まにまにころころ[170]ふんわり中国の古典(論語・その33)マナー講師、孔子。
── 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito ──

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コロこと川合です。みなさん明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。今日から令和二年のデジクリ開始です。

ということで、いつの間にかもう今月も半分近くが過ぎましたが、年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか。私は、何をするでもなく、気がつけばまたいつも通りの日常に戻りつつある感じです。





■えべっさん

大阪は「十日戎」が終わってから仕事始めでいいよね、なんて思っていたら、それも先週末に終わってしまって、どうしたものかと言い訳を考えています。

十日戎、ご存じでしょうか。いわゆる「えべっさん」です。

最近ではニュースなどで、全国区ですかね。大阪近郊の風物詩で、毎年一月の十日を挟んで三日間、宵戎・本戎・残り戎(残り福)と、えびす様をお祀りします。

釣り竿と鯛を手にした姿で知られるように、海や漁業にまつわる神様ですが、そこから転じてか、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全の神様となっていて、特に商都・大阪では「商売繁盛の神様」として信仰されています。

えびすさまを祀った神社は多くありますが、大阪近郊のえべっさんとしては、今宮戎(大阪市浪速区)・西宮戎(兵庫県西宮市)・堀川戎(大阪市北区)、あと大阪天満宮の天満天神えびす(大阪市北区)が有名です。

当日は「しょうばいはんじょで笹もってこい」のかけ声があちらこちらで流れ、福笹や熊手に縁起物の飾りを付けたものを授かり……いや商売の神様ですし、販売と言ってしまっていいのかな(笑)、まあ、お金を納めて賜ります。

東京でいうところの酉の市みたいなものでしょうか。(知らんけど)

これがまたよくできた集金システム(失礼)で。

まず、笹自体には基本的に金額設定はありません。でも笹単体では意味がないので、そこに色々な縁起物の飾りをオプションとして足していくことで、値段が上がっていきます。五千円から一万円といったあたりが相場ってとこですが、上は気持ち次第ですので青天井です。

何もつけてない状態というのはありえないので、フリーミアムとはまた少し違いますが、基本無料でオプション課金、見栄と意地とで青天井。

まるで最近のゲームみたい。(失礼)

さらに上手いのは、これは神社の一般的な御札なんかもそうですが、基本的に毎年更新なんですね。つまり、次のえべっさん時に笹を返納に行く。

返納に行って手ぶらで帰る、なんてことないですよね。普通は新しい笹をまた授かって帰ります。これが毎年繰り返されます。

一年分のお金を納めて、年間のご利益を授かる権利を得る。年額課金のサブスクリプションみたいなものです。(失礼)

面白いのは、さすが商売の神様。この笹(神社によりますが)値切れるんです。価格交渉OKです。そして、「領収書」まで発行してもらえます。

めちゃくちゃ混むのでねばって値切る人もそう多くないですが、最終日である残り福の日は特に、迷うそぶりだけで値段下げてくれたりします。

販売員(失礼)の方は、だいたい地元商店会の方なので、そのあたりはお互いの呼吸みたいなもので。なかなか普段の神社では見られない光景でしょうけど。

ちなみに私は、会社員時代は勤め先の至近だった堀川戎にお参りしていました。その頃は経営者でもないので笹にはノータッチでしたが、会社作ってからは、堀川戎でのお参りに加えて、大阪天満宮のえべっさんにもお参りし、そこで笹を授かっています。(両神社は徒歩10分の距離)

大阪天満宮のほうが、えべっさんとしての認知が低く、それでいて境内が数倍広いので、空いていてお参りしやすいんです。空いているといっても三日間で二十万人ほど参拝に訪れるんですが。それでも、大阪でえべっさんといえば、キタの堀川さん、ミナミの今宮さんと、昔からの二大えべっさん。

大阪天満宮のえべっさんがあまり認知されていないのは、今の形でえべっさんとしてのお祭りにしたのは平成十九年と、比較的最近のことだからです。

ずっと祀られてはいたんですが、メインは名前のとおり、菅原道真公をお祀りする天満宮、天神さんです。お祭りのような行事としてのえべっさんは長らく途絶えていたところ、平成十八年に大阪唯一の落語寄席「天満天神繁昌亭」が隣接して開館されたのを機に復活させたんです。

えべっさん話がえらい長くなりましたが、新年最初はたいてい大河ドラマの話から始めるところ、今年はエリカ様ショックでまだ始まっておらず……

■再来年の話……

次の日曜から、いよいよ『麒麟がくる』スタートです。

今回の主人公は明智光秀。期待値については年末にも書いたので割愛します。なお、来年の主人公は渋沢栄一です。タイトルは『青天を衝け』。

そして、再来年の主人公は北条義時と発表されました。脚本はまたもや三谷幸喜、『新選組!』『真田丸』に続いて三回目。タイトルは『鎌倉殿の13人』。

北条義時は鎌倉幕府第二代執権。初代執権である北条時政の次男、北条政子の弟です。鎌倉幕府は言わずとしれた源頼朝が開いた幕府ですが、頼朝の死後、なんだかんだで北条氏が乗っ取るような形になります。

二代将軍の源頼家は北条時政と衝突して追放され、すげ替えられる形で将軍に就いた三代将軍源実朝は頼家の子である公暁に暗殺されます。初代の死後は、幕府はもう北条氏のものだったんですね。

頼朝の死後、後を継いで実権を握ろうとする頼家を押さえこむべく、北条時政と義時の親子は、幕府の運営を十三人の合議制で行うことにしたそうで。それが再来年の大河『鎌倉殿の13人』の由来でしょう。

実際合議制だったかどうかは怪しいらしいんですが。どうせ北条氏には逆らえませんし。ただ頼家は将軍就任時で十八歳と若かったですから、幕府の体制を支える仕組みとしては納得のシステムかもしれません。

ともあれ以降、時政と義時が協力して幕府の実権を握っていたのですが、衝突。すると義時は姉の北条政子と手を組んで、父である時政を追放します。ドロドロですね。

三谷幸喜は、マスオさん(源頼朝)の死後、サザエさん(北条政子)とカツオ(義時)が結託して波平(時政)を磯野家から追放し、タラちゃん(実朝)も暗殺されてフグ田家(源)が滅亡し、磯野家(北条)が幕府の実験を握る話と説明したそうです。

今から再来年の『鎌倉殿の13人』が楽しみです。でもその前に、論語とも縁深い渋沢栄一の『青天を衝け』があります。まずは、来年に備えて論語を読んでおきましょう。


◎──巻第五「郷党第十」五

・だいたいの意味
圭を持つ時は、畏れ謹んで、大任に耐えられないというようなそぶりを示す。捧げ持つときは頭を下げ拝し、下げるときは授けるようにし、緊張におののくようなさまを示して、足の運びは静かにすり足で進む。

享の儀式になれば顔つきも穏やかに、儀式を終えての挨拶回りでは楽しげに。

──巻第五「郷党第十」五について

他国への使いに訪れる際の様子を記したもので、圭というのは、使者が他国を訪問する際に、主君から預かる祭器のようなもの。享というのは、贈り物の儀式だそうです。


◎──巻第五「郷党第十」六

・だいたいの意味

君子は紺色やとき色で襟や袖を飾らない。紅色や紫色の服は普段着に用いない。

暑い時は単衣の葛布を着るが、外出時は必ず上着を羽織る。(寒い時は)黒い着物の下には黒い子羊の毛皮をあわせ、白い着物なら白い子鹿の毛皮をあわせ、黄色い着物には黄色い狐の毛皮をあわせる。普段着の毛皮は長いが、右の袂は短くしておく。(就寝時は)必ず寝間着を用いて、その長さ背丈のひとつ半。

座る際は狐や狢の毛皮を敷いて座る。

(喪中は帯には何も提げず)喪が明ければ帯に装飾品などを提げる。

祭祀に用いる礼服や朝廷に出仕する際の朝服でなければ、腰をプリーツで絞り、裾を広くしたシルエットのものにする。

黒い子羊の毛皮、赤黒い絹の冠は弔問には用いない。

朔日には必ず朝服を着て出仕する。

──巻第五「郷党第十」六について

冒頭の色の話など、この色はこういう時に使う色、なんて意味があれこれあるんですが、長くなるので省きます。基本、TPOをわきまえた服装を、という話。

マナー講師、孔子。


◎──巻第五「郷党第十」七

・だいたいの意味
潔斎(物忌み)は、必ず麻布の衣を用意し、必ず食事も普段と変え、居住先も必ず移す。

──巻第五「郷党第十」七について

潔斎の話。さっき寝間着がどうのってあった話は、実は元々はここにあった話じゃないかとの説もあります。

潔斎というのは儀式などに備えて身を清めることです。


◎──巻第五「郷党第十」八

・だいたいの意味
ご飯は精白したものがよく、なますは細かくしたものがよい。
すえた臭いがして味の変わったご飯、腐った魚、傷んだ肉は食べない。
色の悪くなったもの、臭いの悪くなったものは食べない。
煮過ぎたものは食べない。
旬でないものは食べない。
切り方が正しくなければ食べない。
合う調味料がなければ食べない。
肉は、多くともご飯以上には食べない。
酒は決められた量は特にないが、酔って乱れるところまでは飲まない。
市販の酒、市販の干し肉は食べない。
はじかみは捨てずに食べるが、多くは食べない。
主君の祭りでいただいたお供え物の肉は翌日に持ち越さない。
家の祭りのお供え物の肉は三日以上持ち越さない。三日を過ぎれば食べない。
食事中は話をしない。寝る時も喋らない。
粗末なご飯、野菜汁、瓜といえども、祭祀で捧げる時は必ず敬虔な態度で扱う。

──巻第五「郷党第十」八について

内容としては読んだままです。これをもって孔子の食へのこだわりを語るものもありますが、別に、グルメや健康志向で言っているわけではなく、もちろんその意味合いも含むでしょうが、礼、マナー、といった観点が主でしょう。

これらは先ほどの潔斎時の話だとする説もありますが、どうでしょ、内容的に日常の話のように思えるんですが。潔斎が日常的によくあるなら別ですけど。


◎──巻第五「郷党第十」九

・だいたいの意味
座席が正しく整っていなければ座らない。

──巻第五「郷党第十」九について

整えてから座りましょう。


◎──巻第五「郷党第十」十

・だいたいの意味
郷の者たちで酒を飲んだ時は、杖をつく人が先に退出してから退出する。郷のおにやらい(追儺)の行事では、朝服(礼服)を着て祖廟の東階段に立つ。

──巻第五「郷党第十」十について

杖をついた人をきちんと優先するあたりがいいですね。後に残して、もしその人が立てなかったりすれば、立つのを助けてくれる人がいなくなりますしね。理にもかなった礼だと思います。


◎──今回はここまで。

この「郷党第十」は、正直読んでいてつまらない話が多いのですが、その中で八は面白いところです。食中毒には十分気をつけましょう。

今年は今のところ困ったレベルでかなりの暖冬ですが、最近、私のまわりではインフルエンザが大流行しているようです。食中毒だけでなく、ウイルスにも十分注意してください。飛んできたら避けてくださいね。


【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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