crossroads[73]世界のおもしろい軽減税率の仕組み/若林健一

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こんにちは、若林です。今回は増税・軽減税率導入後初の記事ということで、軽減税率のお話をしたいと思います。

「わかりにくい」と評判(?)の軽減税率ですが、海外ではかなり昔から採用しているところも多くあります。日本は通常税率10%に対して軽減税率8%と差が小さいのでピンとこないのですが、海外の場合、通常税率と軽減税率で10%以上違うケースもあり、その差は家計に大きく影響します。

私は、かつて海外(北米、ヨーロッパ、オーストラリア、台湾)向けのPOSやレジスタの開発に関わったことがあり、いくつかのおもしろい制度を見てきました。その中からいくつかを紹介してみたいと思います。

なお、以下の内容は私が現役で開発に関わっていた時代に知ったもので、いまもこれらの制度が残っているかどうかの確認が取れなかったため、現在は運用されていない可能性もあります。この点について、ご了承ください。





○ドーナツを6個以上買うと軽減税率

カナダではドーナツを買う個数によって税率が変化します。具体的には、買ったドーナツが5個以下なら課税、6個以上なら非課税です。これを私たちは「ドーナツタックス」と呼んでいました。

なぜ6個以上だと非課税になるかというと、5個以下だったらおやつ(嗜好品)とみなし、6個以上だったら食事(生活必需品)とみなされるからです。

「6個ぐらいおやつで食べるで!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは法律として何らかの基準を設けなければならないので、そう決めたということですね。

○食べ物と飲み物を一緒に買うと軽減税率

これはどこの国だったか忘れましたが、食べ物だけだと通常税率が適用されるけれど、食べ物と飲み物を一緒に注文すると軽減税率という税制を採用している国がありました。

これも基本的な考え方は同じで、購入したものが嗜好品か生活必需品か? ということ。食べ物だけなら嗜好品だけど、飲み物と一緒ならそれは食事になるので、生活必需品として認めるということです。

この基準も納得できるようなできないような不思議な基準ではありますが、お店としてはその方が売り上げも上がるし嬉しい税制ですね。ちなみに、この税制は「ポップタックス」と呼ばれていました。「ポップ」とは炭酸ジュースのことで、ジュースを注文すると軽減税率になることから来ています。

○生活保護受給者向けクーポンを使うと非課税

アメリカでは、生活保護受給者向け(ここはもしかすると正確ではないかもしれません)に発給している、クーポンを使うと非課税になるという制度があります。

このクーポンで買えるものは、生活必需品(主に食品)に限定されていて、たとえば1ドルの買い物で30セントのクーポンを使うと、残りの70セント分だけ課税になります。これは税率による軽減ではありませんが、ある種の軽減税制と言えますね。

ここから軽減税率からははずれますが、海外のちょっとおもしろい税制や通貨制度、商習慣についてピックアップしてみます。

○アメリカは州によって税率や計算方法が変わる

アメリカでは、州税といって州ごとに定めることのできる税があり、同じ商品を買っても、州によって税率が異なるということも珍しくありません。

また、税金の計算が%率による計算方式ではなく、何ドルから何ドルまでの買い物だったら税金はいくらというように、金額の範囲と税額の対応を決めた表があり、この表で税額が決まる仕組みを採用しているところもあります。

○通貨の最小単位が5の国

通貨の最小単位が5といわれても、何のことかわからないですね。日本にたとえるなら、1円玉がないということです。

しかし、税金や割引を%で計算した場合、1の位が5以外になることはあり得ますので、こういった国では端数処理の時点で0か5になるように計算しなければなりません。

聞きなれないと思いますが、「2捨8入」という計算方法があり、2以下なら切り捨て、8以上なら切り上げ、3~7なら5に切り捨てもしくは切り上げることで、1の位が必ず0か5となるようにしています。「2捨8入」という呼び方が一般的かどうかはわかりませんが、私たちはそのように呼んでいました。

○台湾はレシートの裏が宝くじ

台湾に行かれたことがある方なら知っていると思いますが、台湾で買い物をしてレシートをもらうと、何かしら印刷がされています。これ宝くじになっていて、定期的に抽選が行われ、当選するとレシートと引き換えに賞金を受け取ることができます。

レシートの裏が宝くじになっている理由は、レシートを発行する機械(POSやレジスタ)をお店に導入させるためです。

レシートのやり取りがなくても、モノの売り買いはできます。しかし、レシートが宝くじになっていれば、お客さんはレシートが貰えるところで買い物をしたいですよね?

お店側は他のお店に客を取られたくないから、POSやレジスタを導入することになります。お店にPOSやレジスタが導入されれば、売上管理がきちんとされ、脱税がしにくくなる。これを狙って国はレシートの裏を宝くじにしたそうです。

○海外旅行するときは現地の税制も要チェック

海外は日本と比べて税率の高いところも多くあります。しかし、海外の軽減税率の制度を知っておくと節約できるかもしれませんので、海外旅行をされる際は、行先の税制を調べていくといいですよ!


【若林健一 / kwaka1208】
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