[4831] 西米良の構造美の巻◇もじもじトーク5周年

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《これぞ勾配アート界における知られざる名作》

■わが逃走[242]
 西米良の構造美 の巻
 齋藤 浩

■もじもじトーク[111]
 もじもじトーク5周年
 関口浩之



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■わが逃走[242]
西米良の構造美 の巻

齋藤 浩
http://bn.dgcr.com/archives/20190718110200.html
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宮崎と熊本の県境に、人口1100人の村がある。四方を山に囲まれたこの美しい地・西米良出身の写真家小河孝浩さんが宮崎県立美術館で個展を開催、写真集を発表するというので、ちょいと行ってきた。

会場を訪ねると、小河さんは以前と変わらず元気に迎えてくれた。展示や写真集については、多くのメディアで取り上げているのでここでは書かないが、彼にしか撮れない写真がずらっと40点並んでいる様は圧巻であり、そしてまた見る者はいずれの作品にも感情移入してしまう。

小河さんとネット上で知り合ったのは今世紀に入ってからで、実際にご本人と会ってからまだ10年も経ってないのだが、まるで子供の頃からの付き合いのような気がするから不思議だ。

で、オレも図々しいなと思いながらそのまま村までついていって、温泉につかって旨い料理をご馳走になって、そのまま家に泊めてもらったのだった。

今回はそのときにふらっと散歩してみつけた「構造美」を紹介しようと思う。

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一ツ瀬川の対岸から、村の中心「村所」を見る。前も山だが、後ろも山。鉄道橋のようなこのトラス橋は「村所橋」。

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村所から橋を越えると、細い路地が入り組んだ風情のある風景が続く。西米良の尾道と勝手に呼んでいる。尾道と違うのは、水が豊富なところかな。水路と路地と農地と住宅が続く。

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国道と役場の間にも、細い路地がある。路地は歴史であり、文化だ。これは街灯を支える木製の柱だが、補強角材の緑化っぷりが素晴らしい。緑が濃いから、空気も濃い。

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かりこぼうず大橋を渡り、対岸を撮影。いつか歩きたい道。

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詠み人知らずのアートを鑑賞。トタンの垂直のおかげで、整然と積み上げられたボトルコンテナのナナメが際立つ! これぞ勾配アート界における知られざる名作といえるのではないか。

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竹原のバス停からひょいっと山側に入ってみた。棚田の脇をうねる道。光を浴びる稲も美しいが、粘土造形のようなマッス、この量感はどうだ!

というわけで、西米良カメラ散歩でした。交通の便は良いとは言えないけど、散歩したり、ぼーっとしたりするには最高です。こんどは紅葉の頃に行きたい


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。


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■もじもじトーク[111]
もじもじトーク5周年

関口浩之
http://bn.dgcr.com/archives/20190718110100.html
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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。

もじもじトーク第1回を書いたのが2014年7月11日だったので、「もじもじトーク」は5周年を迎えました。パチパチパチ〜〜 いつも読んでいただき、ありがとうございます。

「どんなに忙しくても、どんなに体調が悪くても、100回まで休まずにがんばる」と決めてスタートしたので、それは実現しました。せっかくなので、100回で終了せず続けてます。

寄稿をキャンセルして穴を空けたことはないのですが、原稿提出がいつも締め切りギリギリ、もしくは配信日当日になることが多く、編集部にご迷惑かけてばかりでした。ごめんなさい。

たしかに、僕はかなり忙しい。でも、寄稿は隔週だし、2週間のどこかで時間を捻出して原稿は書けるはずです。時間がある時に、2本ぐらい記事を書き溜めておけばいいのです。

人間って、さぼってしまう生き物です。一回でも休むと、次のつらい時に「今回は出張が入ってるから休もう」とかになってしまいそうです。どうにか休まずに続けています。

もじもじトーク6年目の目標は「余裕をもったスケジュールで原稿を書いて、早めに提出する」に尽きます。がんばります。

●「もじもじトーク」を書くことになったきっかけ

今回で第111回です。ワンワンワンですね(笑) 頑張りました。

ひとつの記事の文字数は約3,500字なので、約40万字の原稿を書いたことになります。夏目漱石の長編小説「吾輩は猫である」の文章量を書いたことになります。すごいでしょ(笑)

日刊デジタルクリエイターズで「もじもじトーク」を書くことになったきっかけは、「まにまにころころ」を書いている、コロこと川合和史さんだったと記憶しています。

「まにまにフェスティバルP2/第1回」(2013年8月10日開催)の時に、「デジクリ書かない?」って言われたことがきっかけだったかと……。そうそう、濱村デスクも、まにまにフェスティバルのスタッフです。

ちなみに、「まにまにフェスティバルP1/第2回」は、2012年4月14日に開催されました。その時のイベント募集ページがまだ残っていたので紹介します。なんか、ほのぼのする素敵なウェブページでしょ!
http://m2.cap-ut.co.jp/fes/index2.html

「まにまにフェスティバル」は、その後、P2、P3、P4と毎年開催され、P5(第5回)は2017年9月2日に開催されました。
http://m2college.net/fes5/index.html

すべての回のイベントページが残っているのはうれしいですね。登壇者のプロフィールやセッション内容を、眺めるだけでも楽しめます。

僕は第1回から第6回まで、セミナー登壇とブース出展とスタッフのお手伝いをしてきました。皆勤賞です。

ここ2年ぐらい、川合さんから「開催するよ〜」って声が聞こえてきませんが、P6(第6回)の開催が待ち望まれています。僕だけでなく、多くの人が、まにまにフェスティバルの開催を期待しているはずです……。間違いないです。

●7年前のブラウザシェア

「まにまにフェスティバルP1」のイベントページのバナーが、Internet Explorer 9だったので、気になって、当時のブラウザシェアを確認してみました。

7年前、Internet Exploreがブラウザシェア50%を超えてました。そして、FirefoxとChromeが2位争いをしていたのです。

ブラウザ別シェアTOP3(2012年4月)
1位 Internet Explorer 54.09%
2位 Firefox 20.20%
3位 Chrome 18.85%

バージョン別シェアTOP3(2012年4月)
1位 Internet Explorer 8 26.22%
2位 Chrome+ 18.85%
3位 Firefox 4+ 16.63%

・マイナビニュース 2012年4月デスクトップブラウザシェア
https://news.mynavi.jp/article/20120507-a005/

現在のデスクトップパソコンのブラウザシェアは、以下の通りです。
Chromeがダントツの1位ですね。
Internet Explorer 11が6.81%、Edgeが6.03%と、まだ、Edgeの普及が進んでいないのかな……。

バージョン別シェアTOP10(2019年6月)
1位 Chrome 66.29%
2位 Firefox 8.86%
3位 Internet Explorer 11 6.81%
4位 Edge 6.03%
5位 Safari 3.32%
6位 Baidu 2.30%
7位 Opera 1.54%
8位 Sogou Explorer 1.35%
9位 QQ 1.30%
10位 Yandex 0.87%

・マイナビニュース 2012年6月デスクトップブラウザシェア
https://news.mynavi.jp/article/20190702-851986/

どのブラウザを使うかは、「機能」「軽さ」で選んでいる人もいれば、「みんなが使っているから」で選んでいる人も多いと思います。

僕は、検証目的などで、すべてのブラウザを使っています。でも、メインブラウザはずっとFirefoxなんです。その前はNetscape Navigatorでした。

うまく表現できないのですが、僕はChromeよりもFirefoxのほうが相性がいいのです。肌に合っているというか……。みなさんはどんな理由でメインのブラウザを決めてますか?

●みなさんも3,000文字ぐらいの記事を書いてみませんか

僕は、中学校の頃、文章を書くのが苦手でした。400字詰め原稿用紙を前に、何を書いていいのか分からず、何時間も経過することが当たり前でした。

そんな僕も、文章を書くのが上手いかどうかは別として、今では、文章を書くのが苦になることはなくなりました。

もじもじトークの記事を書くときに、どんなことを心掛けているかというと、自分が好きな事柄や得意な事柄をテーマにしています。

専門書の寄稿記事や論文などを書く場合は別ですが、ブログ的な記事は、自分が興味があることを楽しく書くことが一番だと思います。

そうでないと、継続するモティベーションが保てません。

僕の場合は、
・文字やフォントに関すること
・イベントに関すること
・宇宙に関すること
・天体写真に関すること
・テニスに関すること
・鉄道に関すること
などをテーマにしています。自分が好きな事柄だからです。

次に、例えば、「文字やフォントに関すること」を書こうと決めたら、「病院の看板や病院施設の案内板は、どんな書体が使われているのか?」などの、具体的なお題をきめます。

そう決めると、朝起きてから会社に行く途中や、休日の外出の時も、そのテーマに関するアンテナ感度が高まります。それにより、小ネタが溜まります。小ネタは、iPhoneのメモ帳や写真で撮り溜めます。

●何をどの順番でどの深さで

文章を書く時、「テーマは決まっているので、とりあえず、いきなり何かを書いてみよう」で始める人もいると思いますが、それだと、全体のまとまりが悪くなったり、あとで、全体書き直しをする可能性が高まります。

僕は、テーマと具体的なお題がきまったら、「何を(段落見出しを考える)」「どの順番で」「どの深さで(どんな挿絵で補足するか、何を伝えたいか)」を考えます。お風呂で考えることが多いです。

ブログやメルマガでは、起承転結よりも、読みやすさ、楽しさに重点に置くといいと思います。そして、書いた原稿は、ブログでも、Facebookでもいいので発信することをおすすめします。あとは、あきらめずに継続することです。

●文字の歴史に関する大作を書きあげました

CreatorZineというウェブマガジンにて『ゼロから学ぶフォントの話』の連載(月1回)を担当することになりました。

プレオープンしたCreatorZineは企業で働くクリエイター向けウェブマガジンで、MarkeZine、ECzineやCodeZineなどを運営する翔泳社のジンシリーズの最新ジンです。
※zineはmagazineのzineに由来しています。今回のCreatorZineは11個目のジンシリーズだそうです。

第1回のお題は「フォントの歴史から見えること」です。後半で活版や写植のことを書きました。ログインして全文を読んでもらえるとうれしいです。

・フォントの歴史から見えること
〜文字の誕生から活版印刷、手動写植機の登場まで
https://creatorzine.jp/article/detail/62

記事を読んで面白かったら、Facebookシェア、Twitterツイートしてもらえるとうれしいです!

長文ですけど、文字の歴史や日本語の活字文化を知ることは、大事なことだと思います。だって、毎日、文字にお世話になっているわけですし。

では、8月後半に、またお会いしましょう。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
関口浩之(フォントおじさん)

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https://www.facebook.com/hiroyuki.sekiguchi.8/
Twitter @HiroGateJP
https://mobile.twitter.com/hirogatejp

1960年生まれ。群馬県桐生市出身。1980年代に日本語DTPシステムやプリンタの製品企画に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現 ソフトバンク・テクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANの立ち上げなど、この20年間、数々の新規事業プロジェクトに従事。

現在、フォントメーカー13社と業務提携したWebフォントサービス「FONTPLUS」のエバンジェリストとして、日本全国を飛び回っている。

日刊デジタルクリエイターズ、マイナビ IT Search+、Web担当者Forum、Schoo等のオンラインメディアや各種雑誌にて、文字やフォントの寄稿や講演に多数出演。CSS Niteベスト・セッション2017にて「ベスト10セッション」「ベスト・キャラ」を受賞。2018年も「ベスト10セッション」を受賞。フォントとデザインをテーマとした「FONTPLUS DAYセミナー」を主宰。趣味は天体写真とオーディオとテニス。

フォントおじさんが誕生するまで
https://html5experts.jp/shumpei-shiraishi/24207/

Webフォントってなに? 遅くないの? SEOにはどうなの?
「フォントおじさん」こと関口さんに聞いた。
https://webtan.impress.co.jp/e/2019/04/04/32138/


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編集後記(07/18)

●偏屈映画案内:「スポットライト 世紀のスクープ」

2001年、マサチューセッツ州ボストンの日刊紙『ボストン・グローブ』は、ユダヤ系でボストンとは無縁の新編集長・バロンを迎える。彼は同紙の少数精鋭取材チーム「スポットライト」に、教会神父の子供への性的虐待事件を調査し、記事にするよう指示する。かつて小さな記事で扱ったことがあるが、読者の53%がカソリックの新聞では、積極的な取り組みはできなかったテーマだった。

チームは困難で危険もともなう問題を、丹念に、地味に、誠実に取材し、一部のカソリックの神父たちのおぞましい児童虐待を告発する。その取材の経緯を描いた、じつに真面目で衝撃的な映画。これをエンターテインメントといっていいのか。恐るべき事実は、一部の神父による性的虐待はあくまで個人的な事件だと思われていたが、教会が組織的に隠蔽しているというところにあった。

「2002年のスポットライトは600本近い虐待の記録を掲載、249人の神父が性的虐待で告発された。被害者の数は推定1000人以上にのぼる。2002年12月、ロウ枢機卿はボストン大司教を辞任、ローマにあるカトリック教会最高位の教会に転属した。この記事の後、虐待の判明した主な都市は」……延々と続く都市名。これはエンドクレジット。こうなるに至った経緯が虚飾なく描かれた作品。

「神父は誰でも餌食にする。同性愛でなくても立場を利用してレイプする。子供なら男でも女でも。11歳の僕(写真を見せる)ウースターでホーリー神父の餌食に。祈り(prayer)でなく餌食(prey)。貧しい家の子には教会は重要で、神父に注目されたら有頂天、自分を特別の存在に感じる。神様に親切にされたと思う。神父の猥褻な冗談を変だと思う。でも秘密を守るために受け容れる。

次はポルノ写真を見せられる。どんどん深入りして、×××しろと命令されて黙って従ってしまう。神父にかわいがられて罠にはまるんだ。神様に厭といえますか。これは肉体だけでなく精神への虐待なんです。神父に虐待され信仰さえ奪われてしまう。酒や薬に手を出したり、飛び降り自殺したり、だから我々は『生存者』なんです」。成人となった被害者のひとりが語る痛々しい過去。

彼はすでに5年前、豊富な資料を『ボストン・グローブ』に提供していたが、信頼できる情報源とはみなされなかったため記事にはならなかった。教会は何世紀も存在する。新聞が勝てる相手ではないと考えるのは分かる。虐待事件の情報を得ていながら見逃していたことに責任を感じるチーム。それにしても、足組んで神父に取材する記者の姿に違和感。アメリカの記者って不作法だな。

悪徳弁護士にも迫る。「私たちは87人の神父に容疑があると思う。神父の名前と被害者の名前を言え」「脅す気か」「記事は2本ある。聖職者の堕落。もう一本は児童虐待で儲ける弁護士だ」。編集局長は「標的は個人ではなく教会組織だ。教会が同じ神父を何度も転属させる。それが上の指示で行われている。隠蔽システムを暴け」とチームに命じる。アメリカ同時多発テロ事件発生。

カソリック神父による子供への性的虐待が、なぜ長い間発覚しなかったのか。教会の組織的隠蔽。被害者を金で黙らせていた。そして人々の深い信仰心は、聖職者のそんな行状を考えることさえできなかったからだ。被害者への聞き取りがリアルで、再現シーンなどはない。記事公開の翌日、チームは犠牲者たちからの鳴り止まぬ電話に対応している。初めて知ったカソリックの大スキャンダル、ドラマチックとはいえない地味な映画だが心に刺さる。痛い。(柴田)

「スポットライト 世紀のスクープ」2015 アメリカ 
第88回アカデミー賞作品賞と脚本賞を受賞 
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01I2ZQLPW/dgcrcom-22/


●関口さん、5周年! ありがとうございます!

/先週、「個人の秘密を守ります、のApple」と書いて、CMを思い出した。最後のロゴにロックがかかるところで唸ったわ〜。うますぎる。

TVerを利用していると、頻繁にAppleのCMが流れるので嬉しい。最近では、女の子がApple Watchに引っ張られて、階段を使ったり、運動するCMがお気に入り。曲も好き。

Apple Watchを使うようになってから、アクティビティとスタンドぐらいは毎日ゴールできるようにと、フェイスはそれ用のをセットしている。CMのようにApple Watchに促されているよ。

日本人、日本の曲なので、向こうではどういうCMなのだろうと検索したら、男性が複数出てくるものが出てきた。これかな。(hammer.mule)

iPhoneのプライバシー ー プライベートなこと(Apple CM)


Apple Watch Series 4 ─腕に導かれて─(Apple CM)


chelmico「Player」


これの日本版?


Apple Watch ─ Rise