[0447] エレ・ショーで見えた近未来

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0447   1999/10/21.Thu発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 14149部
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 <ノドから手が出る内容>

●デジクリトーク
 エレ・ショーで見えた近未来
 水無月 実
  
●連載 THE WAY PDF ADVERTISING LOOKS 3. (第3回)
 文芸とアート、広告との接点「PDFメディアの新展開」
 北澤浩一 
 
●新刊紹介<宣伝モード>
 『Shadeの達人』成光雄・くつぎけんいち・Rey.Hori 共著



■デジクリトーク
エレ・ショーで見えた近未来

水無月 実
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10月5日~9日まで千葉幕張メッセでエレクトロニクス・ショーが行われた。
その中で注目すべき製品を見つけた。

液晶モニターは家電系メーカーのブースには欠かせない展示品である。電子書
籍の発達には欠かせないのは液晶モニターである。望ましい液晶は低価格で、
明るく、軽く、そこで表示された文字が読めるものである。また、長時間見て
いても目が疲れないことも必要だが。

その液晶モニターにも、そろそろ高品質な製品が見られるようになった。展示
されていた液晶パネルは薄型12インチ程度のものが主流で、その特長は明る
いこと。コントラストの良いものが増えた。バックライトがなくても、これま
でと同じ明るさを保つ液晶モニターもある。解像度も改良されている。

今回、すでに数社メーカーからは12インチで解像度が約100dpi(ドットピッ
チが0.24mm×.024mm)というものが発表されていた。その中で最高の解像度は
160dpiであった。これぐらいの解像度になると、電子書籍もいよいよという感
じがする。

Philips 社は「究極のデジタルビジョン」という冊子を配布していた。ここに
は、テレビジョン関係の新技術が紹介されている。新開発のプロセッサを中心
にしており、さまざまな規格の音源、ビデオが一括に扱えるという新システム
がたくさんある。これらのシステムは、デジタルビデオ信号、デジタルオーデ
ィオへの対応も完備している。

究極の1チップTVICも紹介されていた。新開発のビデオ・プロセッシング
ICからなる高品質テレビIPQ(Improved Picture Quality)もある。ビデ
オ、オーディオとなど、これまでよりも多種の要素を組み合わせたマルチメデ
ィア、新しい表現が生まれてくるのか。

Philips社とMicrosoft社の共同開発でWindows 2000に対応したTeletext対応の
システムも紹介されている。これを使うとWindows 2000で高品質のTVが実現
する。同時に、Philips 社はTeletext対応のユーザーインターフェースと、こ
れを表示するためのアプリケーションを供給している。DVD関連の製品も多
い。複合の信号系を1チップで処理するLSI、これを実装した多機能ボード
などもある。

今後、印刷が情報化加工産業になると、今までは関連の薄かった分野との接点
も多くなるだろう。技術の進歩は、これまでは個別に独立していた産業分野を
緊切にし、それぞれの相互の関連性を深めていく。今までは見なくても済んだ
分野の展示会でも、これからはきっちり調べておく必要があるだろう。そこに
新たな方向性が見えることも少なくない。

【みなつき・みのり】MMinatsuki@aol.com
関西出身のライター。1990年初め頃からDTPの世界に入り、現在は電子
出版、DTP、インターネット、マルチメディアと何でもあり状態。

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■連載 THE WAY PDF ADVERTISING LOOKS 3. (第3回)
文芸とアート、広告との接点「PDFメディアの新展開」

北澤浩一
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■「あなたなしで」(制作の実際)

ここで、簡単に制作の流れをふりかえってみる。
1:撮影。
2:デジタル化。
3:DB化。
4:選択。
5:画像処理。
6:コピーの付与。
7:デザイン・レイアウト。
8:Acrobat 4.0による出力。

撮影は一般的な一眼レフ数台を用いる。素材集は使っていない。自分で撮影す
るのは、作品のイメージに合う写真が甚だ少ないことが理由である

私は写真を撮り始めてまだ3年ほどであり、基本技術を習得するのに相当苦労
した。始めの100本近くはツカイモノにならない。今も、1本のフィルムで
満足できるものが1~2枚あれば良い方である。

個人的には、高価なカメラを用意するより、その分フィルムを消費した方が良
いように思う。また、一般にうまいと言われている写真や流儀に拘ることなく、
自分で心惹かれるものを撮りためるようにしている。

プロラボで現像したポジやネガをフィルムスキャナで取り込む。それをCD-
Rにデーターベース(DB)化してゆく。時間のかかる単調な仕事だが、材料
の仕込み・下拵えの段階でもあり、ここをオロソカにすると作品に広がりがな
くなる。

DB化したものの中から、使えそうな画像を選択してゆく。
夜更けに、漠然と画像を眺めていると自然に言葉が浮かぶ。反対に、始めに言
葉があり、そこから画像を捜してゆくこともある。
その時、微妙なバランスを取っていることに気づく。
つまり、ここにクライアントの商品名が入った場合、それが広告として成り立
つかどうか、ぎりぎりの計算をしているようである。

画像処理にかける時間は1~2時間。4時間以上かかる場合は満足のゆかない
結果に終わることも多い。前提として、モニターのキャリブレーションおよび
各種ハード・ソフトのチューンは重要である。

過度の合成はしない。元の写真が良い場合には補正程度ですませることもある。
作成したコピーを、あらかじめデザインされた雛形に流し込む。雛形は高度な
平凡性、つまり汎用性を重視した。

また、広告使用が目的であるから、程のよさと端正な仕上がりを心がける。こ
こでは現代美術のいくつかの作品、あるいは海外の広告作品が参考になる。
70年代までのものに多く示唆を受けた。単純なものほど美しい。

最終的にAcrobat 4.0 で文字をエンベットし、印刷用とオンライン用、二種類
のファイルを出力する。フォントの種類も最小限度に押さえた。

オンラインで展開する場合、JAZZピアニスト、大石学氏の演奏を背後に流すこ
ともある。CDによる配布では、Acrobat 4.0の機能を用い、高品質なWAV形式
の演奏をPDFファイルに含ませる。いずれもスタジオ録音されたものである。
これにより、ショールームなどでモニターに全画面表示させ、音楽とともにプ
レゼンテーションすることができるようになる。


○補足

制作のことを書いているのに何故、「あなたなしで」なのか。という疑問を持
たれると思う。どれひとつ欠けても旨くゆかないという意味ではそうなのだけ
れども。

各要素につき、書くべき事は多い。ここで大事なことは、「程のよさ」と微妙
な「バランス感覚」である。これをやればこうなる、こういうこともできる。

と、技を競うのはそろそろいいかなあ、という按配である。文章でもそうだが、
余計な飾りがあるものは、次第に躯に堪えるようになっている。

「デジタルかアナログか」という二分法ではなく、それらがそろそろ統合され
ても良い頃だとは思うが、いかがだろう。

諸先輩方の優れた作品を眺めていると、デザインというものはひとつの概念、
あるいは世界観、それを凝縮した密度なのだろうかと思うこともあった。

大石学氏は、30代後半のJAZZピアニスト。大石学トリオとしてCDも
「meldac」から発売されている(「TEARS RAINED DOWN」MECJ-30105)。
ライブやコンサートなどの情報はyominet の「青い瓶の話」の中に毎月載って
いる。ジョー・サンプルやパット・メセニーを聴いたことのあるひとなら、恐
らくすぐ耳に馴染むだろう。つまり、大石さんの演奏は品があり現代的なのだ。

【きたざわ・こういち】lane2526@yominet.ne.jp
1958年生。97年12月より、読売新聞社の有料会員制インターネットサ
ービス「yominet 」その文芸フォーラムを業務委託され執筆・管理・運営して
いる。短文には定評がある。

「yominet」文芸フォーラム(id/pass:半角英語 guest)
http://www.yominet.ne.jp/forum/lane/
本作品の雛形は、1.「緑色の坂の道」
日々のコラムは、3.「青い瓶の話」

「夜の魚PDF」
http://www.spis.ne.jp/kitazawa/

「MAGPRESS」
セイコーエプソン株式会社 メディア推進グループ
http://www.magpress.ne.jp/

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■新刊紹介<宣伝モード>
『Shadeの達人』成光雄・くつぎけんいち・Rey.Hori 共著

発信:著者のひとり
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日本最大のCG作家グループ、ディジタル・イメージのメンバーでもある成光
雄とRey.Hori、美少女CGブームの旗手くつぎけんいちの3人が共著しました
3次元CGソフトShadeの解説本『Shadeの達人』が10月20日に翔泳社より
発売の運びとなりました。

同種の競合本も多数ありますが、後発本ということで、基本の基本からかなり
高度な応用まで、シームレスに網羅されていると自負しています。この点、講
義のテキストなどにも最適かと考えます。書店で見かけられましたら是非一度
お手に取ってご覧下さい。スペックは次の通りです。

『Shadeの達人』
成光雄・くつぎけんいち・Rey.Hori 共著
定価:本体3800円+税 396ページ B5変型判
オールカラー CD-ROM1枚付き ISBN4-88135-808-1

超豪華執筆陣によるShade 究極のチュートリアルブック。簡単な作例を元にし
たモデリングの導入編からプロの気になるテクニックを紹介した応用編まで、
幅広い内容を過不足無く紹介。入門者から上級者まで全Shade ユーザーが幅広
く使える本です。作者自らが書き下ろした「Making of Terai Yuki」という特
別記事も掲載。Shadeユーザーがノドから手が出る内容になっています。

・各サイトは大宣伝モードになっている。とくにくつぎさんのサイト、笑える

翔泳社出版局
http://www.shoeisha.co.jp/

くつぎけんいちの二次元倶楽部
http://www.asahi-net.or.jp/~PK9K-YMMT/

成光雄
http://www.kk.iij4u.or.jp/~msei/

Rey.hori
http://www.yk.rim.or.jp/~reyhori/

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■編集後記(10/21)
・昨日、ハマムラデスクと久しぶりに会って打ち合わせした。編集後記でふに
ゃふにゃと悩んでいるようすだったが、顔をあわせるとたいそう元気でデジク
リに対してはヤル気じゅうぶんで安心した。それにしても、仕事を自転車操業
しながらの制作発行だから大変だ。こっちは自転車散歩でけっこうのんき。デ
スクの仕事が落ち着いたら念願のWEBサイト再構築に入るつもり。(柴田)

・一人でいると滅入ることが多いですねぇ。一番辛いのが自分の力不足。キャ
パが狭すぎて不義理になります。さいあく~。 今日の号の発行が遅れたのは
ひとえに私に責が。夜行バスに乗り遅れ、別の場所に到着するバスに乗ったの
はいいものの…です。帰宅したら仕事のメールが何本か入っていて、またまた
不義理。皮一枚って感じです。ごめんなさい!>関係者の方々(hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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