まにまにころころ[166]ふんわり中国の古典(論語・その29)舜も禹も立派だね/川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito

投稿:  著者:  読了時間:9分(本文:約4,300文字)



コロこと川合です。まずは、先週の台風19号によって被害に遭われた方々に、お悔やみとお見舞いを申し上げます。関東、特に千葉の方には連続の台風被害。またこのあとも全国的に大雨とのことで、ただただ被害が最小限に収まるよう祈るのみです。

ごくごくささやかながら、Yahoo!ネット募金を通じて、募金活動に応じました。

・Yahoo!ネット募金 令和元年台風19号緊急災害支援募金(Yahoo!基金)
https://donation.yahoo.co.jp/detail/1630043/

Yahoo!のネット募金はTポイントも使えるのが特徴。お手元に半端なポイントが余っていたり、使い道のない期間限定ポイントが残っている方は是非。

さて、災害の話はひとまず置いて。ラグビーワールドカップが熱い!!!

今これを書いているのは土曜日で、南アフリカ戦の前日なんですが、皆さんがこれを読まれている頃には、もうその試合結果も出てるんですよね〜。

しれっと、日本勝利おめでとう、なんて書いてしまおうかとも思ったんですが、相手が相手ですし、外したら意味不明になるのでやめました。(笑)

因縁の南アフリカ戦、どうでした?





日本で一気にラグビー熱が高まったのが、前回大会での南アフリカ戦。日本が超格上の南アフリカに奇跡の勝利、って感じで沸いた一戦でした。試合自体は知らない方も、その後の五郎丸フィーバーは記憶されているのではないかと。

あれから4年。

自国開催の今回、日本はあの時の「奇跡の勝利」みたいなのを連発しています。予選プール(予選リーグ)の第二戦、強豪アイルランドにまさかの勝利。このアイルランド戦直後に、大興奮でラグビー話を書いたのが前回の「まにころ」でした。あの勝利で一気に世間の目が集中。

すると、続いてサモア、そしてなんとスコットランドにまで勝利! もうこれは「奇跡」なんて言えない、そんな結果を叩き出してしまいました。初戦ロシアにも勝利したので、全勝ですよ、全勝。しかも、並み居る強豪に勝利して。

なかでも最後のスコットランド戦がいかに熱かったかを書きたかったんですが、決勝トーナメント初戦の南アフリカ戦翌日にそんな話してもなあということで、そこはぐっと我慢。今日は昨夜の南アフリカ戦を噛みしめましょう。

そんなこんなで前回からラグビーラグビーと騒いでいる私ですが、実のところ、一試合まるまるちゃんと試合を見たのは、スコットランド戦が初めて。(笑)

初めてちゃんと見た試合があのとんでもない名試合だったので、かなり過剰に自分内評価が高まっています。プレーに加えて、前回も書いた紳士っぷりにも。

台風19号で試合が流れてしまったカナダとナミビアは、ボランティアに回ってくれたとか。もう、どれだけ感動させたら気が済むんだよと言いたいくらい。

もっとも、酔って店で暴れたウルグアイの選手みたいに、個々には問題行動もあるんですけどね。でも全体としては、基本的に紳士。すごいスポーツです。

紳士たれと縛らないと、あんな激しい競技、収集つかなくなるからだって説も聞きましたけどね。なるほど。(笑)

11/2(土)の決勝まで残り試合はわずかですが、最後まで楽しみましょう。

・ラグビーワールドカップ 2019
https://r.nikkei.com/rugby-world-cup-2019

では、論語に移ります。


◎──巻第四「泰伯第八」十六

・だいたいの意味
溢れるほどの情熱を持ちながら真正直でなく、無邪気でいて真面目ではなく、馬鹿正直なのに誠実ではない、そんな者は私の手に余る。

──巻第四「泰伯第八」十六について

最後「そんな者を私は知らない」とし、情熱があれば正直、無邪気なら真面目、馬鹿正直なら誠実なものだとする説もあります。

ほとんどの解説書が、孔子先生がそういった者どもを突き放してる説。でも、そのふたつは両立できますよね。

普通は、溢れるほどの情熱を持つ者は真正直なものだが、もしそうでない者がいたならどうしようもない、と。無邪気以下も同様に。

なんにせよ孔子先生は、熱く正直で純粋で真面目で愚直で誠実な人物を、高く評価するということでしょう。


◎──巻第四「泰伯第八」十七

・だいたいの意味
学問は、ひたすら追い求めても追いつけないものを目指す勢いで励むものだが、それでもなお見失いそうになることを恐れるものだ。

──巻第四「泰伯第八」十七について

学問というものは、全力で追い求めても見失いそうになるものだと。どんなに励んでも足りないくらいだと。

追いかけて追いかけても……チャゲアスの歌を思い出しました。


◎──巻第四「泰伯第八」十八

・だいたいの意味
舜帝・禹帝が天下を治められた様子は、なんとも堂々たるものだ。天下を治めながら、直接的な関与はされなかった。

──巻第四「泰伯第八」十八について

ここもいくつか説があり、有能な人に上手に任せて堂々と治めた、という説や、立派に治めながらもそのことを誇らなかったという説など。

なんでもいいです、舜も禹も立派だね、という話には変わりないので。

このあと、伝説の聖帝である堯、舜、夏王朝を建てた禹、周王朝を建てた武王などが出てくる話が続きます。なおここでは出てきませんが、殷王朝を建てた湯王も儒教では聖人とされていて、まとめて「堯舜三代」と呼ばれます。

ちなみに禹は王になる前から治水に功があって、後に治水の神として神格化、中国だけでなく日本でも崇拝されました。


◎──巻第四「泰伯第八」十九

・だいたいの意味
偉大であるものだ、堯の君主としてのありようは。堂々としてただ天のみ偉大であるとし、ただ堯のみが天のありように則られた。穏やかで広大で、人民はその治世を言葉で言い表せなかった。堂々と成功を収められ、輝かしい文化を築かれた。

──巻第四「泰伯第八」十九について

孔子先生が堯の偉大さを語られたものです。天のように広大なイメージですね。司馬遷『史記』の「五帝本紀」では、「その仁は天のごとく、知は神のごとし」と評されています。


◎──巻第四「泰伯第八」二十

・だいたいの意味
舜には五人の臣下がいて、天下を治められた。周の武王は、我には世を治める臣下が十人いる、と仰った。

孔子先生は、「才のある人材は得がたい、というがその通りだ。堯・舜以降では、武王の頃が最も盛んであったが、十人のうちには女性もいて、男性では九人のみだった。(武王が殷を討つ前は)天下の三分の二を押さえながらも、殷に服していた。そのような周の徳は、至徳というべきだろう」と仰った。

──巻第四「泰伯第八」二十について

ここもまた諸説ありますが、人材は得がたい、初期の周バンザイってくらいで。なお、武王の治世で十人の中にいた女性ですが、武王のお母さんだそうです。

古代中国、武王とか文王とか同じ謚(おくりな)の王が国ごとにいたりして、誰が誰だか分かりにくいですが、殷を討って周王朝を建国したのが周の武王、姫発です。そこに至る礎を築いたのがお父さんの文王、西伯昌こと姫昌です。文王(姫昌)の次男が武王(姫発)、四男が周公旦(姫旦)です。

文王が天下の三分の二を押さえながら殷に服していたことを至徳として称えていますが、他の所ではその殷を討って周王朝を建てた武王や周公旦を称える。矛盾しているようにも思えますが、実力があるからと言って下克上に走らない文王も、天下のために殷を討った武王も、それぞれ立派ということで。

武王が殷に替わって周王朝を建てたのは、殷の徳が尽きたことによる天の差配であって、野心などによるものではないというような解釈です。

江戸時代の日本の学者である山鹿素行は、そんな理屈で臣が君に取って代わり王朝がころころ替わる国なんて中華(世界の中心)の名に値しないと批判し、万世一系の日本こそが真の中華であると主張しました。

結局まあその辺は、理屈のつけあいというか、いかに正当化するか、どうして優位にたつかという話で、国の数、学者や思想家の数だけ、主張があるような世界ですね。


◎──巻第四「泰伯第八」二十一

・だいたいの意味
禹は私には非の付け所がない。自らの飲食をきりつめ祖霊に孝をつくし、衣服をきりつめ祭祀の礼装を美しく整え、宮殿をきりつめ灌漑事業に尽力した。禹について私には非難のしようがない。

──巻第四「泰伯第八」二十一について

内容はそのままですね。禹がいかに立派な王であったかと。

堯から舜、舜から禹は、禅譲という形で王位が移っています。後を任せられる立派な人物を探して血縁に関係なく王位を譲るものです。

禹は血縁者で代々王位を繋ぐ夏王朝を建て、十七代続きました。

夏王朝の徳は次第に薄れていき、湯王(天乙)が十七代目の桀を討って殷(商)王朝を建てます。

その殷(商)王朝の徳も次第に薄れ、三十代目の紂王(帝辛)が武王(姫発)に討たれます。

桀も紂王も暴君として似たような逸話があります。一方で、桀を討った湯王、紂王を討った武王は聖人とされています。

実際にそうだったのかもしれませんが、王朝の交代を正当化するために末代はとことん貶められ、初代はとことん高められた側面もあるんじゃないかなと。

堯・舜・禹の禅譲は、武力に寄らない王位交代で理想的とされますが、後世、禅譲とは名ばかりの簒奪もよく起きています。三国志が好きな方は、曹操の子、曹丕が魏の皇帝の地位に就いたのは、後漢の献帝から禅譲される形をとっていたことを思い出していただければ。


◎──今回はここまで。

「泰伯第八」はここまでです。次回から「子罕(しかん)第九」に入ります。第二十まであるので、そろそろ折り返し地点が見えてきました。

折り返し地点と言えば、東京五輪のマラソンは札幌でやろうという話になったというニュースが。広い国でもないし、他の競技も東京にこだわらなくても、少しでも環境のいい場所でやればいいと思うんですが、開催まで一年を切った今ごろになって右往左往してる姿に、不安感と不信感でいっぱいです。

「お・も・て・な・し」が流行語大賞に選ばれたの、2013年ですよ。

なんとか形にして、無事に開催して欲しいものです。

その一方で、ラグビーワールドカップは今のところ大成功といえる展開ですね。ニュージーランドとイングランドが準決勝進出を決めました。みなさんがこれを読んでいる時には準決勝のカードも出そろっているんですが、準決勝に日本が入っていることを祈りつつ、今回はここまで(10/19)。


【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
https://www.facebook.com/korowan
https://www.facebook.com/caputllc