[0452] 真似するのは是か非か?

投稿:  著者:  読了時間:22分(本文:約10,800文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0452   1999/10/27.Wed発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 14215部
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 <これも「ミーム」の成せるワザ?>

●デジクリトーク
 MKチャット対談
 真似するのは是か非か?
 笠居トシヒロ&まつむらまきお
 
●えむのHot Space!  No.41
 ネット上の便利屋さん 
 山口 壮/ えむ 
 
●デジクリトーク 
 プログラマの憂鬱
 鈴木祥生(グラフポート〕



■デジクリトーク
MKチャット対談
真似するのは是か非か?

笠居トシヒロ&まつむらまきお
───────────────────────────────────
まきお: 今日のテーマは「真似る」に関する考察です。
かさい: 真似? 知的所有権とからめて?
まきお: そそ、まとまるかどーかわからんが(笑)
かさい: まとまらん可能性高し(笑)
まきお: うーん、どこから手をつけよう(笑)? いろいろ考えていることは
    あるのだが...
かさい: まねすることの初期段階は....やっぱ赤ん坊が人間になるときだけど
    ...根源過ぎ?
まきお: (笑)すぎすぎ(笑)オリジナリティとはなんぞやというのもむずか
    しいな
かさい: うーん(^^;)
まきお: どこから話をはじめたらいいのやら(笑)
かさい: 真似することの意義とか
まきお: だれの影響を受けたのか、とか....
かさい: 日本の美術界では「本歌取り」ってのがあるよね
まきお: ほうほう
かさい: 出典をあきらかにして、それに創意を加えるってヤツなんだけど
まきお: 「オマージュを捧げる」とか言うヤツかな?
かさい: そうそう、音楽でいうとカバーバージョンってことになるのかな
まきお: カバー、なるほど。リミックスってのもあるよな─
かさい: うんうん、いずれにせよ、元々が何であるかを明らかにするってとこ
    が、いわゆる「パクリ」とは違うところだね
まきお: 美術で言うと、コラージュかな?
かさい: コラージュはちょっと意味が違うんじゃないかな~?
まきお: まず、言葉を整理しよう。パロディってのは、許されるの?
かさい: うーん、どうなんでしょ?作者が許すかどうか....にかかってるのか
    なぁ
まきお: パフィーの曲に、ビートルズのメロがチョロっと入るのは(笑)?
かさい: そういうのが一番曖昧だねえ、オマージュだっていえばそれまでだし
まきお: たとえば、マンガなんか一番顕著だと思うんだけど、だれの影響を受
    けているか、すぐにわかるケースがあるよね
かさい: たいていは師匠の影響でしょ? アシスタントやってる頃に擦り込ま
    れちゃうとか
まきお: そうは限らないでしょー
かさい: そうなの?
まきお: たとえば、手塚治虫はディズニーの弟子ではないよね
かさい: あーそういうことか
まきお: あと、大友さんの影響を受けた人は山のようにいるけど、実際にアシ
    スタントだった人って、ほんの数人でそ?
かさい: ふんふん。そういえば....最近ちょっと気になることがあるのよ
まきお: ほい?
かさい: 絵柄が似てる、っていうのはまだ許せるんだけど、モデルがマンガの
    絵そのものだ、っていうのがわかるケースが多くない?
まきお: モデル?
かさい: つまり、マンガを描くときって、デフォルメするよね、その元になる
    モノは実在するものなわけじゃない?
まきお: たいていはね(今、ふと「うなぎいぬ」が脳裏をかすめた〈笑〉)
かさい: (笑)最近、そうではなくって、だれかが描いた絵をさらにデフォル
    メしてる、ってケースが増えてきてるのでは...
まきお: あ、逆に最近はそれ、減ってきた気がするよ、ぼくは。昔はそれ、す
    っごく多かった。特に少女漫画。
かさい: ああ、少女マンガあんまり読まんからなあ...
まきお: たとえば、いわゆる「瞳の星」とか
かさい: (笑)
まきお: 本来、光の映り込みであったのがどんどん記号化していったんだよね。
    で、内田春菊だったかなぁ、目の星が線でね、蛍光灯の映り込みなの
    よ。すごいでしょ
かさい: うーむ、さすが現代を描く漫画家
まきお: あと、髪の毛の「天使の輪」とかがね、最近パターン化してんのね、
    パターンというか、記号化。パーマ頭なのにバーンと天使の輪があっ
    たり
かさい: いずれにせよ、自分の中に取り込んだものを昇華してるわけじゃない
    ってことが問題なのかな?
まきお: 問題かどうかはケースバイケースなのだよ、マンガの場合、絵は「記
    号」という側面もあるからね
かさい: ピクトグラム的な考え方?
まきお: そそ、たとえば、#みたいな記号が怒ると額に出てくるでしょ?
    あれは怒って血管が浮き出ている表現なのだけど、それが発展して今
    では髪のあたりに出たり、空中を浮いてたり(笑)汗なんかもそだよ
    ね、(^_^;)こゆふに(笑)
かさい: こういう絵があったらこうだって読者に伝える為の記号化ね。しかし
    記号という概念まで行ってしまうと、真似というテーマからははずれ
    ちゃうね(^^;)
まきお: ちゅーか、これは皆が真似ることで市民権を得た共通認識なわけよ
かさい: うーーむ、真似が氾濫することで、それが記号化されていくと...
まきお: グラフィックデザインなんかも、そうだよね?「流行」と言う言葉で
    くくられる真似っていっぱいあるでしょ?
かさい: あるある。ちょっと前までの「クール」路線なんかもその一端だよね
まきお: そのちょっと前はエヴァっぽい、太明朝(笑)?
かさい: それまで難しかった和文のクールっぽい表現もやればできるってわか
    らせて、でも、結局それを越えることは難しかったってことかね
まきお: でも、あれって羽良多平吉さん( YMOの「パブリックプレッシャー」
    のジャケット等で有名なグラフィックデザイナー/装丁家)のパクリ
    じゃん(笑)
かさい: (笑)組み合せでうまく処理したってことかしら
まきお: いや、(一般の人は)だれも知らなかった、ってことでしょう、オリ
    ジナルを
かさい: (笑)
まきお: あ、でもこれ、大事よぉ、オリジナルがだれでも知っているものであ
    れば「流行」「オマージュ」「影響」といって、すませられる(笑)
かさい: 誰も知らないところからパクってくればオリジナルになれる?
まきお: いや、それはパクリ(笑)
かさい: 世間の評価としてよ。ま、結局ばれるんだろうけど
まきお: 世間の評価がパクリの方が高いってのは、よくあるよね。具体的に例
    を挙げるのは避けるけど(笑)。だってみんな知らないもの。先の羽
    良多さんにしろ、なんにしろ。だから、なにが真似で何がオリジナル
    なのか判断がつかなくて、コロっとだまされたり、瞳の星みたいにど
    んどん記号化していく。評価されてるモノを見てみてさ、なにをパク
    ってるかばっかり見えて、興ざめすることが多いよ
かさい: ふーん、なるほど。あのさ、贋作ってあるでしょ?
まきお: はいはい
かさい: あれはなんで鑑定したらわかるの? イキオイが違うとかいうよねえ
    鑑定士の先生は(笑)
まきお: あ、それはホンモノをよく知っていれば、見ていればわかると思うよ
かさい: ホンモノ知らなくてもわかるヤツもあるけど(笑)やっぱ本物を真似
    する、なぞるってのは本物を越えられないわけだ。アタリマエだけど
まきお: 真似をするのが、目的になっちゃえば、そうだよね
かさい: パクリもオリジナル以上にはなれないってことかな?
まきお: それがそうとも限らないのが、クリエイティブの面白いところ(笑)
かさい: (笑)
まきお: 手塚治虫のマンガはディズニーの影響がめちゃくちゃ大きいよね?
かさい: うんうん
まきお: でも、完全に超えてるじゃん
かさい: ディズニーのほうがパクリやっちゃうくらいね。でもそれって、やっ
    ぱ手塚さんのオリジナリティが優ってたってことじゃないのかなあ
まきお: リチャード・ドーキンスという、生物学の博士がおりましてね、「利
    己的な遺伝子」という本が10年くらい前に話題になったんだけど
かさい: あ、しってる。パラサイト・イブの元ネタ(笑)
まきお: そそ、人間が繁殖するのは遺伝子の意志による~、みたいな~(笑)
かさい: で、それがパクリと何か関係が?
まきお: その人が面白いコトを言ってましてね、文化、文明ってモノはですね
    「ミーム」という仮想遺伝子が「模倣」によって繁殖していく結果だ
    という論理があるのよ。
かさい: うーん、さっきの漫画の記号論と似たような話になるのかな?
まきお: それも、その一つだけどね、たとえばまつむらがマンガを描くとする
    でしょ? そすっと、その「マンガ」の中に「ミーム」という遺伝子
    が含まれるのよ。で、それがメディアにのってばらまかれるのね
かさい: ふーん
まきお: で、それを読んだ人のノーミソにミームが入ってですな、他のミーム
    と結合して、新しいミームとなって、その人が作る「なにか」に含ま
    れて、また伝達してゆくと
かさい: 思考の中の遺伝子....ってことでいいのかな? ようするに、模倣と
    模倣が合わさることによって、別のオリジナルが作り出されていくと
まきお: そですね、まつむらの解釈では
かさい: だけど、模倣した要素は消えずに残っていくと
まきお: そそ、形を変えて、残っていく
かさい: うーむ、なんか難しいなあ(^^;)
まきお: 難しいですよ、オックスフォードのセンセだもん(笑)
かさい: 結局、人類の文明は模倣によってなりたっているわけだから、真似す
    ることを否定するのはナンセンスだということになるの?
まきお: 真似する、というか、どんなに自分のオリジナルだと思っていても、
    絶対になにかに「影響」はされているのね。自分がイヤでも親の遺伝
    子を受け継いでいるように
かさい: 経験からの発想は、それ自体がすでにオリジナルではないってことね
まきお: ですね。だからといって、なんでもかんでも真似していい、という話
    ではない(笑)
かさい: そらそうだ(笑)なんかメチャ根元的な話になってしもたやんか
まきお: すきやねん、そゆの。リクツコネやから(笑)
かさい: ワシもキライじゃない(笑)
まきお: 以前、ピンでデジクリ担当してた頃、ミームの話は何度か書きかけた
    んだけど、どーもまとまらなくてね
かさい: まとまらんわ、そら。今でもまとまってはおらんもの(笑)
まきお: チャットはまとまらんでもええねん(笑)んでさー、「真似する方」
    と、「される方」で、理論が違うじゃない?
かさい: ふむ
まきお: 真似する方は、その対象が大好きだから真似するわけで、その価値を
    認めてるわけでしょ?
かさい: 好きだからっちゅーのはどうかなぁ? 価値を認めてる、という部分
    には賛同するけど
まきお: 好きでないものを真似するのって、身体によくないぞ(笑)
かさい: 体に良くなくても金になりゃやるヤツはなんぼでもおる(笑)
まきお: そゆ低次元の話ではない(笑)そゆのはゴミだから、捨て置く。それ
    はそれで困るけどさ、ダイオキシンとか、放射能とか(笑)
かさい: (笑)で? 好きだからという前提でどういう話になるのかな?
まきお: いや、じゃなくて、真似される方はさ、そんなの関係ないじゃん
かさい: うん、基本的にはそうかな
まきお: 真似されたら、腹たたへんか?
かさい: たつ(笑)
まきお: なら、基本的に、もクソもない(笑)
かさい: だけどさ、すんごい良い作品を作ってる人がいて、これはあなたの作
    品に影響されて作ったんです、って言われたら悪い気はしないぞ
まきお: でも、そいつがそれで儲けてたら、腹たつやろ(笑)
かさい: だな(^^;)
まきお: でも影響された、ってのは、いいのよね、うん
かさい: パクられたらやだね、やっぱり
まきお: どれくらい、自分のモノと変わっているか、によるのね。自分では絶
    対つくれないモノで、それがよいモノであれば、ああ、ミームが繁殖
    したなぁと(笑)
かさい: うん、やっぱその人がどれだけ自分の中で浄化してるかによるんじゃ
    ないかな
まきお: そーそー、e-one みたいにさ真似しーが出ることで、本家がよく見え
    るってコトもあるよな
かさい: 今度はいきなり現実的な話だな
まきお: だから、整理できてないのよ、この命題は
かさい: (笑)
まきお: エピソードワンはなんか、鳥山明のまんがみたいだったとか、マトリ
    ックスはどーだとか、他にもいろいろあるのよ(笑)
かさい: どっちがどっちに影響されてるのかはわからんけどね(笑) これも
    ミームの成せるワザ?
まきお: 「ミーム」ってのが、そのあたりを解き明かすキーワードだと、まつ
    むらは思ってますけどね。また、そのうち、このテーマはしきり直し
    ませう(笑)
かさい: やっぱりまとまらんかったね(^^;)
まきお: まとめられたら、オックスフォードに入れる(笑)
かさい: (笑)

【笠居 トシヒロ/グラフィックデザイナー】
Flash4J プロフェッショナル・テクニック 11月上旬発売開始予定!
<http://www.mad-c.com/>

【まつむら まきお/まんが、イラスト、アニメーション作家】
「おしえて!!Flash4」発売10日目にして増刷決定! 感謝!
<http://www.asahi-net.or.jp/~GU5M-MTMR/>


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■えむのHot Space!  No.41
ネット上の便利屋さん

山口 壮/ えむ
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◇ネット上の便利屋さん

いつかは誰かが日本でもこんなサービスを始めてくれるに違いないと期待して
るんですが、なかなかそんなニュースは聞きません。インターネットを利用し
た「便利屋」の話なんですけどね。

アメリカのエキスパートセントラル・コム社が始めたサービスは、鑑定士や専
門家への相談を仲介してくれるというもの。4700人の専門家が登録されて
いて、簡単なことなら無料で疑問や問題を解決してくれるということです(も
ちろん内容によっては有料)。

ネット上の掲示板や会議室などで質問すると、親切に答えてくれる人がたくさ
んいますが、このような仕組みが本格的なサービスとして提供されていること
になります。

ちょっとしたことを聞きたいっていう時、ありますよね。「サンショウウオっ
てどうしてこんな名前がついたんだろう?」とか「卵酒の作り方が知りたい」
「沢村栄治の残した記録を調べたい」等々。「店の売り上げを伸ばすにはどう
したらいいのか」なんていう切実な問題も、適切な専門家のアドバイスがあれ
ば解決できるかもしれません。

インターネット経由でパソコンに関するトラブルを解決しようというサービス
は、少しずつ出てきているようです。パソコンに限らずに、このサービスの範
囲をもっと拡大すればかなり役に立つでしょうし、それなりに儲かりそうな商
売だと思うんですが、どうして日本で誰もやってくれないんでしょうねぇ。

<どんな問題も解決してくれる新「便利屋」サイト誕生>
http://www.hotwired.co.jp/news/news/3180.html

◇メリッサの変種

悪質なウイルスとして一世を風靡した(?)メリッサの変種が次々に登場して
います。これらのウイルスは「Melissa.U」「Melissa.V」「VBS.Freelink」そ
して「Melissa.U(Gen 1)」と呼ばれています。
また Outlook Express などを介して感染するワーム「VBS.666 test」と
「Badass」も登場しています。

抗ウイルスソフト・メーカー各社が、すでにこれらのウイルスに対応したファ
イルの配布を行なっていますので、ソフトをお使いの方はすぐにでもアップデ
ートして下さいね。

<Melissaライクなウイルスが一部企業で繁殖>
http://www.zdnet.co.jp/news/9910/18/melissa.html

<また新たなMelissaの変種。だが「さほど深刻ではない」と専門家>
http://www.zdnet.co.jp/news/9910/19/melissa.html

<シマンテックが変種ウイルス「メリッサU ジェネレーション1」に対応>
http://www.zdnet.co.jp/pcweek/news/9910/18/99101813.html

<ネットワークアソシエイツが「Melissa」の最新変種ウイルスに対応>
http://www.zdnet.co.jp/pcweek/news/9910/15/99101517.html

<バーテックスリンクのウイルス対策ソフト「アンチドート」が新種ワーム
「VBS.666 test」に対応>
http://www.zdnet.co.jp/news/9910/20/vertex.html

<Outlookに感染するウイルス「Badass」>
http://www.zdnet.co.jp/news/9910/18/outlook.html

◇ウイルス警報メールサービス

トレンドマイクロが脅威度の高いウイルス情報をメールで配信するサービスを
開始しました。登録は無料です。ウイルス情報に始終目を光らせている必要性
が軽減されるのはありがたいことです。シマンテック等、他の抗ウイルスソフ
ト・メーカーも同じようなサービスを始めるでしょうね。

<トレンドマイクロが無償で「ウイルス警報メールサービス」を開始>
http://www.zdnet.co.jp/internet/news/9910/20/news01.html

<トレンドマイクロ>
http://www.trendmicro.co.jp/

<ウイルス警告メールサービス登録>
http://www.trendmicro.co.jp/as/vmail.htm

【山口 壮/ えむ】 mailto:PXX06120@nifty.ne.jp
http://member.nifty.ne.jp/yamaguchi/

先週は、僕のミスで原稿が送信されておらず穴をあけてしまった(スミマセン
でした>柴田さん&濱村さん)。これが紙媒体だったら白紙のページが出来て
いたことになるわけで。
「LA Today <地域新聞記事INDEX>」という日本全国の地域新聞記事のインデ
ックスを配信するメールマガジンが、開始からたったの3カ月で1万人の読者
を獲得した。日刊デジクリの読者ももっと増えてほしい。

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■デジクリトーク 
プログラマの憂鬱

鈴木祥生(グラフポート〕
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私も物でないものを作っているということで、デジクリの仲間とさせて下さい。
この度クリエータ向けソフトをホームページ上で販売することといたしました。
http://www.grafport.net

ぜひとも見てやって下さい。

実はソフト流通大手や印刷関連企業等から引き合いがあって、一般流通にのる
寸前までいっていたものです。しかし、大きな会社はそれなりにむつかしいこ
とがたくさんあって、お蔵入りの判断をせざるを得ない状況になりました。本
当はこの時のやりとりを記事にするつもりだったのですが、何分にもまだ日が
浅く、実情の暴露はしばらくおいてからにしたいと思います。

さて、プログラマの憂鬱と題しましたが、花形産業の横文字職業人の何が憂鬱
なのでしょう。一言でいってしまえば、「今もっているノウハウで何年も食え
ない」ということなのです。日進月歩どころか本当に秒針分歩の感さえある、
ハードやソフトの進歩は、今現在のノウハウをたちどころに陳腐化してしまう
怖さがあります。

私の元上司などは紙テープ時代からのプログラマでしたが、「デバッグ(プロ
グラムの不具合を直す作業)とは、はさみとセロテープでやるもんだ」が常識
だった訳ですから、現在のやり方についてこられないのも無理からぬ話です。

仕事がMac主体になってから、いわゆるプロカメラマンという方々と仕事を
するようになりました。私などは写真に関してはまったくの素人で、リバーサ
ルフィルムのことすら知らず、「へぇ~最近はちゃんと見えるように現像され
るんですね」等といって、大恥をかいたぐらいです。

そこでいろいろなお話をうかがううちに、「カメラや、撮影に関する技術は基
本的に大きくは変わっていない」ということがわかってきました。けっしてカ
メラマンは進歩していない等というつもりはありませんが、平たくいえば、小
僧時代に得たノウハウや、技術でずっと食っているということです。

もちろん感性を常に磨いているということや、デジタルを含めた新しい技術を
積極的に採り入れる努力はなさっているでしょうが、ベースとなっている部分
が根本的に変わってしまうということはさすがにないと思います。

しかしながら我々プログラマは、ある日突然、クライアントから「鈴木君とこ
JAVAできる? あ、やったことないんだ。じゃあよそたのむわ」「ちょ、
ちょっとまってください。JAVAぐらい簡単ですよ。今勉強してたところな
んだから」「あ、じゃあ安くやれるよね? 別のとこ見積とったら高いことい
うんだよ」「…………」ってなことが日常茶飯事になってきています。

もちろん、コンピュータといえど基本的な考え方や技術などは、継承される形
になってはいますが、新しい概念(例えばGUIやオブジェクト指向等)やハ
ードの規格(USBやFireWire)にリアルタイムでついていくのは正直言って
しんどいものがあります。また、それらの新しい技術を身に付けたからといっ
て、それがすぐお金になるとは限りらないという現実があったりします。

結局のところ、新しい技術を持っているようにふるまって、依頼を受けた瞬間
から泥縄式にやっていくしかないのでしょう。

今日も時計が午前2時を回ったことを告げています。徹夜が好きなのはクリエ
ータの皆さんだけではないということで、お話を終わりにしたいと思います。

【すずき・よしお】suzuki@grafport.net
名古屋市中村区在住1962年生まれ。1988年よりMacに携わるように
なる。Macプログラマを名のるが本当はSE、コンサルティング、講師など
の仕事の方が長い。現在LINUXと日夜格闘中。グラフポート代表。

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■編集後記(10/27)
・娘が勤めの休憩時間に読むのだといって、わたしが愛蔵していた白泉文庫版
「ガラスの仮面」をありったけ持っていき、昨日返しにきたが、棚に戻さなか
ったので整理していたらつい読み耽ってしまった。いろいろおかしな点はある
が、とにかく面白い。しばらくは寝る前に読むことになりそうだ。「ガラスの
仮面」を最初にまとめて貸してくれたのが、土曜日の男・十河進さんだ。もう
10年くらい前か。おかえしに「子連れ狼」全巻を貸した。その後で、彼をモ
デルにしたような「お父さんは心配症」をプレゼントしたことも。(柴田)

・他のシステムの方にはわからない話題なのですが、まぐまぐで配信を受けて
らっしゃる方へのお詫びをば。昨日2度ほど途中で切れた号をお送りしました。
原因は、原稿の中にあった文字で、マックで見ていると豆腐になってします。
それがEOF的な処理をしてしまったようで、その後の文字は認識されません
でした。申し訳ありませんでした。あの文字は一体何だったのだろう…。
子供の時「ガラスの仮面」の一巻を書店で見つけ読了後、ありったけのお小遣
いを握りしめて残りの巻を買えるだけ買いに走った覚えがある。亜弓さんが好
きさ。昨年の WORLD PC EXPOではTV版の紫の人とすれ違った。田辺誠一。か
っこ良かったっすよ~。男前オーラ発信中って感じで。(hammer.mule)

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.shohyo.co.jp/nagesen/ <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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 担当:濱村和恵
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