クリエイター手抜きプロジェクト[591]レトロコンピューター編 東芝TOSBAC:最初に触れたコンピューター
── 古籏一浩 ──

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今回はちょっと趣向を変えて、古いコンピューター(レトロコンピューター)の想い出話を書くことにします。人によって、どこまでがレトロコンピューターなのか、違いはあるかもしれませんが、私の中では20世紀のコンピューターは全部レトロコンピューター扱いです。

記憶にある中では、最初に触れたコンピューターは東芝のTOSBAC(トスバック)です。あまりに古すぎて、デジクリ読者の中で知っている人はほとんどいないんじゃなかという気はします。団塊の世代以上(多分75歳以上なら)であれば、触れたことがあるかもしれません。このTOSBACは、1970年代に会社で業務用として動いていたコンピューターです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/TOSBAC






Wikiを見ると、1960年代からあるコンピューターのようですが、当時はミニコンまたはオフコンという呼び方をしてました。ミニコンはミニコンピューターで、オフコンはオフィスコンピューターの略称です。

家の倉庫にはTOSBACのマニュアルがあったはずですが、探すのが面倒なので頭の中にある記憶だけで書きます。

多分、TOSBACをいじったのは、1975年(か1978年)あたりだったと思います。TOSBACはミニコンという名前ですが結構大きくて、8畳くらいだったかのエアコン付きの専用部屋におかれていました。その部屋は、8年くらい前までは存在していました。しかし、会社の工場売却により、その部屋もなくなってしまいました。

TOSBACが何に使われていたかというと、主に給与計算です。ミニコンですが、紙テープとかではなく、グリーンモニタでした。給与の金額はキーボードから入力していきました。専用の給与計算ソフトウェアがあって、それを使っていたと思います。

当時から、数値入力が簡単にできるようにテンキーはありました。セパレートタイプのテンキーではなく、メインキーボードにあるタイプです。キーは今のように軽くなく、重めのものです。昔のIBM PCのごついキーボードみたいなものです。が、それが分かる人は少なそうです。まあ、とにかく頑丈なキーボードということです。

家にあったマニュアルによれば、TOSBACは16KBの大容量メモリを搭載していたはずです。16MBとか16GBではなく16KBです。今やCPU内部のキャッシュメモリにもなりませんが、当時はかなりの大容量でした。

このTOSBACなんですが、給与計算以外にもいくつかソフトウェアが用意されていました。確かメニューには10個くらい、リストアップされていたと思います。その中にゲームがありました。

グリーンモニタでも遊べるゲームと言えば「オセロ」です。人間と対戦するのではなく、コンピューターと人間が対戦します。ということで、給与のデータ入力が終わってしまうと暇なので、コンピューターとオセロで対戦しました。

何度か対戦しているうちに衝撃の結果が……。コンピューターに自分のコマを全部取られてしまったのです。どこからか、何かを察した社員がやってきて言いました。

「全部取られたヤツ初めてみた!」

同じフロアにいる社員たちが集まってきました。なんと言っても、コンピューターに全部取られた人(完全な負け)は初めてだそうで。コンピューターは優秀だ、凄いという部分も確かにあります。反対にコンピューターは馬鹿だ、全然賢くない、という意見もあります。

でも、コンピューターに完全敗北するというのは、なかなか忘れられない出来事なのです。2015年に深層学習を使った人間とコンピューターの対戦で、人間が負けました(AlphaGo vs イ・セドル)。ショックだったろうなあ、とテレビの映像を見ながら、まあこっちは40年も前に負けているから気持ちは何となくわかります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/AlphaGo


これから多くの人がAIに、仕事とか、いろいろ奪われると予測されてるようですが、あんまり気にしない方がいいかなと思います。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
http://www.openspc2.org/


記憶の中ではTOSBACが一番最初に触れたコンピューターのはずです。その次が、ブロック崩しのゲーム機。当時はゲームひとつにつきひとつの機種でした。

スーパーカセットビジョンあたりになると、いろいろゲームを差し替えて遊ぶという時代になっていきます。アーケードゲーム・ゲーセン(ゲームセンター)ネタも、そのうち書いて残しておきたいところ。

知らないうちにWebサイトが閉鎖したり消えてしまうことは、歴史的経緯が消えてしまうということなので、なぜそうなっているのか、が分からなくなってしまうのではないかと思います。歴史や生物学などでもある、ミッシングリンクというヤツです。

Webアーカイブにある程度残されているとは言え、そこにすべてが残っているわけではありませんし。また、Wikiが間違っているような記述が正しいとされ、作った本人の意見が無視されるという状況もあったりします。

私が作ったゲームでさえ、結構勘違いしてYouTubeとかに載っていたりすることもあります。実機とエミュレーターでは違うというのもありますが、過去の経緯/データは残せるものはなるべく残しておいた方がいいと考えてます。

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・クリエイター手抜きプロジェクト
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