まにまにころころ[177]ふんわり中国の古典(論語・その40)相手によって答えが変わる孔子先生
── 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito ──

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コロこと川合です。事務所の引っ越し、いったん片付きかけたのに、今は自分しか使わないせいで、また散らかり倒してる状況です。いやどんどん片付けてはいるんですけど、人がいないのをいいことに、ああでもないこうでもないと、試行錯誤を繰り返してるからなんですけどね。床での寝心地を改善したり。

さて、世は相変わらずの緊急事態ですが、みなさんはいかがお過ごしですか。





ステイホームと言いながら、土日祝含めほぼ毎日会社で過ごしている私ですが、自転車通勤で片道10分だけの外出なので、お許しいただきたいところです。

そう、事務所の引っ越しを機に、自転車を買ったんですよ。自転車なんてほぼ20年ぶりのこと。人力って大変なんですね……

はじめの数日は、やっぱ原付にしておけばよかった、なんて思ってたんですが、いい運動にはなってます、これ。乗り始めてまだひと月も経っていませんけど、緊急事態前よりも健康になってる気がしないこともないです。

昨年の夏から週に1~2回、近所のプールに通ってたんですが、この騒動で休館になってしまいまして。ばったり運動しなくなっていたところに、自転車。

使う筋肉がまた違って、単純に比べることもできないし、両方できればそれに越したことはないんでしょうけど、引きこもり体質の私にはいい運動の機会を得た感じです。

プールと違って道路走るので、危険なのが最大の難点ですけどね。路駐も多いし、大阪のど真ん中なので交通量も(このご時世でも)多いですし。

あと、車と同じくらい危険を感じるのは、同じ自転車。大阪のど真ん中では、自転車には道交法が存在しないのかって思うような状態です。

ちゃんとルールを守ってる自転車に出会えるとラッキーってなくらいで。これ書いてる今日も、某宅配サービスの自転車が平気で信号無視してました。某って、まあ、Uber EATSですけども。

Uber EATS、何度か利用してるし、便利だし、きちんとした方ももちろん多いのは重々承知していますが、なんせ数が多いので、おかしな輩もそこそこいて。目立ちますしね。

ああいうサービスだから、ブランド名背負って走ってる意識のない輩が多いのかも知れません。お仲間が一番迷惑してるでしょう。

もっとも、ここらの自転車全体の傍若無人っぷりは、Uber EATSなんて目じゃないくらいですけども。

大阪市って南北に「筋」、東西に「通」と名のつく大きな道路が走っていて、「筋」は一方通行が多いんです。

最もメジャーな「御堂筋」は、南向きの一方通行。そのひとつ西の四つ橋筋とひとつ東の堺筋は、北向きの一方通行。私が一番使うのは堺筋のひとつ東の筋、松屋町筋で、こちらは南向きの一方通行で。

どれも大きな道路で交通量も多いんですが、それを逆走する自転車がちらほら。車道ですよ。何かあったら一発アウトです。

気持ちは少しは分かるんですけどね。後ろから来る車の方が怖いから。路駐が滅茶苦茶多いこともあり、端っこを走る自転車にとって、後ろから来る車ってめちゃくちゃ怖いんです。

森和恵さんの勧めもあってミラーをつけてるんですけど、原付や車ほど大きなミラーではないので、基本やっぱ振り返って確認しています。怖い怖い。車からすれば、自転車なんて邪魔者でしかないですしね。

車道の端っこを自転車通行帯って色分けしている道も多いですけど、とはいえ、路駐に限らず一時停車でも車はそこに寄せるしかないですから、同じ車道では車と自転車はどうしても相容れない存在って感じです。

ただ原付と違う自転車の利点は、ほとんどの歩道で通行が許されていることで。もちろん歩行者最優先ですけど、急ぐ用事なんてまれな私は、とろとろと歩道を徐行して進むことも多いです。

歩道が広い道は、歩道に自転車通行の色分けしてるところも。ありがたい。とまあ、短時間ながらも日々、自転車を楽しんでいるわけですが、事故と並ぶ自転車の恐怖が、盗難。

安い賃貸マンション暮らしなので、共用のオープンな駐輪場に停めるしかないのですが、その気になればいくらでも盗めそうな場所です。

購入初日と翌日くらいはナンバー式のチェーンひとつだったんですが、どうもナンバーをいじられているような気がしたので、すぐカギ式で原付用の太いのを追加。さらに、それに通して併用する太いワイヤーも追加。

毎日盗難に脅えながらガッチガチに固めています。ガッチガチにロックした結果、面倒で、近所の買い物くらいでは乗れなくて、近場での買い物程度なら相変わらず徒歩という……

盗難防止の警報器なんかも売られていますが、鳴ったところで警備会社が来るわけでもなく、逆恨みのほうがよっぽど怖いのでパス。

腹いせだけなら盗むまでもなく、秒でできちゃいますし。いくら監視カメラがあっても、一般人の自転車一台なんてイタズラされようが盗まれようが、警察が本気で捜査をするはずもなく。

せめて罰則を強化して欲しいところですが、それでも減らないでしょうねえ。ちなみに大阪は、日本で一番自転車が盗まれる都道府県です。

おっと勢いのままに自転車の話ばかり長々と書いてしまいました。それくらい自転車ライフを楽しんでいます、ということで。

早く新コロナ騒動が落ち着いて、通勤以外でも乗ってみたいものです。さてさて、少しだけでも本題の論語を進めましょうか。


◎──巻第六「先進第十一」二十二

・だいたいの意味
子路が尋ねた。「聞いたことはすぐに実行しましょうか」と。

孔子先生は仰った。「父や兄がいらっしゃるだろう。(その意見も聞かずに)どうしてすぐに実行するのか」と。

冉有が尋ねた。
「聞いたことはすぐに実行しましょうか」と。
孔子先生は仰った。
「聞いたことはすぐ実行しなさい」と。

公西華が言った。
「由(子路)が聞いたことはすぐに実行しましょうかと尋ねた時、孔子先生は父や兄がいらっしゃるだろうとお答えになられたが、求(冉有)が聞いたことはすぐに実行しましょうかと尋ねた時には、孔子先生は聞いたことはすぐ実行しなさいとお答えになられた。私は惑ってしまいました。どうか、質問させてください」と。

孔子先生は仰った。
「求(冉有)は自分を押さえる性格だから、後押しするのだよ。由(子路)は先行しがちな性格だから、これを押さえるのだよ」と。

──巻第六「先進第十一」二十二について

同じ質問に対する答えでも、相手によって答えが変わる。孔子先生は、ひとり一人の性格に合わせて、その相手のためになるアドバイスを送る人なんですね。

そう考えると、『論語』に出てくる孔子先生の教えは、万人に当てはまる普遍のものではないということになります。

孔子先生がいない今、そのことは押さえて読まないと、原理主義者のように、こう書いてあるからこうなんだ、としてしまうのは間違いの元ですね。

もっとも、ここでの公西華のように、はたで複数の話を聞いてしまと、戸惑いますよねえ。その戸惑いを生まないためにも、この章があるのかも知れません。

であるなら、もっともっと前段、学而あたりで取り上げておいて欲しい話だと思うんですが……(笑)


◎──巻第六「先進第十一」二十三

・だいたいの意味
孔子先生の一行が匡の地で危難に遭われた時、顔淵が(一行の列から)遅れた。

孔子先生が仰った。
「私はお前が死んでしまったのかと思ったよ」と。

顔淵が言った。
「孔子先生がご無事でいらっしゃるのに、私がどうして死ねましょうか」と。

──巻第六「先進第十一」二十三について

そんなこと言って、お前先に亡くなっちゃうじゃないかよーっ!(涙)


◎──巻第六「先進第十一」二十四

・だいたいの意味
季子然が尋ねた。
「仲由(子路)と冉求(冉有)は大臣というべき優れた者でしょうかな」と。

孔子先生が仰った。
「私はあなたが違うことを尋ねられるかと思っていたのですが、由と求の質問ですか。いわゆる大臣なる者は、道に則って君に仕え、それが適わぬ時は身を引くものです。今、由と求は、具臣というべき形だけの臣でしょう」と。

季子然が言った。
「であれば、(ふたりは)主人の言うままに従う者でしょうか」と。

孔子先生は仰った。
「父と君とを殺すような命には従わないでしょうけどね」と。

──巻第六「先進第十一」二十四について

子路と冉有を家臣にした季子然が、立派な家臣を得たと思って孔子先生に話しかけたのですけど、相手は君をないがしろにする季桓子ですから、孔子先生は冷たくあしらったんですね。

孔子先生のダークサイドが漏れ出ています。


◎──今回はここまで。

自転車、本気で漕ぐと10分でも全身が疲れて、次の日疲労感で起きられなくて。まだまだ体が慣れていないようです。

起きられなくても、ステイホームだし、なんて開き直りそうになるんですけど、仕事しなくてもいい期間ではぜんぜんないんですよねえ……。

家で過ごそうぜって色んな娯楽が提案されていて、つい忘れそうに。(笑)

忘れそうになりつつも、しなきゃいけないこと山積みなんで、忘れられないんですけども。事務所移転からこっち、事務所に行かなかったの一日だけという、まるでステイホームできていない状況です。

ホーム以上にくつろいでますけどね。独り占め、超快適です。

他はコンビニやスーパー、あと役所くらいしか出かけない日々ですけど、元が引きこもり体質なので、そのあたりはあまり苦にならず。

ただ、誕生日にも母の日にも帰省できなかったことだけが心残りです。小一時間で帰れるし、なんならそれこそ自転車ででも帰れる距離なのに。

それでも、どう考えても、ウイルスに触れる機会が一番多いのは自分なので、仮に万に一つの可能性であってもここはグッと我慢です。

あれこれの自粛についても世の中大騒ぎになっていて、芸能人やらなんやらもそれぞれ勝手なこと言いまくってますが、ひとり一人性格も事情も何もかもが違うんですから、万人に当てはまる「こうすべき」は少ないんですけどね。

ただ、そんな中でも共通して守るべきことはあるので、それを軸に据えつつ、それぞれが自分の事情に合わせて、それぞれが行動するのがいいかなと。

誰かの事情が自分に当てはまらないからと言って噛みついたりもせず。また、噛みつかれても気にせず。よそはよそ、うちはうち、ということで。

ウイルスが落ち着いても当面は、さらにもっと大変になっていくでしょうし、気負いすぎて潰れない程度に頑張っていきましょう。


【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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