装飾山イバラ道[264]令和2年3月の今/武田瑛夢

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今年の初心を書いてから数か月、想定していなかった事態がやってきている。令和2年、オリンピックイヤーに期待していた気分とは真逆のものだ。今日はいつもと違って、この時期の忘備録というか、気持ちの記録として書いてみたいと思う。

この緊迫感は2011年の3.11の時を思わずにいられない。





●あの時見た真逆の景色

あの時、寝室の小さなテレビで、ニュース番組を24時間消すことができなかった。何が起こったのか、これから起こるのか、リアルタイムに見ていないと気が気でない状況。

福島の原発から自宅がどのくらい離れているか、色分けされた同心円が書かれた日本列島の地図を見ながら震えた日々。私は東京在住なので、もしもの時には大阪へ逃げようかとか、夫と相談していたのだ。実際にその後、うちのマンションから引越していった方もいた。

テレビでは信じられないような被害が刻々と伝わってくる。学者たちの言う事も、信じられるもの、疑わしいもの、そもそも理解できないものが多かった。慌ててWebサイトで原発について調べたところで、拾い集められる知識にも限界があった。

何日も緊迫した状態が続いた。そんな時にCSの海外テレビを見てみると、いつものように私が好きな「アメリカン・アイドル」が放送されていた。

私が大好きな、ここでもクドいくらいに記事にしたアメリカ版スター誕生番組。その時は冒頭に災害に見舞われた日本を励ます言葉があったぐらいで、後は平常通りの華やかな放送が始まった。

キラキラしたライトの中で、歌やダンスの派手な番組が進む。あまりのギャップに最初はショックだったけれど、日本以外の元気な海外の様子に、私はとても励まされ癒された。

あぁ、地球は大きくて良かった。何ともない場所がこんなにある。今日本は大変だけれど、大丈夫だ。そんなふうに思ったのだ。

しかし、今年のこの状況はあの時に比べると、かなり違う。不安も悲しみも、今や全世界に広がってしまった。

●情報への触れ方

テレビでもSNSやYouTubeでも、リアルタイムに情報が入ってくる。未知のウイルスに対しての対策も、新しい情報で少しづつ変わる。

テレビで言っていることを疑う人も多く、簡単に一つの情報に流されない社会になってきているとは思う。Yahooのニュース記事も、下の欄で一般の方のコメントが読めるので厳しい意見や、反対の考え方を目にすることも多い。

人々が実のところどう思っているのかが、知ろうと思えばすぐに近づけるようなネットの仕組みができているのだ。

私もYouTubeでウイルスのことばかり調べていたら、上位に上がってくる動画が病気や世界不安のことばかりになってしまった。どっぷりだ。注目しているものに似た動画が上に来る仕組みだからだ。

もっと明るい未来への考え方を提案しているものを見続けていると、全体的にそんな動画が多く目に入ってくる。どこにフォーカスするかで、この世の見え方が変わるということがよくわかる。

私は今までYouTubeのデカ盛りや大喰い動画もよく見ていたのだけれど、ここのところ見ていなかった。真逆の食料問題の動画を見ていたからだ。日本の食料自給率の低さは、今こそシビアな問題として考えねばならない。

しかし、昨日は気分を変えて、再びデカ盛り動画を見てみた。いつも通りに食べ物を元気に真剣に食べる人々の動画を見て、とても元気をもらえた。

まったく違うものをあえて見て、安心したいのかもしれない。今の状況の感じ方は人それぞれなので、自分以外の人の活動に触れるのは別の刺激になる。

●いま必要なもの

日常では、自分にとっていらないものといるものが、明確に分かるようになってきた。ただ、いらない洋服を沢山捨てるつもりだったのを一旦やめて、いらない書類を沢山捨てるつもりだ。文書類ってほぼいらないのだ。溜めておいて、後で捨てるだけのもの。他にも今後使うことがないものは、スペースの無駄なので捨てる。

洋服はボロ布にもなるし、防寒にもなる。洗濯が思うようにできない状況になった時には、枚数があることに意味が出てくるかもしれない。今までとは考え方を変える必要があるのだ。

夫は「どんな時でも、なんとかなるよ」と言っている。普段は私の方が楽観的だと思うけれど、ピンチの時は夫のおおらかさがありがたい。母は私に「ぜーんぶお任せ」と言っている。

心配シーは私だけか。それぞれの温度が違うことのありがたさはあるけれど、どうなっていくのか正しく恐れながら暮らしたい。

家族が声をかけあって力を合わせていく。人々とのつながりこそ、今最も必要なものだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/

外食をしなくなって料理が大変。新しいお鍋を買っておいてよかった。ゆとり料理というよりは日常業務だ。フル稼動。そして今年はリフォームを考えようと思っていたのに、便器などの海外生産品は今大変なようだ。何をするにもしばらくは忍耐。