Otaku ワールドへようこそ![304]行く平成を惜しんでガングロに/GrowHair

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「びやびやかつお」って何だ? 2009年6月13日(土)に愛媛県御荘(みしょう)に行って以来の疑問が、2018年12月8日(土)に高知の「居酒屋土佐」で聞いてみたことで晴れた。

高知では「ぐび」と言い、まだ死後硬直していない新鮮なかつおを指して言うのだという。大きな市場だと、届いた時点ですでに半分ぐらいは、ぐびでなくなっているという。

魚らしい生臭さがぜんぜんしないし、噛み切るのが大変な弾力ある食感だし、美味いかどうかは何とも言えないというが、たとえ美味くなくても、物珍しさで食ってみたくなる。初鰹の時期に高知の小さな漁港を狙って、行ってみようと思っていた。

ところが、休みの入り口の手前に瓦礫が積み上がっていて、これを片付けないことには扉が開かない。何とかどけて突入したはいいが、計画がぜんぜん立ってない。いまさら宿を検索してみるも、どこも空いてない。かつおは見送りだ。

今回予定していた(って、約束してたわけじゃないので、黙っていてもよかったんだけど)初鰹レポートは戻り鰹に送るとして、じゃあ、連休はどう過ごしたのか。ゆく平成を惜しんでガングロギャルになったりとか。





●ガングロになり、渋谷と原宿で街頭インタビュー

AbemaTVの番組『Abema 的ニュースショー』には、すでに何回か呼んでいただいている。日曜日0:00pmからの2時間番組で、六本木にあるテレビ朝日の「けやき坂スタジオ」から生放送する。

それぞれ一癖ありそうな6人のコメンテーターが、出ずっぱりで雛壇に座り、一週間のニュースに的外れに斬り込むのが特徴だ。4月21日(日)放送回は2日前に起きた東池袋自動車暴走死傷事故を取り上げ、ここでフザケるわけにはいかなかったけど。放送終了からわずか2時間半でネットに上がった記事では、田中康夫氏(元長野県知事)の背後に私が写っているだけでも、まるで不謹慎な存在みたいだ。

  2019.04.21 16:29
  AbemaTIMES
  池袋暴走事故、大谷昭宏氏「お年寄りに優しすぎる。パスを受け取り、
  車も乗りますは独善的だ」
  https://abematimes.com/posts/7000550

宮本エリアナさん(ミス・ユニバース元日本代表)に対抗してか、鈴木涼美さん(作家・元セクシー女優)のいでたちが、いつにも増して露出度高めなのが見どころだったか。

翌4月22日(月)、番組制作からメールが来て、28日(日)にも出演してくれませんか、と。うぎゃあ! 予定、カブったぁぁぁ! メディア露出オファーは貴重なので、極力断りたくない。事務所に所属する超売れっ子芸能人でもあるまいに、断るって、いったい何様だよ、という自分からのツッコミも聞こえてくる。

そうは言っても、「シンギュラリティサロン」に穴を空けるわけにもいくまい。お断りの返信をする。そしたら、25日(木)にまたメールが来て、27日(土)にVTRを収録してくれるという。わーい、行きまっす!

平成に消えたものと生き延びたものを振り返るという。ガングロは絶滅危機種。伝説のヤマンバギャルである“あぢゃ”さんが、私にメイクを施してくれるという。

あぢゃさん、「週刊女性」の記事にもなってる。現役時代の写真が載ってて、やっぱ、すげえな。現在の変貌ぶりもすごいけど。

  2019/3/29
  週刊女性 2019年4月9日号
  伝説のヤマンバ GAL “あぢゃ”、
  銀座の夜の蝶に変身「日傘をさして歩いてます」
  https://www.jprime.jp/articles/-/14783

27日(土)9:00amに渋谷へ。東急東横線渋谷駅の跡地だけでなく、JRの軌道の南西側の広範な一帯が工事で封鎖されている。アイドル時代、SHIBUYA DESEOでライブイベントによく出演したものだが、今は、道玄坂のほうへ移転してるんだね。

会った瞬間には、「なんだよ、じじいかよ?」と言っていたあぢゃさんも、メイクが進むにつれてかわいくなっていく私に、どんどんテンションが上がる。すっぽりとニット帽をかぶったら、もう性別なんてぜんぜん判別つかんぞ。テレビ朝日の女子アナである三谷紬さんは女子高生姿になっていて、それがあまりに自然なもんで、最初、誰だか分からなかった。かわいいぞ。

渋谷駅前と原宿駅前へ行き、三谷さんと二人で街頭インタビュー。プリクラなどで写真を撮る際に、どんなキメポーズをするか。これ、年代によって変遷があったはずだというので、できるだけ幅広い年齢層の人をつかまえて聞いてみる。いやぁ、ほんとだ。

ふつうにピース、顔につけてピース、両手を差し出して手のひらを下向きに、顎を挟んでの裏ピースは小顔にみえるからとか、それプラス、額のところで逆さ裏ピースとか、手をほほに添えて「虫歯」とか、親指と人差し指の先だけで小さいハートとか。見事に世代で分かれた。

顔を上下から挟む裏ピースは、三谷さん説によると、小籔千豊氏由来だというが、ネットで検索かけてもそれらしい情報が出てこない。今度、小籔さんとお会いする予定があるので、聞いてみます。

2:00pmに解散。収録隊は、次へ向かう。当選したスマイル党のマック赤坂氏をインタビューしに行くのだとか。

私は新幹線で神戸へ。いつものように東京駅構内の「格之進」で弁当を買う。最高ランクのは三段重ね輪っぱ飯「段違い肉膳」(2,929円)だが、この日は「肉万両」(2,160円)にした。寝過ごして博多に着いてたら困るので、あえて新大阪行ののぞみに乗り、終点でさくらに乗り換える。

宿泊は、翌日のイベントの主催側が用意してくれていた。新幹線新神戸駅に直結する37階建ての五つ星ホテル「ANAクラウンプラザホテル神戸」の24階。

三ノ宮あたりへ降りて行って、灘の酒を飲んだり神戸牛を食ったりしたいなぁ、とも思っていたのだが、PowerPointのプレゼン資料がまだ完成していない。美味いもんはあきらめて、資料作りが終わったら部屋でショボく飲もうと、近くの「FamilyMart 新神戸駅前店」で小さいボトルの赤ワインと野菜スティックとつまみ類を買ったのが9:12pm。

終わらないうちにどうにも眠くなってきて寝てしまい、早朝に起きて続き。朝食は部屋に持ってきてもらい、食べながらまだ続き。終わったらすぐにチェックアウトし、タクシーで港の近くの会場へ。うっかり顔に触ると手が真っ黒になったが、なんとかメイクをもたせた。ワインは開けずに持って帰った。

私の変身シーン、AbemaTV公式からYouTubeに動画が上がっている。

  2019/04/29に公開
  YouTube 動画 11分08秒
  平成最後に"絶滅寸前"の元祖ヤマンバ・あぢゃを直撃!
  セーラー服おじさんをガングロに大改造!
  AbemaTV 公式
  18,702回視聴
  

写真:
https://photos.app.goo.gl/Sd3AoPNwcQuABxrD9

●そのメイクのまま神戸で登壇

「シンギュラリティサロン」については、これまでもよく聴講参加し、レポートをここに書いてきた。主宰するのは松田卓也氏(神戸大学名誉教授、宇宙物理学者)。著書に『人類を超えるAIは日本から生まれる』がある。

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4331519902/dgcrcom-22/

シンギュラリティサロンは、主として脳科学や人工知能(AI)の専門家を招いてシンギュラリティにまつわる講演をしていただき、議論する会である。大阪と東京で1~2か月に一度ずつ開催され、通常は一人の講演者がほぼ同一内容の話をする。用意された100席が最近はたいていほぼ満席になる。

このイベントは、歴代の登壇者の顔ぶれがすごい。脳科学やAIや意識のテーマに取り組む学術界のスターたちと言ってよい。自薦・他薦で登壇を希望しても、断られるケースがあるという噂も聞く。

歴代の講演者たち(一部/敬称略):
・石黒 浩(大阪大学 教授)
 著書:『ロボットとは何か』
・浅田 稔(大阪大学 教授)
 著書:『ロボットという思想 ―脳と知能の謎に挑む―』
・渡辺正峰(東京大学 准教授)
 著書:『脳の意識 機械の意識』
・光吉俊二(東京大学 特任准教授)
・井上智洋(駒澤大学経済学部 准教授)
 著書:『人工超知能』
・津田一郎(中部大学 教授)
 著書:『心はすべて数学である』
・前野隆司(慶應義塾大学 教授)
 著書:『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』
・一杉裕志(産業技術総合研究所 主任研究員)
・高橋恒一(理化学研究所 チームリーダー)
・齊藤元章(スーパーコンピュータ開発者)
 著書:『エクサスケールの衝撃』
・三宅陽一郎(株式会社スクウェア・エニックス リードAIリサーチャー)
 著書:『人工知能のための哲学塾』
・山川 宏(ドワンゴ人工知能研究所 所長)
・栗原 聡(ドワンゴ人工知能研究所 客員研究員)
・金井良太(株式会社アラヤ 代表取締役)
・大泉匡史(東京大学 准教授)

4月28日(日)に開催された回は、「078 特別編」と称し、会場は東京でも大阪でもなく、神戸である。「078」というイベントに乗っかっての開催。テーマは『シンギュラリティが来ることを前提とした一歩進んだシンギュラリティの話』。

078 は 4月27日(土)~29日(月・祝)に6か所の会場で同時進行するイベントで、公式サイトによると、都市で楽しむ「音楽」、「映画」、「アニメ」、「ファッション」、社会変化を加速させる「IT」、上質な「食」文化、次世代の「子ども」をテーマとした様々なコンテンツを掛け合わせ、都市生活の面白み、心地よさを追求していく参加型フェスティバルである。
https://078kobe.jp/

  シンギュラリティサロン・078 特別編
  日時:2019年4月28日(日)10:00am~0:20pm
  会場:デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)
     3階 Futureステージ
  登壇者:
     松田卓也(神戸大学名誉教授)
     塚本昌彦(神戸大学大学院工学研究科教授)
     小林秀章(セーラー服おじさん)
  司会:保田充彦(株式会社ズームス代表)
  主催:シンギュラリティサロン
  共催・協力:078実行委員会事務局
  https://078kobe.jp/events/9514/
  https://peatix.com/event/631462/

2019年3月10日(日)に大阪で開催された『意識をめぐる大冒険』の回に引き続き、今回も私は聴講側ではなく、登壇側で参加した。この場に出させていただけるのは、たいへんに光栄なことと認識している。

今回、私に課せられた役割は、われわれ登壇者たちがみなシンギュラリティ来る派であるのに対し、来ない派がどんなことを言っているかを紹介し、叩く、というもの。以前、ここに書いたことをベースにした内容である。『シンギュラリティ来ない派の言い分を聞いてみる[前編]』
http://bn.dgcr.com/archives/20181102110100.html

まあ、学術界の高~いところにおわしましまする著名な学者先生方を、名指しでバッサバッサ斬っていくという、若干、過激な役回りではある。

10:00am開始の朝イチのコマ、会場のKIITOはJR三ノ宮駅から徒歩20分と交通不便、われわれの部屋が3階にあるのに対して、同じ建物の1階で同時進行する中村伊知哉先生(慶應義塾大学教授)の講演とオーディエンスの奪い合い、という逆風であった。中村先生のは、むしろ聴講したかったのに~。

もともと50席プラス後方に予備のパイプ椅子15脚ほどが用意されていたが、2倍にあたる130人が聴講した。パイプ椅子を出しても出しても埋まっていき、しまいには会場から人があふれ出ていた。

始まる前から姿を見せていてはつまらないので隠れていたが、出ようと思ったら人がいっぱいでビビった。先に出ていた司会の保田氏に促されて三人が出ると、どよめきが起きた。歴代の登壇者の面々からすると、私なんぞは吹けば飛びそうなくらい小粒な存在であるが、それなりの存在感は出せたのではないかと思う。話の内容が頭に入っていかなかったかもしれないけど。

シンギュラリティ来ない派は、いろんな人がいろんなことを言っているが、反論が一番たいへんなのは、これだ。人工知能研究のかなり深いところまで踏まえた上でものを言っているのだ。

  ジャン=ガブリエル ガナシア
  『そろそろ、人工知能の真実を話そう』
  早川書房(2017/5/26)
  https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152096969/dgcrcom-22/

デジクリに書いたときは、下記の書に対して重点的に反論した。

  西垣 通
  『AI原論 神の支配と人間の自由』
  講談社(2018/4/10)
  https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062586754/dgcrcom-22/

しかし、反論しやすいやつを選んで反論したと思われてはおもしろくないので、ガナシア氏のを重点的に取り上げることにした。しかも、重箱の隅をつつくような粗探しでは論破したことにならなので、真正面から論旨のド真ん中へアタックしたい。そうとう精読し、反論を用意した。

ところが、そこへたどりつく手前の総論で、すでに持ち時間を大幅にオーバーしてしまい、まったく触れずに終わってしまった。ああ、こんなことなら資料作りにがんばる必要なんかなかった。美味いもん食いに行ってりゃよかった。来年もまた来る。

永久にお蔵入りさせるのはもったいないので、いつかデジクリの一回分のネタとして使いたい。

取材に来ていたAIZINEが記事をネットに上げてくれた。写真入りで、ライブ感たっぷりに場面を描写し、内容もかなり詳しく書いてくれているので、私があらためてレポートする必要はなさそう。
https://aizine.ai/singularity-life0514/

写真:
https://photos.app.goo.gl/ohJCecRM2gmr6Jf99

●取り調べられるセーラー服おじさん

5月8日(水)、連休明け早々に仕事を休んで渋谷に出頭し、取り調べを受けてきた。

NHKラジオ第1『とりしらベイビー』という番組。ネットで話題になっているアヤシイ人を「取り調べる」という趣旨。尋問するのはお笑いタレントの小籔千豊さんとファッションモデルの池田美優(みちょぱ)さん。カツ丼は出ない。

いやいや待て待て。ワタクシ、決して怪しい者ではございませぬ~。まあ、平日の真っ昼間っからA面で渋谷の街を闊歩していると、そうとう駄目な人のようではあるけれど。

一放送回あたり、容疑者はたった一人だけ。素人をいじりたおして50分間の番組一本に仕上げちゃうって、なかなか思い切った企画だよね? もし話が退屈だったらそうとうツラいことになりそう。NHKの電波をそんなに長く、オレが独り占めしていいの?

しかも、放送時間の3倍ぐらいの尺を収録しておいて、編集で面白いとこだけピックアップ、という制作方針ではなく、収録時間は約1時間。しゃべったことがほぼ全部使われるってことじゃん。

しかもしかも、ラジオですぜ?「ソルティードッグ」というカクテルを「塩抜きで」って注文した人がいるけ
ど、それって「ドッグ」だよね? セーラー服おじさんを映像抜きでラジオ放送したら、ただのおじさんじゃん? 成立するのか?!

で、どうなったか? いや、現時点では収録が終わっているけれど、放送予定日はまだ先である。丸ごとボツったら、オレは存在しなかったことになる。ここからは収録時の裏話に属することなんで、ナイショでよろしく。

台詞を間違えた。噛んだなんて生易しいもんじゃなく。まったく違うことを答えちゃった。気づいてなかったオレ。丸一日ぐらい経ってから振り返って、あれれ? なんかおかしかったような、と。

「かわいいものは、小学生のころから好きだったんですって?」と聞かれて、「はい、女子から髪留めを借りて自分につけたりしてました」と答えるところだったんだ。うっかり、「女の子のパンツが大好きで、毎日スカートめくりしてました」と答えてしまった。NHK向けじゃないことをボロっと。

こういうとき、ベレー帽をかぶってメガホンを持った強面の監督さんが、「はいはいカーーーット!」と声を張り上げて割り込んでくるのではない。なにごともなかったかのように、そのままどんどん先へ進めちゃうのだ。たいていの番組がそうだ。

ここから、ってまだ最初のほうなんだけど、話の流れがあらぬほうへ逸れていき、台本ってなんだっけ? な状態。台本、いちおうあるにはあるのだ。

収録の15日前にあたる4月23日(火)の夜、新宿の喫茶店の個室で番組制作スタッフと打合せしていた。それに基づいて、台本が制作され、事前に送られてきていたのである。収録開始の22時間前くらいにだけど。

これはマシなほうで、AbemaTVのニュース番組なんて、生放送の本番開始1時間前ぐらいになってやっと台本を渡されることがあるのだ。誰もあせっていない度胸のすわりっぷりがすごい。

前日に送ってくれたんだから、頭に叩き込んで本番に臨むのが筋ってもんだ。けど、ラジオだから、本番中に読みながらでもいいよね。自分を甘やかしがちな私は、さぼって飲みに行ってしまった。

ところがどっこい。たしかにラジオだから、目の前に台本を広げておいてもいいのだけど。ひっきりなしに会話が続き、見てる余裕なんかないのだ。オレのせいで台本の立場は完全に吹っ飛び、誰にも予測のつかないカオスなアドリブ進行となった。

演劇やドラマなどとは異なり、トークショーにおける台本の意味って、これよりもつまらなくするなよ、という最低ラインみたいなもんで、外すこと自体はいいんじゃないかと捉えている。脇のドブに落っこちるような外し方でさえなければ。

活躍するタレントさんは、だいたいアドリブの達人みたいな人が揃っている。どんなことが起きてもあわてずに、うまく吸収して、進行させちゃうのだ。

もうひとつ、やらかしたぁ、と反省しているのは、一人でまくし立ててしまったことだ。

前日、予習をしておいた。NHKラジオには「らじる★らじる」というウェブサイトがあって、聞き逃した番組を視聴できるようになっている。ただし、期間は放送から一週間だけ。最新の放送回のをいつでも視聴できるようになっているのだ。
https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/

このとき視聴できたのは、5月3日(金)放送回で、容疑者は「プロ無職」のるってぃ氏だった。3人の会話が和気藹々として、流れがとても自然だ。

近ごろよくみるお笑い芸人は、やたらとテンションが高く、すごい勢いでマシンガントークし、瞬発的にツッコミを入れる。反射神経ゲームの達人みたいな感じだ。

小籔さんはそういうのとぜんぜん違い、テンション低めで、ゆったりゆったり話す。けど、頭の中ではきっといろんな並行世界がシミュレーションされていて、勝ち抜いたいちばんおもしろいのが口から出てくるんだろうなぁ。若いのに、昔の落語家みたいだ。

私はるってぃ氏の回を聞いて臨んだのに、そうはいかなかった。みちょぱさんが、おずおずと質問する。私がばーーーーーーっとしゃべる。答え終わっても、二人はぽかーんとして反応できない。またみちょぱさんがおずおずと質問する。これの繰り返しだった。小籔さんは最後までほとんどしゃべってないぞ。まったく会話になってないではないか。

るってぃ氏の回を聞いていたら、途中に歌が入った。そのうちの一曲は研ナオコ『夏をあきらめて』だった。え? そういうの、かけてくれるの? こっちからリクエストできるなんて一言も言ってなかったけど、押しかけリクエストをメールで送ってみた。収録前日の5:44pmだったが。

  太田裕美『青空の翳り』
  松任谷由実『悲しいほどお天気』

そしたら、『青空の翳り』のほうをかけてくれた。わぁい!

進行が生放送さながらだ。曲がかかっている間、われわれは休憩だ。例の疑問について、小籔さんに聞いてみた。上下ピースの由来。小籔さん由来なのは、それではないという。いわゆる「カズニョロポーズ」というのがあるのだそうで。左手を下から回して右の頬に当て、右手を上から回して左のこめかみあたりに当てる。

それとても小藪さんオリジナルではなく、海外モデルがやってるやつを秋元梢さんに教えてもらって真似したのだそうである。ネットを検索したら、記事が出てきた。

  2018.08.20 10:19
  モデルプレス
  小籔千豊“カズニョロポーズ”誕生秘話明かす
  中村アン“完コピ”の裏話も
  modelpress 編集部
  https://mdpr.jp/news/detail/1787151

みちょぱさんは、姿がきれいなだけでなく、頭の回転が速くて機転が利く。会話が上手だ。視聴者のために、私の姿を言葉で描写してくれた。これであと漢字が読めたら、プロの女子アナのようだ。

みちょぱさんがまとめに入る。「あれ? もう?」。あっという間だった。こんなの公共の電波に乗せる価値、あるんだろうか? やはり全ボツだろうか? 予定では、5月24日(金)9:05pm~(50分間)が私の回。そうか、今夜のを聴いて、次回予告で言ってくれれば、まず使われるってことだ。
https://www4.nhk.or.jp/torishirababy/

写真:
https://photos.app.goo.gl/ppbTqMQTq9uix7Ga7

●礼拝堂で音響試し

遡るが、5月2日(木・祝)には「人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)」の講演を聴講してきた。主催するのは、中ザワヒデキ氏。この回のテーマは『宗教と数理脳』。ゲスト登壇者は3名(敬称略)。

  甘利俊一(理化学研究所栄誉研究員、東京大学名誉教授)
  河崎純真(大宗寺住職、ブロックチェーンエンジニア、Gftd Japan代表)
  稲垣久和(東京基督教大学特別教授、キリスト教哲学専攻、理学博士)
  https://www.aibigeiken.com/research/r024.html

会場は、大久保にある淀橋教会・小原記念チャペル。セーラー服を着たおじさんは、入れてもらえるのか? 本場イタリアのカトリック教会だったらまず無理だが、プロテスタントなので、だいじょうぶか。すんなり入れてもらえた。

設置されたスピーカーはそんなに特別なものでないようだったが、ホールの音響効果がすごい。壁に反響して、がらんと上に広い空間がしばらく音を保持していて、天からの荘厳な声を拝聴するようだ。

時として人からイケボと言われることのある私は、試してみたくなり、初っ端の中ザワ氏の小講演に対し、真っ先に挙手して質問。ありがたい天の声のごとく傾聴するオーディエンス。内容を考えずにテキトーにしゃべっちゃって、結局、質問にも何にもなってなかった。ずっこける中ザワ氏。

登壇者席のすぐ後ろの席を確保していたら、すぐ前に座ったのは甘利先生だった。20年前から存じ上げていた、人工知能の大御所である。が、お姿を拝見するのは初めてのこと。

ご講演後、少しだけ話ができた。ジュリオ・トノーニ氏の統合情報理論のΦを情報幾何学の観点から再解釈し、多様体上の1点から部分多様体に下ろした垂線の足までの長さがΦなのだとした大泉匡史氏の成果を知って、私も情報幾何学を理解したいと思って、とりあえず甘利先生の講演動画を見たけど、スーパーむずかしいですね、みたいな与太話。

後日、メールが届いた。うわーい、甘利先生からメール来たー! 心躍らせる私。英文の論文が添付されている。「私が書いた分かりやすいものを送ります」。大泉氏と共著だ。「チェコのプラーハで開かれた、私の80歳を祝う国際会議のProceedingsの原稿です」。

まだ読んでいる途中だ。正攻法で多様体から入ろうとすると、まず開集合がどうたら、ハウスドルフの分離公理がこうたらときて閉口するのだが、この論文は、2ノード2値の分かりやすく具体的な事例から導入しているところが初学者に親切で、たいへんありがたい。

写真:
https://photos.app.goo.gl/KjWXVhWe9QSNqNmK8


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《浅田稔先生と議論がエスカレート》

2018年12月1日(土)に大阪で開催された「シンギュラリティサロン」での浅田稔氏(大阪大学教授)の講演の聴講レポートをデジクリに書いて、前回4月19日(金)に配信された。

『知覚能力を獲得するには運動経験が必須である』
http://bn.dgcr.com/archives/20190419110100.html

聴講レポートは、後ほどシンギュラリティサロンの公式サイトにも掲載してもらえる話になっている。浅田氏に原稿のチェックをお願いした。これが、たいへんな議論を引き起こしてしまった。

生涯をかけてロボティクスの研究にいそしんできた学者先生に「意識の形成に身体は要らないと思います」なんて言ったのは、刺激的すぎた。

私がメールを送ってから24時間経たない4月20日(土)10:37am、ものすごーーーーーーく長い返信がきた。メールの締めには「あと、もう少し詳しい説明をしたい部分がありますが、今日から出張続きであまり時間がとれ
ず...」とある。つまりは、出張の出がけのあわただしいさなかに、とにかく最低限のことだけ言っておこうと書いたのが、こうなったってわけか。うっわー、怒ってる怒ってるやばい。

挑発的な表現については、非礼を詫びる。しかし、こちとら科学者の端くれ(あ、違うわ、会社勤めしているエンジニアだった)、やすやすと折れるわけにはいかない。もし私が間違ったことを信じているのだとしたら、きっちりと論破して訂正していただきたい。

自分の立場に固執するということではなく、正しい答えが知りたいだけなので、事実と論理に基づいてきっちり説明していただけるのなら、全力で理解に努め、納得できたら考えを改めましょう。

そこからメールのラリーが続く。どこかかなり根っこのところで、世界観が食い違っているという感じがして、議論はいつまでも平行線のままなのだが、そのズレがどこで生じているのかは見極めたい。

ここまでしつこいぐらいに明晰に書いておけば、誤解の余地はまったくなく、少なくとも私の立場がどういうふうであるかは、ぜーったいに伝わるはずだ、というのを書いて送った。「伝わったでしょうか。ごくごくあたりまえの、つまらないことしか言っていないつもりなのですが」。

「むむむ... もどかしさはさらに度を越してます。やはり根源的に出発点が異なるのだと思います」。

もうメールじゃ埒が明かない。ってわけで、続きは大阪大学にて、顔を突き合わせて議論しましょう、ってことになった。6月に日が決まった。

いや、非常にありがたい話である。ほんとうに箸にも棒にもかからない相手だったら放っておくはずで、わざわざ時間を取って議論する価値のある相手だと認めていただけたってことだ。意義のある議論をしてきたい。

前回書いたのをちょこっと訂正して済むようなもんではなくなってきており、このネタでもう一本書くことになりそうです。


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