[0920] 我が腕がつかむものは……

投稿:  著者:  読了時間:16分(本文:約7,800文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0920    2001/08/28.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 19451部
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 <希望をさがそうといういう”意志”で前に進むんだ……>

■デジクリトーク
 我が腕がつかむものは……
 モモヨ(リザード)

■デジクリトーク
 決別と再生の夏
 森川眞行

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 ターニングポイント!これからのウェブ・クリエイティブ



■デジクリトーク
我が腕がつかむものは……

モモヨ(リザード)
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私事で恐縮だが、この何日か、私の家庭生活は混乱の極みにある。

が、何故か心は妙に平和である。

生活者としての自分を第一に考えてきた私としては破産に違いない。しかし、
私に敗残の思いがないのは、なぜか? 我ながらいぶかしく思う。

それなりに、私が導き出した答えは、私自身が力を尽くし果てた、ということ、
この実感が大きく影響しているようだ。と、同時に、愛し、信じ、育ててきた
モノが指の間をすりぬけ、崩れ落ちたというのに、私の中に悲嘆がないのは今
愛読しているコミックの影響も大きい。

47歳の親父がコミックを愛読するなどというのは、かなりやばい話だが、真実
なのだからしかたがない。

その作品は、
『力が欲しいか? 力が欲しいか!! 力が欲しいのならくれてやろう!!』
このセリフで知られる、少年サンデー連載のARMS[アームス]である。

どんな作品か? と問われても簡単には応えられない。平成9年16号から連載
開始、現在コミック18巻まで進んでいる息の長い作品で、一言では表せない構
造をもっているのだ。アニメも放映中だが、スケールの点で原作の比ではない。
とにかく現在、入手できる18巻までを一挙に読めば、私の言葉が理解できるだ
ろう。

ところで、この少年サンデーを私が初めて買ったのは小学3年生の時だった。
手塚治虫の『白いパイロット』が連載されていた頃のことだ。

私の場合は、少年時代のほとんどの体験が手塚治虫、石森章太郎、両氏の作品
との関わりで記憶されている。

初めて少年サンデーを手にした後、父に伴われて私は手塚氏の自宅を訪問して
いる。

父はブリキ屋である。

ブリキ屋というのは、今はあまり無いかもしれないが、かつては工務店の下で
大工と並列的に位置した職業で、金属板を使った部分を担当する、徒弟制度が
色濃い職業だ。とくに家の祖父そして父は銅を使った屋根の飾り物がとくいで、
数年前まで王子稲荷の屋根飾りなどを手がけていた。

そんな父からすれば、弟子になるなら早い方がよい、そう考えたらしく、自家
用トラックに私をのせ、練馬にあった手塚氏宅を訪問したのだった。

手塚氏は、突然訪れた奇妙な父子に対し、「中学を出てからもう一度来なさい」
と優しく諭してくれたのである。

思えば、当時の少年雑誌、それも小学館が出版するものは、どれも少年らしい
正義感にあふれ、それが私たちの感性と夢を育んでいたのである。それにひき
かえ、ARMS[アームズ]には、往時のサンデーからは想像出来ない表現や、宇
宙的意志拡大を持った、深い作品だが、一つの夢であるのは、かわりがない。

私は、その夢の容[カタチ]を確認するため、18巻を何度も通読した。
第18巻39ページ。
「ヒトは絶望するから足を止めるんじゃない。絶望から這い出ることを諦めて
しまったから、足を止めるんだ。ヒトは希望があるから前に進むんじゃない。
希望をさがそうといういう”意志”で前に進むんだ……」

ニューヨークのスラム街に隠れ住む老女、ママ・マリアの言葉として語られる
このセリフが、素直に心に響くのは、息のながいドラマの果てに聞かされるか
らだろう。

人生の長いドラマを歩いてきた者なら、この言葉だけでも素直に心に響いてく
る。少年誌に埋もれさせておくべき言葉ではない。

ARMS[アームス]2001年必読のコミックである。

モモヨ(リザード) 管原保雄
momoyo@babylonic.com

責任編集 バビロニクス/音楽の未来を考える
http://www.babylonic.com

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■デジクリトーク
決別と再生の夏

森川眞行
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私にとって夏という季節は、身の回りに変化の起きる季節だ。思い起こせば、
現デジクリデスクの濱村さんと一緒に、店頭で発売するG-TOOLのための素材作
りをしていたのも夏の暑い日。その後、デジクリを運営していた親会社が倒産
して路頭に迷ったのも暑い夏だった。ちなみに私の母親の命日は8月15日の終
戦記念日である。

私にとっての夏は、決別と再生の季節なのかもしれない。

実は夏を前にして引越しをした。高校時代から20年以上も住み慣れた関西とい
う土地を離れた。現在はどちらかというと関東圏の地方都市の一戸建てを借り
て住んでいる。以前住んでいた場所に比べると、周囲には畑や田圃などが残っ
ており、虫が多い田舎町だ。

さすがに自宅を仕事場にしているので、大変な引越しだった。引越しのプロも
唖然とする段ボール300個。そのほとんどがびっしり詰まった資料図書なので、
その重量たるや想像を絶するものである。

ちなみに引越しから2ヶ月経過しているにも関わらず、まだ1/3の荷物は未開封
のまま。新しい家ではやるべきことがいっぱいなのである。なにしろ3人家族
にも関わらず5つも部屋のある家に越したので、モノの移動だけで重労働なの
である。さらに築20年という古い家を借りたので、そのメンテナンスが大変な
のである。

この夏はずっと庭の雑草を抜き、鍬やスコップで庭を耕していた。多くの家具
や家の一部にペンキを塗り続ける日々。新しい家に引越してきてから鍬やスコ
ップはいうまでもなく、多くの園芸道具や電気ドライバーやノコギリなどの工
具類が我が家に大量に増えた。

しかし、この新しい仕事場(自宅)は快適だ。昼間は汗びっしょりになって、
肉体労働に精を出す。汗が顎から滴り落ちる感触を味わうのは何年ぶりだろう。
仕事を終えるとシャワーを浴びてアイスクリームを食べて、自然の風が吹く和
室で昼寝をする。その後専用線のつながった仕事場で仕事をこなし、夜は家族
で食事をして、また夜は仕事をしたりゲームをしたり本を読んだり…。

なんでこんなあたりまえな事が今まで出来なかったのか? 今の生活を考える
と、過去の不規則な生活や、不安定な人間関係などが嘘のように思える。ちな
みに仕事は相変わらず不安定なままだけど(笑)。

そんな新しい家で、私は新しい仕事を開始した。その中のひとつに自分のWeb
サイト、つまりシリコンカフェをリニューアルする事を開始した。引越し以前
のマンションは構造上の問題で新しい回線を引き込む事ができずに、私はモデ
ムによるダイヤルアップ接続で仕事をしていた。けどここに越してからはフレ
ッツISDNを導入することができ、さらに先週はフレッツADSLで接続できるよう
になった。

Webに関わる仕事を本業にしている私が、今までモデムによる接続環境で仕事
をしていた…というと結構周囲の皆さんは驚かれるようだ。けどモデムで「ひ
ゅー、ががががが」という音を聞きながらできWebの仕事はできていたのであ
る。それが常時接続、それもADSLになったのだから私にしてみれば嬉しくて仕
方がない。家庭内LANの感触でWebサーバーにアクセスできる感覚ってのは、今
さらながら感動する。

それゆえに、私は自分のサイトを本格的にリニューアルすることを決心した。
毎日日記をつけるように、毎日の生活の延長として自分のサイトを日々成長さ
せていこうと心に決めた。今までにも何度か姑息なデザイン変更(笑)みたい
なリニューアルはしてきたが、今回は本気でシリコンカフェのサイトを私自身
の発言の場所として活動していこうと決めている。

http://www.siliconcafe.com/

今までに、雑誌等の執筆やセミナーやトレーニングという仕事も多く行なって
きたが、今回はそれらをすべてWebで行なっていこうと思っている。雑誌に執
筆するならWebで原稿を発表する。セミナーはさすがに実際に会場に足を運ば
ないといけないが、それでもセミナーに匹敵するような内容のコンテンツを
Webで行っていくつもりだ。

そして、私が自分のWebサイトに専念するため、このデジクリに書く原稿も今
回で最後にさせていただきたいと思っている。思えば4人でスタートしたデジ
クリだったが、最初の夏に私は編集長という立場を降りている。その後も「ア
ソシエーツ」という肩書きをいただいてはいるものの、私はデジクリに対して
何の貢献もしていない。毎日の編集作業はもちろん、イベントなどの事業もそ
うだし、メーリングリストにすら参加していないのだ。

それは自分にとって、デジクリよりも自分のことの方が大切だったからだ。そ
して、これからはさらに自分のやりたいことに専念していくことになる。そこ
で今回「アソシエーツ」という肩書きも外させてもらうことにした。これから
の私は、多くの読者の皆さんと同じ、いちクリエイターとしてデジクリを読ん
で、時々自分の活動の報告をニュースとして掲載してもらう立場になる。

デジクリは4人で開始した媒体だが、私はスタート時のわがままをやらせても
らっただけで、本当に大変だったのは柴田さんと濱村さんだ。あらためてここ
で感謝の言葉を述べさせていただきたい。まじでよくもまあ、これだけの読者
を持つ媒体になったものだと感心する。

そして、私自身もデジクリに負けないように、シリコンカフェを成長させてい
こうと思っている。デジクリ出身者として、途中で挫折することなく(笑)こ
れからもWebの中で等身大でいるつもりだ。

そんなワケで、いつもでシリコンカフェに遊びに来て下さい。デジクリを目指
して有益なコンテンツを構築できるように頑張りますので。本当にいままであ
りがとう。そして、これからもよろしく!

私にとっての夏は、決別と再生の季節なのだ。

▼神田さんにそそのかされた森川さんが、「日刊メルマガやろう」と誘ってき
たのがそもそもデジクリの発端ですから、生みの親が去ってしまうのは「あれ
ま?」というかんじですが、もともと森川さんは次々と新しいものを手に入れ
たがるワガママでジコチューな人ですから、「次はなにかい?」という期待を
こめて「りょうかい」とお返事しました。森川さんを「眠らない男」と名付け
たのはわたしです。森川さんには、寝ないでがむしゃらやらないといけなかっ
た大変な時代が確かにありました。「早く人間になりたい」と思っていたはず。
どうやらいま実現した人間らしい暮らし。途中で挫折することなく(笑)おた
がいにがんばりましょう。                   (柴田)

▼高山と 海こそは 山ながら かくも現しく 海ながら 
 然真ならめ 人は花物そ うつせみの世人
 作者不詳                          (濱村)

▼KNN神田です。森川さん、今までごくろうさまでした。また、新たな門出に
向けてがんばってください。思いおこせば、関西の日刊KIPを発刊している頃
に、クリエイター向けのメルマガをやりませんか? って森川さんに話しを持
っていったのが、日刊デジクリのきっかけでしたね。紙媒体のアトム税を気に
せず、またどこの誰も参入していなかった頃だった頃こそ、やる意味がありま
した(いつも早過ぎるのですが…)。そして、その森川さんを影となり支えて
いたのが濱村デスク、そして、当時「編集長はつらいよ」というBBS型ウエブ
マガジンでリンクしていた柴田編集長という面々で「日刊デジタルクリエイタ
ーズ」がスタートしました。あれからもう数年なんですね(まるで去年のよう
です)。
いろんな思い出がありますが、今のこの形態に落ち着いたのは、柴田さん、濱
村さんの尽力と、そして忘れてならないのが、森川さんが、「それ、やろ!や
ろ!」と快諾し、故・タワーズという会社まで動かしてくれた森川さんのパワ
ーにあります。
今度の森川さんの文面によると、都心の郊外という解説がありましたが、北海
道であっても、沖縄であっても、レニングラードでも、タヒチ島であっても、
"眠らない男"にとって、常時接続は最大の武器となることでしょう! また、
随時、近況はデジクリでお知らせください。           (神田)

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■明日のセミナー案内 まだ間に合うか?
千里SOHOセミナー
http://www.senri-i.or.jp/soho.html
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日時 8月29日(水)13時半~16時
会場 大阪・千里中央・千里ライフサイエンスセンター「5F/ライフホール」
http://www.senri-lc.co.jp/access.html
参加費 1000円(お飲物付)

・13:00~14:15 基調講演「関西SOHO最新事情」
塩見政春(関西ソーホー・デジタルコンテンツ事業協同組合代表理事)
・14:15~14:45対談「ホームページのおしごと」
幸 由美子(bzylico代表)千葉 潮(アルゴ代表)
・15:00~16:00 パネルディスカッション「SOHOト云フ事」
塩見政春・幸 由美子・千葉 潮
主催 財団法人千里国際情報事業財団

問い合わせ・申し込み
http://www.senri-i.or.jp/soho-form.html
info@senri-i.or.jp TEL.06-6873-2008

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■明日のセミナー案内 まだ間に合うか?
ターニングポイント!これからのウェブ・クリエイティブ
http://www.dhw.co.jp/
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「デジタルハリウッド&CSK合同セミナー」
eビジネスの現状把握と今後の方向性をデジタルハリウッドの人気講師が講演。
コンテンツ制作に携わる方マーケティング、企画、SE、営業の方などeビジネ
スに関心のある方々は是非ご参加ください。

講師 佐々木博(株)シンク 取締役ウェブマスター
日時 8月29日(水)19:00~21:00
会場 デジタルハリウッド大阪校
大阪市北区西天満6-5-17デジタルエイトビル(関西テレビ旧社屋)
定員 100名
費用 無料
申込方法 メールにてお名前/住所/電話番号/件名「日刊デジクリ0824」と記
入の上 mailto:osaka@dhw.co.jp までご連絡ください。

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■編集後記(8/28)
・整理と廃棄の夏である。マンガと雑誌と書籍とビデオの整理を始めて、はや
一週間がたつがいまだに書棚は乱雑で、床にそれらが山になっている。ベータ
のテープは殆ど捨てた。いまVHSを処分中、第一陣60本が燃えるゴミの日に出
る。マンガは娘が読み捨てた少女マンガが段ボールで8箱、今日資源ゴミで新
書版150冊くらい捨てたら、数分後にゴミ置き場から消えた。書棚のマンガは
ほこりが積もっていて、整理するたびにくしゃみ連発の惨状で、それを恐れて
作業はストップしたままだ。文庫の棚だけがかろうじて整理されたが、ほかは
8月中に終わるだろうか。じつは奥の院があって、ガロとかコムとか、マンガ
誌の創刊号たくさんとか、角川小説王とか、お宝が積まれている。ここは禁断
の地、整理始めたら出てこられなくなる。「捨てる」決意が欲しい。(柴田)

・前号、二通届いた方すみません! 予約キャンセルしたつもりが、通ってい
ませんでした。ご迷惑おかけしました。/ちょっと元気になってはダウン。ま
だ本調子にならないようだ。というか、こんな後記ばっかり。ネタ帳は前のマ
シンに入ったまま救助できてないし、モー娘。の追加メンバーの話でもするか
っ? とほほ。あ、そだ。J.A.M.の新しい号と、endsのベストが出ましたので
すわよ。まだベストは聴けていないのですが、良さげなのでチェックしてくだ
さいませね。初回限定版はCD2枚組ですのよ。よろしくて? (hammer.mule)
http://www.dgcr.com/jam/  J.A.M.  Editor's Voiceもいいです
http://www.jvcmusic.co.jp/a_list/artist_j/ends/new.html ビクターサイト
http://www.ends.co.jp/ endsオフィシャル

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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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