[4867] YMO
── 僕的ビッグバン前夜◇トラブル続きだった9月 ──

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《5年近くもベータ版のままって何の罰ゲームですか?》

■グラフィック薄氷大魔王[626]
 YMO/僕的ビッグバン前夜
 吉井 宏

■ネタを訪ねて三万歩[174]
 トラブル続きだった9月
 海津ヨシノリ



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■グラフィック薄氷大魔王[626]
YMO/僕的ビッグバン前夜

吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20190925110200.html

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連載初期の2005年に「スター・ウォーズと私の人生(笑)」、2015年に「映画ジョーズと私の人生(笑)」を書いた。そのうち「YMOと私の人生(笑)」と「トムとジェリーと私の人生(笑)」を書くつもりだったのに忘れてた。「トムとジェリー」は先週書いたのでYMOを済ましてしまおう。

僕個人がYMOにどう影響を受けたか? 一度ちゃんと書いておきたかった。実は、結成40周年だった昨年に書き始めたのに、僕の中でYMO観はいつも微妙に変化してることもあって、まとめられなかった。なので、断片の雑記です。全4回、その1。

●YMOは大昔のバンド

・僕なんかYMOはまだ新しい音楽みたいに錯覚してしまいそうになるけど、やはり大昔の音楽だ。YMO結成ってビートルズ解散のたった8年後だし、ポール・マッカートニーと細野晴臣は6歳しか違わない。

・YMO結成の1978年は41年前。そのまた41年前って、李香蘭がデビューする前年だよ。3年後に予定されていた東京オリンピック開催権を返上する前年でもある。たしかに昔だw

・1983年の「散開」が36年前、1993年の一時的「再生」が26年前。再々結成に相当する2007年の「(HASを)YMOと呼んでもらってかまわない」発言から12年。YMOは今もゆるーく続いてるらしい。

●前提、YMO以前の音楽的趣味

・ごく狭い範囲で映画音楽やブルーグラスを聴く程度で、世間で普通に流れてる音楽にほとんど興味がなかった。ロックやフォークや歌謡曲など、普通の音楽をほとんどちゃんと聴いてなかった。

そもそも、エレキギターの音やがなり立てる歌が苦手で、今に至るまで同世代なら誰でもハマるはずのロックがぜんぜんダメ。ビートルズすら敬遠してた。

・プラス、高校の友達から教えてもらった「自切俳人のゴールデンアルバム」(オールナイトニッポンは聴いてなかった)や、関連シングルにブルーグラスっぽい要素があり、そこから「ナターシャーセブン」やその周辺など聴いてたのが、YMOを知る直前の状況。

・なにしろ音楽の時代感覚がほぼなかった。「スター誕生」や「ベストテン」など見てなかったから、歌謡曲などヒット曲が出てくる流れや仕組み、新しい音楽と古い音楽の区別もなかった。

ときたま突発的に流行する曲があるのは知ってたけど、その積み重ねで音楽の歴史が作られている実感はなかったなあ。

●興味を持てなかった初期YMO

・最初に聴いたのはたぶん1979年前半、高校2年の春か。友達の家で聴かされたファーストアルバム「イエロー・マジック・オーケストラ」。ゲームセンターの音にビートが重なって次第に音楽になっていき、「ファイアクラッカー」に繋がる。これがおもしろいんだって言われても、ふ〜んって感じ。

・1980年、高校3年の春頃に周囲でウォークマンを入手する人が相次ぎ、彼らは必ずセカンドアルバム「ソリッドステート・サバイバー」を聴いてた。

ヘッドホンで聴かせてもらったら、すごいイイ音! と感激したものの、 「ライディーン」や「テクノポリス」を聴いてもまだYMOには興味持てなかった。

・「歌はいつ始まるんだ? と思ったら曲が終わってしまった」とか言われてたなw 僕的には歌がない音楽のほうが普通だったから違和感なかった。ブルーグラスでもインストルメンタル=器楽曲があったし。

・YMOのメンバーは5人だと思ってた。なぜかというと、「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」のジャケットには、麻雀卓を囲んだ5人がいたから。もちろん、よく見ると2人はマネキン人形なのだがw

・怖かった。当時のアサヒグラフなど雑誌にYMOの特集が組まれてて、写真の彼らは怖かったw 変なメイクをしたり仮面をつけたり、丸い黒眼鏡、赤い人民服(実は昔のスキー服がモチーフらしい)。

どれも不機嫌そうな顔。特に坂本龍一w なんでロックバンドの人ってこういう「俺らは怖いぞ」アピールするんだろうって不思議だった。

・高校3年の運動会の応援合戦、クラスの文化的に進んでるコが提案して「タケノコ族」の衣装まで用意され、「テクノポリス」や「ライディーン」で踊ったのは恥ずかしかったなw

そういえばテクノカットは学校にはいなかったと思う。まだツッパリリーゼントのほうが、ぜんぜん勢いがあった。

・ミニアルバム「増殖」は、スネークマンショーのコントに夢中になった(この時点でスネークマンショーとYMOの区別はついてなかった)。ここまでのYMOの僕的イメージは、今表現するなら「最先端でマニアックなイロモノ」といったものだった。本格ロック好きには相手にされない的な。

・「Multiplies」で「荒野の七人」のテーマを引用した。え? こんなことやっちゃっていいの? と思った。やはりエルマー・バーンスタインに怒られたらしい。

・1980年後半の時点で、すでに「YMOはカッコ悪い」という空気もあったな。雑誌で見た「ラジカセで得意げに『ライディーン』を流してるダサい若者のイラスト」とかあった。

期待されるYMO像をスルーしたり、もうちょっと後の「YMO、イモ」や「YMOお聴きになりますか? まさか!」。自らをおちょくり、壊していく姿勢はカッコイイ要素なんだけど、当時は真面目にやってない! って思ってた。

・その半年後、デザイン学校に入ってすぐの1981年春。3枚目のフルアルバム「BGM」を聴いて、僕的ビッグバンが起きるのだった。


【吉井 宏/イラストレーター】
HP  http://www.yoshii.com

Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/


1993年の一時的「再生」はともかく、今世紀に入ってからのYMO周辺にはまったく疎い。次回は「BGM」とそれ以降、直接の影響についてなど。

あと3回分もほぼ書き終わってるけど、YMOについて書くのはめちゃくちゃ疲れるw というのは、「この話題についてはここまで」とか、範囲を限定しておかないと際限なく広がってしまうから。

あと、歴史やトリビアの羅列や、各アルバムのレビューを書いてもしかたない。重要な話題を落としたくないし。結局、前後編でまとめるつもりが、全4回にまで膨らみ、丸一週間くらいかかってる。

◯Studio City Macauのデコレーション展示中
https://bit.ly/30olPNF


○吉井宏デザインのスワロフスキー、7月半ばに出た新製品4つ。

・幸運の象 LUCKY ELEPHANTS
https://bit.ly/30RQrqV


・HOOT HAPPY HALLOWEEN 2019年度限定生産品
https://bit.ly/2JZVVcm


・SCS ペンギンの赤ちゃん PICCO
https://bit.ly/2JStbC4


・SCS ペンギンのおばあちゃん
https://bit.ly/2YbmnJ7



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■ネタを訪ねて三万歩[174]
トラブル続きだった9月

海津ヨシノリ
https://bn.dgcr.com/archives/20190925110100.html

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●各駅停車の旅……

唐突ですが、トラブルの連鎖反応ってあるみたいですね。秋学期の受業が始まり、ちょっと間抜けなことをしてしまいました。

駿河台大学への秋学期初日に、池袋駅から西武池袋線で飯能行きの急行に乗ったつもりが、何を勘違いしたのか豊島園行きの普通車に乗ってしまったのです。

練馬で急行待ちをするためには、各駅で急行の通過待ちをしなくてはならず、どう考えてもロス時間は30分以上。池袋まで直ぐに戻って乗り直すことも考えましたが、一度改札を出て飯能までの乗車切符(回数券)を破棄してから切符を買い直して、また池袋から新しい回数券で乗り直すなんて無駄すぎたので、練馬まで各駅停車の旅です。

しかし、ここでオバカな私はもう一つのトラップを知るのでした。練馬には準急しか停まらないのです。こうして流れに任せて、ようやく飯能まで到着したわけですが、ロスタイムは30分程度で済みました。もちろん教室には20分前に到着しました。

そうなのです。私は駿河台大学や跡見学園女子大学のように距離のある大学へは、かなり前もって到着できるようにしているからです。まっ、今のところコレで遅刻はないのですが、突然予想外の状況に自分が追い込まれると、やっぱり焦りますね。

●Adobe Fuseが……

焦ると言えば、Adobe Fuseが2020年の9月13日で開発(公開)終了というアナウンスを知ったのは、まさに某所でのオンライン原稿をアップした直後でした。

もちろん呆然としている暇はありません。締め切りよりも数日前にアップしていたのが幸いして、代替え原稿でなんとか乗り切りましたが、まさか打ち切りになるとは思ってもみませんでした。

そもそも、ベータ版で原稿を書く私が悪いとお叱りを受けそうですが、ベータ表記が外れるというような話を聞いていたので、勘違いしてしまったようです。今後のベータ版の開発中止ということだったのですね。

しかし、5年近くもベータ版のままって何の罰ゲームですか? ……Adobeさん。ただし、AdobeはMixamoのリニューアルを決定し、リニューアル後は3Dキャラクターも使えるようになるといったアナウンスもしていますので、ちょっと気になっています。

とにかく意外と重宝していたのです。Mixamoでは3Dデータがないとアニメーション設定はできませんし、Fuseはリアルなキャラクター作りは簡単ですが、それだけはでポーズすら設定できない状況。

ですから、両者を組み合わせることで、相互にいい仕事をしているという感じだったのです。要因はMac OS(10.15)への対応ができない? あるいは取りやめなのかはわかりませんが、Mac OS(10.15)のリリースをもって中止するということだそうです。

それが2020年の9月13日ということは、Mac OS(10.15)のリリースがその日なのでしょうか? 今のAdobeさんだと、Windowsだけ、MacOSだけというのはダメのようなので、苦渋の判断なのかもしれませんね。新しい環境に期待するしかないです。

ちなみに、Windows10標準搭載のペイント3Dというアプリの中での、3Dライブラリーに表示される3Dキャラクターを書き出して、Mixamoでアニメーション設定をすることもできます。

もちろん人間の形状でないと無理ですが、可能性はゼロではないので、ムチャクチャをして、頭の体操などと言うのも楽しいかも知れませんね。

ということで、9月19日に行われた月例セミナーではDimensionの内容でしたが、ベース素材作成にFuseを取り上げてみました。ちなみに、ペイント3Dでは既にポーズが取られている形状が多いので、そのまま3Dデータとして書き出して、Dimensionに配置するだけでも遊べます。

●人生初の骨折……

そして、トラブルはまだまた続くのです。撮影用に自作していた5kg程の集合材の板を、左足の薬指に直撃落下させてしまったのです。あまりの痛さに声も出ませんでした。

と同時に、もしかしたら人生初の骨折かも知れないと、変な意味で脳内はお花畑状態になりました。1時間もすると薬指の根元まで紫色になってしまい、そこだけ完全なゾンビ色。いよいよ外科に行かなくては〜と思ったのですが、タイミングが悪くて2日後に行くという流れに。

ところが、落下直後から痛みはほとんどなく、軽い痺れがあるだけで、結局、少し時間はかかりましたが10日ほどで元に戻ってしまいました。こうして、人生初の骨折はお預けになりました。もちろん、骨折を希望しているわけではありません。

●ハードのトラブルが続く……

これでトラブルは3回だから打ち止めだと、安心したのが運の尽き。なんと、あの私の呪われたペンタプレットの、ペンの先端20mmぐらいのところが突然折れてしまったのです。

未だかつて一度もペン先を交換したことがないほど、筆圧は弱いので意味不明です。考えてみれば、ペンの買い換えは4回?(5回だったかも)、タブレットの床の破損1回と、トラブルの連続にガッカリしてしまいました。悪い夢でも見ているのか知れませんね。

さらにトラブルは続き、今度は普段持ち歩いているミラーレス一眼2号の、液晶が壊れてしまったようで何も写りません。ファインダーのない機種なので、これは完全にアウトですね。

他にプリンター2機のトラブルなど、細かいモノを入れると本当にトラブル続きの9月となってしまいました。それでも、大きな怪我や事故にならなかっただけでも良しとするべきなのでしょうね。

いや、壊れた道具達が、身代わりになってくれたのかも知れません。最近は、そんなことを考えるようになりました。


■今月のお気に入りミュージックと映画

"Red Dawn" on John Milius in 1984(USA)
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邦題「若き勇者たち」。第三次世界大戦が勃発し、町に侵攻してきたソ連、キューバ、ニカラグアの共産圏連合軍に立ち向かう若者達というストーリーです。

当時は、いわゆるタカ派による反共宣伝映画との批判をあびていましたが、内容的には突然戦場という非日常空間に放り出された、少年少女たちのサバイバル・ドラマであり、政治的なメッセージはありません。

ちなみに、オリジナル版では中国が味方なのに対して、2012年のリメイク版では、侵攻してきたのが中国になっています。

ただし、政治的な圧力で完成後に変更されるなど、いわくつきの作品ですが、このオリジナルはなんと言っても若き日の、リー・トンプソン、チャーリー・シーン、パトリック・スウェイジ、C・トーマス・ハウエル、ジェニファー・グレイが共演している映画として驚きです。

撮影にあたっては、共産圏の軍事車両やヘリコプターの調達に、色々と苦労していたようです。

予告編


"We Have All The Time In The World" by Louis Armstrong at 1969(U.S.A)
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邦題「愛はすべてを越えて」。ルイ・アームストロング(発音的にはルイス・アームストロング)が「女王陛下の007」の実質的な主題歌として発表した、亡くなる年前の作品。

ちなみに本来は挿入歌なのですが、「女王陛下の007」は唯一、歌詞にタイトルを入れづらいという理由から、主題歌がインストルメンタルのため、この曲を主題歌とする流れがあるようです。

ルイ・アームストロングといえば、「この素晴らしき世界(What a Wonderful World)」があまりにも有名ですが、私はこの曲の方が彼の代表作的な感覚があります。晩年の渋さが良い意味で反映されているようで……。

実は、007作品で唯一これだけを、私はまだ鑑賞していません。ショーン・コネリーのイメージが強すぎて拒絶してしまったまま、今に至るという感じです。今はそんなイメージはないので、今度ゆっくり鑑賞してみたいと思います。

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【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/お菓子研究家
yoshinori@kaizu.com
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https://twitter.com/Yoshinori_Kaizu


学生の頃に頻繁に利用していたのは、銀座線、地下鉄丸ノ内線、東横線、小田急線、井の頭線だったのに、今はまったく使わなくなってしまいました。車での移動が増えたことも影響していますが、利用する街の変化は大きいですね。

まず、あれだけ頻繁に利用していた渋谷、新宿、二子玉川は皆無になりました。利用する街が変わると思考回路も当然ながら変化しますね。

もちろん、その是非の話ではありません。何か、ある日突然、行動パターンが変わることってありますね〜 というお話です。

もちろん理由は分かっています。仕事と買い物の関係なのです。仕事に関してはどうしようもありませんね。買い物に関しては通販の台頭が大きいですね。今まで買い物に出かけていた街でのショッピングは、ほぼ通販で完結してしまうのです。それ以外は車です。当然、都内の駐車場事情は劣悪なので避けるといったところでしょうか。

10月から消費税が上がり、クレジットカードで買い物という流れに変化することで、また大きな変化があるでしょう。行動範囲が変化すると、交友関係も大きく変化しますね。飲み歩かない私は、とくにそんなことを強く感じ取っています。

■10月の画像処理セッションは10月17日を予定しています。
海津ヨシノリの画像処理テクニック講座 vol.137
〜ZBrushの基本講座 3Dデジタル粘土細工入門7〜
https://www.borndigital.co.jp/seminar/15598.html


講演内容:ZBrushで体験するデジタル粘土細工により「3Dグラフィックスの世界を楽しみましょう」の第7弾です。今回もフルバージョンのZBrushにしかできない処理に特化し、ZBrushCoreとの違いを整理してみたいと思います。

・色々なブラシの紹介
・バリエーションの作成方法
・パーツの分割と結合
・ZBrushCoreをスケッチブック代わりに


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編集後記(09/25)

●偏屈BOOK案内:福島香織「習近平の敗北 紅い帝国・中国の危機」

末尾に9のつく年は必ず乱や厄災が起きるという、中国のジンクス「逢九必乱」がある。1919年は抗日デモと暴徒化の五四運動、1949年は中華人民共和国の建国、1959年はチベット動乱のピーク、1969年は珍宝島事件で中ソ国境戦争、1979年は中越戦争、1989年は天安門事件、1999年は法輪功弾圧、2009年はウイグル騒乱、そして2019年には何が起きるのか。起こり得る厄災を挙げてみると……。

1)不動産、債務バブルが崩壊する 2)習近平に対するクーデター 3)習近平の暗殺 4)人民の反乱 5)民族や宗教による分裂 6)戦争をしかける 7)環境汚染やエネルギー問題、たとえば原発事故 8)食糧問題、少子高齢化により国力が急激に衰退 9)最大の不確定要素であり、中国にとって最大の厄災であるトランプ政権、米中貿易戦争は既に勃発、冷戦から熱戦へ転じる

2019年初頭時点で筆者は「習近平の敗北」の色は濃厚と見る。あと3か月、何が起きるかわからない。原発事故はいつか中国で起きる。IAEAの統計によれば、2020年までに世界で新たに建設される原発はおよそ130基、2030年までには300基と見込まれ、おそらくその多くは中国製になる。中国が作る原発は本当に安全なのか。世界的に原発産業が限界を感じている中で、なぜ中国だけが。

一番コストのかかる「安全」を切り捨てているからだと筆者は考える。今後10年もたたないうちに、中国では100基以上の原発が稼働する予定だ。運転技術者の養成は間に合うのだろうか。着工したばかりのビルや橋がしばしば崩落し、食品工場などで従業員の悪意の毒物混入などテロ行為が起きる中国で、なぜ原発だけが完璧に製造され、安全に運転されるはずだと思えるのだろうか。

実際、中国では小さな原発事故は頻発している。もちろん報道はされない。中国で何かものすごい事故が起きるとすれば、原発事故ではないかと筆者は思っている。旧ソ連の崩壊は様々な要因があるが、レベル7と言われたチェルノブイリ原発事故が一つのきっかけであったといわれている。事故対応の劣悪さが国家システムの限界を見せつけ、1991年の8月クーデターにつながったのだ。

中国は食糧危機に直面している。1959〜1961の大飢饉の餓死者数は3800万人といわれる。中国では深刻な水質汚染、土壌汚染によって農地が急激に減っている。農村の都市化で農地が潰され、農家が減った。2008年から食糧輸入国になったが、相当に危機的な状態で、ヘタをすれば社会動乱の引き金になり、体制を一撃で潰しかねない要因になる。アメリカからの輸入が止まれば亡国である。

日本は中国に対して喧嘩腰の外交ができない。過去の戦争の歴史と絡んでいるのだとすれば、それこそ中国の思う壺なので、歴史と政治はきっぱり切り離さないと中国とはまともな外交など出来ないと宣言すべきである。経済力で実力3位の日本は、このままアメリカの忠実な補佐官という立ち位置を維持していくべきだろうか。筆者は、当面はいまの役目を全うすればよいと思っている。

中国は2021年に中国共産党建党100年、2049年を中国建国100年として到達目標を掲げる。2049年は中国がアメリカを凌駕して世界秩序を支配するという、野望の実現の年らしい。今後30年間に日本は、自分の国を自分で守り切るだけの国防力を備えておくべきである。今の日本人が享受している泰平は奇跡以外の何物でもない。中国で動乱は必ず起きる。あと3か月のうちかも? (柴田)

福島香織「習近平の敗北 紅い帝国・中国の危機」2019 ワニブックス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4847098153/dgcrcom-22/



●YMO好きだ〜。弟がカーステでYMOを流してくれた。中古車を買ったら、MP3が保存できるカーステに大量の音楽が残っていて、その中にYMOもあったのだとか。中島みゆきや浜田省吾、アイドル曲なんかもあって、前の持ち主はどんな人なんだろうなぁと思ったりしたわ。

/反対側の電車に乗ったことあるある。乗り遅れて、わざと反対行きの快速に乗ったこともある。乗り換えアプリでそちらの方が早いと出たため。大阪環状線で、快速だと数駅すっ飛ばすため、次のを待つより、反対回りのすぐに来る快速の方が早く着くって。

/香港は乱ですよね。天安門事件は30年前なのか……。(hammer.mule)