[0281] 「CIAO from Italy」2 ナポリへ行きたい!

投稿:  著者:  読了時間:13分(本文:約6,000文字)


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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0281 1999/03/20.Sat発行
http://www.dgcr.com/      1998/04/13創刊
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 連載「CIAO from Italy」2 ナポリへ行きたい!
 ゲスト:アキ・ダモーレ

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■デジクリトーク
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連載「CIAO from Italy」2 ナポリへ行きたい!
ゲスト:アキ・ダモーレ
(イタリア在住/フリーのグラフィックデザイナー&イラストレーター/
 イタリア珍事件簿のサイトを近日公開予定)
STUDIO D'AMORE(akin@iol.it)
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不安と期待で一杯の、イタリアでの初仕事開始。言葉の問題が一番たいへん
だったと思います。いわゆる関連用語などを、イタリア語で一から覚えなくて
はなりません。「あ、そのビスケット取ってくれる?」と言われ、(イタリア
人は仕事中にもビスケット食べるのかしら?)と思いつつ探していた私に、そ
の同僚は「アキ! 目の前にあるでしょー?」と立ち上がって、私のデスクに
置いてあったフロッピーディスクを手に。

ディスクというのはイタリア語では『ディスケット』といい、そんな単語すら
知らなかった私はビスケットと勘違い。社内爆笑の渦に巻き込まれてしまいま
した。

そんな調子で、先ず言葉を覚えるのに必死でしたが、仕事の内容は、国や言葉
が違っても結局は同じことなのだと実感。当たり前のことですが、仕事の流れ
は万国共通なんだなぁと、身を持って体験した次第です。お陰で今までのキャ
リアを充分に発揮でき、内容的には他のデザイナー達に負けない仕事をするこ
とが出来ました。

試用期間から、という条件の採用も、2週間後には出来高払いの準社員に昇格し
ました。イタリアでは正社員になると膨大な税金を取られてしまうので、クリ
エイターの方々は、このように半分フリーのような状態を望むとか。

その雑誌社でも、デザイナーは殆どがこの待遇でした。私も、生活は充分でき
るだけの収入を頂き、このままずっと頑張っていけば、こちらで一生暮らす事
も不可能ではないと確信するまでになりました。

が、その時、私は仕事以外のあることに気付き始めていました。それは…イタ
リアは一つの国であってそうではない…ということです。とても変な表現です
が日本でも多かれ少なかれ土地に寄って人々の気質が変わったりしますよね?
イタリアは、それが非常にハッキリしているのです。

元々違う国が集まった共和国ですので当然の話かもしれませんが、日本の国土
の75%しかない小国であるのに各町毎に、文化も風習も変わってしまいます。そ
して自分の生まれた土地に誇りを持っているので、誰も「私はイタリア人で
す」とは言いません。ミラノ人、ヴェネツィア人、フィレンツェ人、ローマ人
などと言います。確かに各町を訪れてみると、正しくそれぞれ外国ではない
か? という印象を受けます。

イタリアという国を好きになって生活を始めて、初めて知ったこの国内の状況。
旅行の時はどの町も気に入って、どこでも同じことだろうと、なんとなくミラ
ノに住むことを決めてしまったのですが、それはどうやら間違いであったと気
付きだしたのです。

ミラノで知り合った友達、週末にイタリアの各町を訪ねてできた友達。その中
で私と気の合うのは、何故かナポリ人が多いことに気付きました。別に意識し
てる訳じゃないのに、大好きな友人達は皆ナポリ人なのです。

終いには初対面で、気の置けない話をしても「あなたはナポリ人ですね?」と
当てられるようになりました(笑)。実際にナポリを訪れてみても、他の町と
はまったく違う存在感を感じました(もしかして私が思っていたイタリアと
はナポリのことだったのではないのか?)。

頭の中はもうナポリしかなく、どうしてもナポリに行きたい、住みたいと思い
始めてしまったのです。しかし、この私の希望には、友人すべてが反対をしま
した。「そんないい仕事見つかってこれ以上何が望みなんだ!」「ナポリにな
んか仕事は本当にないんだぞ!」「折角見つけた仕事を捨てて、ナポリに行く
価値があるのか?」…確かにその通りです。

しかし、運命の時はやって来てしまいました(笑)。クリスマスからお正月に
かけて、私はナポリ市外のソレントという町の友人の招待を受け、そこで10日
間過ごすことになりました。

この友人というのは40過ぎの女性ですが、絵に描いたような典型的なナポリ女
性で、底抜けに明るく陽気。そんな彼女の地元で、彼女の家族や友人達と過ご
す100%ナポリの10日間の年末年始休暇は、私にとって忘れ得ぬ思いを与えてく
れました。「私がイタリアに惹かれたというのは、ナポリだったのだ」と確信
しました。

折角見つけたミラノでの仕事を辞めて、ナポリで一からまたやり直しなんて、
皆が言うように無謀なことかもしれない。でもずっとこのままナポリでの生活
を夢見て過ごしていては、ミラノの仕事にだって熱中出来ない。

せっかく東京から、わざわざイタリアにまでやって来たのだ。自分が思うこと
をなんでもチャレンジしてみてもいいのでは? それに、今、実行しなければ、
きっと一生ナポリでの生活は夢に終わるかもしれない。行ってみて、ナポリで
の生活がダメでも、またミラノに戻ればいいや。仕事に関しての不安はもうな
いし、またきっと仕事を見つけられるだろう。今日は必ず社長に話をしよう。

毎日出勤前にそう思い、でもいざ出勤してしまうと、どうしても言い出せませ
んでした。ある日などは、会社の50m手前で止まって、5分ばかり考え「今日こ
そは言うんだ」と自分に言い聞かせてみましたが、やはり会社の皆と顔を合わ
せると、言い出せませんでした。

しかし、私のそんな気持ちは、表に出てしまい「アキ、悩みでもあるの?」と
聞かれることがしばしば。そしてついには日曜休日出勤した夜に、社長直々に
「アキ、食事にでも行こう」と誘われることに。

「最近のアキはなんか変だね、私に話せるのなら話してくれないか?」という
社長を前に、私は「ええと」「まぁ」「そんなことは」など、お茶を濁す返事
しかしませんでしたが、インテリ社長はそんな私の曖昧な態度に苛立ち始めた
ので、思い切って「実は、たいへんお世話になっているので恐縮ですが、会社
辞めたいのです」と言ってしまいました。

社長は驚愕、「一体、何が不満なのかい? お給料? 体制?」私「いえ、実
はナポリに住みたいのです」社長はその私の言葉に唖然とし、しばし言葉を
失っていましたが、私は自分の気持ちを言ってしまったので、気がとってもラ
クになり、あれこれと私がどうしてナポリに行きたいかを、社長に話し出しま
した。

社長はしばし考えた後、「そうか…。君を手放すのはとっても辛いことだが、
アキはまだ若いから自分の思うようにしてみればいい」と言いました。私は
「本当にわがまま言ってすみません。会社にはなんの不満もないんです」と謝
りました。

そして社長は「ナポリに行って試して来てごらんなさい。アキが思う『イタリ
ア像』というのが本当にナポリのことなのかどうか。そしてダメだったら、い
つでもミラノに戻ってきていいから。そしたら必ず我が社に戻るんだぞ!」と
おっしゃってくださったのです。

私は感動のあまり立ち上がり「社長!今のお言葉、本当ですか? ダメだった
ら戻っていいんですか?」と言いました。「おいおい、そんなに興奮しないで
(笑)。食事が冷めるからね」と優しくおっしゃってくれました。(こんない
い社長の会社辞めるなんて、私ってホント馬鹿かもしれない…)と胸がきゅ~
んとなりました。

しかし、感傷的になっているだけでなく、翌日から即ナポリ引っ越し準備の開
始をしました。つてを頼って、女性共同アパートを見つけ、電話で契約。かか
り中だった仕事を済ませ、2週間後にはミラノ中央駅からナポリへと単身、旅
だったのでありました。

(つづく)

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日刊デジタルクリエイターズの読者のみなさま、こんにちは。月刊「MdN」編集
長の野口です。3月に入りようやく春の兆しが見え始めましたが、同時に花粉症
の季節にもなりました。マスクが手放せないという方、お大事に。

さて、この場をお借りして「MdN」の最新号のお知らせをさせていただきたいと
思います。6日に発売されました4月号の特集は「ドローグラフィックの饗宴」
ということで、Illustrator 8とFreeHand 8のTIPS、および両ソフトの機能比較
が記事の中心となっています。瀧上園枝さんや武田瑛夢さん、三河一郎さんな
どがTIPSを数々披露してくださっていますのでぜひご覧ください。弊誌のデザ
イナーがねらったかどうかはわかりませんが、ページの雰囲気もなんとなく
春っぽい? 

表紙は、今年1~3月号を手がけてくださった映像作家のハシモトミカさんに代
わり、アーティストの鷺義勝さんが力強いアートワークを制作してくださいま
した。今後も表紙ではいろいろなクリエイターさんにアートワークを制作して
いただく予定です。もしリクエストなどあればお寄せください! 
表紙といえば、3月24日発売のMdN特別号「フォトショップの達人6【完全書き下
ろし版】」では、達人5人のPhotoshopワザに加え、1998年度のMdNの表紙アート
ワークのハウツーが掲載されています(制作は弊誌ADです)。MdN表紙アート
ワーク制作の裏舞台がいま明かされる!? なんて大げさなものではありませ
んが、よろしければご覧ください。

それでは、みなさま働き過ぎには十分ご注意を。でもついついモニタの前で夜
を明かしてしまうんですよね。それは編集者もデザイナーも気の合うところで
す(笑)。

月刊「MdN」編集長 野口理佳
nogu-r@MdN.co.jp

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と、上記アゴストさんのサイトへゴー。今月の「アート&デザイン」や吉井宏
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