[0324] ザ・ガレージ

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0324 1999/05/17.Mon発行
http://www.dgcr.com/      1998/04/13創刊
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●ザ・ガレージ
 月曜日担当:神田敏晶

●イベント案内
ヨーロッパ最大のCG映像フェスティバルImagIna
'99年受賞作品・学生優秀作品の上映会とワークショップ東京で開催



■ザ・ガレージ
月曜日担当:神田敏晶
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KNN神田です。

怒涛のAppleWWDC'99が終了し、大挙来襲の日本人デベロッパー軍団もほぼ帰国
の路につかれ、ひさしぶりにゆっくりとした日曜日を迎えております。それも
つかの間、まもなく日本では月曜日のラッシュがやってきます。

今回の日本側からの参加者の数には驚いてしまいました。350 名もの日本から
の来客で、サンノゼのいたるところで日本人Macデベロッパーと遭遇します。
みんな首からパスをぶらさげているので一目瞭然なのです。

今回のWWDCでは、やはりコンスーマーポータブルの発表がなく、すでにボクは
「狼少年」と化していますが、新型のNewPowerBookG3には思わず拍手でした。
何よりも長い時間対応というのがうれしいです。しかし、FireWireが搭載され
なかったのでKNN の触手は動きません。つけて欲しかった…。やはりまだまだ
FireWireで気軽にどこでも編集というのは半年ぐらい先のようですね。

発表の初日のキーノートスピーチが開始されてから、Apple.com はまさにネコ
の目のようにWeb サイトが変化していきます。あまりにも早い更新でタイトル
にはしっかり「GoLive」の文字がありました(^_^)。アップルは、GoLive を
使っていたんですね。

これをワイヤレスモデムのPowerBool3400Cで受信しながら、デジカメで舞台を
撮影し、三脚なしでビデオもまわします。今回は最前列ではなく、惜しくも2
列目でした。ロサンゼルスタイムスのカメラマンの頭が1/3はいってきます。

この模様はスカイパーフェクTVのコンピュータチャンネルの新番組「MacTV-J」
でオンエアされます(^_^) アップル社iCEOスティーブ・ジョブズの歩き廻る
クセに左手でビデオを追尾させながら、右手ではデジカメで撮影というパター
ンで、時々デジカメデータをPowerBookに吸い上げていきます。

その後、昼食をとりながら会場のインターネットコーナーからアスキー24へ速
報を入稿です。デベロッパーのカンファレンスなので技術的にチンプンカンプ
ンのネタもたくさんなんですが、大量にいる日本人に質問すると懇切丁寧に教
えていただきました。ありがとうございました。

速報合戦モードでは、海外の記者のスピードはすさまじいの一言です。ジョブ
ズの講演の途中でも席を立って、入稿しにいっちゃうのでいつもびっくりです。
プレスルームでは顔を真っ赤にして、キーを打っています。翌日の朝刊にはジ
ョブズの顔がどの新聞にも…。

日本のメディアも健闘しています。中でも最も注目しているのが「Mac お宝鑑
定団」です。いろんな現地にいる方々がリポートをよせていますから、このオ
ープンソース的な力にはとてもかないません(^_^)。

また、日本でストリーミング放送を見ながらビデオに録画しながらのリポート
には現場の記者とてしては、とてもたちうちできません。降参です(^_^)。
現場にいなくてもインターネットで記事が書ける時代なんですね。キャプショ
ンつきの画像でわかりました。
http://www.tcp-net.ad.jp/danbo/

ボクの場合は、自分が現場にいないとどうしても自信を持って書くことができ
ないので、見て感じた事を、頭ではなくどうしても足で書く傾向があります。

今回、某氏と一緒にスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックが興
したアップルコンピュータの誕生の地「ザ・ガレージ」を探し当ててしまいま
した。場所は住所変更がなされているため、以前の住所ではわからないのです
が、市役所で変更後の住所と照らし合わせて確認しました。近所までいって附
近の住人に聞くと、それぞれ「あっちだ」、「こっちだ」と適当なことをいい
ます。おしかける人が多いからでしょうか?

しかし、写真で見覚えのある一軒の家を見つけた時、身震いがしました。ここ
からアップルコンピュータが生まれたのです。もう誰もいないと思いましたが、
ガレージの中がどうしても見たく、チャイムを押しました。何度かチャイムを
押しましたが、反応がありません。他の方法がないかと思っている時、ドアの
奥からガチャと鍵があきました。

そこには6~70歳の小綺麗な老婆が立っておられました。たどたどしい英語で、
「このガレージを一目みたいと思い探しつづけました。できれば中を見せても
らえませんでしょうか?」と伝えましたが、答えは「ノー」でした。「ボクは
ジャーナリストのToshi と申します。あなたは…?」「私は…。私は…ジョブ
ズの継母で今は未亡人です」。と老婆は答えました。目の前にいるのはジョブ
ズの育ての母親のクララ・ジョブズさんだったのです。

「ジョブズさんはどんな人でしたか?」「ジョブズさんにメッセージはありま
せんか?」やつぎばやでブロークンなボクの英語にクララさんは、迷惑そうに
ボクにそっといいました。「できれば、静かに暮らさせてもらえませんか…」

当然、持っていたカメラやビデオをまわす準備はできていたにもかかわらず、
電源をすべてオフにします。しかし、最後にしっかりと握手だけはして戻って
きました。

自分が神戸の少年事件の時にマンションに押しかけたメディアと同じように思
えてとても情けなかったです。

よく、戦争の悲惨さを訴える数々の賞を受賞した写真を見かけますが、もしも、
その時、写真を撮らずに助けていたら1人の命が救えたのではとよく感じます。
また、阪神大震災の時も倒壊した建物から抜け出す人に、「もう2~3枚シャ
ッターきりたいのでそのまま!」というカメラマンもたくさん見ました。もち
ろん、その時は、後ろからつき倒していた側でした。

自分の中でこんなチャンスはと思う時がこちらでは多々あります。そこで自分
が写真を撮影して持ち込めばいいのですが、その時から、パパラッチのお仲間
です。ゲリラのような取材ですが、パパラッチや写真週刊誌のメディアにはな
りたくありません。

実は、今回シリコンバレーの1日ヒストリーツアーができないかと思い、数々
の場所をどういう順番で廻るのが一番効率がいいのかと企画を錬っていました
が、このザ・ガレージに大型バスがきて、記念撮影しまくる人たちをイメージ
すると、ここを紹介するわけにはいかなくなりました。そして、この企画はな
しにすることにしました。ここをはずすわけにはいかないからです。

しかし、翌日のWWDCのキーノートの直前にスティーブ・ジョブズと握手した時
には、昨日の継母がいたからこそ、この人がいるんだと思うと雲の上の人では
なく、この20世紀にテクノロジーに魅せられた1人として、少しだけジョブズ
を身近に感じました。

またひとつ、シリコンバレーを夢としてではなく、現実としてとらえることが
できた体験でした。

今回のWWDCのレポートは下記のアスキー24に掲載しています。

【KNN特約 AppleWWDC'99レポートvol.1】
期待に胸をふくらませるアップルデベロッパー(開発者)たち
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/990511/topi02.html
【KNN特約 AppleWWDC'99レポートvol.2】
ジョブズのキーノートスピーチ!そしてNewPoweBookG3の発表!
発売は今月20日!値段は2499ドルから!
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/990511/topi03.html
【KNN特約 AppleWWDC'99レポートvol.3】
Sonataのスニークピーク、さらに沸くキーノートスピーチ!
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/990511/topi04.html
【KNN特約 AppleWWDC'99レポートvol.4】
いよいよ!Mac OS Xのスケジュールとその展望があきらかに…
そして本日よりデベロッパープレビュー版が配付開始!
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/990511/topi06.html
【KNN特約 AppleWWDC'99レポートvol.5】
もう1つのAppleWWDC'99-ホスピタリティー編-
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/990513/topi03.html
【MACPOWER WWDC99】
http://www.ascii.co.jp/pb/macpower/wwdc99.html

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■イベント案内
ヨーロッパ最大のCG映像フェスティバルImagIna
'99年受賞作品・学生優秀作品の上映会とワークショップ東京で開催
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<以下、主催者情報/抜粋>

ImagIna 上映会事務局(代表:伊藤裕美)は、フランス国立オーディオビジュ
アル研究所とフランス大使館文化部が主催する、『ImagIna CG映像フェスティ
バル99 』を東京で7月16日に開催することを発表した。このイベントは、ヨー
ロッパ最大のCG映像フェスティバルImagIna 99のグランプリ・コンテスト受賞
作品と学生優秀作品の上映会およびワークショップで、約500 名の学生やCGク
リエータの来場を予定している。

今回のイベントは、映画館やマスコミなどを通じて紹介されることも鑑賞する
機会も少ないヨーロッパや北アメリカの優秀なCG映像を日本で紹介するととも
に、2000年1月31日から2月4日まで開催される、第19回ImagIna 2000 への関心
を喚起することを目的とする。

ImagIna は、世界的評価の高いCG映像のコンテストを主催することで有名であ
る。18年の歴史に裏打されたグランプリ・コンテストは、国際舞台で活躍する
若手クリエータの育成を支援し、テクノロジや制作手法の発展に寄与し、CG映
像を通じた国際交流にも多大に貢献している。

日本の映像業界でクリエータを目指す学生や新人はもとより、プロフェッショ
ナルとして活躍する関係者が参集し、国際水準の最新映像を満喫しながら、
ImagInaへの理解を深めることが期待される。

今回上映されるCG 作品は、1999年1月18日から22日までモナコとパリで開催さ
れた、第18回ImagIna のグランプリ・コンテストで選定された優秀作品、グラ
ンプリ作品そして、学生部門の優秀作品である。

また、コンテスト学生部門で上位を独占した仏SUPINFOCOM校で学び、ImagIna99
でSCAM 3D Animation特別賞を受賞した『Tribu』の制作アニメータによるワー
クショップも予定している。

名称 ImagIna CG映像フェスティバル99:
'99年受賞作品・学生優秀作品の上映会とワークショップ

開催日時 1999年7月16日(金曜日)
予定 午後1時~午後2時半 第1回上映会、午後3時~午後6時 ワークショップ
など、午後6時半~午後8時 第2回上映会(1回目と同じ内容の上映)
会場 国際交流フォーラム(東京都港区赤坂2-17-22 赤坂ツインタワー1階)

参加方法
事前申込・有料制(定員600名。応募多数の場合は抽選とする)
申し込みは、6月17日よりWWWサイト(http://www.wgn.co.jp/imagina/)で受
付を開始する。

ImagIna WWWサイトでフェスティバルやコンテスト情報を公開している。
http://www.ina.fr/Imagina/

この発表に関する問い合わせ先 ImagIna上映会事務局
オフィスH 伊藤裕美 hito@aurora.dti.ne.jp
東京ファンファクトリー 大槻貴志 ken-s@mxh.mesh.ne.jp

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■編集後記(5/17)
・朝一番で神田さんの原稿が着いていた。いつもはけっこうギリギリの時間な
のでヒヤヒヤだが、今日は仕上げてから外出できる。いつもこうだといいな。
昨日母親のところに私のコメントが出ている読売新聞(5/5 )をもらいに行っ
た。おまえのやっていることはサッパリわからんと言われた。(柴田)
・最近柴田編集長に甘えてばかりだ。こりゃいかんと思って焦ると余計に悪い
方向に進むようだ。単細胞ゆえに一つの壁に当たると身動きとれない。関係な
いが身動きがとれないといえば作業場の狭さ。資料庫欲しいな。(ハマムラ)
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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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