[4923] ジウジアーロの腕時計◇年末猫騒動◇現代版「クレイマー、クレイマー」

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《覆水盆に返らず》

■腕時計百科事典[88]
 ジウジアーロの腕時計
 吉田貴之

■クリエイター手抜きプロジェクト[601]雑談編
 年末猫騒動つづき
 古籏一浩

■映画ザビエル[86]
 現代版「クレイマー、クレイマー」
 カンクロー




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■腕時計百科事典[88]
ジウジアーロの腕時計

吉田貴之
https://bn.dgcr.com/archives/20191216110300.html

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「ジウジアーロ」と聞いてピンときたあなたは、車好きか、腕時計好きかのどちらかではないでしょうか。名デザイナー「ジョルジェット・ジウジアーロ」の仕事、とくに腕時計についてまとめました。

★デザインの巨匠・ジウジアーロ

ジウジアーロはカーデザイン、インダストリアルデザインの巨匠として知られています。代表作はこれ、というのが難しいほど、多くのプロダクトデザインを成功させています。

フォルクスワーゲン・ゴルフ、ロータス・エスプリ、ランチア・デルタ、フィアット・パンダなど、現在も語り継がれる名車達、またいすゞ・117クーペやピアッツァ、スズキ・フロンテクーペ、スバル・アルシオーネSVXなどのエッジの効いた国産車、ニコンのカメラや岡村製作所の椅子など、誰もがどこかで目にしたことがあるものばかりです。

★ジウジアーロのデザイン

1970年代には、直線を基調としたいわゆる「折り紙細工」と称されるデザインで人気を集めました。日本で特に知名度が高いモデルは、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にも登場した「デロリアン・DMC-12」ではないでしょうか。1981年に登場したDMC-12は、デロリアン社の唯一のモデルでありながら、その先進的なデザインが多くの人を魅了しました。

★セイコーとジウジアーロ

ジウジアーロは、セイコーと何度か仕事をしています。「車やバイクのドライバーに似合う腕時計」をコンセプトに、4種類の腕時計をデザインしました。ジウジアーロがデザインした腕時計の、一番の特徴は「左右非対称」であることです。

そもそも腕時計には竜頭やプッシャーがありますので、左右非対称なデザインではあるのですが、ジウジアーロはこれを強調するかのように、プッシャーを大型化したり、文字盤を傾けることで、ドライビングポジションでも見やすく、グローブを嵌めたままでも操作しやすい腕時計にしようとしたのです。

これらの腕時計は大きな歓迎を持って市場に受け入れられ、ちょっとしたムーブメントにもなりました。

★4つのモデル

「ジウジアーロの腕時計」と聞いて、多くの人が想起するのが回転ベゼルを備えたクロノグラフモデルです。右側に大きめのプッシャーを備えると同時に、ベルトの位置を少し左にずらし、装着感と使用感を向上させています。

二つ目のモデルは、プッシャーの角度が12時-6時方向に並行になるようリデザインしたモデルです。ケースに沿う形のプッシャーから、ボタンとしてより押しやすいような配置にしました。

三つ目は液晶を搭載したモデルです。液晶を傾けて配置することで、ドライビングポジションでも見やすい腕時計となりました。四つ目はやや小ぶりな液晶モデルですが、ベルトの調整が自由にできるため、ライダーズスーツの上などでも着け外しがしやすいスタイルでした。

★復刻版の登場

ジウジアーロの腕時計はこれまでに何度か(1999年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2018年)復刻モデルとして再販されています。バックライトをつけたり、最新のモジュールを採用するなど徐々に進化しながら、いずれも時計雑誌などで話題を集めています。

時計店やファッションブランドとの、コラボレーションも積極的に行われており、そのデザイン性の高さは30年が経過した今でも失われていないようです。なお、初期のモデルにのみ、セイコーのクロノグラフモデルであることを示す「スピードタイマー」の名前がつけられていますので、1980年代のオリジナルモデルを探すときにはチェックしてみてください。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
https://www.idia.jp/

腕時計ポータルサイト:腕時計新聞
https://www.watchjournal.net/


兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。


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■クリエイター手抜きプロジェクト[601]雑談編
年末猫騒動つづき

古籏一浩
https://bn.dgcr.com/archives/20191216110200.html

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今年のわたしの最後の連載となるデジクリなので、ちょうど一年前の大晦日におきた「猫騒動」の続きを記します。

・クリエイター手抜きプロジェクト[589]雑談編 平成最後の猫騒動
https://bn.dgcr.com/archives/20190819110100.html


令和最初の年末段階での、猫メンバーのおさらいです。

◇イケメン猫
猫騒動を起こした張本猫。毛並みのいい高級な猫だが、超自己中心。大阪弁がよく似合う。昨年の大晦日に我が家のドアにひたすら体当たりをし、網戸を破いた。

◇茶トラ猫
体の大きい昔からの猫。多分一番強い。しかし、すでに老齢で敏捷さはまったくない。

◇黒猫
顔のでかい黒猫。白黒猫より一つ上のランク。やや遠くから餌が皿に盛られるのを見つめている。が、早く食べたいのか癖なのか、餌が盛られるのを見ると、舌なめずりし続けてしまう。

◇白黒猫(くだん猫)
痩せていて、くだん(件)に近い貧弱さ丸出しの猫。力関係で最下位。いつも顔や体に怪我をしている。人間にすり寄って、他の猫が来ないようにしている。弱いので人間に媚を売って、どうにか生き延びようという腹づもりらしい。

※件(くだん)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%B6


という事で、猫の紹介も終わったので、本題に。

年末に我が家のドアに、体当たりを続けたイケメン猫。大晦日の後、来なくなったと思ったら、正月2日にはのこのこやって来て、何食わぬ顔でうちの猫皿の餌を食べるという厚顔無恥ぶり。恐ろしさの余り、他の猫は近寄ってこない。

うまく循環していた猫ワールドが、崩壊したままになるのかと思ったら意外な展開。なんと、正月3日から隣の家で飼われていたのだ。見事に隣の家の人に取り入ったようだ。

で、隣の家の人に聞くと「可哀想じゃん、この寒空にねぇ」との事。イケメンは人手も猫でもお得なのか……。黒猫も白黒猫も茶トラ猫も、飼ってやろうなんて聞いた事がなかったのに……。

というわけで、隣の家猫になったイケメン猫。しかし、性格が変わる事はなく、もう我が者顔で住み続け、まるで人間が猫の手下のよう。お気に入りの場所を見つけ鎮座するイケメン猫。(なぜか、日中は車の車庫の中にある布団がお気に入り)

実は隣の家も循環型猫ワールドだったのが、イケメン猫であっさりと崩壊。白黒猫と黒猫が家の中を自由に出入りし、庭の井戸でまどろむという感じでしたが、イケメン猫がすべてを占拠。他の猫のものはすべてイケメン猫のものに。

そればかりか、うちに来る猫の餌まで食べて行く始末。家のまわりすべてが、イケメン猫に占拠されたといってもいいくらい。結果、他の猫は近づかなくなり、しばらく猫カメラに写るのはイケメン猫ばかり。

しかし、正月も7日くらいになると、イケメン猫が家で休んでる深夜を見計らって、茶トラ猫がやってきました。亀の甲より年の功、ではありませんが、長生きしている猫は賢い。深夜に徘徊しているのかと思ったら違った。狡猾なイケメン猫の裏をかいて、バッチリ餌をせしめていくようになりました。さすが。

さらに数日経過すると、うちにはイケメン猫があまり来なくなりました。理由は餌のグレードでしょう。明らかに隣の家の方が美味しい餌だからです。うちは、残飯だったりするけど、隣の家は高級な猫の餌。勝ち目がありません。

しかし、そのおかげでイケメン猫が滅多に来なくなり、これまでの猫たちが再び我が家の見回りをしてくれるようになりました。

やがて、若い白トラ猫が新たにやってきました。年寄りのトラ猫とは違い、体形がスマート。来る時間帯が大きなトラ猫と似てるので、親子かなと思いつつも未確認。しばらくすると大きなトラ猫が来なくなりました。年寄りだったのでお亡くなりになったのかもしれません。その後も姿を見てはいません。

そして、ある日の夜。うちの前に猫が車にひかれてました。おやおや? これは…… イケメン猫じゃあ、ないですか……

頭を車にぶつけて、あっさりとお亡くなりになったようです。さよなら、イケメン猫。天国で暴れてください。天国への扉も、あの勢いで体当たりすれば開くことでしょう。

翌日の夜、隣の家から電話がかかってきました。
「うちの猫が帰ってこないんだけど」
「あ、車に引かれて死んでましたよ」
「あらまぁ」

こうしてイケメン猫がいなくなったので、猫ワールドに平和が訪れたのでした。現在うちの周辺を見回りしてるのは、黒猫、白黒猫、白トラ猫(今年入った新メンバー)になりました。現在では以前の猫ワールドのように、3匹でうまく回るようになりました。

令和最初の年末は猫たちが平和にすごせそうです。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
http://www.openspc2.org/


低視聴率だったNHK大河の「いだてん」。このテキストを提出した時点では最終回は見ていないけど、途中でこれはマニア向けとしか思えない映像が結構あって、いや〜これはBluRayディスク買って、永久保存しておくしかないなってシロモノだった。結局、情熱がないと始まらないし何も進まないんだよねぇ。

NHKは政権寄りでどうしようもない、という文言を見たりすることもあるけど、NHK大河「いだてん」や、NHK教育(Eテレ)の番組内での題材の選択などを見ると、知恵者が結構いるなと。そのような番組は政治家は見ることはないので、やりたい放題なのかもしれませんが。

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[正誤表]
http://www.openspc2.org/book/error/ichigoLatte/


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・Illustrator自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00R5MZ1PA/


・4K/ハイビジョン映像素材集
http://www.openspc2.org/HDTV/


・クリエイター手抜きプロジェクト
http://www.openspc2.org/projectX/



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■映画ザビエル[86]
現代版「クレイマー、クレイマー」

カンクロー
https://bn.dgcr.com/archives/20191216110100.html

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◎作品タイトル
マリッジ・ストーリー

◎作品情報
原題:Marriage Story
公開年度:2019年
制作国・地域:アメリカ
上映時間:136分
監督:ノア・バームバック
出演:スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライバー、ローラ・ダーン、
アジー・ロバートソン

◎だいたいこんな話(作品概要)

ニューヨークのオフブロードウェイで、一目置かれる存在の舞台監督チャーリーと、常にその舞台の主演女優をつとめるニコールは十年来連れ添った夫婦。

チャーリーの劇団は初めのうちは、かつて映画に少し出演した経歴があるニコールの知名度で観客を集めていたが、現在では作品自体が評価されるようになり、芸術文化を推進する助成金の対象にも選ばれるほどだ。いわば、二人三脚で劇団を大成させたと夫婦は互いに感謝し評価し合っている。

二人には8歳になる息子ヘンリーがいて、チャーリーもニコールも子煩悩で家族仲は良い。にもかかわらず、夫婦間の些細なすれ違いから離婚を決めた。

当初は二人とも弁護士を立てる必要はまったくないと考え、円満に協議離婚が進むはずだった。ところが、ニコールがロスでの仕事を決めて、チャーリーを連れてニューヨークを離れたところから話がこじれ始め、離婚は高額の報酬を受け取る離婚弁護士をはさんだ醜い戦いに変わってしまう。

Netflix(ネットフリックス)配信作品。

◎わたくし的見解/輝きたい女と男の無頓着

前回は、45年の夫婦生活が6日間で終焉してしまう話をご紹介したが、今回は結婚10年の男女が離婚する物語。ありがたいことに主演の二人は、まだまだセクシーだし夫婦の子供は可愛いしで、本作は大いに共感を得られそう。大変お勧めしやすい作品と言える。

現代版「クレイマー、クレイマー」と銘打ったのは、別れた(あるいは別れようとしている)夫婦が、子供との暮らしのために不本意ながら裁判で争う羽目になる点が似ていたからだ。

1973年の映画「クレイマー、クレイマー」は、仕事人間で家庭を顧みなかった男が突然、妻に出て行かれてしまうところから始まる。妻は自らの人生を取り戻したいからと、幼い息子を残していった。

男は仕事と子育ての両立に七転八倒する日々の中で、それまでは多忙で距離のあった子供との絆は深まるが、仕事は疎かになり会社を解雇されてしまう。よりによって、そのタイミングで親権を放棄したはずの妻が、やはり子供と暮らしたいと訴訟を起こす。男は、無職のままでは親権を得られないため必死に就職活動をするが、というような流れで一貫して夫目線で描かれる。

さらに、主演はヒューマニズムの塊みたいなダスティン・ホフマンで、対して終盤にやっと顔を出す妻は薄ぅーい顔のクール・ビューティー若き日のメリル・ストリープなので、いかにも母性とか情とか希薄そうに見え、性別を問わず夫に肩入れして観てしまう映画かと思う。

その点は本作とは重ならず、「マリッジ・ストーリー」では夫と妻それぞれの視点や言い分について、かなりフェアな描かれ方をしていた。夫は舞台監督の仕事に情熱を傾けているが、同時に素晴らしい家庭人であり良き父親だ。

妻も「クレイマー、クレイマー」と同様に、自分のやりたい事のために離婚に踏み切るが、どの段階においても子供と離れて暮らす選択は一度もしていない。夫婦で互いに、その父親ぶり母親ぶりを賞賛している。

それなのに、相手を尊重し評価する言動までもが離婚弁護士たちによって、それぞれを攻撃し傷つける事実として、裁判に利用されてしまう痛々しさが「クレイマー、クレイマー」を彷彿とさせた。親心を逆手にとった、えげつない離婚ビジネスである。

そのくだりとは対照的に、全体的にはとても明るく楽しい作品だ。家族っていいな、親子っていいな、人間っていいなと歌いたくるほど微笑ましいシーンの連続で、果たしてこの二人は何で離婚せなアカンのやろうと、最初から最後まで疑問に思っていた。

映画の中でも離婚を踏みとどまるタイミングが幾らでもあったのだが、今さら引っ込みがつかない、もう引き返せないというのも案外リアルなのかも知れない。覆水は盆に返せないものだ。

泥沼の裁判になる前、夫側についた勝ち負けよりも子供との人生を重んじる老齢の弁護士が「(親権、養育費の比率、共有財産の分配が)どのような結果になっても離婚後は、二人で協力してやっていかなければいけない」と嚙んで含めるように言い聞かせていたのが印象的だった。実際にそれはラストへの布石でもあったし、離婚する夫婦を描いているのに「マリッジ・ストーリー」とした所以のようにも感じた。

最後になったが、主演の二人は最高だった。アダム・ドライバーもスカーレット・ヨハンソンも色っぽいと言うか、ある意味かなり眠たくなるリラックス効果抜群の声の持ち主なので、2時間半もある作品をうとうとせずに鑑賞できるか自信がなかった。しかしそんな心配はどこ吹く風、無駄に思える場面はなくテンポも軽妙で、かなり長回しの夫婦喧嘩もさらりと見事に演じきっていた。

アダム・ドライバーは「スター・ウォーズ」で、アホみたいなキャラクター(しかし大役)を演じているが、本作のようなドラマでの姿が真骨頂だと思う。スカーレット・ヨハンソンも、外見は久しぶりにあどけない印象を与えながら、母性豊かな大人のキャラクターを確立していた。

続編は絶対に作らないで欲しいが、物語の二人には何とか復縁してもらいたいと切に願ってしまう、そんな作品だった。


【カンクロー】info@eigaxavier.com

映画ザビエル
http://www.eigaxavier.com/


映画については好みが固定化されてきており、こういったコラムを書く者としては年間の鑑賞本数は少ないと思います。その分、だいぶ鼻が利くようになっていて、劇場まで足を運んでハズレにあたることは、まずありません。

時間とお金を費やした以上は、元を取るまで楽しまないと、というケチな思考からくる結果かも知れませんが。

私の文章と比べれば、必ず時間を費やす価値のある映画をご紹介します。読んで下さった方が「映画を楽しむ」時に、ほんの少しでもお役に立てれば嬉しく思います。


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編集後記(12/16)

●偏屈BOOK案内:勝谷誠彦・倉山満「がんばれ! 瀕死の朝日新聞」

勝谷誠彦はコラムニスト。倉山満は歴史評論家、作家、皇室史学者、歴史エッセイスト。筆者二人は大の朝日新聞嫌いである。倉山「やっぱり朝日はここで原点に戻って、軍国主義の極右新聞にならなきゃいけませんね」勝谷「なんたって社旗も旭日旗そのものなんだから」。ところで、大きな謎がある。何でも旭日旗に見立てて大騒ぎする韓国は、なぜ朝日社旗について物言いしないんだ。

以下、両者の意見をミックス。朝日は日本的な美徳は素晴らしいと素直に書けばいいのだ。文化欄や天声人語でいつもしったかぶりで、日本の美しさとか文化とか言ってるんだから、それを全部前面に出せばいい。朝日のお家芸は右傾化なんだから。朝日の歴史を見ていると、明治時代には右翼と極右がいて、大正デモクラシーで左翼と極左になって、満州事変でまた右翼と極右になった。

マッカーサーが来て左翼と極左になった。右展開と左展開を繰り返して来た。さあ、朝日右傾化計画。それしか生き残る手がない。また、記者の劣化という問題もある。かつては記者の能力は圧倒的に朝日が優秀だった。産経は頭が悪いし、毎日は貧乏、読売はヤクザ。ところが、今は劣化が甚だしく、取材先を右か左かでしか見ておらず、上か下かの概念がない。つまりプロ意識の欠如。

日本国憲法は日本の憲法ですらない。憲法は最高の法でなければならない。だが、日本国憲法の上位に米日安保条約がある。アメリカが一方的に日本の安全を保障する条約で、対等条約ではない。結局アメリカに日本を守ってもらっているだけで、憲法9条の理念なんて世界中の誰も知らない。国家が滅びるというのは、実は領土を取られるということよりも、憲法を奪われるということだ。

勝谷「日本は民族として一回滅びた。これは不敬だから言葉を選ぶけれど、幸い、皇室だけは残った」倉山「不敬かもしれませんが、そうです。皇室が残ったことによって、ぎりぎり日本の国体は護持されたんです」。滅びた、というと宮沢俊義の東大憲法カルトは「8月15日に革命が起きた」と喜ぶ。180度転換したのは朝日新聞内部だけで、「鬼畜米英」が突然「平和の光」になった。

日本国憲法は左右とも、本当はぬるま湯から出たくないから、改憲はしない。勝谷の意見は廃憲である。学者の倉山は「それができれば一番いいが、それは天皇陛下以外にはできない。議会ではできない」という。議会とは憲法によって規定されている。議会の上に憲法がある。だから、改正ならともかく、議会の権限で廃止というのは無理がある。法理論的に議会にその権限はない。

でも、天皇陛下は違う。日本国憲法は帝国憲法の改正でできた。帝国憲法のできる前から、最初から天皇はいらっしゃった。天皇が日本の元首であるということは、帝国憲法に条文があるからそうなったわけではなく、元々そうだったのを帝国憲法で確認しているだけだ。天皇が先にあって、憲法はあとからできた。だから、憲法を廃止するとしたら、一度天皇陛下に大政奉還するしかない。

本来はそれが筋となる。だから宮沢俊義が帝国憲法の手続きで帝国憲法を葬り去って日本国憲法を作ったように、その逆をやればいい。日本国憲法の手続きで帝国憲法を復活させる。これなら理論的に可能である。日本国憲法を廃止したあとどうするかというのは、帝国憲法を改正するという発想でやればいい。2014年に出版された本。いくつかの対談をもとに再構成したもの。勝谷誠彦は2018年に、重症アルコール性肝炎で57歳の早すぎる死。つづく、かも。(柴田)

勝谷誠彦・倉山満「がんばれ! 瀕死の朝日新聞」2014 アスペクト
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757223854/dgcrcom-22/



●数年ぶりに健康診断に行ってきた。徒歩圏内に会場があるからと、集団検診を選択。先着順で、申し込みはFAXのみ。FAXで書類を送るなんて久しぶりで、表裏を間違ってないかとか、番号は合っているかとか、チェックすべきことを思い出した。

確認の電話をすべきかどうか迷ったが、FAX機から送信完了通知はあるし、全員から電話がかかってきたら、受ける方は大変だろうなぁと思い、躊躇しているうちに日が経ってしまった。向こうからは何の反応もない。

「後日連絡します」とはあったが、具体的な日付は記載されていない。人数オーバーなら早めに教えて欲しいな、あ、でも裏が届いてしまったら連絡しようがないんじゃない? などといろいろ考えてしまい、最初に、向こうの仕事増やしてしまってでも、到着確認と、連絡の来る時期について聞いておけば良かったと後悔した。(hammer.mule)