腕時計百科事典[91]「売れる」腕時計/吉田貴之

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腕時計が社会人の必須道具であったのは、もう20年以上も前の話です。以降、腕時計を着ける人はどんどん少なくなっており、それに伴い腕時計販売店も減少しています。

商売として腕時計を扱うお店が減ると、ユーザーが手に取る機会も減り、腕時計を使う人がさらに減る、という悪循環になっています。その流れに少しでも抗うべく、腕時計を商材として考えてくれる人が少しでも増えることを期待して、「売れる」腕時計について考察しました。





◎男性用

腕時計ユーザーの大半は男性です。出来る限りたくさん腕時計を売りたいのであれば、男性用を扱うほうが良いでしょう。男性用では、クロノグラフなどのデザイン要素の多い腕時計や、ダイバーズのようにゴツゴツしたアウトドア用途の腕時計に人気が集まります。

◎女性用

一方で、女性に腕時計がまったく売れないわけではありません。男性は腕時計自体にストーリーを求めますが、女性は腕時計を身に着けた自分のストーリーを想像します。女性用の腕時計は、華奢でアクセサリーライクであることや、メンテナンスが簡単であること、またデザイン性が高いことが求められます。

◎ブランド

クォーツショックを経て、腕時計の価格は暴落しましたが、1990年代にスイス時計業界が奮闘したことにより、腕時計は安価なもの高級なものとに二極化しました。後者に属するブランドの腕時計は、安定した人気を誇ります。売るのであれば、このようなブランドの腕時計に限ります。

◎価格帯

とはいえ、だれもが50万円や100万円の腕時計を購入できるわけではありません。どんな商売でもある程度数を捌かなければいけないはずですが、そのバランスの良い価格帯があります。腕時計では3万円から30万円くらいが、それにあたるでしょうか。

腕時計は、ちょっと無理しなければいけないけれど、ローンを組んでまで買うものではない、という価格帯を狙います。もちろん、安価な商品であればたくさん売れますし、逆に、超高級品も欲しがっている人はたくさんいます。

◎アンティークとヴィンテージ

古い時計を売るのであれば、状態がすべて、と言っても過言ではありません。キズやヤケが少なく、まるで新品のような個体があれば、「売れる」可能性が高くなります。古いだけでも価値がありますので、その状態が良好なのであれば、需要が喚起されるのは誰でも想像できますね。

◎条件をすべて満たさなくても

「売れる」腕時計を見つけるには、上に挙げた条件をすべて満たさなくてもよいはずです。いずれかに注目して、「男性用に強い」「高級品しか扱わない」「特定のブランドの専門店」などなど、お店の特色とすることができれば、在庫の心配をすることなく腕時計の商売を続けることが出来る……はずです。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

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兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。