腕時計百科事典[76]腕時計の純正と価値:1/吉田貴之

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アンティーク時計やヴィンテージ時計に限らず、いわゆる中古腕時計を購入する際に気になるのが、「腕時計が純正であるかどうか」です。

純正度が高い腕時計は価値がある、あるいは純正度が低い腕時計は価値がない、とされていますが、それだけを基準に腕時計を選ぶのは賢明ではありません。腕時計の純正と、その価値について考察しました。





▽純正な腕時計とは

そもそも、「純正度の高い腕時計」とはどのような腕時計を指すのかを決めておきましょう。それをはかる基準はいくつかありますが、次のようなものです。

「正規販売店で購入している」「ファーストオーナーである」「ギャランティーやワランティーの証明書が付属している」「箱や取扱説明書などの付属品が揃っている」「修理やメンテナンスがされている場合、正規店を通して施術されている」「純正ではない部品が使用されていない」「正規店で修理を受けてもらえる」「研磨や加工がされていない」などです。

▽正規販売店で購入している

海外のブランドでは、国内向けに輸入販売できる会社を指定している場合が多いため、正規代理店が販売した商品の純正度を高く評価することがあります。

これは新品を買う場合にはある程度意識したほうが良いですが、中古ではすでに保証などの対象ではないため、あまり意味がない評価軸といえるでしょう。一方で、日本市場向けに商品をチューニングすることもあるので、それを狙うのであれば押さえるべきポイントかも知れません。

▽ファーストオーナーである

製造から数十年が経過しているアンティーク時計やヴィンテージ時計は、何人も所有者が変わっていることが多く、その来歴がはっきりしている方が価値がある、とされています。

とはいえ、ファーストオーナーかどうかは、現在の所有者の自己申告によるところが多く、この基準の有効性は現在の所有者(お店など)と新しい所有者(購入者)との信頼関係に拠ります。

▽ギャランティーやワランティーの証明書が付属している

純正を評価するのに一番わかりやすいのが、ギャランティーやワランティーが付属しているかどうかです。

しかし、紙の証明書はコストや手間をかけずに偽造できてしまうのが問題です。紙一枚で価格が大きく変わるため、高額で特殊な腕時計では本物と見紛うほど、精緻に偽造された証明書が作られることがあるのを知っておきましょう。

▽箱や取扱説明書などの付属品が揃っている

こちらも誰にでもわかりやすい評価基準のため、純正を見定める材料にしてしまいがちな要素です。しかし、箱や取説などは後付けで合わせることがいくらでも可能です。また、質屋や買取センターでは付属品を評価基準にしないと明言しているお店もあります。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

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兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。