブホテル「プレ・ステージ」駐車場の壁画を絵描き4人(武盾一郎、鷹野依登久、斉藤ヨーコ、和田綾子)で制作します。

https://www.facebook.com/pg/junichiro.take/photos/?tab=album&album_id=2450008338377372

この仕事は以前、ラブホテル「インター・ユー」の壁画を制作した時と同じ会社が、クライアントでした。デジクリでは以下の6つのコラムで、ラブホテル「インター・ユー」の駐車場外壁画と301号室の内壁画について書いています。

1・羽化の作法[08]ラブホテルに絵を描く仕事が来た
http://bn.dgcr.com/archives/20151216140100.html

2・羽化の作法[13]ラブホテルでの制作・ヤマネ失踪事件
http://bn.dgcr.com/archives/20160329140300.html

3・羽化の作法[14]辻仁成さんのコラムで新宿段ボールハウス絵画が紹介される
http://bn.dgcr.com/archives/20160412140300.html

4・羽化の作法[15]段ボール村とラブホテルのクリスマス戦線
http://bn.dgcr.com/archives/20160510140300.html

5・羽化の作法[25]再びラブホテルへ
http://bn.dgcr.com/archives/20161018140300.html

6・羽化の作法[26]ラブホテルの305号室に暮らしながら301号室を絵で埋め尽くす
http://bn.dgcr.com/archives/20161101140300.html

最初に描いたラブホテル「インターユー」壁画の写真がなかったのでアップしました。


日記を読み返してみると、プレステージの壁画は二回に分けて制作しています。4月から5月11日までと7月4日〜7月27日です。理由は6月21日(日)に神戸でテント村のお祭り「しんげんちまつり」があるので、その準備で神戸に行くからでした。

7月27日にプレ・ステージの壁画が終わると、翌日に社長が矢板温泉のビラに4人を招待してくれました。


そしてその後、私と和田綾子さんの2人で、8月にもう一度矢板温泉に行きます。ビラのお風呂場の壁に絵を描く依頼が来たのでした。矢板温泉に着くと、ちょうど台風が来て橋が流されてしまい、橋が復旧するまでの12日間、矢板温泉ビラに留まることになってしまいました。お風呂場の壁画を描き上げたので、ビラ所有の軽トラックにもペインティングしました。


その後、二人は東京へ戻らずに福島に行き、そのまま北上して車の中で生活を始めるのでした。(つづく)

さて、ここで時代を今に戻しましょう。

●現在編 新元号が「令和」になった

新元号が「令和」になりました。「平成」に慣れないまま元号が変わってしまった印象です。「令和」を使うことはさらに少なくなるような気はしますが、それでもどこかリセットされた感じはありますよね。

私は新元号をツイッターで知りました。初めて見た時に、意外だなって思ったと同時に、なんか悪くないな、と感じました。これはほとんど無意識的な直感です。

それはなんでだろう?とちょっと考えてみました。まず、読み方の音の響きが「レイ」であることが関係してるように思いました。

私は線譜『レイ -霊・零・Ray-』というシリーズ作品を描いたことがあります。

https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/1845366505508228:0


https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/1845366568841555:0


https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/1723805137664366:0


https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/1723805150997698:0


https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/1723805227664357:0



Spirit、soul、ghostといった霊(たま)の意味としてのレイ、数字の0(ゼロ)のレイ、線の英語Rayのレイ、を掛け合わせたタイトルの作品です。

そして今制作中の大作、仮タイトルは『ツイン・レイ』で対(双子)のレイ(霊・零・Ray)でした。それは霊の対話、霊話です。令和。


なので、勝手に親近感が湧いてしまったのでしょう。ちょっとだけ「おお!これからは俺の時代だ!」なんて無意識で感じたのかもしれません。

新元号の発表の後には意味についてのツイートがいろいろ流れてきました。「令和」は万葉集からサンプリングしてリミックスしたようです。

「初春の令(よい)月、気淑しく風和(やわ)らぐ」
「このましく、やわらか」という意味とのことです。


一方、BBCのニュースでは、
“Japan reveals name of new imperial era will be 'Reiwa'”
https://www.bbc.com/news/world-asia-47769566

“Japan has announced that the name of its new imperial era,
set to begin on 1 May, will be "Reiwa" - signifying order and harmony.”

「order and harmony.」とその意味を書いてます。直訳すると「秩序と調和」でしょうかね。

また、万葉集が出典とのことですが、元を辿ると中国だと指摘するツイートもありました。

「『仲春の令月、時和し気清らかなり」(張衡「帰田賦」『文選15)が原型。漢文からとらず「日本の古典」からとったと主張するは奇妙な話である。(後略)」


そこら辺を岩波文庫編集部のツイートが解説していますね。


ツイッター眺めてるだけでも勉強になりますねえ(笑)。

ただ、普通に考えると「令」の字から連想される言葉は、「命令」とか「律令制度」などがパッと思い付くのではないでしょうか? ちょっと威圧的なニュアンスと言ったらいいでしょうか。

そしてその後ろに「和」があるので、「政権の命令に従えば平和に生きていける」みたいな、ディストピアな印象を持った人も、結構いるのではないでしょうか。

または、「令」の字で「令嬢」を真っ先に思い浮かべる人もいるでしょう。その場合「和」の字では「和服」を思い浮かべるはずで、「和服を着た令嬢」がいろんなシチュエーションで脳裏に浮かんだことでしょう。それも楽しそう。

新元号にどんな恣意性があるのかは私には分かりません。こういうのって、それぞれ自分の思考に当てはめて、意味を解釈するんだなあって思いました。

意味を解釈する前に、パッと湧き上がったものを掴み取るのがアーティストの仕事です。直感的にスッと入ったポジティブな印象だったので、それ以上でもそれ以下でもない、として収めようようと思います。

【武盾一郎(たけじゅんいちろう)/霊輪・零話・Ray war】

アートラッシュ『車輪-進み続ける表現-』展
2019年4月3日(水)~4月22日(月)
AM10:00~PM6:00 火曜日定休(入場無料)
https://twitter.com/artsrush
出展します!

=参加作家=
Gimmel Garden(彫金)
江島多規男(宝飾)
東田亜希(絵画)
渡辺正明(手造り時計)
武盾一郎(線譜画)
草薙能子(造形)
橋本岳到(鉛筆画・絵画)
野谷美佐緒(アラビア書道・絵画)
ぜひお立ち寄りください!

アーティストとアートファンを繋ぐプラットフォーム「メセロ(mecelo)」に、私のページができました! 応援よろしくお願いします! インタビューもあります。
https://mecelo.com/artists/take_junichiro

インタビュー前半
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インタビュー後半
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装丁画を担当しています! 『星野智幸コレクション・全四巻』(人文書院)
星野智幸コレクションI スクエア
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226418.html
星野智幸コレクションII サークル
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226413.html
星野智幸コレクションIII リンク
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226414.html
星野智幸コレクションIV フロウ
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b278897.html


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■LIFE is 日々一歩(95)[アニメ]
2019年の春アニメはコレを見よう!

森 和恵
http://bn.dgcr.com/archives/20190402110100.html
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こんにちは。森和恵です。

厚手の洋服をしまっちゃって、寒の戻りに参ってます。でもでも。もう桜も咲いてますし、今回は春アニメの話題をしちゃいましょう!

さて、まずは新刊同人誌と明日のライブ授業の告知から。いよいよ再来週に開催が迫った、技術書典6、配置『か24』でお待ちしております。


頒布するのは新刊の「Dreamweaver ビジュアルグリッドレイアウト」(ウェブコーディングの本)と「Adobe XD アニメーションレシピ」(ウェブのアニメーションUIをXDで作る本)です。

サークル詳細ページにて、表紙&目次の掲載をしております。ブックマークがわりに「チェックリストに追加する」ボタンをポチッとしてくださいませ。
https://techbookfest.org/event/tbf06/circle/44920008

新刊と連動する形で始まっている、YouTubeライブ配信の授業も3回目。隔週水曜日の夜22時半から配信しています。

明日は、『作ったプロトタイプと実際のコーデイングをどうつなげる?』。コーディングを踏まえてXDでプロトタイプを作るにはどう考えたらいいのか? をお話します。

【クイズで学ぼ!《Adobe XD》プロトタイプ実践(2)】


あと99人でチャンネル登録者数 1,000人を達成します。ぜひぜひ、チャンネル登録よろしくお願いします。達成記念したら……のイベント、ずっと前から考えているんです。

●過去作品のリバイバルが、さらに加速してる

ここ数年のアニメは、過去の人気作のリバイバルをすることが増えています。わたしの一推しのおそ松さんもそうだし、コードギアスもそうだし。

人気のあった作品をベースに作ると、ある程度の売れ行きが見込めるので、予算も付きやすいのでしょうか。この春も、そんなリバイバル作品がいくつか出てきます。

わたしは次の3作品をみる予定です。

【機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星】
http://www.gundam-the-origin.net/tv/index.html

※初代ガンダムの時間軸で、“赤い彗星”シャア・アズナブル視点で過去を描いた作品。2015~2018年にかけて劇場で公開されたものをTVシリーズに再編集。

【フルーツバスケット】
https://fruba.jp/

※1998年から「」花とゆめで連載されていた“フルバ”の愛称でおなじみの超人気少女漫画。2001年にも一度アニメ化されている。

【MIX(ミックス)】
https://www.ytv.co.jp/mix/

※“タッチ”でおなじみのあだち充が、2012年から連載している漫画。タッチのリバイバルではないが、30年後の“明成学園”を舞台にした野球漫画。

●期待できるオリジナル作品も!

純粋にアニメ作品を楽しみたいなら、オリジナル作品ですよね。事前知識が何もないので、ドキドキしながらすべてをまるっと楽しめる所がたまりません。

今期は、期待しちゃうオリジナル作品がふたつあります。

【幾原邦彦監督新作アニメ『さらざんまい』】
http://sarazanmai.com/

※幾原邦彦監督の久しぶりの作品です。発表があってから、ずいぶんと待ちました。今回も、“少女革命ウテナ”ばりの美しさ、“輪るピングドラム”のような謎めいた作品になりそうで、わくわくしています。今期一推しです。

【TVアニメ「キャロル&チューズデイ」公式サイト】
http://caroleandtuesday.com/

※フジテレビ“+ULtra”枠。海外にアニメカルチャーを広げたいというコンセプトの枠だけに、かなりなおしゃれ感を感じる雰囲気です。鳴り物入りでおしゃれすぎる作品は、大きく当たりにくいという印象がありますが、この作品はどうなるでしょうか。

制作:ボンズ、音楽:フライングドック、キャラクターデザイン:窪之内英策という素晴らしいメンバーで作られているので気になります。

●推しの声優さんが出演されるので、推し作品

『推しは推せるうちに推しておけ』という言葉があります。「推し」とは、応援することを意味します。作品にでてくれないと、推したくても推せなくなるのです。

今期、ひさしぶりに推してる声優さんのメイン作品が多くて嬉しい限りです。できるだけ、リアルタイムで見たいなと思ってます。

【テレビアニメ「真夜中のオカルト公務員」公式サイト】
http://occultkoumuin.com/

※福山潤さんがメインの作品です。オープニングテーマも、福山さんが歌っています。オカルトとタイトルにあるので、ホラーが苦手なわたしは一瞬身構えてしまいましたが、原作を読むとライトな感じで安心しました。

【TVアニメ「BAKUMATSUクライシス」|TBSテレビ】
http://www.tbs.co.jp/anime/BAKUMATSU/

※中村悠一さんがメインの作品です。二期。“幕末カレシ”というスマホの乙女ゲームが原案です。幕末の歴史が好きな女の子には、たまらない作品だと思います。中村さんは、高杉晋作の役どころを担当されています。

【「続・終物語」公式サイト TVアニメ全6話 】
https://www.monogatari-series.com/zokuowarimonogatari/onair/

※神谷浩史さんがメインの作品です。神谷さんの阿良々木暦さんのしゃべりっぷりが、とても大好きです。昨年、劇場公開されたものをTVサイズに編集して放送するようです。

……ということで、今回はここまで。毎年、春アニメは話題が盛りだくさんで楽しみです。

話は変わりますが、新元号が『令和(れいわ)』に決まりましたね。自分の名前から一文字使われているので、すごく嬉しくなっちゃいました。

「万葉集の梅花の歌『時に初春の令月、気淑く風和ぐ。』」が由来だそうです。

発表の瞬間の放送を見終わってすぐにネット検索したら、ウィキペディアの登録が終わっていて驚きました。夜には、ATOKで漢字変換ができるようになっていて、またまた驚きです。時代を感じますね。

ではまた、次回お目にかかりましょう!
(^^)

【 森和恵 r360studio ウェブ系インストラクター 】
mail:r360studio@gmail.com
YouTube:https://www.youtube.com/r360studio
サイト:http://r360studio.com/


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編集後記(04/02)

●偏屈BOOK案内:「Die革命 医療完成時代の生き方」奥真也

筆者は医師、医学博士、経営学修士(MBA)。270ページのハードカバー。本文は白地の面積が大きく、字詰めは短く行間が広い。ゴシックでサイドライン付きの部分がたぶん大事な記述。とても読みやすいのだが、ソフトカバーで安価な造本のほうがうれしい。ゴシック記述は見開きに1〜2個所、それを拾い読みすれば、とりあえず医学の最新情報や、筆者の言いたいことが分かる。たぶん。

医療の完成は山の9合目/病気のラスボスたち/もうすぐ「死」は死語になる/予防・診断・治療・その全部/「リビングデッド」の処方箋/「利己的な自分からの解放」という6章立て。一番最初の強調は「病気では人が死なない時代、『不死時代』がやってこようとしています」であった。なんて迷惑なことを〜。病気に対する医療の勝利とやらで、これ以上、超高齢者が増えてどうする。

脳出血、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、エイズ、がん、あらゆる病気が克服され始めている。病気による死亡率はやがてゼロになる。完治できるのか、と思ったら「病気の9割は治らない」のだという。医療の立場から言えば、それでかまわない。病気の9割は医者にとって常に「病気」というステイタスにある。一病息災、完全に治癒しなくても、日々の生活に支障がなければいいのである。

救急医療体制の整備で「不慮の死」も劇的に減った。これと密接な関係にあるのが画像診断装置の進歩と普及である。また基礎体力の向上、生活習慣病管理の進化による高齢者の健強化がある。これと並行して重要なのは喫煙率の低下である。2020年4月に施行される改正健康増進法では、病院は完全禁煙に移行し、分煙さえも認められなくなる予定である。まことに結構なことだと思う。

すべての病気を克服してしまうのが「医療の完成」だとするなら、現在は9合目まできている。9割ではない。現在の人間は、病気だけでは「死ぬ理由」がなくなりつつある。だが、残りの1合には何があるのか。「あと少し」であり「もっとも困難な課題が待っている」というニュアンスが含まれる。

それは、発見・アプローチが難しい病気、症例が圧倒的に少ない病気、急死の三つにあてはまるものだ。たとえば膵臓がん、胆管がんなどである。自覚症状が現れにくく目立たず、病状が進み数値の異常として現れる頃にはかなり状態が悪くなっている。症例が少なく社会的関心が低い病気には、公的な予算が投入されない。急死は、大動脈解離、くも膜下出血、急性心筋梗塞などである。

医療を取り巻く制度にも問題がある。それは公的医療制度である。そこには二つ特徴がある。病院への「フリーアクセス」と「国民皆保険」である。前者は、「誰でもあらゆる病院に行って診察を受けることができる」という、世界にも珍しい制度だ。軽微な症状なのに、高度な医療技術を持つ大病院に行く患者がいる。医療が非効率化して、一部の病院や医師に過度の負担がかかっている。

高度で高額な様々な医療の登場と少子高齢化の影響で、現行制度は青息吐息、とうてい未来永劫続けられる状況にはない。所得に応じた医療の最適化を図るのは必然の流れだ。多くの人が納得できる欧米型の民間医療保険が登場する時期に来ている。最後の1合を攻略する方法論は見えている。つづく。(柴田)

Die革命 医療完成時代の生き方 奥真也 2019 大和書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447978442X/dgcrcom-22/


●予想通り被りまくりなのですが、発表されてすぐに書いたのでこのままにします〜。

/新元号発表待ちでワクワク。今後、嫌でも付き合わないといけないとわかっているのに(笑)。カウントダウンってワクワクするよね。在位中の発表なのでおめでたい気もするし。仕事の締め切り時間のカウントダウンは、悲壮になるけどっ!

そして待ちに待った11:30には発表なし。ええ「ごろ」と書いてあったわ。でもこういうのはキッカリに行われるものと思っていたわ。

密かに「和」が入ればいいのになぁと願ってはいたけれど、ふたつ前に昭和があるから、まぁないだろうなぁとも。「令」には、よい、めでたい、りっぱなという意味もあるのね。

万葉集の「于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。」「時、初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す。」が元と知り、情景が目に浮かび、香りまで。美しい元号だなぁと印象は変わったわ。大本は漢詩という話も。

自分の名前を人に伝える時に「昭和の和」と言っていましたが、今後は「令和の和」と言うことにします。ちょっぴり若ぶれるな(笑)。しかし発音しにくいなぁ。平成も言いにくかったけど。(hammer.mule)

「令」という漢字(漢字/漢和/語源辞典)
https://okjiten.jp/kanji686.html
「人がひざまずいて神意を聞く事を意味」

万葉集巻五を鑑賞する 集歌815から集歌852まで
https://blog.goo.ne.jp/taketorinooyaji/e/4fd39531a03c8b8ae40e6814197a2121
于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香

「令月」は「仲春令月、時和し気清らかなり」(後漢・張衡「帰田賦・文選巻十五)

岩波文庫編集部のTwitterより