[1011] Ogg Vorbis RC3

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1011    2002/01/22.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 20049部
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 <権力も金力もないクリエイターの保険として>

■デジクリトーク
 Ogg Vorbis RC3
 モモヨ(リザード)

■デジクリトーク Webディレクションの花道--第2回
 顧客とのきっかけ
 -あらぬ方向、ありえない大きさ-
 UZ
 
■デジクリWEBデザイン研究室
 誰も気にしないナビゲーション
 清水宏美



■デジクリトーク
Ogg Vorbis RC3

モモヨ(リザード)
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「わたしは、まだ、このぼろアパートをぬけだせないでいる」と『トリック2』
第一回で山田奈緒子は言った。

冗談ではない。荒川区東尾久から抜け出したら、それは山田奈緒子ではない。
貧乏生活を楽しんでいるからこそ、手品師、山田奈緒子なのだ。山田奈緒子が
住む東尾久九丁目は実は存在しない。荒川区の北側、墨田川沿いの旭電化跡地
などにわたる旧工業地帯、東尾久八丁目までしか存在しないのだ。それでも、
散歩のおりに、街角から、ひょいと山田奈緒子や上田が現れそうな気がする些
細な私の幸福を、お願いだからこわさないで欲しい。

それはともかく、今回は、前回、お伝えしたように、Ogg Vorbisのバージョン
1、RC3についてお伝えする。

Oggは、音声圧縮方式の一形態である。音声圧縮なら何もOggなどを使わ
ず、mp3があるではないか、という声をまだあげている方のために、一言し
ておくが、それは私もそう思う。同感だ。ユーザーにしてみれば、システムと
して何が優れた圧縮方式かなんてことは、さして重要ではないのである。ビデ
オのVHS方式ではないが、結局、落ち着くところというか、妥協点がある。
そして、いまのところ、やはりオリジナルの(PROではない)mp3が一歩ぬ
きんでている状態なのだ。

きちんとした計測環境を構築していないような野次馬が「この圧縮はどうだこ
うだ」といってみても意味がないし、所詮、圧縮なのである。「WAVファイル
とmp3ファイルでは、どちらが音がいいですか?」みたいな頓珍漢な話にな
るのがオチだ。音声圧縮とは、出来うる限り「音質を損なわないで」いかにファ
イルサイズを小さく、そしてストリーミングに適したものにするか、そういう
技術だ。エステみたいに、圧縮後はスッキリナイスバデ、見た目も麗しい、な
んてことになると思うのがそもそも間違っている。

どうしたところでエンコード後はエンコード前に比べて劣化しているものだ。
使用後が使用前よりよくなることは、絶対にありえない。

じゃ、なんでOggについて語るかということは、前回、お話したつもりだ。
つまり、私達、権力も金力もないクリエイターの保険としてである。

とおさらいをしたところで、最新版RC3である。
私が見るところ、今回の改訂ポイントの見所は、先ほどに言った「エンコード
後の音質は絶対に元のものより劣る」という点を明確に打ち出したところにあ
るようだ。この辺、少々、説明が必要かもしれない。

Oggでは、お気軽エンコーダー、オッグドロップというものをフリーで提供
している。これは、旧来と変わらない。エンコードしたい音源ファイルをデス
クトップ上のサカナの上にドロップしてやれば自動的にエンコードし、結果を
吐き出してくれるというものだ。

RC3の場合、エンコード品質は、右クリックメニューから、元ファイルの音質
に比して、どの程度の音質劣化に抑えるか、これを選択する。元ファイルの
質に対してエンコード結果の音質をどの程度にするか、それを百分率で指定す
るわけだ。OggはVBR、可変ビットレートという方式を採用している。これは、
元ファイルの変化にしたがってビットレートが変わる様式で、一定の音質を維
持することを前提としている。

音質を百分率で指定するというのは妙なようだが、RC2まで、Oggは、VBRであ
るにも関わらず、ビットレートを選択することによって、品質を設定してい
た。mp3の固定ビットエンコードを基準に、それと同等の品質でエンコードす
るもの、としていたのだ。つまり、はからずもmp3世界標準と考え、リファレ
ンスとしていたことになる。

これが、上記のようにパーセントでの設定になったのだ。

そもそもビットレートなど普通の人間は頭に入っていない。というか、音質と
ビットレートの相関性を直感的に把握するには当然ながらスキルが要求される
ものだ。一般に言って音楽ファンにとってビットレートという概念は邪魔でし
かない。ともすれば見当違いの設定をする原因となる。音質の向上をもとめる
あまり、無意味にやたらと高いビットレートでエンコードしていた、そんな
ユーザーもあったろう。

高いビットレート=高音質を選択した結果、ファイルサイズがどうしても大き
くなってしまう。なかには、WAVファイルとあまりサイズが違わない、私のと
ころには、そういう質問さえあった。見当違いのようだが、こういう質問をし
てくる音楽ファンの事情は、わからなくもない。

音声圧縮が一番多く使われているのは、通常、ディスクスペースの節約のため
である。なにしろ音声ファイルは馬鹿でかい。通常、CDクォリティのデータだ
と、1分につき、およそ10メガのディスクスペースを占拠する。いくら大容量
ハードディスクが普及しても、これではたまらない、ということで圧縮しての
保存を計画する。というのが、音声圧縮を使用する一般的なパターンだと思う。

目的はスペースの節約にあるのだから、エンコード後、元ファイルは削除する。
とすれば音質劣化があるような音声圧縮は好ましくない。できれば、まったく
劣化のないものが好ましい。こう考えるのが当然だ。こういう事情をかんがみ
れば、一般的な音楽ファンが、設定できるビットレートを最大にするのも、う
なづけるものがある。

そして、その結果、良好な圧縮率が得られない、ということになるのである。
この点、RC3を使えば心配ない。

今回の改訂版では、元ファイルの音質からエンコードの質も自動的に設定され
る。つまり、音質劣化がまったくない、100パーセントを指定してエンコード
するような場合も、元ファイルのサンプリングレート(音質)に対して必要なビ
ットレートを自動的に適用する仕様になっている。けして最新技術というわけ
ではないが、今回の改訂は、使い勝手を考えた、きわめて妥当なものとなって
いる。

音声圧縮システム自体の革新はないが、個人がディスクスペースの節約のため
に導入するには、今回のRC3、なかなかいけると思うのだ。あれこれ悩む必
要がなくなる。

ただし、気になるのは、かつてデフォルトで再生可能だったウィンアンプが、
どういうわけか、再び、プラグインでの対応になっていることである。これは
何を意味するかが判明するには、しばらく時間がかかるだろう。

……しかし、山田奈緒子……、東尾久を裏切るなよな。

モモヨ(リザード) 管原保雄
momoyo@babylonic.com
荒川区東尾久サウンドを考える?
http://www.babylonic.com/

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■デジクリトーク Webディレクションの花道--第2回
顧客とのきっかけ
-あらぬ方向、ありえない大きさ-

UZ
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Webサイト制作の仕事をやっています、と伝えたときの人の反応は本当にまち
まちで、面白い。

以下、友人の反応集。
「最先端だね。うちの会社なんて課で一台なんだ、パソコン」(金融)
「個人サイト作ってよ! CGIで更新できるやつ」(編集)
「一人月はりつきでいくら?」(システムコンサル)
「大工さんのサイトでも、引き受けてくれる?」(エクステリア)
「早く帰れる? その会社」(デザイン会社)

その認識はまさに千差万別。インターネットが当たり前でも、Web制作会社の
地位は、日本にはまだまだ確立していないことを思い知る。

では、顧客は、Web制作会社をナンだと思っているだろう?
フレキシブルな御用聞き?理念やポリシーをおもちゃ箱へ変える魔法使い?
未知なる世界へ踏み出すための先導者?

最初に案件の話があった時に顧客へと出向く、営業とディレクターの役割は、
対外折衝をする、Web制作会社においていわば「総合職」だ。この人々のアピ
ールによって、Web制作会社というものの世間的な姿、地位は、顧客に植え付
けられていく。

専門職の技能がなければ成り立たない分野ではあるが、現段階でのWeb制作会
社にとっての総合職的能力も、けっこう重要な要素かもしれない。



顧客とのきっかけをつかんだ段階で、最初のアポイントにて押さえておくべき
ことは2つあるだろう。自社のスタンスへの理解を促すことと、顧客タイプを
判断することだ。

しょっぱなのアポイントでも、自己アピールは必要だ。どんなことを得意とし
ているのか、できないことは何なのか。それがなければ顧客だってどんなリク
エストをしてよいかわからない。

おのずとキャラクターがばれてしまうとか、尋ねられなくても言いたいことを
しゃべれる、という自己主張の才能がある人は、特に意識しなくてもいいのか
も知れないが、受け身になりがちな人は意識するほうがいい。否定にならない
ように気を使うあまり、「何でもできます」的なキャラになる危険がある。

「○○もやります。○○をやるときには××を考える必要がありますよね。×
×といえば、弊社はこれこれな実績がありまして・・・」話をはぐらかすわけ
ではないのだが、できれば得意なことを強調するように話を持っていきたいも
のだ。

また、顧客のタイプを判断する目についても、しばしば必要性を痛感する。雰
囲気やら人格を会話の中でつかんでいくのはもちろん、何気ない話を聞き漏ら
すと、次の要件ヒアリングの段階で、相当がんばらないとできないような内容
を要求されたりするものだ。初回アポは重要なブレーンストーミングの時間と
も取れる。

雰囲気のつかみづらい顧客の場合、私がに意識してふるようにしている具体的
な話題が2種類ある。タイプ診断材料として、また後の当方の作業負荷増大を
避けるためにも、ぜひ聞いておきたい。

よくある要求1「掲示板、コミュニティ」

危惧すべき点を知っているかどうかを、いち早く察する必要がある。いきなり
の否定が憚られるようなら、管理に割けるリソースやWebに対するスタンスな
どから話題を振るのがベターか。

よくある要求2「納品後の運営、メンテナンス」

自立心が高い顧客の場合、「納品したら終わり、にして。続きは自分達でやる
から」という人が多い。絶対ダメとは言えないので、どこまでデザインや製作
過程に対する理解を持っているのか探っておくことが必要だ。(判断結果によ
っては、当方は、先方の自社メンテによってぐちゃぐちゃにされても心が痛ま
ない程度の心構えで臨むことも必要か)

掲示板がCGIで実現することを知っている顧客は多い。またMSWordでHTMLが書
き出せることを知っている顧客も多い。しかし書き出されたHTMLをどのように
サイトへ反映させればよいか、知っている顧客は限られる。そこまで言及しな
いMSを恨むよりも、Web制作会社がWebサイトを制作する意義を、自分なりの解
釈で伝える言葉を用意しておくほうが、私たちにとっては後の工程を有効に進
めることができると思う。

顧客との線引き、とよく表現されるが、期待される範囲を最初の折衝時に見極
めておくべきだ。予想オーバーもつらいが、気負いがはぐらされるのはさらに
つらい。ここを誤ると、作り手のモチベーションも、だいぶ違ってきてしまう。



Webサイト構築の面白いところは、その企業のポリシーが手にとるようにわか
ってしまう部分だ。企業理念やイメージ、主張はWeb構築にモロに現れる。先
見性、革新性、今後の可能性も見える。たかだか一介の制作者なぞに・・・と
考えている企業のWebプロジェクトがあるならば、だったらそのポリシーを見
せてみよ、と切り込んでみてもいいのだ。Webは企業にとって既に、微弱な力
が世論を操作してしまう恐ろしいマス媒体だ。

某大企業の案件で、こんなことがあった。旧国営系の某企業で、日本国内の中
でもステータスも大きかった。現在ではすこし状況は違うものの、いきなりそ
の地位が崩壊することは決してない。しかしその内部は、混沌としているよう
だった。
 
顧客のプロジェクトのリーダーは、節度を保って、多少の苦渋をその表情に浮
かべながら言った。「社内では、何も決まっていません。Webの活用方法どこ
ろか、企業としてこれから何に力を入れて行くべきかさえも。その上で、Web
サイトでどんなことをすべきなのか、ご提案頂きたいのです」
 
企業の内部を、初めて会う制作会社にそこまでさらけ出さなければいけない苦
痛は、察するに余りあるものだった。その企業のリーダーを除くプロジェクト
メンバーは、「我々も大変なんですよ」的な気風を漂わせ、失敗しても自分た
ちの責任ではない、会社が悪いんだ、くらいの考えであることがわかった。
 
しかしプロジェクトリーダーはきっと、Webサイトをつくっていくことがどれ
だけ企業そのもののの方向を示唆することになるか、予想していたに違いない。
その態度は、私たちのWebサイトの制作という仕事に大きな責任を感じさせる
ものだった。
 
また、比較するに、こんなこともあった。それは某大手会社の関連企業で、小
規模ながら制作面では大手制作会社ががっちり入り込んでいた。その制作会社
はWebにおいてはいくつかサイトを立ち上げた実績もあり、プロジェクトの気
鋭のNo2と強く結びついているようだった。
 
しかしプロジェクトリーダーは、実に正々堂々とコンペを行なったのだ。私た
ちはそのコンペの中で、最も実績のないチームだった。コンペに臨むにあたっ
ては、要件がかなりはっきりしていた。「扱っている商品をアピールためのサ
イト」。しくみを考えるにも、そう大それたものでもなく、まっとうな要求だ
った。
 
しかし実際コンペを終えて、構築作業に取り掛かってみると、やはり会社のポ
リシーなどは突き詰めて考えられたものではないらしかった。私たちはWebサ
イトでアピールするべきその会社のポリシーを考え直し、半ばでっちあげなけ
ればならなかった。
 
Web用に書いたコピーがなぜか会社の標語になっているのを見てみると、嬉し
いやら損した気分やらであった。


 
なにしろ企業としていいかげんだろうがきっちりしていようが、最後にはまと
め上げなければならないわけなのだ。今後の展開を考えるに顧客とはやく仲良
くなってしまいたいと思う気持ちを押さえ、コンペに勝ち抜くまでは、仲良く
ならなくて済む唯一の時間と考えたほうが有用かもしれない。
 
最初の段階で、腹を探られながら、信頼を勝ち取るために、あらゆる方法を考
える。それは、駆け引きの中で逼迫したタイミングで行なわれるべきものだ。
言うなればカン、そのカンを鍛えておけば、今後お互いの内なる欲求が明らか
になる過程で、あらぬ方向、ありえない大きさのサイト構築へと話が発展する
ことは避けられる。
 
営業に必要なスキルとは、内と外の人間の求めているものをいかに早く察知し
折り合いをつけるかということだ、それは技術職とはまた異なるスキルであり、
また同様かそれ以上に知恵がいり行動力がいる仕事。
 
これは某ソフトウェア営業、かつての上司の言葉。近況を報告がてら、制作に
携わったサイトを伝えると、一番に見てくれて、また人にも見せてくれて、喜
んでくれたと聞いた。

【uz】
某コンピューターパッケージベンダー勤務を経て、現在はWeb系ライター、
Webサイト構築業務に携わる。「映画を研究する人々のためのサイト Urban
Cinema Squad」もよろしく。
http://www.u-c-s.org/

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■デジクリWEBデザイン研究室
誰も気にしないナビゲーション

清水宏美
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Webデザインの表層において大切な二つのポイント、それは、視覚的な美しさ
と機能的なナビゲーションだろう。

ビジュアル的にはとてもきれいで凝っているのに、どこにどんなコンテンツが
あるのか皆目分らないサイトをよく見かける。中には、わざわざ情報の所在を
分りにくくするために凝ったナビゲーションにしてあるのではないかと思うも
のさえある。初めて訪れたときは「わあ、すてき」と感じ、さまざまな部分を
クリックして何が現われるのかを楽しむ余裕もあるだろうが、二度三度と訪れ
るうちに段々イライラしてきて、次第にアクセスするのが面倒になり、結局は
ブックマークのコヤシになってしまうこと必至。

完全にイメージ先行のプロモーションサイトなどの場合を除き、ユーザ側に明
確に伝えたい情報があるのなら、こういったデザイン表現は不向きだろう。だ
が時としてデザイナーは、この手のデザインに走ってしまうことがある。ビジ
ュアルやテクニック面を重視してサイトをデザインしているうちに、ついつい
機能性は二の次になってしまっているのである。

Webデザインにおける「機能」とは、あっと驚くFlashムービーのギミックや、
かっこいいモーショングラフィックスなんかのことではない。クライアントが
伝えたがっている情報をユーザに知らせることや、ユーザの知りたい情報を明
解に伝えてあげること。そのために必要なのは、情報の所在が分りやすい上に、
操作しやすく使いやすいサイトであることだ。

グラフィックデザインのスキルを中心に学んできたWebデザイナーの中には、
ユーザビリティとかインフォメーションアーキテクチャとかいった単語が苦手
な人もいるかも知れない。効果的なサイト構築の勉強をしようと思っても、関
連する解説書には耳慣れないカタカナ言葉ばかりが並び、簡単な内容をわざわ
ざ難しく書いてあったりする。

最も重要なことは、実はとても単純なことだ。見る人のことを常に考えて、使
いやすいサイトを作ること。自分が使っても気持ちのいいナビゲーションであ
ること(分りづらいのが気持ちいいとか、難しいのが気持ちいいという人は別
にして)。

エラい人が書いた難解な専門書を読むより、自分の周りにいる、ちょっとネッ
トに不馴れな友人を思い浮かべてみてほしい。彼もしくは彼女があなたの制作
したサイトにアクセスしてきても、きちんと目的の情報に辿りつくことができ
るだろうか。また、あえて頭の中をカラッポにし、はじめてサイトを見た人間
のつもりになって色々チェックしてみよう。ページを開いた瞬間、最初に目に
飛び込んでくるのはどの部分か? ここがどんな目的のサイトなのかを、きち
んと認識する事ができるか? 知りたい情報には、どこをクリックすれば辿り
つけそうか?

各ページのナビゲーションを分りやすくするためには、ページ同士のリンク関
係や、サイトの階層構造を分りやすくすることも必要だと気づくだろう。トッ
プページから目的の情報まで、常に二回以内のクリックで辿りつけるのが理想
だという説もある。

慣れてくると、最初からナビゲーションの使いやすさを念頭においてページを
デザインする癖がつく。基本が分っていれば、わざとそこから崩していくこと
もできるのだ。ユーザの見たい情報を見やすい場所に置いておけば、特に注意
を喚起するための大きな文字や派手な画像を用いることなく、シンプルな美し
さと高い機能性を備えたページをデザインできる。反対に、自由奔放なイメー
ジのビジュアルを主体にする場合も、肝心なツボさえ抑えておけば、分りやす
くスマートなナビゲーションの表現が可能だ。

使いづらいインターフェイスは結構気になるが、使いやすいインターフェイス
は意外と気にとまらないものかも知れない。テレビや炊飯器の操作ボタンを見
て、「良く出来ているなあ」などと感心する者がどれだけいるだろうか。道具
というものは、便利で当たり前なのである。高度に洗練されたナビゲーション
であれば、ユーザはほとんど頭をひねる必要がなく、目的の情報にスイスイと
辿りつけてしまうので、その出来の良さにまったく気付かないということさえ
ありえるだろう。もちろん、データ量をできる限りダイエットするとか、さま
ざまな環境から快適にブラウズできるよう配慮することも、ストレスを感じさ
せないための大事な要素だ。

「このメニューは凝っていますね!」なんて賞賛されるよりも、あまりにもス
トレスなく自然に使えてしまうため、一般ユーザ層からはなかなか褒められる
ことがない、そんなナビゲーションが私は大好きだ。

【しみず・ひろみ】simz@simz.com
群馬県出身、埼玉県在住。造形美術学校を卒業後デザインスタジオに勤務、19
95年からフリーに。Webデザイナー兼イラストレーター兼、なんだかいろいろ
やってます。1998年、ディジタル・イメージに参加。主な使用アプリケーショ
ンはPhotoshop、Illustrator、Dreamweaverなど。
http://www.simz.com/

▼01年11月、ZDNet:Macチャンネルがリニューアルし【MacWIRE-D】がスタート。
毎週火曜日は「デジクリWEBデザイン研究室」の担当で、清水宏美研究員をは
じめ4人の研究員がWEBデザイン関係のコラムを書く。デジクリと同時掲載。
http://www.zdnet.co.jp/macwire-d/

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■編集後記(1/22)
・池宮彰一郎「遁げろ家康」(朝日文庫)を読む。家康といえば、山岡家康、
司馬家康、影武者家康などいろいろいるが、ここでは臆病者でイヤイヤ天下を
とった男として描かれている。強欲で無知な家臣どもと吝嗇・小心の殿さんの
やりとりは情けなくも面白い。だがそれだけでなく、「天下の一代秘事」を知
ってから徐々に重厚な凄みがでてくるあたりに、池宮家康の真骨頂があるのだ
と思う。歴史小説は面白いなあ。またオーソドックスな「覇王の家」を読もう
かと思っていたら、文春新書で薩長は武力倒幕を目指していなかったという新
解釈があらわれた。さっそくチェックにいかねば。        (柴田)

・会計の詰めをしている。今年の予算を立てるために昨年の動きを見たり、帳
簿のミスはないか調べている。サラリーマン時代にはなかったことだ。いや、
銀行員時代はしょっ中、帳簿やら何やら見ていたが、数字を触っているだけと
いう感覚しかなかった。お札すら紙切れだったんだから。これが自分のことと
なると真剣だ(笑)。単なる金額の羅列なのに、いままで見えなかったものが
見えてくる。その時の仕事の苦労なんかも。あの見積もり甘かったよなぁとか、
あの時はこの程度の仕事に時間かかってたよなぁ、なんて。同じ失敗を繰り返
さないために、金銭面を含め、今年はいろいろと考えるようにしている。Palm、
Edgeを手に入れてから、なるべく記録をつけるようにしているのだが、スケジ
ュールや金銭だけでなく、その日とった食品やら、毎日の体調なんかも入力し
ている。ぐうたらな私だが、性に合っているみたいで、ちっとも苦にならない。
今日は野菜が足りないなぁ、もう一品食べるか、なんて。  (hammer.mule)

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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 

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 担当:濱村和恵
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