ネタを訪ねて三万歩[172]わたしのクローンが欲しい/海津ヨシノリ

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いよいよ夏休みです。もっとも自主トレのような宿題があるので、リラックスは出来ないのですが(それについては後述します)、夏休みに入る前に最大のラスボスが控えています。春学期の採点です。

想像しただけでも、脳内が沸騰しまくってしまいます。とにかく、課題を出していない学生に対して、問い合わせをしてもリアクションがなかったりすると本当に困ります。

たとえば、病気などの事情があって提出できないかもしれない、などと深読みしてしまうからです。かくして、成績確定のデッドラインとの駆け引きが続くわけですが、だいたいどの大学も、そのデッドラインが似たような日程なので、本当に胃が痛いです。




更に、一部の大学では履修リストと出席リストで、学生の順番が異なっていたりする“トラップ”が仕掛けられているので、大パニックなのです。速やかに統一して欲しいものです。

「履修リスト」で、日々のミニテストや課題の結果などを記述しているわけですから、「出席リスト」が異なった順番だと、照らし合わせるのも一苦労です。

わざわざ採点ミスをさせているとしか思えません。いい加減にして欲しいですね。成績確定は勘違いでは済まされませんからね。多分、担当者が意味プーで処理しているのでしょう。極端にITスキルの低い人が多いのです。

例えば「家でネット回線の工事をするので、今週はメール使えません」って真顔で言う先生がいて、唖然とする私。スマートフォン持っていないのかな? いや、ネット回線工事って1週間も掛からないでしょ? 

きっと非常勤の私とは違い、様々なツールを酷使するような壮大なシステムを利用しているのかな(棒読み)。

さて、PCで色々なツールを使い続けていると、当然ながら勘違いと思い込みのスパイラルに陥ってしまうことがありますね。

最近ではSVGとPNG形式の大混乱事件(誇張表現)に遭遇しました。いえ、完全に私のミスなのですが、気がつくのにかなりの時間を必要としました。ZBrushに読み込ませるためのSVG、PowerPointに読み込ませるためのPNGを、なぜか逆に処理してドロ沼へ。

ZBrushでも画像データはPNGもOKなわけで、それも勘違いに一役買っています。まっ、要するに私が間抜けなのですが……もちろん、気がつけば笑い話のネタにもならない話なのですが、授業やセミナーだと洒落にならないですからね。

ま、ソフトウェアの勘違いであれば、少しはシャレになるかもしれませんが、DIYや写真撮影なども混ざってしまうと、思い出すのにかなりの時間を必要としてしまいます。

しかしながら、この勘違いが大切なのです。それは「どうして出来なくなってしまったのだろう」という視点が生まれるからです。思いもつかない状況下を、自分に与えることの意義は絶大です。不自由と効率化が新しい考え方や技を生み出すからです。

新バージョンや新製品を待つのではなく、自分で生み出すのです。もちろん、新製品を否定しているわけではありません。でも、それだけを追い求めている人と話をするのは、正直に言うと勘弁かな……。

そういった気遣いは、年々面倒臭くなってきています。面倒なことに時間を使いたくないという思いが、最近は半端ないです。

かつて先輩にIllustratorが大好きな方がいて、日々練習に励んでいたのですが、アップデートの都度「新機能はいいからバグを直して」と激怒していたのを思い出しました。

まっ、私に言われてもどうしようもないのですが、気持ちは痛いほど理解できました。新バージョンは色々な意味で楽しみではありますが、直ぐに仕事で使う気になれないのは、今も昔もお約束の定番処理ですね。

とにかく、やりたいことが日増しに膨れ上がっていて、クローンが欲しいくらいです。

だから夏休みがとても楽しみです。おそらく小学生の頃よりも待ちどおしいと感じていますね。もちろん、引きこもっての実験君です。怪しいメモが溜まっているのです。私は工業高校で化学工学を専攻していたからか、実験が今でも大好きなのです。

ところで、話の大脱線ですが、実験で思い出しました。私は今現在、Macでの日本語入力は従来どおりの「かな変換」ですが、Windows環境やiPadでは「ローマ字変換」で作業をしています。

さらに、大学ではWindows環境で「ローマ字変換」というのも影響しているかも知れません。最近になって、また何度目かの「ローマ字変換」への切り替えの誘惑が始まってきました。

もちろん完全にスピードが違うのですが、誤変換の確率は激減するので、通しで考えたら五分五分かもしれないと気が付きました。なにより、今年に入ってからセミナー用のマシンはWindowsノートなので、余計に「ローマ字変換」の頻度が増しています。

■今月のお気に入りミュージックと映画

《"Combat! / Cry for Help" in 1966(US)》

邦題「コンバット!/助けを呼ぶ声」。初めてみた時の感動を今も覚えています。ドイツの衛生兵ペーター・ハルスマンに扮した、ロバート・デュバルがゲストスターではなくて主役のようでした。

コンラン・カーター演じるカーター衛生兵との対比のように見えて、実はジャック・ホーガン演じるカービー二等兵が、ドイツ兵に対しての不信感を露わにしていたのに……ラストで、そしてあのエンディング曲が流れてきた時は、本当に感動しました。

作品そのものも永遠の名作ですけれど、この作品は私の中でベスト10に入ります。ちなみに、ロバート・デュバルは同じ「コンバット!」の「静かなる戦い」でもドイツ兵を演じています。

また「さらば戦場」ではレジスタンス(米軍の脱走兵)も演じており、3回ものゲスト出演は珍しいと思います。とにかく名優ですからね。2012年に公開されたトム・クルーズ主演のアウトロー(原題:Jack Reacher)では当時81歳にもかかわらず、後半は大活躍でしたね。存在感が半端ないです。

コンバット COMBAT! 第141話「助けを呼ぶ声」


コンバット COMBAT! 第083話「静かなる戦い」


コンバット COMBAT! 第152話「さらば戦場」


"Diamonds Are Forever - Main Theme" by Shirley Bassey at 1971(U.K)

シャーリー・バッシーによる2度目の007シリーズの主題歌。主演はショーン・コネリーですが、1967年公開の日本を舞台にした「007は二度死ぬ」を最後にボンド役がジョージ・レーゼンビーに変更になりました。

ところが、この作品でショーン・コネリーのボンドが復活しています。でも、4年ぶりにしては老け過ぎちゃった感が強かったですね。しかも、更に12年後に「ネバーセイ・ネバーアゲイン」で再びボンドに復帰しているのは、それだけイメージが強かったからでしょうね。

さて、シャーリー・バッシーは「007 ゴールドフィンガー」(1964年)、「007 ムーンレイカー」(1979年)でもメインテーマを担当しています。

ちなみに、「007 サンダーボール作戦(1965年)」でも当初は担当予定だったようですが、トム・ジョーンズに変更されています。振り返ってみると、ショーン・コネリー時代のテーマ曲のインパクトはやはり半端ないですね。

Diamonds Are Forever Theme Song - James Bond



【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/お菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
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いつのまにか毎年の恒例行事となっている、大阪でのセミナーも無事に終わりました。今回はブームとなった、ガチャガチャのダンゴムシやザクヘッドを頂くなど、多くの方にお気遣い頂くとともに、とても有意義な時間を過ごす事ができました。

参加していただいた皆さんに大感謝です。本当に有り難うございました。また来年も声を掛けていただけるよう、精進したいと思います。

実はこの原稿の大部分は、新幹線の中で初代iPadを使って書いていました。セミナー用に持参したノートPCでも良かったのですが、やはり気分転換って大切ですからね。もちろん、気分転換ばかりじゃ洒落になりませんが……。

■8月の画像処理セッションは8月15日を予定しています。
海津ヨシノリの画像処理テクニック講座 vol.135
〜Illustratorの活用
Photoshopとの連携〜
参加は無料で、どなたでも参加できます。詳しくは以下のサイトでご確認下さい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/15002.html

◎講演内容
Illustratorが得意な処理、Photoshopが得意な処理と、双方の特徴を生かしたデータ作りとして、IllustratorとPhotoshopとの連携処理を中心に整理します。
・無理にIllustratorを使わない ・解像度の迷信を払拭 ・マスターファイルの画像サイズ ・交換用スウォッチファイル