まにまにころころ[181]ふんわり中国の古典(論語・その44)民衆ファースト それがあるべき政治です
── 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito ──

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コロこと川合です。新コロナ騒動について冒頭で触れるの、何回目でしょうか。隔週連載なのに。季節もすっかり変わってしまって。インフルエンザ同様に、暖かくなれば収まるかも、なんて楽観的希望もどこへやら。

季節が変わって収まるどころか、季節が変わって豪雨がやってきました。

私の母が熊本出身で、ちょうど被害の大きかったあたりで。先だっての大地震といい今回といい、かける言葉もありません。

被災された方にはお見舞い申し上げます。





こんなテンプレの言葉しかなく、どうにも胸が痛むばかりです。

新コロナの話に戻ると、東京は新規感染者数が連日の100人越え。大阪も、少し増えてきている感じです。

緊急事態宣言の解除、東京アラートの解除、解除せざるを得ないような状況でどうしようもなかった面もありますが、一度ゆるんだ空気はもう、また改めて引き締めるなんてできない気もします。

夜のカラオケがだめなら、昼にカラオケしよう、なんていう頭の悪い一休さんみたいなことをするのが私たち民衆ですから、どうにもこうにも。

……話題、変えましょうか。

レジ袋有料化で環境に配慮を。なんて、単なるポーズ以上の意味はなさそうな制度がはじまりました。面倒なだけで、環境への効果なんて期待できません。

ポリ袋メーカーさんが、分かりやすい記事を掲載されていましたのでご紹介。

・清水化学工業株式会社
脱プラ、脱ポリ、紙袋へ 切り替えをご検討のお客様へ
http://www.shimizu-chem.co.jp/message.html


今回の件、コンビニなんて大変な目にあってるんじゃないでしょうか。まず、袋詰めスペースが用意されていないので、レジが混雑するでしょうし。

手間を考えると、きっとお客さんが買う量は減るでしょうし。

これ、誰かおいしい思いできたところあるんでしょうか。

鞄屋さん?(ないない)

そもそも海洋のプラゴミ問題、ポイ捨てによるところが大きいんじゃないかと思うんですが、「ゴミ袋」が支給されなくなった状態で、ポイ捨てする連中はポイ捨てしなくなるんでしょうか。これまで以上に増える気しかしません。

京都の亀岡では、有料どころか、一切禁止にするらしいですよ。話題性だけを求めた悪政としか思えません。

せめて思惑通り話題にならないと、得るものがゼロでは亀岡の方があまり不憫でしかたないのでお伝えします。来年から亀岡では、プラスチック製レジ袋の提供が、有償無償問わず一切禁止されます。

プラスチック製だけでなく、紙袋や生分解性の袋も無償配布禁止だそうです。来年6月以降は違反事業者には立ち入り調査、是正勧告。従わなければ公表。

亀岡とはいえ一応は京都なので、雅に風呂敷でも活用して暮らすんですかね。温かいもの用の風呂敷と、冷たいもの用の風呂敷と、弁当やおでんを平らに運べる工夫をした風呂敷を上手に使い分けて。

出たゴミは、またその風呂敷で包んで。ゴミ包んで汚れたりもするから毎日洗って、それぞれ数枚用意しつつローテーション組んで。

「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」というものを掲げており、その一環としての施策だそうです。

上手くいくといいですね。

私は買い物して袋ももらえないような街より、まだゴミ拾いを義務づけられた街の方がましだと思えます。暮らすにしても店を出すにしても。

……話題、変えましょうか。

えっと、東京都知事選だそうで。みなさんがこれを読んでいる時点では決着もついてますよね。どうでした?

小池さんは、新コロナで選挙どころじゃなかったと思うんですが、どうなんでしょ。

何やら当選したら10万円あげるなんて素敵な主張をしている候補もいたとか。票を表立って売り飛ばせるなんて、ああ都民が羨ましい。じゃあ私は15万、私は20十万、って各候補がせり上げれば良かったのに。

……話題、変えましょうか。

明るい話題、明るい話題。

もうすぐ4連休ですね!

東京五輪に合わせて作られた4連休!

4連休、不要不急の外出は避けて、おうちで論語でも読みましょう。
(明るい話題、諦めた)


◎──巻第六「顔淵第十二」八

・だいたいの意味
棘子成が言った。
君子は質(内面的な本質)だけでいい。
どうして文(外面的な飾り)がいるものか。

子貢が言った。
惜しいね、あの人の君子についての説は。
四頭立ての馬車でも失言には追いつけない。
文は質のようなものであり、質も文のようなものである。
(ともに大切である)
虎や豹のなめし革は、犬や羊のなめし革のようなものだ。
(内面だけでいいとするなら、虎も犬も大差ないことになる)

──巻第六「顔淵第十二」八について

今回、ちょっと何言ってるのかわかりにくいですよね。

「だいたいの意味」の箇所は基本、できるだけ直訳に近くしているので余計に分かりにくいと思います。

まず、棘子成という衛国の大夫が、君子には内面性だけでいいと言ったんです。それを聞いた子貢が、その君子評は惜しい、ちょっと的外れな失言だと。

質:本質的な部分。内面性。「本質」の「質」ですね。
文:装飾的な部分。外面性。「文様」の「文」、「あや」ですね。飾り。

子貢は、質と文は一体で、どちらかだけでいいものではないと。

その例えとして、虎や豹のなめし革と、犬や羊のなめし革を取り上げています。

元の毛皮を「文」、毛を取ってなめしたなめし革を「質」として、なめせば、虎も犬も同じようなものだから、「質だけでいい」というのは、虎でも犬でもどっちでもいいと言ってるようなものじゃないか、と。

そうじゃないだろ、虎がいいだろ、文も備えた虎がいいだろ、ってことですね。

文だけでいいわけじゃないし、質だけでもよくない。

外面が立派であって、同様に内面も立派。内面が立派で、同様に外面も立派。それが君子というものだと。

これは、「雍也第六」十八で孔子先生も「質」と「文」について仰っています。

質、文に勝てば即ち野。(質が勝ってるようでは野人だ)文、質に勝てば即ち史。(文が勝ってるようでは文章係の役人だ)文質彬彬としてしかる後に君子なり。(両方が高みで融合していてこそ君子だ)

それが分かっていないようでは、君子を語っちゃいけないな、といったところでしょうね、子貢としては。

子貢の変な例えのせいで分かりにくく、孔子先生の話の方が分かりやすいです。さすが孔子先生。


◎──巻第六「顔淵第十二」九

・だいたいの意味
哀公が有若に尋ねた。
今年は凶作でお金が足りない。これをどうしたものか。

有若がこたえて言った。
どうして税を一割にしないのですか。

哀公が言った。
二割でも私は足りないと言うのに、どうして一割にするのか。

有若がこたえて言った。
民衆が足りていれば、君主が誰と同じく足りないというのでしょう。
民衆が足りていなければ、君主が誰と同じく足りるというのでしょう。


──巻第六「顔淵第十二」九について

民衆が足りていれば、君主だけが足りないということもないでしょう。民衆が足りていなければ、君主だけが足りているというのはおかしいでしょう、と。

民衆ファースト。それがあるべき政治です。

綺麗事を言っているわけではなく、民の信頼が無ければどうにもならないので、突き詰めれば結局は民衆ファーストになるはずなんです。

前回の最後「顔淵第十二」七でも、子貢が孔子先生に、食料、軍備、民の信頼の優先順位について教わっていました。もちろん民の信頼が最優先だと。

民の信頼があってこそ国が成り立ち、その国を運営していく上で、食料と軍備を整えるのが政治。まず第一に民の信頼を得るところから政治が始まる、と。

民衆ファースト。

改めて「都民ファースト」って、キャッチーで良いネーミングでしたね。実が伴っていたかはさておき、そういう分かりやすいかけ声も、政治の大切な要素のひとつだと思います。「所得倍増」とかね。


◎──今回はここまで。

・令和2年7月大雨災害への緊急災害支援募金(Yahoo!基金)
https://donation.yahoo.co.jp/detail/1630044


さすがYahoo!、災害が起きたその日に募金活動を開始し、募金金額と同額をYahoo!からも募金する「マッチング寄付」を適用。

マッチング寄付の分はもう既に上限に達していますが、Yahoo!ネット募金では、Tポイントを使っての募金も可能です。お手元に半端なTポイントが残ってたり、有効期限内に使い切れないポイントが残っている方は是非。

今一番必要なのはおそらく人手じゃないかと思いますが、押しかけるわけにもいかないし、そもそも行けないので、せめて募金に応じたいと思います。

改めて被災地のみなさまにはお見舞い申し上げます。今週も大雨の気配。どの地域の方もご注意ください。

地震や疫病よりは、自分の身ひとつだけならば、守りやすい災害だと思います。ぜひ備えを。


【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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