[4968] ゆとり料理その後◇小川てつオくんのこと◇今こそ「普通」を見直す時

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《独学を前提とした学び》

■装飾山イバラ道[263]
 ゆとり料理その後
 武田瑛夢

■Scenes Around Me[68]
 小川てつオくんのこと[1]
 詩人小川てつオ・居候ライフ・誕生会の写真(2001年12月16日)
 関根正幸

■crossroads[82]
 今こそ「普通」を見直す時
 若林健一
 



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■装飾山イバラ道[263]
ゆとり料理その後

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20200310110300.html

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外へのお出かけも控えている昨今、前回購入したことを書いた電気圧力鍋での料理の、その後のことを書かせていただく。食べて免疫力を上げる作戦だ。

母もやわらかい食べ物を好むようになっている。というか、やわらかいものしか食べない。圧力調理は食べ物をやわらかくするのに向いているので、今回購入したショップジャパンの電気圧力鍋「クッキングプロ」は持ってこいだ。

●成功と失敗

豚軟骨と大根の煮物、カレー、サラダチキン、ローストビーフなどを作った。ほとんど上手くいったのに、ローストビーフだけが失敗だったのは残念。これは肉選びがそもそもダメだったみたいなので、必ず再挑戦する予定。失敗が怖くて高い肉を避けたのが、一番の失敗(笑)。

胸肉のサラダチキンが驚くほどやわらかくて上機嫌だったので、お安い牛肉でも大丈夫と油断したのだ。ステーキだってカレーだって、良い肉の方が美味しいに決まっている。そうでもないお肉を化けさせるためには、もっと練習を積む必要があるのかもしれない。

サラダチキンは低温のスロー調理で作ったのがうまくいった。湯煎が可能な食品用ポリ袋を使う方法。WEBで検索すると見つかる。これは炊飯器の保温でも可能で、私もローストビーフを炊飯器で作ったことがある。

失敗だったレシピ本のローストビーフは、圧力調理だったので、表面を焼いてから低温のスロー調理をする方法で、次は作ってみるつもりだ。

作った回数が多いのは、大根系と豚肉煮込み系とパスタ。二つに折った短いパスタが案外食べやすいという発見もあった。

機能上で気になった点は、以前も書いた(煮込み・炒め)ボタン。食材をまず炒めてから煮込みたい時に便利だけれど、3分で自動的に切れてしまう。電子音がなるのでキャンセルボタンを押してから、もう一度スタートを押して、炒めを繰り返す。

この(煮込み・炒め)ボタンには温度設定がないので、多めの量だと油のハネが気になった。おそらく私が多すぎる量を入れているのだけれど、調整可能だったらと思う。

レシピで水を入れるものでも、沸騰するまで結構時間がかかるので、熱湯を使うというのもコツのようだ。YouTubeやWEBで紹介している人のほとんどが、お湯を用意して時間短縮をしていた。

圧力鍋なのでジャガイモなどの根菜類は、とても美味しく調理することができる。大きなお肉もレシピが大抵500gぐらいなので、ちょうど良い量を作ることができる。スーパーのお肉2パックか大きめ1パックで、それぐらいになる。

●自由になる時間

料理全般に、クッキングプロのボタン操作はものすごく簡単だ。どの料理でも食材を切る工程が、一番自分の手間と時間を使う印象。

切って調理料を入れてボタンをセットすれば、もうその場を離れることができる。出かける前に食材をセットして、夜帰ってきた時に料理が出来ているという使い方はまだしていない。

ガスで圧力鍋を使っていた時の、火の番的な作業がないのでキッチンに立つ時間は減った。そして食事のメニューを考える時にも、クッキングプロで作れるものにしようと思うことが多くなった。

これはスーパーでの買い物の時点から既に始まっていて、大きくて量の多い野菜を買う勇気みたいなものが復活したと思う。まとめて作ってしまえば、野菜を使いきれる気がするのだ。

キッチンではなく、食事をするダイニングテーブルで料理ができるのはとても幸せ。お鍋の時に使うIH調理器も、パンケーキや焼肉の時にダイニングテーブルで使うけれど、それとは違うほったらかし感覚だ。調理ロボットに近い感覚なのかもしれない。ゆとりは確実に生まれていると思う。

通販番組で買い込んでいた、冷凍もできるタッパーのような保存容器は、いつも半分以下しか出番がなかった。だいたい通販番組の保存容器のセット数って、多すぎる。いつもなら15コでこの値段ですが、今回は30コで同じ値段です!とかってヤツ。量はいらないから値段が安い方がいいのにと思う(笑)。

今は料理を作って保存するのにハマっているから、この保存容器を使う。それでもやっぱり、そんなに量はいらないなぁ。

●未来の全自動調理器を想像する

今は既にむかし想像した未来が来ている。電気圧力鍋はまだ、調理ロボットと言うには早いかもしれない。

全自動洗濯機のような、全自動調理器とは一体どのようなものだろうか。試しに「全自動調理器」で検索したら、シャープのヘルシオホットクックとクッキングプロが目立って出てきた。

シャープのヘルシオホットクックは、加熱中に鍋の中身をかき混ぜてくれるらしい。ヘラみたいなものがフタについている。これの方がより調理ロボットっぽい。

私の考える「全自動調理器」のイメージは、野菜を丸ごと放り込むと料理が出来るようなもの。それはあまりにも大変だろうか。

もう少し歩み寄って、大根やジャガイモ、ニンジンの皮をむいて、だいたいの規格サイズに大きく切ったものを、冷蔵庫に入れて保存しておく。ここから、肉じゃがやカレーを選択すると、適量の食材を選び出して調理をしてくれるものなら便利だ。もう冷蔵庫に調理器がついているイメージ。

野菜は冷蔵庫のストックがなくなったら、冷凍庫のものを自動的に使う。調味料も冷蔵庫のストックから自動的に入れる。洗濯機にセットできる洗剤と柔軟剤のように。

全自動調理ロボットから、完成料理が出てくる未来。そうなると、これは一体誰の料理なのだろう。私が作ったと言えるだろうか。夫が美味しいと喜んでくれたとして、それは嬉しいのだろうか。

私はまだまだ未熟なので、自分の成果としての料理を作りたいのだ。美味しいと褒められれば嬉しい。自分の工夫が味に反映されれば、頑張った甲斐があると思う。

そこまで調理器が進化していない今だから、あれこれ下準備が大変だけれど、今のこれぐらいでちょうどいいなと思う。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


母がまとめてあった書類や手紙類の整理を手伝った。郵便受けに入っていたという広告類の多さに驚く。水道管修理関係の広告マグネットが、笑えるほどたくさんあった。そして意外だったのがマスク。テッシュに広告が入っているものに似たタイプで、一枚のマスクに広告の紙が入っている。

私のマンションでは、郵便受けの前に管理室があって、広告がほぼ入らないのでこういったものは知らなかった。今はマグネットよりもマスクの方がありがたいので、これは捨てずに取っておく。結構前のものだろうか。


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■Scenes Around Me[68]
小川てつオくんのこと[1]
詩人小川てつオ・居候ライフ・誕生会の写真(2001年12月16日)

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20200310110200.html

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今回からしばらく、小川てつオくんとの思い出について書くことにします。2008年頃までのてつオくんの活動については、以下のリンク先に紹介されています。

http://kyototto.com/books/tetuo


リンク先にあるように、てつオくんの活動は多岐にわたっていて、私も様々な機会に写真を撮っています。

しばらくは、それらの写真をある程度いきあたりばったりに紹介していくことになると思います。



小川てつオくんを初めて見かけたのは、高円寺岡画郎の定例会でした。

この時、てつオくんは自ら「巨匠」と名乗っていたことを覚えています。

これは「巨匠」という言葉が通常、他人を形容するための言葉であることを逆手に取って「巨匠」を自称したのだと思います。

てつオくんは当時、ブレーンの一人として、岡画郎に関わっていました。

てつオくんと岡さんが知り合ったのは、上のリンク先にある、1990年のロシアノーパンギャルズの頃だと思いますが、私が彼らと知り合う前のことなので、残念ながら詳しいことは分かりません。

ただし、てつオくんの名前は岡画郎に行く前から目にしていました。

というのも、1994年頃、巻上公一さんが企画した「John Zorn’s Cobra」を見に渋谷のラ・ママに行った際、受け取ったフライヤーの束の中に「小川てつオ今月の詩」が入っていることに気付いたからでした。

もちろん、フライヤーの多くは近日中に行われるライブの告知をしていました。その中にあって、両面にみっちり詩が書き込まれている以外、目立った情報のない紙を見つけて、これは一体なんだろうと訝しんだ覚えがあります。

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このことからも分かるように、てつオくんは詩人としても活動していました。

今でも私は、詩人の阿賀猥さんが発行していた同人誌「JO5」の「馬鹿の手口」と題された号を持っています。

現在、その号は部屋のどこかに紛れ込んでいるため、詳しい内容は記憶に頼るしかありませんが、同人の詩人を二人組にして、詩の対決をさせ、互いの詩を評論するという企画だったと思います。

てつオくんは和合亮一さんと組になっていました。

そこで、てつオくんは「犬風呂」と題された、お湯の代わりに沢山の犬で満たされた風呂に入った、という内容の詩を発表したのを覚えています。

ちなみに、和合亮一さんの名前はその時初めて知りました。

しかし、和合さんがその後、中原中也賞を受賞されて、現在も著名な詩人として活動されていることは2011年の「プロジェクトFukushima!」の開催まで知りませんでした。

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1996年のことだと思いますが、てつオくんは当時一緒に暮らしていた彼女のアパートが取り壊されることになったのを機に、アパートの部屋で展覧会を行いました。

展覧会の写真は一枚だけ撮ったのですが、今回、ネガを見つけることは出来ませんでした。

その後、てつオくんは自分の部屋を持たずに、いろいろな人の家を居候だけで過ごすという活動(居候ライフ)を始めることになります。

居候先でてつオくんは、家主と共同でミニコミ「居候ライフ」を製作しました。

ミニコミは、上であげた「今月の詩」と同様の形式で、B4サイズの紙の両面を一号分として、てつオくんの日記的な文章と、家主とてつオくんの筆談が掲載されました。

「居候ライフ」はてつオくんが居候をやめて、代々木公園でテント生活を始める2003年まで続いたと思います。

一時期、「居候ライフ」のアーカイブをネット上で見ることができたのですが、現在どうなっているか分かりません。

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今回は2001年12月16日に行われた、小川てつオくんの誕生パーティーで撮影した写真を紹介します。

当時、てつオくんは誕生日(12月14日)の前後に居候先の慰労会も兼ねて、パーティーを行なっていました。

2001年の誕生会は、その時の居候先だったカメラマンの本多晃子さん宅で行われました。

本多さんも当時、行徳にある阿賀猥さんの持ち家を借りて、住んでいたと思います。

パーティーは前日の土曜日から始まり、何人かは泊まりで参加したようですが、私は日曜日に行徳に向かいました。

本多さん宅の室内には、本多さんが仕事で撮影した写真が展示されていましたが、それらは写真には撮りませんでした。

私がもっとも興味を惹かれたのは、庭に設置されたドラム缶風呂でした。

https://live.staticflickr.com/65535/49626156148_3889f01a0b_c

ドラム缶風呂に入るてつオくん。

ドラム缶は、前日の晩に湾岸付近まで車で出かけて、廃棄されたものを運んできたようです。

ただ、途中で縁石に乗り上げたらしく、自分の車のバンパーにキズが付いてしまったと、本多さんは落ち込んでいました。

https://live.staticflickr.com/65535/49626954067_2e32e13a75_c

ドラム缶風呂から出ようとするナナくん。

https://live.staticflickr.com/65535/49626948347_d552528f4e_c

シャンプーハットを被り、パジャマ姿で踊る岡ガロウさん。カメラがマニュアルフォーカスになっているのを気付かず、ピントが後ろに抜けてしまいました。


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://sekinema.com/photos


1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔


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■crossroads[82]
今こそ「普通」を見直す時

若林健一
https://bn.dgcr.com/archives/20200310110100.html

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若林です、新型コロナウイルス感染症の影響で、政府から学校の休校要請がでましたね。地域によって少し違いはあるものの、多くの学校が休校措置を取っているようです。

休校にあたり、駆け込みで卒業式を段取りする先生、休校中に学習するためのプリントを用意する先生がいらしたそうで、先生方も大変だったことでしょう。

ただ、今回のことは予想の範囲内にあったことではないのかなとも思います。9年前の今頃、大きな地震で日常生活が大きく崩れました。あの日、あれだけ大きな地震が来ることを誰も予測できなかったけれど、今回のことは措置のひとつとして想定できたのかもしれません。

政府の決定が急すぎるという批判ももちろんありますが、私たちひとりひとりが明日も「普通の生活」ができているわけではないことをあらためて思い出し、「普通」を見直す必要があると思います。

毎日学校に行くことが普通、時間割通りの授業をするのが普通。だから、休校措置になった今回も今までの「普通」レベルになるように、自宅学習用のプリントを用意したり、オンラインの学習コンテンツが無料開放されるといったことが行われています。

それぞれの取り組みが悪いことではありませんが、それで平常時と同じことができるのか? というと無理ですし、長い人生のスパンで考えれば一か月分の勉強ができなかったとしても、大きな影響があるとは思えないです。

であれば、今私たちがやるべきことは「普通」を見直すことではないかなと思います。

今の学校のスケジュールはあまりにもタイト過ぎる。毎日学校に来ることが前提、時間割通りの授業をすることが前提なので、それが少しでも崩れるとあっという間に「普通」を維持できなくなります。

学力が低下したとして悪評の高い「ゆとり教育」ですが、今の状況を考えれば「ゆとり教育」以上のゆとりを持った学校教育、「超ゆとり教育」を考えていかなければならないと思います。

もちろん、かつての「ゆとり教育」と、ここでいう「超ゆとり教育」はその目的と趣旨が違いますが、学習内容を詰め込まなければならないという考え方を捨てようという意味では同じです。

これを実現するために提案したいのは「独学を前提とした学び」です。

つまり、学校では各単元で必要最低限のことをやり、その先は各自が独学でやるという学びの進め方です。

今は学習コンテンツが簡単に手に入る時代です、ネット上でも書店でも多くの学習コンテンツを手に入れることができます。もちろん、学校の教科書を使っても構いません。自分で学ぶ環境を手に入れることは可能です。

学校で学んだことをベースに、自分がもっと探求したいテーマを選んで、それを深く学んで行く。深く学ぶ部分については、どんな教材を使うかはそれぞれで選びます。もちろん、教育のプロである学校の先生のアドバイスもいただきます。

このようにして「学校でやらなければならないこと」の量を減らし、子どもたちが興味・関心のある部分について深く学んで行くことが両立できる。学びの進度が異なる子どもたちを、無理に揃える必要もありません。学校でやることが減る「超ゆとり」だけど、子どもたちの学びの深度は深まります。

これを実現するために必要なことは、

・各単元の内容を学習者(子どもたちです)の興味・関心をひく形に変える。今まで通りのドリルや漢字練習では子どもたちの興味・関心はひけません。子どもたちがそれをやりたいと思えるテーマ設定が必要です。

・通知票の評価をやめる。それぞれで学習の深度が違うわけですから、全員を同じ基準で評価するのは無理です。だから、通知票の評価も意味がないし、先生の負担が上がるだけだからやめちゃいましょう。

・今まで以上に大人がサポートする。もちろん、小学生に「ひとりでやれ」といってもやらないので大人のサポートが必要です。先生の役割も変わっていくでしょう、先生だけではサポートできないこともたくさんでてくるでしょうから、先生以外の大人のサポートが必要になってきます。

子どもたちも自主的に学ぶ習慣ができたり、自宅で学ぶ環境ができるでしょう。同じテーマを一緒に学ぶ仲間も見つけられるかもしれない。

学校の先生からは「お前は教育をわかってない」と言われるかもしれませんが、僕の中ではいいことづくめです。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」この騒ぎも終息してしまえば、みんな元の日常に戻って行ってしまいます、今まさに「普通」を見直すべきなんじゃないかな。


【若林健一 / kwaka1208】
https://crssrds.jp/aboutme/

子供のためのプログラミングコミュニティ「CoderDojo」
https://crssrds.jp/CoderDojo/


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編集後記(03/10)

●偏屈BOOK案内:「スター・ワーズ 星新一の名言160選」

しゃれたタイトルである。関係者なら容易に考えつきそうだけど。星新一の臨機応変、絶妙なセリフ、コメントは現場にいた人たちから絶賛されたものだが、この本では星の著作の中から選び出したものだから、けっこう普通に理屈っぽく、まともなものが殆どで、正直いって退屈であった。違うだろーという感じ。

「最近発明した愚行に、語呂合わせがある。三大Qとはなになにだか知っているか。オバキュー、モンテスキュー、バーベキューだ」といった調子。語呂が似ていて、まるでちがうものを三つ集めるのである。ハナサカジイサン、チンパンジイサン、ファンタジイサンで三大じいさんというのもある」いいね。

これらは知っていたのでうれしかったが、他の名言とやらは意外にまとも過ぎて退屈なのだ。「長寿者なんかが『長生きのこつは簡単です。きょう一日を死ななければいい』などと名言をはいてくれればいいのだが、そもそも、ほかに方法はないではないか」「たぶん『あなたは長生きする』と催眠術を定期的にかけてもらえれば、好結果を示すのではなかろうか」うーむ、面白くないな。

「第三者を話題にするには、注意がいる。回り回って本人の耳に入っても、なにかプラスになるものでなくてはならない」「事態の悪化という現象は、すべてよけいなおせっかいからおこる」「親ごころ以上に強い力が、この世の中に存在するだろうか」うーむ、なんてまともなんだ。「『アレが空飛ぶ円盤か』と聞くと『そーさー』と答える、というのはどうだろう」ホントに星新一?

星新一の膨大な作品群から、大人になる前の若者たちの心に響く警句みたいなものを掘り出す作業は大変だっただろうが、あまりピンと来ない。わたしが年寄りだからか。星新一の会話が面白いのは本当で、小松左京や筒井康隆が星と会って話したとき、笑いすぎて死にそうになった。でも、何の話をしたのか思い出せなかったという。この本を編集した江坂遊の好きな言葉は以下のとおり。

1)今年もまたごいっしょに九億四千万キロメートルの宇宙旅行をいたしましょう(年賀状)2)信念があれば、幸福もある 3)われわれが過去から受けつぐべきものはペーソスで、未来に目指すべきはユーモア ……まとも過ぎて溜息がでるわい。気に入ったのは「事態の悪化という現象は、すべてよけいなおせっかいからおこる」「恐怖は人をお喋りにする」くらいか。我ながら偏屈。

「江坂遊のショートショート道場」では、星マリナ(星新一の娘)が書いたショートショートを、江坂が批評する往復書簡みたいな構成。ショートショートが方程式だとすると、A)これ以上削れないほどすっきりしていること B)誰が解いても同じ答えが出ること だそうで、これには納得。しかし、昔からの星新一ファンは落胆、わたしの評価は☆(星ひとつ)の安易な企画。(柴田)

「スター・ワーズ 星新一の名言160選」星新一・星マリナ著 江坂遊 編 樹立社 2010
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901769499/dgcrcom-22/



●電気圧力鍋欲しいなぁ。普通の圧力鍋は持っているが、タイマーがあるのはいいなぁ。精算金額に応じてもらえるシールをためると、ほぼ半額で買える電気圧力鍋がある。性能や使いやすさはどうなんだろう……。

/火事続き。ほぼ鎮火しているが、もう少し待って欲しいとのことだった。

その後も、役員風な人が「寒がっている人がいるが、ロビーに戻っていいのか(ロビーは安全なのか)、エレベーターは動くのか」などと質問してくれ、マイクを通して避難者らに通知された。

近くで、火災現場のフロアの住人らが固まって会話をしていた。若めの男性ばかり。ドア開けたら煙だらけでびびった、ペットは連れてきた、無事で良かった、などなど。顔見知りみたい。(hammer.mule)

キッチングッズコレクション
https://www.kinshostore.co.jp/html/_data/banner/big_20200206_kitchen