[0335] 同人誌を作ることは、デザインの第一歩

投稿:  著者:  読了時間:11分(本文:約5,000文字)


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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0335 1999/05/29.Sat発行
http://www.dgcr.com/      1998/04/13創刊
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 週末だ。デジクリトーク2本立て!

●デジクリトーク
 同人誌を作ることは、デザインの第一歩
 友成柳子

●デジクリトーク
 自分が一番ブルブルしちゃうテーマを正直に描き続けなさい
 鈴木守



■デジクリトーク
同人誌を作ることは、デザインの第一歩
友成柳子
freewill@d.design.co.jp
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皆さんは「同人誌」を知っていますか? 知らない人にとっては「同人誌」と
聞けばかなり「オタク」なイメージがあるのではないでしょうか?

あの「オタク」な人たちが作ってるものでしょ?「コミケ」とかで売っている。
そう、いわゆる自費出版って形で、様々に自分の好きな本を作って売っている
ものです。

「コミケ」という販売する場所もあります。一番大きな夏と冬に開催する東京
の「コミケ」は凄い人数です。マックワールドエキスポなんて比べ物になりま
せん。(実際コミケに慣れている私は初めてエキスポに行った時、これだけ?
と言ってしまいました)

けれどよく考えてみると、「同人誌」を作るという事は、
▼一から自分で考える(プロデューサー)
▼イラストを描く、小説を書く(アーティスト)
▼本のデザインをする(デザイナー)
▼原稿を作成する(DTP)
▼チラシをつくる・コミケに行く(営業・マーケティング)

といった役を全部自分でこなさなくてはいけません。それもうるさいクライア
ントや編集者、締め切りなどはありません。そしてそれらの勉強をするにはピ
ッタリなものが「同人誌」なのです。

私にとって「同人誌」とはデザイン関係へ進むきっかけになったものでした。
それまでは人の同人誌を買ったり、友達に頼まれてちょっとイラストを描いた
りしていただけでしたが、そのうちに自分でも作ってみたくなり自分の「同人
誌」を作ってみることにしたのです。

そしてイラストや漫画を描くことよりも、本のデザインをすること自体の面白
さにこれが見事に「ハマって」しまったのです。

まだ学生だった私には、世の中にエディトリアルデザインとかグラフィックだ
とかの職業があるのは知りませんでしたが、ここには大きな文字でタイトルを
入れようとかブルーの紙を使おうとか、こんどはこんなイメージで全体をまと
めてみようとか、そんなことを考えるのが楽しかったのです。

気がつけば本末転倒。漫画を描きたいから本を作るというところから外れて、
本をデザインしたいから漫画を描いていたようなものでした。

まったくの趣味で「同人誌」を作っていた経験が、仕事をする時に役に立つな
んてその頃は思ってもみませんでした。自分の「同人誌」をカッコイイものに
したかったのであらゆる雑誌、チラシ、ポスターを真似しまくりました。

どういうロゴがあるのか、色合いによってどうイメージが変わるのか。それら
はまったくの趣味だったのですが、今考えるとデザインの基礎みたいな部分の
勉強になっていたのです。

学校でデザインの基礎を習うより、自分で考えて本を1冊全部自分で作ってみ
る。その方が非常に勉強になったと思っています。

勉強と思って作ってみませんか? あなただけの「同人誌」。けっして「オタ
ク」なものじゃありません。「失敗」もありません。「ルール」もありません。
自分の表現したいものを作るだけ、なんかちょっと楽しそうじゃないですか?

【友成柳子 Ryuko Tomonari】
フリーデザイナー。超有名バンドのヴォーカルと同じデザイン学校を出た後、
DTPの仕事やWebの仕事をしながら独立、現在フリー。
「FreeWill-同人誌DTPサイト」という自分のHPを立ち上げたばかり。
freewill@d.design.co.jp

FreeWill-同人誌DTPサイト
http://www4.osk.3web.ne.jp/~raqia/

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■デジクリトーク
自分が一番ブルブルしちゃうテーマを正直に描き続けなさい
鈴木守
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デジタル・クリエーターにとって、アナログ的スキルは必要と思いますか?
という質問についての答え。 

モノを創る人に一番必要なことは「センス」だと思う。例えば絵やCGの場合、
デッサン力や描写力があっても、描く物がセンスのない古くさい題材や他人の
マネだったら、誰も価値を認めない。だから常に新しい題材やテーマを探し続
けなければいけない。

他人の心を感動させるテーマ、美意識を鼓舞させるテーマ、エロスを刺激する
テーマ、カワイイと感じさせるテーマ。いろいろあるけれど、それを探す力は、
例えば子供時代に蝶を捕まえて羽をむしり、その鱗粉の美しさにみとれるとか、
車が大好きでいつもお父さんのカーグラフィック誌を借りて一晩中眺めて悦に
入るとか、そんな自分の本心から滲み出る美意識から生まれてくる気がする。
だから、常にモノやヒトに感動できない人はクリエーターには向かない。

これは小説家の世界にも当てはまる。たとえ文章力と構成力が優れていても、
肝心の書くテーマがつまらないモノだったら誰も読んでくれない。つまり売れ
ないし、出版社に相手にされない。賞も取れない。

一般大衆が買って読んでくれるには、他人を感動させるくらい大変な自分が抱
えているテーマを、恥を忘れて提示する覚悟が必要だ。作家って大変なのだ。

ぼくが日常大切にしていることは、キレイダナとすぐに感じること。そしてな
ぜ自分がキレイと感じたかを考えること。するとCGを制作するときや写真を合
成するときにすごく役立つ。

ものを見る力のことをデッサン力というんじゃないかな。なので二日酔でボー
ッとしてたり、悩みがあったりするとデザインもはかどらない。常に他人を大
切にして気持ち良く生活することが、より良いデザインを生みだすのだと思う。

これからCGの世界で活躍したいと思っているあなたは、デッサン学校が誉めて
くれるようなコンサバな勉強よりも、自分が一番ブルブルしちゃうテーマをCG
絵にして何枚も描きなさい。どこにも遊びに行かず、一年中描きなさい。好き
な世界を必死に描く中から、CG技術も上手くなるし他人を感動させるテーマも
自然に生まれているはずですよ。

描いているテーマが他人から、平凡だとか変態だとか、何と言われたっていい
んです。自分が一番ブルブルしちゃうテーマを正直に描き続けなさい。

いくらCGの技術があっても自分が「これを描いていると死ぬほど幸せなんです」
というテーマを見つけない限り、あなたは他人から指示されたとおりの作業を
毎日繰り返していくだけですよ。その大切な「テーマ」を見つけるためには、
アナログ的スキルなんて必要ないんです。

【鈴木守 Mamoru Suzuki】
1956年東京生まれ。日本デザインセンター、戸田正寿デザイン事務所を経て、
1994年鈴木守デザイン室設立。1992年、93年、98年東京ADC賞。94年JAGDA新人
賞。97年世界ポスタートリエンナーレトヤマ銅賞。97年デザインフォーラム銅
賞。ディジタル・パブリッシング・グランプリ・コマーシャル部門大賞等受賞。

〒104-0045 東京都中央区築地3-9-4 シティハイツ築地201
鈴木守デザイン室 TEL.03-3542-8155 FAX.03-3542-8156

・「描く前に余分なことで悩む若い人が多いようなので、まず作ることが一番
の勉強だと思うので、こんな意見を書きました」という鈴木守さん。ディジタ
ル・イメージ1999展のポスターを自主制作してくれた。そのプロセスは「アゴ
スト アート&デザイン」010号(発売中)に掲載されている。

ディジタル・イメージ大阪展は6月29日(火)から7月9日(金)まで、大阪
府立現代美術館で開催されるが、初日のセミナーでは鈴木さんの講演と、希望
者の作品批評をその場で行う予定。関西の学生しょくん、いまから作品を制作
しておきましょう。6時からは軽いパーティもあります。(柴田)

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■編集後記(5/29)
・今日の午前中の仕事はハニー号を獣医のところに連れていって、フィラリア
の予防薬とやらを飲ませること。午後の仕事は横浜に行って神奈川インターパ
ブリシング協会の総会にJPCを代表して出席すること。この落差は。(柴田)
・今日のコラム2本は偶然にも呼応しているような気がする。「恥を忘れて」
これが一番難しい。自分の中にある宝箱を人に見せるのは躊躇する。ずっと自
分が好きな音楽や映像、文章などを「一般的でない」という理由で否定されて
きた。もちろん認められるものもあるが。「変~」「知らない~」「気持ち悪
い~」と言われ続けてきた人間には、宝箱は空けにくいのだ~。(ハマムラ)
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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