羽化の作法[103]現在編 コロナ騒動から生まれたアート/武 盾一郎

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●予想以上にシリアスな展開に……

前回から二週間ですが、コロナ騒動が想像以上にすごいことになってますね。

フランスでも店舗が閉鎖になってるようです。
滞仏日記「全仏、休校に続いてついに飲食店、クラブ、商店などが閉鎖に」
https://www.designstoriesinc.com/jinsei/daily-472/

スイスでも。
https://www.swissinfo.ch/jpn/society/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9-%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9-%E6%9C%80%E6%96%B0%E6%83%85%E5%A0%B1/45591162

ヨーロッパ全土が非常事態になってます。

パンデミックの「中心地」欧州、人が消えた街(字幕・16日)





そんな中、イタリア各地で住宅の窓やバルコニーから音楽を奏でる動画がTwitterやFacebookに出回っていて、一筋の光を感じさせます。

「新型コロナで外出禁止のイタリア、人々はバルコニーで歌って励まし合った(動画)」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/italy-sing_jp_5e6c88c5c5b6747ef11d7159

「新型コロナウイルス対策で全土封鎖に踏み切ったイタリアでは音楽が国民を支える」
https://gigazine.net/news/20200315-italy-fighting-coronavirus-music/

アカペラだったり、オペラだったり、アコーディオン、ギター、DJ、様々な音楽をみんなで楽しんでいます。まさに文化が生まれる瞬間って感じです。さすが芸術の国イタリアですね。

芸術はよっぽど暇とお金と心の余裕がないと生まれないのではなくて、生きることに必要なものなんだ、と見ているこちらが励まされます。

休校、閉店、検査などの対策が国によって違うのがとても興味深く、それをリアルタイムで知れるのはありがたいものです。

国家の威信をかけた戦いが、まさに今コロナ対策で発動されている。ある意味、国家対抗オリンピックである。

どこの国がもっとも風土にマッチした合理的な判断をしてるのか? 結果は数年後の国家経済状況で明らかになります。コロナ対策の良し悪しが、モロに出ると思います。

果たして我が国の対策は吉と出るか凶と出るか。

●本性があらわになる

経済が個人のレベルでグローバルになってますよね。インターネット・テクノロジーを生活インフラに置くほど、「国家」の必然性は薄くなる。

国家とは舞台裏で的確に機能していればいいのであって、しゃしゃり出て来て欲しくない。しかし、そうなってくると反動として「ナショナリズム」が台頭する。

小競り合いはあるものの、この振幅は螺旋を描き「アウフヘーベン」している。多分。

しかし、このコロナ騒動で「国家」が急に姿をあらわにして来ました。それはまるで地中に埋められていた巨神兵が、不格好な姿のままドロドロと地上に這い上がって来たかのようです。

国家の本質とは何か? ひとことでいえば、良くも悪くも「暴力装置」です。

学校も店も地域も閉鎖するとは「戒厳令を敷く」ようなもので、これは国家による暴力に他ならない。

「国家」がむき出しになる状態、これはもう「戦争」である。

ただ幸いなのは、課題が「新型コロナウィルス」で全世界共通してるところ。

「宇宙人が攻めて来たらきっと人類はいがみ合ってる場合じゃなくなるので、助け合うだろうなあ」なんて思ったことあるでしょう? そんな新しいタイプの戦争です。

でも、ちょっとおかしいのは、悪しき状態とされて来た「ひきこもり」が、ここに来て推奨されていることです。

本当はものすごく大多数の人たちが、学校や会社に通いたくなかった。本当はひきこもりたかった。しかし、表立ってそれを言えず我慢してきた。それ故にひきこもる人をことさら非難していた。

その膨大な想念が新型コロナウィルスとなってこの世に現れて、世界を「ひきこもり化」に向かわせた、なんて想像してしまうほどです。

この騒動をきっかけに、「ひきこもり」はマイノリティではなくなるでしょう。ひきこもりのあなた。もう自分を責めないで。後ろめたく思わないでください。

「非常事態はパニックになる」と思いがちですが、狂うのではなくむしろ本性が露呈し、自分のやりたいことに気がつく機会になります。3.11の時もそうでした。

ところで、冒頭で「バルコニー音楽」が花開いてるイタリアを紹介しましたが、日本ではそういったムーブメントがないのでしょうか?

あります。これです。

●コロナ騒動から生まれたアート

◇妖怪「アマビエ」
https://i.pinimg.com/originals/c2/0c/fb/c20cfb5b5af4ce19576192975138454a.jpg

江戸後期に熊本に出現した妖怪で、海中に光る物体が出没していたため、役人が見にいくと姿を現した。とのこと。人魚のようなカッパのような感じですね。

で、ここからが肝心なのですが、この妖怪、『疫病が流行したら自分の姿を写して人々に見せるように』と伝えて、海中に消えたそうなんです。

「アマビエ」より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%93%E3%82%A8

このお話が元になって、アマビエを描いてSNSにアップさせることが流行しています。絵だけではなく、ぬいぐるみなどの立体もあります。

『妖怪「アマビエ」とは? 新型コロナウイルスの沈静化を祈ってイラストを描く人が続出』
https://www.huffingtonpost.jp/entry/amabie_jp_5e675a75c5b68d61645a5151

Twitterのハッシュタグ #アマビエで、いろいろ見られます。
https://twitter.com/hashtag/%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%93%E3%82%A8

また、Instagramのハッシュタグ #amabie でも見れますね。
https://www.instagram.com/explore/tags/amabie/

私も「このビッグウェイブに乗らなくては!」と思ったのですが、まだ乗り損ねています(笑

ネットでのムーブメントはイラストだけではないようです。こちらはクラシック音楽(?)です。

◇Coronavirus Etude


どんな曲なんでしょうか? 演奏している動画もあります。アップしてる人が徐々に増えてるようですね。

「Coronavirus Etude - for Piano and Disinfecting Wipe」


演奏者によって楽譜の解釈が違うところが、クラシックの醍醐味です。上の演奏とはまたちょっと違っています。

Coronavirus Etude. for piano and disinfecting wipe


ちなみに、先ほどの『コロナウィルス エチュード』の楽譜ツイートには #coronapocalypse(コロナ黙示録)というハッシュタグがありますが、これ地味にトレンドになったりしてるようです。

そしてもうひとつパロディ絵画を紹介します。

◇名画パロディ

こちらの「The Art」というFacebookページで見つけました。
https://www.facebook.com/The-Art-1766194410274684/

ではご覧ください。

『The Art in The Times of Coronavirus』

https://www.facebook.com/1766194410274684/photos/pcb.2781952155365566/2781952002032248/

https://www.facebook.com/1766194410274684/photos/pcb.2781952155365566/2781951992032249/

https://www.facebook.com/1766194410274684/photos/pcb.2781952155365566/2781952035365578/

https://www.facebook.com/1766194410274684/photos/pcb.2781952155365566/2781952062032242/

https://www.facebook.com/1766194410274684/photos/pcb.2781952155365566/2781952048698910/

https://www.facebook.com/1766194410274684/photos/pcb.2781952155365566/2781952045365577/

ちなみに絵の原作はこちらです。

『最後の晩餐』レオナルド・ ダ・ヴィンチ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%99%A9%E9%A4%90_(%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89)

『ヴィーナスの誕生』ボッティチェリ
https://artsandculture.google.com/asset/the-birth-of-venus/MQEeq50LABEBVg?hl=ja

『ラス メニーナス』ベラスケス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%B9

『絵画芸術の寓意』(アトリエの画家)フェルメール
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B5%E7%94%BB%E8%8A%B8%E8%A1%93_(%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E7%B5%B5%E7%94%BB)

『メデューズ号の筏』ジェリコー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA%E5%8F%B7%E3%81%AE%E7%AD%8F

『1808年5月3日、プリンシペ・ピオの丘での銃殺』ゴヤ
https://www.musey.net/325

楽しんでいただけたでしょうか?

では最後にこちらのデザインをお楽しみください。



(つづく)


【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/断酒68日目】

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3月21日(土)13〜18時
『スプリング・エフェメラル〜金色野原のめぐり逢い〜』展
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“またあおう”

スプリング・エフェメラル

ある春の日

突然出逢った

金色野原の

永遠の友達

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◎装丁画を担当しています! 『星野智幸コレクション・全四巻』(人文書院)

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星野智幸コレクションII サークル
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星野智幸コレクションIII リンク
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星野智幸コレクションIV フロウ
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