[0562] 自転車に乗って

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0562   2000/03/23.Thu発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 15709部
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 <世界一周出航まで残り61日>

■デジクリトーク
 自転車に乗って
 杠 聡

■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0045(3/23)
 5人乗船枠仮確保、4月5日までにスタッフ確定
 ------世界一周出航まで残り61日-------
 川井拓也

■イベント案内
 ON DEMAND Printing Japan 2000

■アンケート調査協力のお願い
 iMedio3000 プロジェクト



■デジクリトーク
自転車に乗って

杠 聡
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『自転車に乗って』
こんなタイトルの曲があったような。

冬もそろそろ終わり、という或る日。信州上田市にある『上田マルチメディア
センター』に作品展やセミナーなどの打ち合わせに出かけることになった。こ
こは比較的(というか目一杯)辺鄙なところにあり、上田駅から別所温泉線に
乗り換えて大学前駅から数十分歩くか、上田駅からタクシーを使う、というの
が通常のアクセス方法になる。

自家用車で行ってしまおうかとも考えたのだが、私はどうもこの車という物の
運転が好きではない(車自体は好きなのだが)。かといって助手席はもっての
ほかである(山道など1kmも走らないうちに酔ってしまう)。

で、自転車を担いで列車に乗り込んで出かける、ことになる。

列車に自転車を担ぎ込むことを教えてくれたのは、相方(妻、とも言う)が知
り合った自転車店の店長の知り合いで、彼は当時、僕(ここは私でなく、僕、
でいきたい)が乗っていた街乗り用自転車(フィットネスとかプロムナードと
呼ばれる自転車)のハブをクイックレリーズ(自転車のホイールをレバー操作
で簡単にフレームから取り外せるようにしたもの)式の物に変え、ハンドルを
ドロップにし、ブレーキもワイヤをはずせるタイプの物に交換した。

そして僕に薄っぺらい袋(輪行袋という)を買わせ、その袋に自転車を詰め込
む方法(これが輪行)を教えてくれた。彼の行動はここでとどまることなく、
「これからの小売店は売りっぱなしでは駄目だ」と店長をたきつけ、ショップ
のお客を集めて倶楽部をこしらえ、月に一度のクラブラン(倶楽部の連中が集
まって走るのをこう呼ぶ)を企画して毎月実行に移したのである。

このクラブランには、彼の学生時代、一緒にあちこちツーリングして回ってい
たメンバーも加わってくれたおかげで、僕は彼らにくっついて走っているだけ
で自転車ツーリングに関する知識をどんどん仕入れることが出来、数年たつと
自分で地図を見て計画を立て、ひとりで出かけられるようになった。

この頃から、自転車ツーリングやポタリング(近場を自分の気分の良いペース
でポタポタ走ること…といってもポタポタが語源ではないのだが)で出会った
風景や人を絵の題材として取り上げるようになった。風景は同じ場所であって
も季節ごと、時間ごとで違う顔を見せてくれる。そして、その風景とふれ合う
のに、車では早すぎるし、歩くのでは遅すぎる。自転車というのが、今の僕に
はちょうど佳いペースらしい。

マルチメディアセンターに出かける前夜。「明日は打ち合わせに行くのである
のである」と自分に言い聞かせ、車種は(いつのまにやら我が家の玄関には自
転車が10数台ひしめいているので、目的にあわせて自転車を選ぶ必要がある)
輪行組み立ての一番楽なフォールディング・バイク(早い話が折り畳み自転車、
小さくなるのはいいのだが、抽選で当たったものだけにメチャ重い)で行くこ
とに決めた。こいつはホイールの径が16インチしかない上、後ろギア6段、前
変速無しなので長距離やきつい勾配には向いていない。しかし、幹線道を数キ
ロ走るだけで積雪もほとんどないとのことだったので、問題ないはずだった。

大宮で長野新幹線に乗り換え(私は東京日野市在住なので新幹線リレー号で大
宮に出る)、必要ないだろう、とは思ったものの習慣で鞄に詰め込んだ5万図
(国土地理院発行の例の奴)を眺めていると、上田市街から一山越えることに
なるが、交通量の多い幹線道を通らず、マルチメディアセンターの横に出るこ
との出来る黒い実線の道(幅員1.5m~3mの道)を見つけた。

標高差は150m、登りはじめからピークまでの距離から考えるとかなりの急勾
配であるが、車に気を遣いながら走ることを考えればどうということはないさ、
と、上田駅で愛車を組み立て千曲川を渡ってすぐ山に向かって登り始めた。

集落を抜けると、すぐ滑り止めのあるコンクリ舗装に変わり、勾配は急速にき
つくなった。ペダルを漕ぎ続けることを断念して押しに入る。看板によると、
峠には養護施設があるらしい。ならば道がなくなることはあるまい、と、わっ
せわっせ押し上げてゆくのだが、すれ違う車(といっても2台だけど)の運転
者がじーっとこちらを見て、なにか言いたそうにしているのが気にかかる。

やがて道は落葉樹の中をまっすぐ施設に入っていった。なるほど、これでは施
設の関係者が「なんだこいつ」と、小さな自転車を押してゆく野郎を怪訝な目
で見るのはもっともである。しかし、こちらとしても地図にはっきり記された
道が施設中に消えてゆく方を怪訝に思っているわけで、ここはお互い様だ、と
勝手な理屈をつけて(いろいろな言い訳を考えつつ)、明らかに施設内に入り
込んでしまった道を押し続けていった。

、、、施設を無事に抜けたところで道はいきなり細くなり、舗装路ではなくな
った。おまけに雪解け、霜どけでぐずぐずである。しかし、もう一度施設内を
抜ける勇気はなく、しかたなく、道というか登山道をとぼとぼ押してゆく。小
径ホイールとガードの間はすぐに泥がつまってオートブレーキ状態になり、靴
底は泥でガングロねーちゃんブーツのようになってしまった。

これで転びでもしたら、もはや打ち合わせどころではないなと、本来の目的に
真っ直ぐ向かわなかった自分と誘いをかけた(いいがかりだが)地図を呪いつ
つ、もはや煩わしい荷物と化した自転車を押してヒイハア辿り着いた峠は、、
ただ鉄塔が建っているだけで、何の眺望もきかないところであった。

あまりのあほらしさにしばし呆然としていたが、鉄塔の横にさらに小径が山頂
に向かってのびているのに気づいた。ここまでくればもうやけだ、とばかり更
にぬかるみを踏みしめエイヤエイヤと押し上がって行くと、一陣の風が吹き抜
けて、ぱっと目の前が開けた。と同時に昼前の力あふれる日差しの下、上田市
街と塩田平がグワアアと広がっているではないか。

これだから、つい自転車に乗って行きたくなるのである。

(たとえ、泥だらけになり上田駅からマルチメディアセンターまで2時間以上
かかって、スタッフに笑われたりしても)

【杠 聡 ゆずりは・さとし】yuzu@st.rim.or.jp

イラストレーター/イラストライター。趣味が高じてなんとやら、自転車総合
誌『フィールドバイカース』フィールドライフ社でイラスト紀行『徒然走稿』
を連載しています。書店で目に触れることがあったら(ほとんどないでしょう
が)手に取ってみてください。

杠さんの作品やプロフィルがディジタル・イメージのサイトにあります
http://www.digitalimage.org/artists/YUZURIHA/index.html

上田市マルチメディア情報センター
http://www.umic.ueda.nagano.jp/

上田市制80周年記念『ディジタル・イメージ展 in UEDA』のようす
http://www.digitalimage.org/ueda.html

▼上田市マルチメディア情報センターでは、今年の10月に2週間の予定で『デ
ィジタル・イメージ展 in UEDA』を開催します。

▼いま「ディジタル・イメージギャラリー」という本を制作中(4/29から銀座
ワシントンで開催する『ディジタル・イメージ2000東京展』で先行販売予定。
インプレス刊)である。作家の経歴やコメントを読むと、デジクリにくわしく
書いてもらいたいエピソードや情報がたくさんある。じつは昨日の弓田さんの
映画の話も、今日の杠さんの冒険談もそこから得た情報。しばらくのあいだ、
活躍中のデジクリさんのトークが楽しめるはずです。たぶん。(柴田)

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■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0045(3/23)
5人乗船枠仮確保、4月5日までにスタッフ確定
------世界一周出航まで残り61日-------

川井拓也
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「世界一周する船」に「デジタルツール」と「クリエーター」を載せて陸地で
撮影、船でポストプロダクションをしていくということで企画をはじめた「ip
2000」は、ネット時代のソフトコンテンツ制作プロセスを開拓していくプロジ
ェクトです。

以下、先週からの進展。会社の通常業務は省略します。

23日(水曜日)
■編集最終調整
編集したピースファイヤープロジェクトに、今までのip2000イメージビデオを
ドッキングさせ、レンダリング時間切れで多少のコマ落ち等があったがビデオ
におとす

■谷崎テトラ氏打ち合せ
渋谷のブックファーストにて打ち合せ。昨日のスチル写真もあがりそれを見せ
つつip2000のプレゼン。ピンときた氏はアースデイのシンポジウムを逆にプレ
ゼン。イベントのVJとして光学姉妹が出動することになった。
http://www.taiyonet.or.jp/optisys/

4月22日という、出航の1カ月前に行われるイベントでip2000についても話せ
るようになりそうだ。アフリカに思い入れがある氏は、途中合流する可能性も
でてきた。またNHKへの番組提案を共同でやることに。ピースファイヤーに関
しては、その場で共同記者会見の段取をつけていった。そのスピード感に圧倒
される。

■ピースボート打ち合せ
ピースファイヤー企画をビデオと共にプレゼンする。公式イベントとして公認
される。その後関係者と乗船者の申込みを行う。4月5日をリミットとしてスタ
ッフの人数を確定させることにした。現在は5人の枠を確保。機材などの部屋
については随時ピースボートサイドと打ち合せをすることになった。

今週の日曜にスタッフを集めてはじめて打ち合せを行い、4月5日までにギャラ
を支払い常駐してもらうスタッフ、ギャラなしで旅費のみ支払うスタッフ、自
腹で乗りこみ手伝ってくれるスタッフなどの考え方をフィックスさせ、公式プ
レスリリースを作成することにした。会社としての取組みに関しても、本日夕
方内部で打ち合せを行い、明日の午前中に取締役会に提案することとなる。予
算面もある程度はじき、各自がどのくらいの金額をこのプロジェクトにもって
こなければいけないのか? を試算する。

各方面から参加したいというメールをいただいているが、来週には条件等をあ
る程度発表しようと思います。非常に多くの要素の試算とコンテンツ企画、プ
レゼンをしなければいけないので、メールレスがすぐにできないことがありま
すがご了承下さい。メーリングに入っていただければ必要な情報は随時お知ら
せします。
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ip2000 プロジェクトリーダー
川井拓也 / Takuya Kawai
kawai@taiyonet.or.jp
taku129@yahoo.co.jp
ICQ 30468977
プロジェクトwebページ
http://www.taiyonet.or.jp/kawai/ip2000/
プロジェクト会議室
http://www67.tcup.com/6708/ip2000.html

【日刊デジタルクリエイターズ】にて月曜から金曜まで毎日連載中!
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川井プロデュース経歴はこちら
http://www.taiyonet.or.jp/kawai/work.htm

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■イベント案内
ON DEMAND Printing Japan 2000
http://www.gsm.to
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<【JPC Topics】JPC Online NEWS 1999.3.22より転載>

JPC後援「ON DEMAND Printing Japan 2000」4月12日(水)~14日(金)開催

オン・デマンド・プリンティング推進委員会が主催し、JPCも後援する「ON
DEMAND Printing Japan 2000」が4月12日(水)~14日(金)の間、日本青年
館(コンファレンス)/青山TEPIA(エキジビジョン)におきまして開催され
ます。

5回目を迎える今回は、コンファレンス会場を日本青年館(東京都新宿区)へ
移し、大ホール、中ホール、国際ホールを使用してチュートリアル及び複数の
コンファレンスセッションを行い、よりフォーカスした講演を行います。また、
エキジビジョンを青山TEPIAで同時開催し、最新のオン・デマンド印刷ソリュ
ーションの展示とデモンストレーションを行います。コンファレンスにはJPC
プリント・オン・デマンド部会ディレクターなどが参加いたします。
詳細は、サイトをご覧ください。
お問合せは、電子メールにてondemand@gsm.toまでお問合せ下さい。

JPCサイト
http://www.jpc.gr.jp/

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■アンケート調査協力のお願い
iMedio3000 プロジェクト アンケート調査協力のお願い 
~この夏iMedioは拡張します!!~
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<主催者から>

大阪市がマルチメディア産業振興拠点としてソフト産業プラザiMedioを開設し
て1年、その後も入居問合わせが相次いでいることもあり、この度大阪市では、
夏頃を目処にインキュベーターオフィスを拡張し、公募を行う計画があること
を明らかにした。公募に先立ち、各種ニーズ調査のためアンケートを実施して
います。今回アンケートにお答えいただいた方々には・・・

・希望者の方には「入居募集パンフレット」が出来次第、優先的に送らせてい
ただきます。
・入居募集説明会のご案内を送らせていただきます。
・今後新しい情報が入り次第、断続的に情報提供を行います。

などの特典もありますので是非ご協力お願いします。

http://www.imedio.or.jp/zosyo/zosyo_anq.html

締切り:3月24日(金)
アンケートに関する質問・問合せ 担当:下江
zosyo@imedio.or.jp TEL:06-6615-1000 

▼締切りは明日です。協力をお願いします。

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■編集後記(3/23)
・SPA!がCD-ROMを綴じ込んだ。一般週刊誌では初の快挙か? さっそく近所
のセブンイレブンで買ってきた。CD-ROMはオマケといった内容で目新しいこと
まったくなし。350円は損したわい。同時に「週刊ウエブスパ!」もオープン
した。週刊誌の内容を補完するというか、もともとたわいのない内容だから、
WEBもソレナリである。だが、「SPA!厳選ヒマつぶしリンク集」はなかなか重
宝。変わりダネHPのリンク、話のネタに困ったらここへGO! 執筆陣のHPにも
行ける、とのこと。これはみごと、ひまつぶしにはもってこいだが、そんなひ
まないって。「サザエさん」などのパロディをはじめ、バラエテイゆたかなマ
ンガは「Toshi-B's image Factory」、うまい! 笑えます。(柴田)
・週刊ウエブスパ!
http://spa.fusosha.co.jp/
・Toshi-B's image Factory
http://www.atnet.ne.jp/~toshit/menu.html

・私はSOHOで仕事をしている。通勤時間は1分だ。なのになのに遅刻をしてし
まった。ひとりで仕事をしている時は「寝坊」だが、手伝いに来てもらってい
る限りは「遅刻」なのだ~。だんだんと睡眠不足が普通の状態になってきて、
長生きしないのぅ、と思っていたのに「余命占い」だと、91歳まで生きてハッ
ピーエンド。睡眠不足は関係ないのかなぁ。       (hammer.mule)
http://www.iris.dti.ne.jp/~ttoyama/sogo.html

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.nagesen.gr.jp/  <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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