グラフィック薄氷大魔王[656]タブレット描き、手首中心と肩中心
── 吉井 宏 ──

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●Kindle本が開かない

「Cuphead」というゲームのプロダクションアート集「The Art of Cuphead(English Edition)」。ゲームはしないけど、ビジュアルやムービーに興味津々。Kindle版が最初からあるのはうれしい! ずいぶん前に予約。
https://www.gamespark.jp/article/2020/01/09/95875.html


配信開始されたのでさっそくiPadにダウンロードしようとしたら、「この商品はこの端末と互換性がありません」と出て、ダウンロードできない。あれ?





他のタブレットやMacで試したところ、ダメだった端末はiPad Pro2017と2018の二台、iPhone、Kindle for Mac。Kindle Cloud ReaderでもMac・PCともに開かない。

読めた端末はKindle Paperwhite、Kindle for PC、Androidスマホ。

とりあえず見れるけど、普段の環境で見れないのはツライ。見開きで見れないし。内容的にはキャラクターのスケッチが満載で、僕が史上最高のThe Art ofと思ってる「Adventure Time - The Art of Ooo」と同じくらいすごい。紙版も買うかなあ。

結局、何時間もかかって全ページのスクリーンショットを撮ってPDF本にした。ぜんぜん見やすいw

他の端末でも読めるようにアップデートお願いしたい、とサポートには連絡した。権利の範囲の問題なのかな。

●タブレット描き、手首中心と肩中心

板タブで描きにくいのをなんとかする話は、今まで散々書いてきたけど、ちゃんと気がついてなかったかもって件。

「目をつむって水平線・垂直線を描いて、ちゃんと水平垂直に描ける角度にタブレットを回して角度をつける」のは、世間ではあまり言われてないけど僕的には最重要ポイント、と思ってた。ところが……

A「掌を半ば浮かせて肩・腕で描く」(僕はこちらがメイン)
B「掌をしっかり置いて手首から指先で描く」(細部をきっちり描くのがやりやすい)

両者は、それぞれ水平垂直に描ける角度がぜんぜん違うんだ! Aで水平に描けるように回して調整したタブレットでBの描き方をすると、20〜30度も上がった線になる。肩中心と手首中心とで描ける線が異なるのは当たり前。

普通はA、Bどちらか統一ではなく混在させた描き方をするので、四六時中、最適な角度(自然に描ける角度)が変わってることになる。そりゃ描きにくいはずだわ。「あれ? 思い通りに描ける!」の直後に、「ありゃ? ぜんぜん描けない」になるのはそういうことだったか。

試しに、Aの掌を半ば浮かせて描く描き方で統一してみると、違和感少ないかも。細部を描くときは面倒がらずにちゃんと拡大表示して描く……っていう、このへんは以前から言ってるまんまだなあ。

あと最近気がついたのは、水平に描けるよう調整してあっても、画面というかタブレットに向かう体の向きが変わると、水平垂直が狂ってしまうこと。タブレットを回転させるのではなく、体を回転することで角度の調整は可能。

Bの描き方で右上がりの水平にならない方法がないこともない。手首を体の中央にぐっと寄せて描く。水平な線が描けるように、あらかじめ手首を回しておく。当然だけど、けっこうしんどいw

液タブかiPadでやればそのへんの苦労はないのだが、どうしても液タブ画面で描くのってしんどいんだよなあ。


【吉井 宏/イラストレーター】
HP  http://www.yoshii.com

Blog http://www.yoshii.com/dgcr/blueimpulse-IMG_2672

ブルーインパルス、見えた! 2回たっぷり。近所の人がわらわらと大勢出てきて見物してたw 医療従事者に感謝の飛行。SNS等の盛り上がりを見ると、終息はまだ先かもしれんけど、コロナ禍の「我々、これまでよくがんばってきたな」と「これからもがんばろうぜ!」の感じで、ちょっと感動的。いい天気でよかった。
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○吉井宏デザインのスワロフスキー

・三猿 Three Wise Monkeys
https://bit.ly/2LYOX8X


・幸運の象 LUCKY ELEPHANTS
https://bit.ly/30RQrqV


・十二支 MOUSE
https://bit.ly/2AnkKxz