[0840] 音の「インフレ」

投稿:  著者:  読了時間:16分(本文:約7,900文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0840    2001/04/12.Thu発行
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■デジクリトーク
 パチンコサウンドクリエーターのつぶやき
 ~音の「インフレ」~
 武橋道哉
 
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 ワタシの考えるパソコンショップ
 須貝 弦

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 Mac OS Xが切り拓く新しい日本語DTP環境



■デジクリトーク
パチンコサウンドクリエーターのつぶやき
~音の「インフレ」~

武橋道哉
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●音圧合戦

Appleが配付している「iTunes」、今ウチの奥さんがすっかりハマっていて、
自分のCDからお気に入りの曲を抜き出して「マイベスト集」なるモノをせっせ
と作っております。

そんな彼女が、ある時言いました。「昔の曲に比べて、最近の曲は何故か大抵
音が大きい」と。曰く、昔の曲をちょうどいいボリュームに合わせて再生する
と、次に最近の曲を再生した時、大きく感じてボリュームを絞るんだそうで。

波形編集ソフトでそれぞれの曲をとり込んで見てみると、その違いが一目瞭然
なんですね。昔の曲は、大きい波形もあれば小さい波形もある、ちゃんとギザ
ギザした波形なんですが、最近の曲、それもJ-POPと呼ばれる邦楽は、おしな
べて波形が真っ黒、最高レベルの部分でべったり潰れ、一面を筆か何かで塗っ
たような波形なんです。

これは、コンプレッサー(またはリミッター)と呼ばれるエフェクターの仕業
で、簡単に言うと、同じボリュームでも音量が大きく聞こえるように、という
狙いで施されたものです。

確かに、人間の耳には大きい音の方がいい音として聞こえるようだし、ラジオ
なんかでかかった時、出来るだけ大きい音ではっきり聞かせたいというレコー
ド会社側の思惑も分かるんですが、どうにも最近は音圧合戦になってしまって
いる感があります。

とは言うものの、かく言う私もパチンコサウンドを作る際は、いっぱいにこの
コンプレッサーをかけて音圧をかせいでいます。それは、パチンコ店内の環境
を考慮して、の対策としてなんです。何しろ、騒がしい場ですから。

店内放送、他の台からのサウンドが渦巻いているのです。その中で目立たせよ
うと、少しでもはっきりした音量で打ち手の耳に届かせたいという思惑のもと。

音域やテンポを工夫して、というのは、以前から折に触れて何度も書いてきま
した。それと同時に、こうして物理的に音圧感を出す、というのも、今では欠
かせない手段になってしまっているんです。

しかし、いくら音圧がかせげて、音に迫力が出るとは言え、コンプレッサーの
かけすぎは弊害もあります。抑揚はなくなってしまうし、音色も変わり、トラ
ックごとのバランスも崩れてしまいますもの。

●鼻毛も耳垢も……

そして更に、最近になって、私はまた別の「音圧合戦の弊害」に気付きました。
それが、表題の「音のインフレ」なのです。

パチンコ店にはパチンコ店が考える「音量のバランス」の基準があって、それ
が崩れる訳です。パチンコ台から出るサウンドの音量が上がれば、伴って店内
放送の音量も上がる。他メーカーだって、更なる音量アップの見込めるスピー
カーをパチンコ台に搭載して……

総じて、店内全体の音量がどんどんアップしていく訳です(店側が行き過ぎだ
と思い直すまで)。私がパチンコに夢中になりだした10年前と比べ、パチンコ
台から音が出る時間も格段に増加し(昔は、ある特定の瞬間だけ。今は始終)、
その音量も凄まじくアップしていると思いますもの。

舞台をパチンコ店から社会に転じても、同様のことが言えるでしょう。テレビ
から流れてくる音のボリュームは、やはり昔に比べてどんどん上昇していると
思いませんか?

私が幼い頃は、食事の時にテレビを点ける事は禁じられていました(う、歳が)
が、今はそんな事もないのでしょう。音量の大きいテレビを見ながらの会話は、
どうしても声を大きく出さなくちゃならないでしょう。小さい頃から、その音
量に慣れてしまっていると、自然に普段の会話にも影響が出るんじゃないかと。

電車内など公共の場で、10代と思われる若者の会話がヤケにうるさいなと、ず
っと思っていたんですよ。「公共の場という認識がない」など、テレビの特集
なんかでも言われていますが、私の考える理由が、これなんです。「音のイン
フレ」なんです。連中にとっては、あれが基準の音量なのではないかと。

汚い話で恐縮ですが、首都圏で生活するようになってから、目に見えて鼻毛の
伸びが早くなりました。それだけ、普段汚れた空気にさらされているためでし
ょう。同様に、始終音にさらされる仕事をするようになった今、耳垢もたまり
やすくなったように思えるのです(本当にごめんなさい……これ、私だけかな)

音量の大きい音に囲まれて、それはもう、耳にいいはずありませんものね。今、
環境問題云々が騒がれていますが、そのうちきっと、公共の場所なんかで流す
音のボリューム問題も、取り沙汰されるような気がしています。

お気に入りの曲をラジカセなどで友達に聴かせる時、いつもよりボリュームを
上げ気味にしてしまう心理状態、音によってその存在を誇示しようとする風潮、
それらをみんなが追求している副産物として、現在の飽和状況があって……こ
の先、どこまでいくんだろう、最近、そんな事を考えています。

【たけはしみちや】michiya@abox3.so-net.ne.jp
パチンコメーカーに在籍し、サウンドを手がけています。

パチンコでの大当たり中は、当然周りへのアピールも考えて、サウンドも大音
量にするんですが、もっとすごい「告知音」があるんですよ。台から出てくる
玉を、ギリギリまで待ってから一気に箱に落とす「ジャーッ」という音です。
これがまた、台から流れる大当たり音などモノともしない「騒音」で、アピー
ル度満点なんですが……こっちがなかなか大当たりしなくてヤキモキしている
時に、隣なんかでこれをやられると、怒りが最高潮に達します……(笑)

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■デジクリトーク  
ワタシの考えるパソコンショップ

須貝 弦
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仕事でいろいろなパソコンショップをめぐるようになって久しい。ZDNetでシ
ョッピング情報を担当したり、某雑誌でショップ紹介の記事を書くようになっ
てから2年がたった。いろいろとショップを巡っているうちに、パソコンショ
ップのだいたいの傾向みたいなものはわかってきたように思う。

ひと昔前、パソコンショップと言うとなんか暗いイメージがあったのは確かだ
けど、それは秋葉原のパーツショップやジャンクショップの話であって、新品
のパソコンを大量に販売しているショップは、数年前も今も大して雰囲気は変
わっていないように思える。もちろん、以前に比べると活気が全然違うのだが。

ただ、それでもパソコンショップはまだまだ独特の雰囲気を持っていると思う。
ひとつは、ツクモやソフマップのようないかにもパソコンショップらしい雰囲
気を残しているところ。もうひとつは、ヨドバシカメラやビックパソコン館の
ように、家電量販店の流儀にならったところ。だいたいこのふたつに分けるこ
とができると思うが、こういったパソコンショップの雰囲気が「苦手だ」とい
う人も、とくに女性を中心に多いのではないだろうか。

また、パソコンショップに集まっている「人」が苦手だと言う人もいるかと思
う。かく言う私も、実は秋葉原なんかは大の苦手で、仕事だから毎回こらえて
秋葉原に出向いている。またショップによっては、およそ販売やサービスに向
いているとは思えないようなスタッフがいるのも確かだ。パソコンが一般化し
てだいぶマトモになったとはいえ、まだ解消されてはいない。

ハァハァ言いながら近寄ってきてうんちくを聞かされたり、知らない客が悪い
と言わんばかりの対応をされたことは、私にもある。その都度「殴ってやろう
か!!」とか思うが、いちおうはグッとこらえることにしている。でも、「そ
れじゃぁモテないよ」とは心の中でつぶやくことにしているけど。

たとえば、雰囲気を重視したショップで服や雑貨を買うように、パソコンや周
辺機器、サプライ品を買うことはできないだろうか? と、最近の私は考えて
いる。せっかく高い買い物をするのだから、それなりの雰囲気のあるところで、
それなりのサービスを受けたいと私は思うからだ。きっと同じように思う人も
いると思うのだけど、どうだろう。

たとえば、Franc francみたいなパソコンショップがあったらどうだろう。パ
ソコン関係はカタチやパッケージのバラエティが乏しいからそう簡単にはいか
ないかもしれないが、アップルの「Store in Store」のやり方を見ていると、
なんとかできそうな気はしてくる。というか、Store in StoreはFranc Franc
のテイストに結構近いのではないかと思う。UNITED ARROWSの「Green Label」
みたいな雰囲気も近いだろう。

ちなみにFranc francのWebはココ。
http://www.francfranc.com/

ちなみに「Store in Store」というのは、アップルが重要な販売店を選定し、
その販売店のMacコーナーのトータルプロデュースをアップル自身が行うとい
うものだ。日本でStore in Storeを展開する際、USのAppleもかなり細かく注
文を出したということだけあって、フロアのカーペットや什器、照明が統一さ
れていて、アップルのブランドイメージがうまく伝わるようになっている。

ただ、このテのやり方がすべてのパソコンショップに有効なのか、他のメーカ
ーのコーナーでも使えるかというとそうではない。ひとつのブランドをメイン
に扱うショップ、もしくはコーナーだからできるのだと思う。でも、いろんな
モノを扱うのであれば、たとえばBEAMSみたいなやり方だってある。あんまり
好きじゃないが、Right-Onだってある。スポーティ、カジュアル、サイバーの
全部に対応できるOSHMANSみたいな雰囲気でもいいかもしれない。

たとえば、大手のパソコンショップがGAPと提携するなんてハナシもありだと
思う。何を提携するかというと、パソコンショップの店員にGAPの服を着せる
のである。そして、店内で流す曲や映像なんかも、GAPのセンスを取り入れる。
会社名を歌詞に取り入れたような曲(ウェルカ~ム トゥ □ケ~ットォ~!…
など)は、絶対にかかってこないのだ。

――などと言うことを、最近は夢想している。そういうパソコンショップ(こ
の呼び方も考えたほうがいいかもしれない)が新宿あたりにあって、上がタワ
レコで下がABC(クツじゃなくて本だ)だったりしたら、だいたい週末はそこ
で過ごすことになると思うのだがどうだろう。

でも、ポイント還元はやっぱり13パーセントね!

【すがい・げん】sugai@macforest.com
最近「デジタル家電系販売店をやりたいなぁ」と、実は切に思う日々。
誰か100,000,000円くらい出してくれないかな、そしたらやるのに。そんな私
のコラムは下記のWebやメルマガでも読めたりします。

・Residents in Forest of Macintosh
http://www.macforest.com/

・週刊Mac使い(火曜日発行)
http://www.macforest.com/magazine/

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■セミナー案内 JPC2001年4月定例セミナー
Mac OS Xが切り拓く新しい日本語DTP環境
http://www.jpc.gr.jp/index2.html
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<主催者情報>

日時 4月24日(火)13:30~16:30(予定)※13:00より受付開始
会場 アップルコンピュータ(株)本社セミナールーム
   東京オペラシティタワー48階
   ※地図 http://www.jpc.gr.jp/index2.html
参加費 JPC会員5000円 JPC団体会員7000円 非会員10000円

内容 Mac OS Xが3月24日に発売開始されました。本セミナーではその先進的
なOSの中身を紹介します。Mac OS Xの日本語環境を中心に、DTPユーザにとっ
てMac OS Xが開く新しい可能性について、デモンストレーションを交えて紹介
します。

※OSXに対する疑問・質問をお寄せ下さい。
今回のセミナーは『OSXに関する皆様からのご質問にお答えし、意見交換を行
なう』企画となっています。OS Xに対する疑問・質問をお寄せ下さい。セミナ
ーにて解説いたします。疑問・質問はメール・FAXでお送り下さい。
締切 4月16日(月)OSX疑問・質問係
   メール:info@joc.gr.jp FAX:03-3403-7712

・13時30分~15時 Mac OS Xが切り開く新しい日本語DTP環境
アップルコンピュータ株式会社 マーケティング本部
クリエイティブ・マーケティング 課長 永坂良太
・15時15分~15時30分 ここが知りたいMac OS X
皆様から寄せられたMac OSXへの疑問、質問から多かったもの、重要なものに
お答えすると共に、会場の皆様と共に意見交換を行います。パネラー等は決定
次第サイトに掲載いたします。
 
※上記セミナーにつきましては、決定した事項より掲載いたします。
※上記内容は、一部変更になる場合もございます。
お問い合わせは、JPC事務局までお願いいたします。TEL:03-3403-7780

申込み方法 JPCホームページからお申し込みできます。
メールでのお申し込みも受付けております。info@jpc.gr.jp
ファックスでのお申込みも受付けております。FAX:03-3403-7712
メール/ファックスでのお申し込みの場合、会社名/部署名/お名前/
お電話番号/ FAX番号/メールアドレスを必ずご記入ください。

Japan Publishing Consortium JPC事務局
107-0052 東京都港区赤坂9-1-7 542 株式会社エイミス内
TEL:03-3403-7780 FAX:03-3403-7712

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■編集後記(04/12)
・やっぱりモバイルしなきゃだめかねえ。先日、ひたすら待つこと4時間、と
いうトンデモな目にあった。仕上がりの電話をじっと待つベンチ。室内はどこ
もたばこくさいし、うるさいので外にいたが夕刻になると上着なしじゃ寒くな
ってきた。待って待って埒があかないので、とうとう相手の事務所まで出向い
たら不在。成果物はナシ。結局、なんだったんだ、この空白の時間は。約束し
ていた編集者には平謝り。携帯がつながらなかった、というのが連絡とれない
理由だった。昨日は時刻を正確に約束してなかったわたしも悪かったが、1時
間くらいのロス。へとへとになって家に帰るとメールの山。日曜日に総整理し
て全部読んだことにしたのだが、早くも150通くらいが未読になっている。だ
からさいきんはインターネットWatch、ASCII24、ZDNetを読む根気がなくなっ
ている。待ち時間なんかに未読をさらさら処理できればこんなにたまらないだ
ろうし、ああこの時間、家にいればあれもできたこれもできたと思わないで済
む。この1週間、珍しく毎日外出したので、そう思うのであった。いままでは
拒んでいたモバイル派に転向しようか。             (柴田)

・ある人に教えてもらったんだけど、死ぬ前に走馬燈のようにモノクロの過去
の思い出がかけめぐるっていうのは、脳が必死で働いている証拠なんだって。
思い出がモノクロなのは、カラーよりもサイズが少なくなるから。脳に蓄積す
る際に必要でないデータは捨てるから。人間が死ぬときに脳は生きようといろ
んなことを試す。いままであるデータを次々に当てはめていき、助かる方法を
探す。パニックになっているから、手当たり次第になってくるらしい。遅く感
じるのは、何って言ってたかなぁ、忘れちゃった。でもそれ聞いて、ないもの
は、出しようがないよねって。そういや仕事で大変な時に、いきなり変なアイ
デアが出てきたりして助かったこと多いよなぁって。つづく。(hammer.mule)
・ラムシュタインの新譜聞いた? かっくいい。来日してたのねんねん。
http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/ramm/ramm_disco/uico1012.html

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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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