[4954] 音楽と意識と絵◇色の違いを見分ける《カラーマネジメントの話》

投稿:  著者:  読了時間:28分(本文:約13,900文字)



《厨二心がワクワクドキドキ》

■羽化の作法[101]現在編
 音楽と意識と絵
 武 盾一郎

■LIFE is 日々一歩(114)[コラム]
 色の違いを見分ける《カラーマネジメントの話》
 森 和恵
 



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■羽化の作法[101]現在編
音楽と意識と絵

武 盾一郎
http://bn.dgcr.com/archives/20200218110200.html
───────────────────────────────────

●音の視覚化 リサージュ図形の続き

前回「リサージュ図形」について書きました。
こんな方法で音を観察した話です↓
https://2.bp.blogspot.com/-wBOo9p7Ixk0/XjaLzBKoQvI/AAAAAAAB5wY/fZCGG09WwkEjpeI9QB8JCEmcmsdKYuhDwCLcBGAsYHQ/s1600/Lissajous_Apparatus.jpeg

「羽化の作法[100]現在編 音と形の関係を追いかける!」より
http://bn.dgcr.com/archives/20200128110200.html

これの現代版のようなものがありましたので、紹介しておきます。

「音とレーザーの共鳴。“和音”を視覚化するレーザーイルミネーションが厨二心をくすぐってくる件」
https://originalnews.nico/204439

動画はこちら
https://www.nicovideo.jp/watch/sm33747966

二つの周波数が混ざると、厨二心がワクワクドキドキするんですよね。

ひょっとしたら、他人と協働するコラボレーションの面白さって「周波数が合う」同調ではなくて、異なる周波数を合わせた時に起こる、意外なカタチの生成なのではないでしょうか。

異なる周波数を合わせると、「時間を伴ってカタチが生まれる」ので、ここに「時間軸」が発生します。プロセスそのものが、美しいカタチを生成させているのです。ハーモノグラフが描く図形のように。

Harmonograph at Museum of Science Boston


たぶん私たちは、音に例えると一人一人周波数が違うんです。というか、実は
例えなんかではなくて、私たちはそもそも「音」なのかも知れません。

といっても、単音ではないでしょう。いくつもの音が鳴り響いているのです。そしてハーモノグラのように、時間に伴って変化する軌跡がカタチを作るのです。私たちはたった一人でも、美しい音の図形を描いてるんですよ。

それが他者と合わさって、さらに意外な美しさをカタチ作ることがある。それを「シナジー効果」と呼んでいるのかも知れない。これら周波数の違いが合わさって、カタチを形成する営みが「音楽」の元祖のように思えても来るのです。

つまり、こういうことです。「なんで私たちは音楽を愛でるのか? それは私たちがそもそも音楽だから。」

なんかロマンチックっぽいこと言って、オレ素敵アピールしてる感じですが、これがまた割と本気でそう思ってるのです(笑

音が形を作り、作られた形からまた音が生まれ、生まれた音がまた形を作る。こんなことを繰り返して、私たちの宇宙はできているような気もするのです。

そして、この「音と形」と「意識の謎」をミックスさせて、線譜にしようと日々考えているのです。

●意識について

意識の謎についてのテキストは、なんと言ってもケバヤシ(GrowHair)さんが第一人者であります。デジクリ『Otaku ワールドへようこそ!』でたっぷり読めます。
http://bn.dgcr.com/archives/GrowHair/

かなりガッツリ数学の話になったりするので、難しいところはあるのですが、この国の意識に関する研究発表をくまなくフォローし、一般向けのテキストを公開してるのは、ケバヤシさんくらいではないでしょうか。

意識の謎について哲学側(もっとざっくり言うと数学と再現性を使わない系)から突破するのは、ちょっと無理っぽい感じがあります。悲しいかな。

乱暴に言うと「哲学は現象学が出て突破口を切り開いたけど自ら崩壊した」印象がある。まあ、私の勝手な印象です。

ケバヤシさんのテキストでも、科学と哲学について言及されています。

哲学者に雷を落とした物理学者・谷村省吾氏に聞く:意識の謎について
http://bn.dgcr.com/archives/20191122110100.html
「谷村ノート」にみられるすれ違いの根っこにあるものは?
http://bn.dgcr.com/archives/20191206110100.html

そもそも「科学」とは「哲学」の中の一つだったのに、どうしてこうなってしまったのか。。。

ただ、現在だって「哲学する」「思考する」「自分の頭で考える」ことはとても大切なので、哲学が滅びてしまうのはよくないですよね。

そして、アートは何ができるのか?

かつて、風は風神様が起こすと思われていました。雷は雷神様です。今では風や雷を起こすのは、風神でも雷神でもないことが科学的に分かっています。そんな今でさえ、風神と雷神の絵を見るとワクワクドキドキします。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E7%A5%9E%E9%9B%B7%E7%A5%9E%E5%9B%B3#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Fujinraijin-tawaraya.jpg

いや、別にワクワクドキドキしなくてもいいんですけどね。だけど、もう風神も雷神も科学的にはいないんだって分かってる今だからこそ、風神雷神図が魅力的に見えてしまうってありませんかね?

他の例えだと、天動説の図版を見ると妙にグッと来るとかね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%8B%95%E8%AA%AC#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Cellarius_ptolemaic_system.jpg

アートは正しさを求めるものではありませんからね。そして、再現性があるものでもないんですよね。でも、アートと科学が出会う場所はもちろんあります。

今の時点で、私は「意識」を以下のように捉えています。意識はまだ科学的に解明されてないので、たとえ間違っていても今なら恥ずかしくない、はず(笑)

そもそもこの宇宙は「意識」でできているんです。今いるこの空間も実は「意識」で満たされているんですよ。時空四次元をすっぽり包むようにあるか、または素粒子より微小な故に埋め尽くされているのか、そのどちらでもあるようなイメージです。

で、私たちはこの時空四次元に限定された領域を認識しているのですが、死ぬとその満ち満ちた「意識」の領域に帰るのです。この「意識」は「霊界」とか「魂」に置き換えてもいいんですよ。

あ、なんだかすっごい普通だな(笑)

で、その「意識」の正体はなんなのかって言うと、それが「音楽」なんですよ。

「絵」と言うと、この時空四次元にある、物体、風景や静物、生命体(人物や動物や植物)を基にして描くもののように思いがちですが、意識であり霊であり魂である「音楽」を基にして描く人もいるのです。

●音楽を描くアプローチをしてる人 utena music field
https://utenamuse.mimoza.jp/

「音楽を描く」というアプローチで、活動してる方はもちろんいます。現在、私が気になっている方を紹介しようと思います。ツイッターで相互フォローしている、utena music field の谷中みか@ito_tohari さんです。

ウェブサイトのコンセプトには、「音楽は音がなるまえにうまれている」とあります。ドキッとしますね。
https://utenamuse.mimoza.jp/methodology/utena-music-field-2/

音楽教室なのですが、そこで音楽を描くワークショップを開催しています。いつから谷中さんを知ったのか覚えてませんが「音楽を描く」活動をしてる人がいるなあと、ブログを読んでいた記憶があります。

前回のデジクリ「羽化の作法[100]現在編 音と形の関係を追いかける!」をツイートしたら、「興味深い」と引用RTしていただきました。


そこで私は聞いてみました。

“ところで、ちょっとお聞きしたいと思ってたことがあります。曲を絵にするワークショップなさってますよね、その時例えばバッハのこの曲だと誰が描いてもこういう絵になるなど、顕著な傾向ってあるのですか?”


そしたら、noteに質問に対する記事を書いて頂いちゃったのです。お手数お掛けしました。有り難い限りです。

『お返事です。』
https://note.com/utenamuse/n/nae2305ee760b

曲に対するドローイングの傾向はあるのだろうけれど、そこは意識しないようにしている、という感じでしょうか。先入観を持ってしまうことの方が危険、というか。形式を定めてしまう瞬間に大切な何かが死んでしまう、自由をキープしていたい。そんな印象を受けました。

この記事で西洋音楽について触れていて、「私は、時間の中に空間性を数学的に埋め込んでいったものさしをもっているのが西洋音楽だと思っています。」と書いていあってハッとしました。

ちょっと異次元な時の建造物でSFのようなイメージが浮かんだのです。そしてまた「西洋音楽はその多相で立体的なところがまんま生命なのですが、」と書かれていて、西洋音楽とは構造物でありかつ有機生命体である、と。なるほどなあと思った次第なのです。

今月21日に、都内でワークショップがあるので「音楽を描くワークショップ」を体験してこようと思います。


【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/断酒38日目】

◎絵画のレンタル&販売のCasieにインタビュー掲載されてます!
https://casie.jp/take

・ガブリエルガブリエラ
Twitter https://twitter.com/G_G_jp
Instagram https://www.instagram.com/gabrielgabriela.jp/
ブログ「13月世の物語」 
http://gabrielgabriela-jp.blogspot.jp

・武盾一郎
Twitter https://twitter.com/Take_J
ブログ「絵と空の事」 
https://take-junichiro.blogspot.com/
Facebookページ https://www.Facebook.com/junichiro.take
take.junichiro@gmail.com

◎アーティストとアートファンを繋ぐプラットフォーム「メセロ(mecelo)」
私のページができました! 応援よろしくお願いします! インタビューもあ
ります。
https://mecelo.com/artists/take_junichiro

インタビュー前半
https://mecelo.com/artists/take_junichiro/interviews/57
インタビュー後半
https://mecelo.com/artists/take_junichiro/interviews/58

◎装丁画を担当しています! 『星野智幸コレクション・全四巻』(人文書院)

星野智幸コレクションI スクエア
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226418.html
星野智幸コレクションII サークル
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226413.html
星野智幸コレクションIII リンク
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226414.html
星野智幸コレクションIV フロウ
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b278897.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■LIFE is 日々一歩(114)[コラム]
色の違いを見分ける《カラーマネジメントの話》

森 和恵
http://bn.dgcr.com/archives/20200218110100.html
───────────────────────────────────

こんにちは。森和恵です。新型コロナウイルスの影響で、さまざまなことが起っていますね。後ろ向きな気分になってしまいがちですが、極力心を乱さないように、平常心で乗り切りたいなと思っています。

さてさて。年明けからスタートした「ふつテクPsAi」ですが、ここ2週間ほど更新がストップしておりまして……。

https://www.youtube.com/playlist?list=PL7LtdGFp5DwQefMEY17m-NFWV6FAGNYnI

というのも、次からのテーマを「カラー」にしてしまったせいで、調べても調べても話がまとまらない……という沼に陥っていました。

ここでは「カラーマネジメント」に必要となる知識を説明するつもりで、「RGBとCMYKの違い」「カラープロファイル」「アプリケーションのカラー設定」などを、専門家でなくてもわかるようにまとめたいなと思っています。

じつはわたし、ウェブ業界にくる前に、スキャナーやプリンタを扱うメーカーのインストラクターをしていました。

担当していた「スキャナープロフェッショナルコース」という授業では、「スキャナーから取り込んだデータをパソコンで加工し、思い通りにプリントアウトする」ために必要な機器の扱い方やソフトの設定を学ぶのですが、そこで必要になるのが「カラーマネジメント」だったのです。

とはいえ、2000年頃の昔話なので、いまでは状況ががらりと変わってきました。

デジタルカメラの普及にともなって、デジタルカメラから直接データを取り込むようになったり、ブラウン管のディスプレーから高解像度な液晶ディスプレーへと変わったりと、入出力機器が変わったぶん、カラーマネジメントの様子も変わってきました。

印刷をしないウェブ制作においても、グラフィックを制作するにあたって「カラーマネジメント」の知識は必須だと考えています。

今回は、カラーマネジメントってどういうこと? というのを調べた資料を見つつ、まとめてみようと思います。

●色と色が違うってどういうこと?

目の前にふたつの色があって、その色の違いを説明してくださいとなったとき、あなたはどんなふうに話しますか?

色の違いは、「色相(色合い)」「明度(明るさ)」「彩度(あざやかさ)」の3つの要素で説明できます。

【色合い、明るさ、あざやかさ。色の世界は、3つの要素の組み合わせ】
https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/section1/06.html

ただし、見たときの室内環境や人の主観によって差異がでるため、絶対的な指標が必要となります。そこで使われるのが「測色(そくしょく)」です。

測色計という機械を使って物質の色を計って数値化し、色差(しきさ)を正確に割り出すことができます。

【色相、明度、彩度に目盛りをつけると、色のモノサシ(数値化)ができます】
https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/section2/01.html

測色計では、「L*a*b*色空間(エル・エー・ビーいろくうかん)」という単位を用いて数値化を行っています。

【色彩測定について-濃度計のツボ】
https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/fluorescence_point/colorimetry/index.html

L*a*b*色空間は、L*(色の明度。黒←→白)/a*(緑←→赤)/b*(青←→黄)の3次元で色域(いろいき・色の範囲)を表します。

例えば「紅海老茶色(L*:32.154/a*:33.919/b*:19.398)」と「柿色(L*:58.757/a*:44.983/b*:39.69)」を比較すると「紅海老茶色は柿色よりもL*値が小さいので暗く、a*値とb*値も小さいので緑味・青味が強い」と言えます。

【柿色(かきいろ)の色見本】
https://www.color-sample.com/colors/47/

【紅海老茶(べにえびちゃ)の色見本】
https://www.color-sample.com/colors/90/

L*a*b*色空間は、自然界にある色を広くカバーするために、人間の目で見える色域よりも広く、大部分の色が架空の存在(自然界に存在しない理論上の色)です。また、特定のデバイスや環境に依存しない絶対的な色空間です。

●色空間の種類あれこれ

色空間(カラースペース)とは、色を座標で指定できる色の空間で、色を定量的に表すために定義されています。色空間が表現できる色の範囲を色域(いろいき)と呼びます。

L*a*b*色空間をはじめとして、さまざまな種類の色空間が存在します。

L*a*b*色空間がもっとも広い色域を持っていて、それ以外の色空間は狭くなります。絵画や美術品、デジタルデータ、印刷物と、用途に合わせた色空間が定義されています。

▼色空間 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2%E7%A9%BA%E9%96%93

★マンセル表色系(マンセル・カラー・システム):

マンセル表色系では、色相(Hue)・明度(Value)・彩度(Chroma)を用いて
色を表します。

1905年に発表された色を数値化するためのシステムで、美術やデザインの分野でよく用いられています。JIS標準色票(JIS Z 8721[三属性による色の表示方法])にも採用されています。

学生の頃、美術室においてあったり、美術の教科書に写真が載っていたりしたのが「マンセルの立方体」で、縦軸が「明度(Value)」、円周に「色相(Hue)」が配置され、横軸で「彩度(Chroma)」を表した立体の色見本表です。

【マンセル表色系|色の表わし方】
https://www.dic-color.com/knowledge/munsell.html

単位表記が特殊で「HV/C(色相 明度 /彩度)」と書きます。

先程の「紅海老茶」は、この色空間にどんぴしゃの色はなく近似色が「10R 2/6 , 5R 4/10 , 7.5R 4/8」となります。

紅海老茶の色見本のURLの先を見に行くと、「Munsell(JIS Approximate)」という項目にこの近似色の値が記載されています。

マンセル表色系に含まれるすべての色の見本は、以下のリンクからみることができます。

【マンセル表色系の色見本】
https://www.color-sample.com/popular/munsell/

★RGB色空間:

RGB色空間では、赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の三原色を混ぜて色を表現する、加色混合方式の色空間です。

テレビ、デジタル機器のディスプレイで用いられる色空間で、光の三原色と呼ばれます。R・G・Bのすべての色を最大値で混ぜると、一番輝いている「白」となります。

ウェブ制作で必須のCSSで用いられる「rgba()」関数では、このRGBを用いた指定方法となっています。

【RGB】
https://ja.wikipedia.org/wiki/RGB

- CSS】
https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/CSS/color_value

★CMYK色空間:

CMYK色空間とは、印刷物など、インキの組み合わせによって表現されるプロセスカラーの色空間です。

シアン(Cyan)、マゼンダ(Magenta)、イエロー(Yellow)の3色を混ぜたり、黒(K)を用いて色を表現する、減法混色方式で、すべての色を最大限混ぜると、暗い「黒」となります。

なぜ黒色だけ別にインキを準備するのかという理由は、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)を混ぜると黒に近い混色となりますが、完全な黒にならず、また、インク量が多すぎて扱いづらいため、黒を美しく表現するために黒(K)を加えて4色のインキを用いています。

通販印刷など、商業印刷の現場で用いられる色空間です。

【CMYK】
https://ja.wikipedia.org/wiki/CMYK

【プロセスカラー】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC

★HSV色空間:

HSV色空間では、色相(Hue)・明度(Saturation)・彩度(Value)を用いて色を表します。1978年頃発表されたもので、主にコンピュータ・グラフィックスの制作現場で用いられています。

RGBやCMYKと比較して、HSV色空間のほうが人間が色を認識する方法に近いため馴染みやすく、デジタルデータの制作現場では、HSV色空間を用いることが多いのです。

なお、PhotoshopのカラーパネルにあるHSB色空間、(色相(Hue)・彩度(Saturation)・明度(Brightness))と考え方は同一です。

【HSV色空間】
https://ja.wikipedia.org/wiki/HSV%E8%89%B2%E7%A9%BA%E9%96%93

●カラーマネジメントの世界

カラーマネジメントとは、パソコンを用いたデータ処理において、デバイス間の色の差異を少なくするように、色を管理することです。

例えば、「デジタルカメラで撮影した画像データをプリンターで出力する」には、画像の色域は「デジタルカメラから入力(RGB)→パソコンで処理→プリンターで出力(CMYK)」と変換されます。

ネット印刷にデータ入稿する場合は、パソコンで処理する最終工程で指定された方法で、画像データをCMYKに変換してから送ります。

オフィスにあるインクジェットプリンターで直接印刷する場合は、パソコンからプリンタードライバーを通してプリンターにデータを送る時に、ドライバーがRGBからプリンターのインキに合わせたCMYK変換をして出力します。

RGB色空間とCMYK色空間を比較すると、CMYK色空間の方が色域が狭いので、RGBからCMYKに変わる過程で色がくすみます。

【色域】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2%E5%9F%9F

このように入出力機器によって表現できる色域が異なるため、パソコンのディスプレイでみたものと、プリントアウトされたものの色味が違ってくるのです。

この入出力機器の色の差異を、できるだけコントロールしようとして生まれたのが「カラーマネジメントシステム」です。

macOSの「ColorSync」や、Windowsの「Windows カラー システム(WCS)など、パソコンのOSやソフトウエアに、カラーマネジメントシステムが組み込まれています。

【カラーマネージメントシステム】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0」

カラーマネジメントシステムでは、デバイスごとの色情報「ICCプロファイル」を用いて、絶対的な色空間として中心にあるL*a*b色空間を介して、相互の色変換をおこないます。

【カラーマネージメント環境構築のメリット】
https://www.eizo.co.jp/eizolibrary/color_management/improvement/

【ICCプロファイル】
https://ja.wikipedia.org/wiki/ICC%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB

カラーマネジメントを用いて正しく変換するには、OSのディスプレイ設定やデータを制作するソフトウエアのカラー設定で、使用デバイスに応じたICCプロファイルを正しく選ぶ必要があります。

適切なICCプロファイルが設定されている環境であれば、あとの色変換はカラーマネジメントシステムが肩代わりしてくれるという仕組みです。

2017年に「一般的な機器を持つ場合のPhotoshopカラー設定」について、動画を撮っていますので、合わせてご覧になってみてください。

【Photoshopのカラー設定】


ここでもうひとつ知っておきたいのが、同じ種類のデバイスでも、性能差で色域が違うということです。

じつは、「デジタルカメラ・スキャナー・ディスプレイ」などのデバイスや「OS・アプリケーション」の違いによって、対応しているRGB色空間が異なる場合があります。

幅広い機器で用いられる「sRGB」、macOSで用いられる「Apple RGB」、Adobeのアプリケーションで用いられる「Adobe RGB」、デジタルシネマ向けの「DCI-P3」、スマートフォンやタブレットで用いられる「Display P3」などです。

汎用性があって狭い「sRGB」よりも、広い色域を持つ「Adobe RGB」や「DCI-P3」の方が、色の再現性は高くなります。

例えば、デザインの現場で用いられるカラーマネジメント対応ディスプレイの場合、「Adobe RGBカバー率99%, DCI-P3カバー率98%」という、高い色域をもつものも販売されています。

【ColorEdge CG2420-Z】
https://www.eizo.co.jp/products/ce/cg2420z/index.html#tab02

このように制作環境によって色域に差が出るため、できるだけ広い色域のデバイスを用いることで、高画質なデータを扱うことができます。

一方、出力側のCMYKについても、印刷機器によって色空間が異なります。多くの印刷会社で扱うプロセスカラー印刷では、「Japan Color 2001 Coated」というICCプロファイルを用いていますが、近年「Japan Color 2011 Coated」というバージョンアップ版のICCプロファイルも登場しました。

また、CMYKのインクを高彩度なものに変更することで、RGBデータのまま入稿して再現できる印刷機器も出てきています。

出力側も、出力機器が対応する色域に差が生まれています。より色域の広い印刷機を用いることで、出力側の表現力も増えています。

【最新CMYKプロファイル「Japan Color 2011 Coated」がやっとPhotoshopに標準インストールされるぞ!知覚的と相対的の使い分けがこれまで以上に重要に!】
https://iwashi.org/archives/4440

【CMYK変換するとき CMYKカラープロファイルはどれを選べば良いか】
https://omoide-photo.jp/blog/cmyk-profile/

【ビビッドカラープリント】
https://www.graphic.jp/options/rgb/vivid_color#vivid_color

……というわけで、今回はここまで。カラーマネジメントの世界は広くて、まだまだ調べたり、実験しないといけないことは残ってそうです。

4K以上の映像作成に対するカラーマネジメントや、スマートフォンやタブレットのディスプレイに登場している広色域ディスプレイについてのカラーマネジメントは、情報も少ないみたいですね。

でもなんとか、次にコラムを書くまでには、このテーマでYouTubeに動画をアップしたいと思います。少しずつしか進みませんが、進めばいつか終わると信じてがんばります。

ではまた、次回お目にかかりましょう!
(^^)


【 森和恵 r360studio ウェブ系インストラクター 】
mail: r360studio@gmail.com
YouTubeチャンネル: https://youtube.com/r360studio
サイト: http://r360studio.com/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記(02/18)

●偏屈BOOK案内:飯間浩明・金井真紀「日本語をつかまえろ!」

人呼んで「ことばハンター」、「三省堂国語辞典」の編纂委員と、文筆家&イラストレーターが、身近にある気になることばの面白さをつかまえにいく100話。見開き1話、読みやすく分かりやすい本文と、これまた絶妙のイラスト。「毎日小学生新聞」の連載をまとめたものだが、大人だって充分楽しめる。

日本語の中で音の数が一番多いことばは? ある国語辞典によると「郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」という独立行政法人で、全部で38音(ちょ、は1音)。ふーん。国の名前で一番長いのは「グレートブリデンおよび北アイルランド連合王国」で何と27音。英国の正式な名前である。

落語の「寿限無」は、あまりに長い名前でみんながその子を呼ぶのに時間がかかってしまう話だが、パブロ・ピカソの本当の名前は、パブロ・ディエゴ……以下延々続き、ルイス・イ・ピカソで終わる、カタカナとナカグロを合わせて92字(諸説あり)。暗唱すればクラスの人気者になれる(かもしれない)。

しりとり。「る」で終わる言葉を出せば、相手はそうとう困るはずだ。「る」のつく言葉は非常に少ない。ルーレット、留守、ルビーくらいか。「る」攻撃されたときのために覚えておこう。ルーキー、ルージュ、ルッコラ、ルバーブ、るり色など。「猿」と必殺「る」攻めが来たら、必殺「る」返しは「ルール」!

日本語は頭に「し」がつくことばが多い、途中や最後にも「し」がよく出てくる。落語の「しの字ぎらい」では、生意気な使用人をこらしめようと「これから『し』を使わず話そう」と主人が提案。「し」を使わない会話は本当に難しい。主人はうっかり「しぶといやつだ」と言って負けてしまう。筆者は「毎日小学生新聞」編集部と「し」を使わないメールのやりとりをした。難儀だった。

一番よく使われる音は「い」。使用禁止されたらえらいことに。想像してみよう。難しい漢字といえば「壽」がある。「ことぶき」と読めるが、書けない。「さむらいのふえは、一インチ」という覚え方がある。この字を分解すると、「士、フ、ェ、一、口、寸」となる。士は武士の士、口・寸をあわせてインチと読む。もっと難しいのが「龜」かめ、書き順も複雑、覚えるしかない。

「分かりみが深い」という言い方が一般化したそうだ。「本当にその通りだと思う」という意味だが、普通に言うとストレート過ぎるので「分かりみが深い」とまわりくどい表現をする。「み」は気持ちを直接的に表現したくないときに便利に使われるという。初めて知ったが、品がないな。放送・芸能界用語か。

読者対象が小学生の新聞に掲載されたものだが、G3が読んでもなるほどねーと楽しめる。国語は小学生にとって「一番きらい」の割合が目立って多い科目だという。わたしは小中高通して「一番すき」だった。算数、数学は「一番きらい」だった。高校で国語は学年トップをとったことがあるが、数学は2年、3年の進級時に追試を受けた。男は同じ2人、女子は30人くらいいた。(柴田)

「日本語をつかまえろ!」文・飯間浩明 絵・金井真紀 毎日新聞出版 2019
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4620326119/dgcrcom-22/


●「極上はちみつ紅茶」。友人から、いまはまっているの、飲んでみて、と貰った紅茶のティーバッグ。

紅茶専門店のラクシュミー(Lakshimi)のもので、包みの上からでも、はちみつの香りがふわっと。ティーバッグ形式ではちみつって、どういう仕組みなんだろうと疑問に思ってたら、はちみつパウダーなるものがブレンドされているらしい。

お湯を入れてみると、すぐに色がつき、はちみつの香りが強くなる。飲むと、超甘い。砂糖不要。ちゃんと紅茶の味もして美味しい。手間かからないし、疲れている時に、すっごくいいわ、これ!

直営店は神戸。INOBUNや成城石井でも売っているみたい。(hammer.mule)

極上はちみつ紅茶
https://lakshimi.shop-pro.jp/?pid=7995111

お店は神戸。トアロード
https://lakshimi.jp/

極上はちみつ紅茶はいかが?(INOBUN)
https://www.inobun.co.jp/blog/temmabashi_kyobashi/?p=7495

人工甘味料は入っているみたい。アスパルテームだって。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B013OSZVC6/dgcrcom-22/

パルスイートと同じっぽい。
https://www.ajinomoto.co.jp/question/okyakusama/pal/
砂糖は自分で入れられるようにしてくれたらいいのに〜