装飾山イバラ道[268]#stayhome生活が明けた
── 武田瑛夢 ──

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5月の終わり、緊急事態宣言が解除になった。素直に嬉しい部分と、まだこれからも気を引き締めていこう思う部分がある。

心の状態では、一段落したというか、気をつけるべきポイントが分かってきたのがよかった。どう戦えばいい相手なのかまったく分からない頃とは違うのだ。

とはいえ、人と関わる生活を行っていたら感染リスクはなくならない。必ず治る薬というのもまだ見つかっていない。できるだけ感染を避ける方法と、多くの感染者に有効性が認められる治療方法が見つかり始めているというだけだ。

そして、家族や友を失った方、今年に期待していたもののほとんどすべてが吹き飛んでしまった方、生活に危機が迫っている方がいるという現実がある。誰もが感染症の流行で奪われるものが、これほど多いとは思っていなかったのではないだろうか。





思えば昨年は、今後来る危機に備える討論番組のテーマは、AI時代について語られることが多かった。AIによって仕事が奪われることばかりを気にしていたような気がするのだ。

一部ではパンデミックを予想したり、警告していた動きもあったけれど、それは私がYouTubeの都市伝説系チャンネルに興味があるから、多くを目にするのかと思っていた。どこに本当のことが警告されているのかって、分からないものだ。

●空間の共有

テレワークや一人作業が増えて、ある程度この方法でこなせることも分かった。

テレビでは過去のコンサート映像や、傑作集などを放映。私はコンサート映像を見て、昔あった当たり前のことになんとも言えない贅沢を感じた。

アーティストが作る音楽の世界を、ファン全員が一体感を感じて飛び跳ねている。同じ場所で。失って初めて、なんて贅沢な時間だったんだろうと感じた人も多いかもしれない。

「喜び」という経験には、周りに同じように楽しんでいる人がいてくれるということ、これが重要なポイントだったのだ。

もし大金持ちで遊園地を貸し切ることができたとしても、少人数ではつまらない。歩いている時に空を走るジェットコースターの絶叫が聞こえてくる感じが、心地よい臨場感なのだ。楽しんでんなー、知らない人たち。という感じだ。

そして外食は文化なので、どうにかその良さを残したい。普通に焼き鳥屋さんに行くだけでも、自炊とは違った光景が目の前に広がるのだ。最近まったく行っていない、焼き鳥屋さんを思い出す。

焼き鳥が炭火の上で次々に焼かれていくのを見ているのが楽しい。メニューからは選ばなかったけれど、次はあれだなと狙いを定める。

食事が始まった人、盛り上がっている人、お会計の人。それぞれの人の動きの中で、自分たちも存在する時間の流れそのものが楽しいのだ。活気の中に存在する贅沢。

大勢の人間たちがいて、それぞれの大事な人と自由に過ごす空間に、自分もいられるのはとても幸せなことだ。

これからは新しい方法で、安全に距離を保って、空間を共有する方法を見つけなければならない。

●新しい空間に世界中のアイデアを

NEWSで見た、テーブルの上から個々の透明シールドが降りているフランス人デザイナーの「PLEX'EAT」が素敵だ。

「PLEX'EAT」Christophe Gernigon
https://www.axismag.jp/posts/2020/05/206976.html


暗い雰囲気が多かった防御のためのグッズの中で、これなら外食の楽しさが戻ってきそうと感じられた。注文が殺到しているという。

パーテーションもインテリア性の高いクリアなものが、どんどんデザインされていくと思う。

そのうちネックレスやヘッドフォン程度のサイズで、マスクに変わって空気を浄化してくれる装置が出ないだろうか。

夏用のサンバイザーが、ほぼフェイスシールドに近い形状なので、良さそうなものを探しているところ。今年はどんな夏になるのだろうか。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


ティーツリーにハマっていることは、以前もお話した。そこでティーツリーオイルが染み込んでいる楊枝というのを買ってみた。抗菌効果もあるし、さっぱりして好き。でも夫は、余計な味はいらないと言う。シナモン味も買ってあるのにな。