[5058] 「プロジェクト・ブルーブック S2」◇小川てつオくん◇新型コロナが変える社会

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《あぁ、そんな事もあったのかもしれない》

■装飾山イバラ道[272]
 「プロジェクト・ブルーブック S2」を見る
 武田瑛夢
 
■Scenes Around Me[76]
 小川てつオくんのこと[10]
 てつオくんの音楽活動(2)ライブイベント「free music school」の企画
 関根正幸
 
■crossroads[91]
 新型コロナウイルスが変える社会・働
 若林健一
 



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■装飾山イバラ道[272]
「プロジェクト・ブルーブック S2」を見る

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20200728110300.html

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世の中的には夏休みが始まっているんだそうである。普段は休みが始まると混雑するから、「必殺遊ぶ時期ズラシ」をする必要があって、夏休みを気にしていた。

案外時期をズラしすぎると他に誰もいなくて、さみしいレジャーになるという失敗もありがち。そこそこの混雑が本当は好き。

しかし、今年はどこへも行かないのでそんな必要もない。今は混雑ほど恐ろしいものはないし。

先日の晴れ間にお墓参りに行けたことは、精神的にもとても良かった。あっちの世界からは、このコロナをどう眺めているのだろう。

私はUFO関連や都市伝説が好きなので、ヒストリーチャンネルの「プロジェクト・ブルーブック S2」を見ている。シーズン1はいくつか抜けているけれど、再放送でだいたい見た。

今回のシーズン2も楽しく見ている。古めかしい軍人たちの上下関係や、博士の探究心が面白い。

・プロジェクト・ブルーブック S2
https://jp.history.com/rec/pbb_s2/


時代的には1947年代~60年代のアメリカで、UFO研究が盛んな当時の事。私が生まれる前あたりだ。アメリカ空軍が謎の飛行物体や墜落物の情報を調べたり、隠したりしていたらしい頃の話。アメリカ空軍のUFO調査プロジェクト名が、「プロジェクト・ブルーブック」だ。※以下はネタバレを含みます。

一般人のUFOへの興味も、相当な盛り上がりだったようだ。当時は軍用機の開発も盛んで、各国がしのぎを削っていた。軍は未確認飛行物体の目撃情報を真剣に調べながらも、民間人の不安は取り除く必要があった。

自国の空を自由に飛びまわる物体を掌握していないなんて、バレる訳にはいかないのだ。

UFOが外国の最新兵器である可能性も疑う。しかし、実は最新兵器というのは、自国の物であってもたいがい秘密だからややこしい。誰が何を知っていて、何を隠そうとしているのかが、見ていると次第にわかってくる。いや、まだまだわからないな。

プロジェクト・ブルーブックのメンバーのクイン大尉(カッコイイ)と、ハイネック博士(頭のキレるおじさん)の二人が立場上タッグを組んでいる。上下関係が大切なクインと、立場なんてどうでもいい博士は、基本的にあまり仲は良くない。

アメリカ空軍のハーディング大将は、UFOがらみの目撃情報を隠蔽する側で、目的達成のためにはどんな手でも使うワルい雰囲気。上手く収めないと立場を失う危機感があるのは、クイン大尉と結局同じ。組織の人間の悲しみがチラチラと見える。

シーズン2になってリアルタイムに見始めたけれど、エリア51やロズウェル事件がばっちりと取り扱われていて、とても面白い。

古めかしい時代の車や家、人物たちの雰囲気に落ち着いたドラマのテイストを感じていると、いきなりのSF的急展開でハラハラさせられる。ヒストリーチャンネルお得意の、宇宙人がらみの再現フィルムとはグレードが違う感じ。映像はとても丁寧に作られていて綺麗。

どれが調査に基づいていて、どれがフィクションなのかはよく知らないけれど、「あぁ、そんな事もあったのかもしれない」と妙に納得しながら見てしまう。

博士の妻や謎の女たちも、クラシックなファッションでとても素敵だ。シーズン1で木製のシェルター小屋を女たちだけで用意するシーンは、不安の解消の方法のせつなさが感じられた。

当時バカ売れしていたシェルター小屋の店主も、女性客よりも男性客を優先していて、何でも男達に決められてしまっていた時代が悲しかった。女は家でチェリーパイでも焼くしかないような扱い。

ハイネック博士の妻も典型的な奥様で、最初は夫の仕事の内容を隠されていた。途中から夫の仕事の秘密を共有。有能な夫をサポートをしている気分で、とたんにイキイキとしだす。

この奥さん、UFO研究会にも加わって、深入りしすぎる展開がヤレヤレだけれどドラマ的には面白い。好奇心と適度な知性で、割と上手くかわしてしまう。

登場人物が多すぎないのも覚えやすくて良い。しかし、私の夫はこのドラマに興味がなさそうだった。シーズン2の1話を見てもピンと来なかったらしい。1話だけだと確かに退屈だったかも。

しかし2話目の展開がスピーディで秀逸だったので、夫にこれだけでも見るように勧めた。結局それ以降は一緒に見ることに成功。ドラマって、見出すとやめられないですからね。ウシシ。

連続ドラマの形でUFO騒動を見られるのが、娯楽としてちょうどいい。もう過去の事のはずが、実態は知らされていないからだ。ハイネック博士とクイン大尉が、真実を求めて動き出すところに好奇心がそそられる。知りたい人が何に行き着くのかを見たいのだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


ユニクロのエアリズムマスクを買った。Mサイズ。家で試着している時はいいけれど、外出すると暑さを感じた。息を吸ったり吐いたりするとペコペコする。マスク用の立体骨格のブラケットが流行っているので、それを入れたら楽かもしれない。
 
 
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■Scenes Around Me[76]
小川てつオくんのこと[10]
てつオくんの音楽活動(2)ライブイベント「free music school」の企画

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20200728110200.html

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てつオくんは、2000年頃、杉並区内の公民館にある音楽スタジオを借りて、「free music school」というイベントを企画しました。

https://live.staticflickr.com/65535/50157766307_9e5763c80e_c

チラシにあるように「free music school」は、未完成または実験的な音を気軽に楽しむというイベントでした。

当時、てつオくんはあちこちのライブハウスに出入りして、気になったバンドに声をかけ、演奏者を集めていたようです。

私も何度か見に行って写真を撮っています。今回は短めの記事になりますが、このイベントで撮った写真を紹介します。

https://live.staticflickr.com/65535/50153843991_6beeb7a064_c

2000年2月19日頃 セシオン杉並

この日はテットのライブを見ました。テットはてつオくん、ナナくん、子白健太郎くんが参加したバンドです。

ナナくんは、高円寺岡画郎の常連で、1998年4月に「生きる」展を行いました。

子白くんも、当時、岡画郎の定例会に出入りしていましたが、手長足長というペンネームでマンガを描いていました。

この頃、岡画郎に出入りする人が固定化したこともあり、定例会の常連の間で映像を撮ったり、漫才や演劇を行う動きがありました。

テットもその流れで結成されたと理解しています。

前回紹介した中山道レーベルから、テットのアルバムを出す計画があったと記憶していますが、実際にアルバムを作成したかどうかは覚えていません。

次に私がイベントを見に行ったのは6月4日で、やはり、テットが出演すると告知されたと思います。

この日、私は中山道の撮影をするために滋賀県に出かけていましたが、イベントが気になって新幹線で東京に戻りました。

しかし、この日は演奏中の写真は撮らず、打ち上げに参加した時の写真だけが残っていました。

次にイベントを見たのは7月16日(阿佐ヶ谷地域区民センター)で、この時は二階堂和美さんが出演しました。

https://live.staticflickr.com/65535/50153843806_c83db78ccd_c

私は二階堂さんのことを知りませんでしたが、二階堂さん目当てで見に来た知り合いがいたこともあり、写真を撮ったようです。

二階堂さんは別の日のイベントにも出演していました。その時は、音響スタッフが同伴していたことを覚えています。

てつオくんは、おそらく、月一回のペースでイベントを行っていたと思います。

ですが、私はイベントを毎回見に行ったわけではありませんでした。また、見に行っても、知らない出演者の写真を撮らなかったのかもしれません。

イベントの写真は、ほかには10月22日に撮ったものが残っています。

この日は最初の出演者の演奏は見られませんでしたが、ナナくんに頼まれて出演者とのツーショット写真を撮ったようです。

https://live.staticflickr.com/65535/50153294883_4106c7fa55_c

2番目以降の出演者の写真は撮っているようですが、会場が薄暗いこともあり、まともに写っている写真はほとんどありませんでした。

https://live.staticflickr.com/65535/50154081307_4ed8ba011a_c

バンド名は覚えていませんが、出演者の一人(健常者)が車椅子に乗って暴れ回るのが面白くて写真を撮ったようです。

ただし、この写真を人に見せたところ、車椅子をこういう風に使うのはけしからん、と不評だったことを覚えています。


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://sekinema.com/photos


1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔


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■crossroads[91]
新型コロナウイルスが変える社会・働

若林健一
https://bn.dgcr.com/archives/20200728110100.html

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こんにちは、若林です。

今回は「新型コロナウイルスが変える社会」について「働(労働)」をテーマに、自分の考えを述べていきたいと思います。

過去5回の記事については、こちらをご覧ください。

新型コロナウイルスが変える社会
https://bn.dgcr.com/archives/20200519110100.html


新型コロナウイルスが変える社会・衣
https://bn.dgcr.com/archives/20200602110100.html


新型コロナウイルスが変える社会・食
https://bn.dgcr.com/archives/20200616110100.html


新型コロナウイルスが変える社会・住
https://bn.dgcr.com/archives/20200630110100.html


新型コロナウイルスが変える社会・育
https://bn.dgcr.com/archives/20200714110100.html


■「働」に関する短期の変化

労働に関する短期の変化としては、やはり「リモートワーク」でしょう。「テレワーク」や「WFH(Work From Home)」「在宅勤務」など色々な呼び方がありますが、ここでは「リモートワーク」と呼びます。

「住」の時にも触れましたが、「リモートワーク」が始まったものの自宅に机や椅子がなく、やむなくダイニングテーブルや子供の学習机で仕事をした方も多かったようです。

今は元の通勤に戻ったところも多いと聞きますが、すでに第2波が始まっており政府からも「在宅勤務7割に戻すよう」要請がでていますので、大企業を中心にまたリモートワーク、STAY HOMEが増えてくるはず。

企業に「在宅7割」要請へ 大人数会合自粛を―政府
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020072600306


ひとくちにリモートワークといっても、その実態は企業によって大きく違うでしょう。

非常事態宣言解除までの期間、暫定(その場しのぎ)的にリモートワークを導入した企業は、リモートワークのノウハウが残らないままに第2波を迎えることになる。

リモートワークを緊急避難的な取り組みではなく新しい働き方としてとらえ、積極的に取り組んでいかなければ、同じことを繰り返すに違いありません。

まずは、いったん仕事の手を止めてでも、リモートワークのための環境整備を社員、企業が共同で整えていかなければならないでしょう。

■「働」に関する長期の変化

長期的には、仕事の進め方だけでなく、仕事環境の作り方(自宅のネット環境やPCの提供・利用方法など)広範囲に渡ってリモートワークを前提(併用)とした企業としてのあり方を考えなければなりません。

しかし、それぞれが自社のやり方に固執(こしゅう)し、従来のクローズドなやり方で進めれば時間がかかってしまう。また、できあがりは「いびつ」なものになりそうな予感がします。

「リモートワーク」というと、何かしらシステムを入れて解決すると思われるかもしれませんが、そんな単純な話ではありません。

そのシステムを使う人のマインドとかスキルが今まで以上に求められ、それを加速させるためには知見やノウハウの共有が必須です。

他社のいいところはどんどん取り入れて改善していく、そのような姿勢がこれまで以上に求められると思います。

そのマインドがリモートワークの文脈に限定されず、より広い範囲で適用されるようになれば、「オープンマインド」な社会ができるでしょう。

「オープンマインド」が浸透すれば、今は形骸化していることの多い「オープンイノベーション」の意味を理解する人が増え、さらなる発展が生まれる。

せっかく痛みに耐えているのですから、「働く」の文脈においても、長期的には大きな変化が生むきっかけにしたいものです。


【若林健一 / kwaka1208】
https://crssrds.jp/aboutus/

 
 
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編集後記(07/28)

●偏屈BOOK案内:小和田哲男「残念な死に方事典」

まことに残念な本である。カバー帯には「死に様から学べ!! 歴史的人物たちの驚愕のラストシーン」「まさに、一寸先は闇 猛将と讃えられた男でも最期はあっけなかった」とあり、恐ろしくヘタなマンガで、武将や学者8人のポートレートを配す。光秀ら数人のほかは、歴史好きでないと分からないのでは?

「武士たちの死生観を探っていくと、あなた自身の死生観も変わることになるだろう」とカバーの折り返しに監修者の小和田哲男が自薦の言葉を書くが、そんな大層なものではない。歴史的人物の最期を、残念な死に方、痛そうな死に方、可哀そうな死に方、予想外な死に方、悔やまれる死に方、因果応報の死に方と分類したのはいいアイデアだが、そもそもこの本のターゲットは誰なのか。

一人あたり4ページ、最後のページがその人物の死に様を、非常にヘタな3〜4コママンガと手書き文字で。その下に大きな文字でキメゼリフ「日本を変えるために生きあっけなく絶命する末路」これは坂本龍馬だが、ここだけはけっこうウマイところを突いているような気がするが、よく知らない人ばかりで。

本文中に必ずセリフが入る。「義経様、一大事でござりまする」「いかがいたした?」「頼朝の圧力に耐えかねた泰衡が、五百騎もの兵を引き連れて急襲してきました」「な、なに?」「もうすぐ泰衡の軍勢に囲まれつつあります」むりやりセリフで状況を説明させてもなあ。全編この手を使って行稼ぎしているから、おそろしく格調が低くなった。読んでいてつらいほどである。

沖田総司、高杉晋作はともに結核。「ゴッホッ、ゴッホン、ゴホッ……、うぅぅぅ、苦しい……」「ごほっ、ごほごほっ……」なんてのも行数のうち。馬が暴れ出し「ヒヒヒーィィインッ」で1行、「!」で1行。「ふんぬううううぐごうぅおおおおおおぉおぅ……」で1行。なんとまあ、どうしようもない文章。創作された会話体がやたら多い歴史本ってのも珍しい。お粗末この上ない。

最後に22冊の参考文献が示される。編集プロダクションが用いたのであろう。筆者(ではなく監修になっていた)は小和田哲男、静岡大学名誉教授。「武士たちの死生観を探っていくと、あなた自身の死生観も変わることになるだろう。人の死を感じ取ることで、はじめて自分自身の死と向き合えるからだ」というが、ナイーブな少年少女にはまったくお奨めできない「残念な本」だ。(柴田)

小和田哲男「残念な死に方事典」ワニブックス 2020
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4847099028/dgcrcom-22/



●マイナンバーカードを申し込んだ話を以前書いた。楽天モバイルが、1年間通信費無料+1円で買えるスマホを売っているのを知り、試したくなったのがきっかけ。

もっといえば、新型コロナが流行りはじめ、知事からの情報が見たくて、Twitterになんとなく復帰。フォローしている人のツイートを見て知った。テスター募集していた頃のニュースは見ていたけど、本スタートしていたなんて。

今はUQを使っていて、不満はない。が、他社のサービスを使ってみたいと思ったことはある。テスター(無料サポータープログラム)に応募しようと思ったこともある。

楽天モバイルが、試しに一年間無料で使ってみませんか、機種は安いものがあります、事務手数料は楽天ポイントでバックします、解約はいつでもでき、手数料不要です、と言ってくれるのだ、そりゃ試したくなるだろう! 続く。 (hammer.mule)

無料サポータープログラム
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