[1121] マルチアングルの話 再説

投稿:  著者:  読了時間:23分(本文:約11,400文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1121    2002/07/09.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 21358部
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     【デジクリは「メディア規制三法案」に反対します】

■デジクリトーク
 マルチアングルの話 再説
 モモヨ

■デジクリトーク
 クリエーター交友録/諫山研一編
 すべては共同作業
 海津宜則



■デジクリトーク
マルチアングルの話 再説

モモヨ
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6月18日号のデジクリで、マルチアングル機能も編集可能なDVDオーサリング
ツールで、パーソナルなものを捜していると書いたところ、皆さんから、マッ
ク上なら「DVD Studio Pro」でできるというご指摘を多数いただいた。メール
を頂く度に、私は、実際に私が考えていたことについてあらためて詳細に記し
た返事をしたためている。そこで、今回は、18日号で私が言えなかったこと、
言い足りなかったことを付け加えておきたい。

実は、今から一月以上前になるが、私は、イマジカのDVDオーサリング部門を
見学させてもらい、そこでいろいろお話を聞かせていただいたのだ。

イマジカとは、今更説明するまでもない、映画の現像などで知られている例の
大きな会社である。ここのオーサリング部門では、映画(フィルム作品)のビ
デオ化など、従来のノウハウを活かして、多くのDVD作品を手がけている。

私が出向いたのには訳がある。私自身は音楽を作る人間なわけだが、それでも
世の中の流れとは無縁でいられない。DVDという媒体や映像コンテンツについ
て、如何に扱うか? は興味のあるところ。最も、知っておかねばならないの
は、クリエーターとして、どのような(形態、フォーマットの)コンテンツを
納入すべきか? という点。

現場を見させていただき、それだけでも、大分勉強になった。イマジカの担当
の方には大感謝である。

イマジカでは、他の大多数のデザイン、IT関連会社と同様に、メニュー画面や
パーツ製作部門、つまりデザイナー要素が強い部門ではマックを使っていた。
そして、これも定番なのだが、その後段、オーサリング部門や統合、検証など、
工業部分に近い最終工程をウィンドウズ機で処理している。そして、こうした
異機種間をフリーBSDファイルサーバーがとりもっているわけである。これは、
こうした会社のお決まり。

私にとっては、興味深かったのは、その最終工程に近い部分であった。

最終マスタリングしたものをDLT(デジタルリニアテープ)におとして、それ
を工場に持ち込み大量生産するわけだから、最終段はこのDLTへの書き込みに
決まっている。それはイマジカのような大会社でも同じ。

問題は、その直前であって、例えば、片面二層のディスクの場合、それが確実
に動作するかどうかのチェックが必要になる。そこのところだ。この検証用に
は、ハードディスクのSCSIインターフェース部分にチョコっとしたハードウェ
アIOをつけたエミュレーターを使っていた。これで、片面二層のディスク上で
どのような動きができるかを検証するのである。他の業者さんも似たようなエ
ミュレーターを使っているそうだ。

そう、このハードがミソだったのだ。ある意味、これが、イマジカのような大
会社とパーソナルなクリエーターの差異を象徴している部分なのだ。

それを見ていて、私は、このハード部分をソフト的に解決するエミュなんかも
誰かが開発してくれないかしら……なんて考えたものだ。CDのエミュを得意と
してきたドイツ系のフリーウェア作者、デーモンツールなんかを作っている連
中やNEROをつくっているAHEAD社なんかが、そのうち安価でリリースするかも
しれない。そうなると、今度は、コピーマニアによる著作権侵害の問題も出て
くるだろうから、一概に喜べないけれど、私個人からすれば絶対に欲しい。

他人の作品のコピーなんてしない、そういう誓約書を書いてもいいくらいだ。
嘘ついたら針千本飲まされてもいい。本気で欲しいと思う。

さて、次に、冒頭で述べたマルチアングルの点について語りたい。

現場の方からマルチアングルについての話を聞いたのだが、その際、市販のソ
フトで擬似的マルチアングルを作れるものがあるのだが、それだと、あとでオ
ーサリングに苦労するということだったのだ。擬似的マルチアングルとは、す
べて、別々にmpeg2エンコードをかけ、その画面を単純に切り替える仕様だが、
これだとプレーヤーによっては再生できない場合があるそうだ。

「別々にmpeg2エンコードをかけたファイルを納入してくるお客さんがいて、
以前、その方の作品で大失敗しました。大多数のプレーヤーで再生できなかっ
たんです。ですから、いったんデコードして再エンコード処理します」という
のである。

どういうことかというと、マルチアングルの場合、主たるストリームのビット
レートですべてのサブ画像ストリームを統一してやる必要があるというのだ。
DVDは、mpeg2、VBR(バリアブルビットレート)でエンコードする。画質の要
求にあわせてビットストリーム速度を適宜変えているのである。この速度変化
が全ての画像でシンクしている必要があるらしい。

主になるメイン映像のVBRにあわせたmpeg2ストリームがエンコードできるなら、
比較的簡単にマルチビューができるはず、そういう話もしてくれた。

これならエンコーダー、TMPGencあたりとライティングソフトでなんとかなる
のではないか、この話を聞いたときそう直感したのである。

これが、6月18日号デジクリ原稿の裏側にあるものだ。

エンコードするときに、キーとなるVBR信号を別のファイル(主たるストリー
ム)から読み込んでやる。つまり、複数ストリームのマッピングを同期化する
のである。あとは、ライティングソフトの側の問題と、例のエミュレーター部
分がどうにかなれば、完璧である。

そして、白状すると、私は、個人的に、そのあたりのことを、最近、向こうの
フリーウェア作者にリクエストしているところ。いつになるかわからないが、
金欠病のクリエーターでも片面二層のDVDオーサリングができるようなことに
なるかもしれない。

そんな日が来なければ、真のサイバーパンク時代は始まらない。

【追記】DVDまわりのツールに興味がおありの方には、下記の英文サイト
VCDhelp.comがおすすめ。日本が生んだ秀逸エンコーダーTMPGencをはじめ、各
種、映像周りの小物、ビデオCDの作り方など、フリーウェア、関連記事が満載。
記事は、邦文マニュアルや雑誌よりわかりやすい。ちょっと怪しいけど面白い
ですよ。
http://www.vcdhelp.com/

モモヨ(リザード) 管原保雄
http://www.babylonic.com/

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■デジクリトーク
クリエーター交友録/諫山研一編
すべては共同作業

海津宜則
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●海津: 誰しもなんらかの収集癖があるんじゃないでしょうか。こう書くと、
女性は男性よりも収集癖のある人が少ないよ、という方かいます。確かにその
一面もありますが、それなら女性特有(ここが男性だとちょっとばかりキモイ
?)の下着収集はどうでしょう。あるいはお気に入りのミュージシャンのコン
サートに足繁く通ったり、CDを買い漁るのも収集ではないでしょうか。私はそ
ういった広義で考えています。だから都市の中で収集癖のない人を探すのは難
しいはずだと感じています。

では、海津さんのコレクションは何かと問われると困ってしまいます。あまり
にも広く浅く色々なものを集めてきたからです。ある意味で一芸に徹していな
いのが悲しいです。もし暇とお金が腐るほどあれば、収集癖で世界中を飛び回
ってしまうかも知れません。そんな私の現在のささやかなコレクシヨンはメー
カー非売品グッズです。ただし、積極的に集めているわけではないので、その
数はたかがしれていますし、命がけで集めているわけでもありません。

でも、世の中には命がけでコレクシヨンを集めている人がいるんです。しかも
身近に。例えば友人の諫山さんは、某国税関でマシンガンを突きつけられたん
だそうです。まさか密輸していたわけじゃないですよね。

●諫山: あはは。私の場合、コレクショングッズにまつわる話は多いですが、
後にも先にも、マシンガンを突きつけられたのはそれが初めてです。と、言う
と、何のことかわからないでしょうから解説しますと、私の趣味はテディ・ベ
ア収集なのです。私自身、テディ・ベアに魅せられて10年以上になります。当
然、ドイツなどに取材に行くと(ドイツだけか?)何匹がクマさんを買って帰
るのですが、とにかく空港のチェックの厳しさを知ったのはドイツでしたね。

というのは、アメリカの忘れ難いテロの1年前ですが、ドイツでシュタイフの
限定物のテディ・ベアを現地で購入したんですよ。海賊の格好をしていて、腰
に長さ8センチ位の玩具のサーベルを下げている。免税品ということもあって、
手荷物で飛行機に乗ろうと思ったときです。X線の荷物検査で急に空港職員が
ざわめく。私は玩具が引っ掛るとは思いもよらなかったので何のことかわから
なかったのですが、急にカウンターの人間が声を荒だてて「中身を見せろ!」
と言うわけですね。

それと同時に空港警備の軍人のH&K(ヘッケラー&コック:NATO軍の正式のマ
シンガン)のMP-5(おもいっきり最新鋭のマシンガンです)が私ら夫婦に向け
られた。実はそのカバンの中はドイツで購入したテディベアだけでしたので
「なんで?」という気持ちが一杯でした。で、銃口にビビリながらもバッグを
開いたんですよ。

●海津: 諫山さん、はっきり言って思いっきり怪しいですからね。もし撃た
れていたら国際問題でしょうね。『怪しい日本人がティディーベアを密輸しよ
うとして空港で・・・』とか。冗談はさておき、こういった勘違いは事の大小
はともかく、案外思っている以上に多いんですよね。特に諫山さんのような仕
事だとコミュニケーションを頻繁に取らなくては成立しませんから、何度も組
んでいるような方でないと勘違いだけが一人歩きしてしまってとんでもない事
になるなんて事、ありませんか? 

私は昔ある方に相談を受けた内容が仰天ものでした。『某メーカーの担当課長
よりIllustrator(ビットマップ画像を含まないデータ)で350dpiのデータ作
成を依頼されたが、どうしたらいいのか教えて欲しい』という内容でした。そ
こで、私は『その課長さんに阿呆と言うか、普通に作成したIllustratorのデ
ータを350dpiで作成しましたと言って納品するかのどちらかを選択するように』
とアドバイスしました。結局その方は後者を選んで波風は立てなかったそうで
す。笑える話だけど、今もこの話は色々なところで現役なんですよ。

●諫山: 勘違い話になると、それこそ一杯ありますね。特にビットマップ系
のソフトとなると、それはもう色々な勘違いがおこりますね。特に今でもたま
にあるのが画像のサイズ絡みです。

「350dpi、原寸で」なんて気軽に画像データの作成をお願いするじゃないです
か。それなのに送られてくる画像のデータサイズが妙に小さい。で、変に思っ
て問い合わせてみると「ちゃんと原寸で350dpiですよ」と返事が来る。確かに
解像度は350dpiなんですよ。でも、出力サイズがやたら小さい。それでもう一
度よく聞いてみると、原寸って単にモニター上で原寸になっているだけなんで
すよ。すなわちPhotoshopで100%表示させたときに原寸になってると。

確かにビットマップの「原寸」って、わかりにくいのかもしれないですけど。
あと「テキストで」とお願いしてもMS WordのDoc形式で送られてくることが多
くなりましたね。これは非常に迷惑なんですよ。ワープロを使わなくなって10
数年。最近は企画書を書くのにInDesignを使うこともあります。

ところで、350dpiと言えば、つい先日、あるMookの仕事で使う写真をほとんど
一眼レフタイプのデジカメ(EOS-1D)で撮影したんですよ。400万画素のカメ
ラなんで一般的に350dpiで使うとだいたい12×18cm程度の大きさなんですよね。
でも、今回150~60%以上拡大して使ったページもあるのですが、全然使えて
しまう。175線の印刷物でも画像が眠くならないんですよ。もちろん、レイア
ウトを担当した人や印刷所の方達の力もありますけど。

そんなこともあり、最近は35ミリで済んでいた仕事の大半はそっちに移行して
ますね。ただ、デジタル化したら写真が下手になった気がするので、仕事以外
では木製の大型カメラを引っ張り出して、今までの勘や注意力を何とか維持す
るように努めています。この辺の問題、DTPによるデザインにも似てる部分が
あると思うんです。

●海津: 350dpi(正しくはppiだけどここではdpiで統一)神話っていうのは
チェーンメールのように浸透してますね。例えば最近のインクシェット系プリ
ンタって2400dpiとか平気な世界ですよね。でも、レーザープリンタも含めて
出力する時って200dpiもあれば充分ですね。何でそんなに350dpiに拘るの? 
って感じです。例えば大判のポスターって近くで見るものじゃないから線数が
荒くても大丈夫じゃないですか。

でも、それを理解できないデザイナーに頼んでしまうと、B0サイズ350dpiなん
て事になってしまう。笑い話じゃなくて、自分の感覚を信じず全部機械(or人)
任せで振りまわされるプロの人が多すぎます。機械任せは確かに便利だし、失
敗も少ないけど、頭は動かなくなりますよね。脳は使わないと退化しちゃいま
す。モノを作り出す仕事していて脳を使わないのって、仕事を否定しているよ
うなものです。

例えば、『こんな処理を可能にするプラグをご存じですか?』という定番の質
問がありますけど、既存のツールの組み合わせで出来ることがほとんどだった
りします。あるいは、『この3Dソフトだと線光源が出来ない。だからタコ』み
たいな論理がその代表的なものですね。機能としてはなくても殆どのソフトで
処理可能だったりします。もちろんちょっとした工夫が必要ですが。要するに
与えられた環境に弄ばれているうちは何もアイデアは出ないわけです。つまり
【アイデア=個性】だと私は思っています。

●諫山: 既存のツールでできないならなぜ、ほかの方法を模索しないのか。
なぜ、人に聞く前に自分で試してみないのか。人に聞いた知識はその場では何
とかなるかもしれないですが、けして身につくものじゃないですし。

独自の方法が個性にもなり、その人の作風にもなる。オリジナリティというも
のが、本来はデジタルになって開放されるべきなのに、かえって狭めてしまう
結果になっている気がします。またそれは一朝一夕にできるものでもない。こ
つこつと研究を重ねて作り上げるのは今も昔も変わらないと思うんですよ。印
刷線数の話もそうですけど。

とにかくデジタルによる表現はまだまだ歴史が浅い分、いろいろな可能性を秘
めているはず。だからこそ、積極的にアプローチして欲しいし、できる環境が
欲しいですよね。いつまでも古いソフトに縛られていてはいけない。OSはのぞ
きますが。また、プラグインに頼りすぎるのもどうかと。

基本ができていて使いこなしている人と、プラグインなどに使われてしまって
いる人の差があまりにも激しすぎるような気がしますね。時間に追われてしま
う雑誌や出版関係は仕方ないにしても、ある程度作りこみに時間がかけられる
広告の分野ですら「自動ツメのソフトが云々」なんて話聞くといやになります
よね。

デジタルの場合「なんとかなるだろ」という意識があるから、頭を使わなくな
るのかもしれない。その辺は「おいおいおい」と言いたくなるような色指定を
してしまう人が増えたことからもいえると思うんですよ。プロセスカラーのか
けあわせで1%単位の指定する人がいる。しかもCIに関する指示書なんかでも。
いくら日本の印刷技術がいいからって、1%単位の指定を再現するなんて無理
もいいところなのに。やるなとは言わないけど、意味をよく考えて使ってみて
欲しいというかなんと言うか...。

こんな話を昔の上司に話したら「お前もそういう風に言うようになったんだ」
と笑われましたけどね。いまさらながら、考えること、創造することの大事さ
がわかってきたようなきがします。

●海津: デジタル化された事により発生したメリットとデメリットは、実は
同じ土俵上にあると感じています。それは、何でも数値化出来るという点です。
従来のデザイナーは色指定はしても、それはチヤート表の色をピックアップす
るという方法でしたが、今は自分のマシン上で色を作り出せてしまうわけです。
モニターのカラーリングが狂っていようがお構いなしで。

更に、プロセスカラーは言うにおよばず、ドットゲインまで1%きざみで指定
したりするような傾向になると、結果として印刷所は身動き出来なくなって失
敗しちゃうわけです。失敗したら『あの印刷所はタコ』って論理にすり替わる。
そんな酷い話を沢山知っています。印刷所が可哀想です。

印刷機は湿度や温度に影響するほどデリケートな機械なので、印刷所とデザイ
ナー(イラストレーター)のカラー調整を厳密に行ない、PostScriptプリンタ
ーで出力サンプルを添付して入稿するようにしても、問題は少なくなるもの解
決はすることはありません。

しかし、禅問答のようなこの問題解決の近道は信頼関係だと思っています。で
すから印刷所のプロとしての領域(お任せすべき領域)を残さないデータ作り
は本末転倒です。私はそう感じていますし、今までそれで特に困ったことは発
生していません。

そういった意味で一番困るのが、私がイラストレーターとしてメーカー指定の
デザイナーと関わる時に、『海津さんCMYKで入れてね』『分解テーブルあるい
はデータ送って下さい』『デフォルトでいいです』なんて場合です。こういっ
た時はもっとも無難なデータでこっそり分解して納品します。そうしないとと
んでもないことになる場合があるので。そもそも私は抗戦を好みません。

●諫山: そういう意味でも今一度、ワークフローを見直す時期に来ているの
かもしれませんね。昔と違い、DTPも一般的になってきたわけですから、責任
の所在をより明確にする必要があると感じています。でないと、このままでは、
何かあった場合、責任の擦り付け合いになってしまう。で、結果として、DTP
にかかわる全員が苦労してしまうのを防がないとだめでしょうね。

それに、カラーマネージメントをちゃんとしたいなら、印刷所もICCプロファ
イルを積極的に公開して欲しいですね。もちろん、各印刷会社によってノウハ
ウがあるのはわかっていますが、それはそれ、DTPはDTPで切り分けて欲しいで
すよね。それに、これを実現させるためには、できるだけ簡単なシステムが望
ましいと思います。なにせ、ほんとに勉強不足のまま仕事をしている人が多す
ぎると感じますから。

これはオペレーションだけでなく、すべての面においてです。もっとも、大変
熱心に勉強されている人もいます。でも、なんか両極端というか。なので、最
近はこの線までは知っておいて欲しい的な本をよく執筆することが多いです。

●海津: やはり、一番大切なのは【分からないことは分からないと素直に示
す】【分からないという人を馬鹿にせず教えてあげる】ではないでしょうか。
誰だって最初は分からないわけですし、情報は絶えず変化していますから。分
からないということは恥でもなんでもないんです。そして更に言えば、つまら
ない意地で敵対しない関係の整理かもしれないですね。

とかく仕事上ぶつかるのが【デザイナーvs印刷所】【イラストレータvsデザイ
ナー】【カメラマンvsデザイナー】ですから。もちろん敵対しないということ
は曖昧にナアナアの関係を作るってことではなく、不毛な感情論に突入しない
と言う意味です。でも、DTP関係だと『キレ』そうになるのは分かるような気
もします。まだまだ印刷所ごとにデータ作りの方法が異なったりしているのが
現状ですから。まっ、それでも、我々の仕事は壮大な共同作業だという認識は
常に持っていたいですね。『俺の作品が~』と言えるのは、ほんの一握りの人
だけですから・・・。

●諫山: 最初はみんな初心者ですからね。そう言う意味では、昔のNIFTY、
最近ではインターネットの掲示板などが重要な役割を持っていると思います。
ただ、マナーが良くない方も結構いらっしゃる。しかも今後のためにと、誰か
が注意すると逆ギレされちゃうときもありますからね。

そう言う意味ではコミュニケーションの時代でありながら、コミュニケーショ
ンがうまくできない人が増えたのかも知れません。でも、これがうまくできな
いクリエーターが多くの人にメッセージを伝えることができるわけがない。そ
れこそ、ほんの一握りの天才以外は...。結局のところ、人と人の繋がりがあ
ってこそのネットワークですから。

そう言う意味では今注目しているのが『関心空間』というサイトなんです。こ
こでは一人一人が自分のこだわっている物についての紹介と掲示板がセットに
なっています。しかも登録されているキーワードごとに掲示板が作成されるの
で、自分が興味がなければ見ないでもいいし、興味がある人達が集まれば、ち
ょっとしたコミュニティができあがる。NIFTY時代のコミュニケーションのス
タイルを発展させた感じのサイトなんです。プログラマーとデザイナーがうま
くコラボレーションしているのも特徴の一つです。面白いですよ。

●海津: こんな場所が沢山出来てくるといいですね。日本だとなにかにつけ
て揚げ足取ったり、陰口に走ったりと陰湿ですし、ネットワーク社会という括
りではまだまだ未成熟ですからね。

突き詰めていけば、結局人は一人で突っ張っていても何も出来ないわけです。
逆に八方美人も信用(個人的にはこれが最低だと思います)されませんけど。
突っ張れば突っ張るほど端から見ていると滑稽です。

で、私の好きな『三人寄れば文殊の知恵』は文殊菩薩の教え(?)ですが、い
つの時代にも常に心に命じておきたい言葉だと思っています。一人では何も生
まれません。生むことが出来るのは傲慢と虚栄と敵意だけでしょう。でも、人
が寄り集まれば何かが生まれます。プロが良い仕事を繰り返せば人が集まりま
す。回りに人が集まれば集まるほど誰よりも謙虚に振る舞うべきですよね。ひ
とたび傲慢さを出してしまったら、その時点で終わりですから。 

そんな意味では、無意識に傲慢さが出たら注意をしてくれる友人がいることは
大切ですね。仕事がいくらデジタル化されても大切なのは人との関わりという
ことだと思いますし、何より現実世界では何処にもスーパーマンはいないわけ
ですから。

関心空間
http://www.kanshin.com/

諫山研一【いさやま・けんいち】グラフィックデザイナー/フォトグラファー。
http://plaza2.mbn.or.jp/~ferix/

海津宜則【かいづ・よしのり】グラフィックデザイナー/イラストレーター。
http://www.kaizu.com/

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■編集後記(7/9)
・うちのハニー号は著しく社会性がない。犬の社会の。散歩コースには度々つ
ながれていない小さな洋犬が現れるが、そういうのが大の苦手で、とにかく逃
げる、逃げる。つながれているとそれほど恐れないのだが。また、犬の散歩お
ばさんグループが立ち止まってわいわいやっているそばを通るのが大嫌い(わ
たしも嫌いだが)。とにかく犬が嫌いらしい。よその犬と親しくしようなんて
気はさらさらない。自分をヒトと思っているのだろうか。生後まもなく、あま
りに早く親元から離して連れて来ちゃったのが原因ともいう。それで人生、じ
ゃなかった、犬生がきまってしまったのか。なんだかスマン。   (柴田)

・HPのScanJet 3C。ニフティのfgraphicをロムしていた頃、評判良かったので
これを買うしかない!と思って買ったもの。思い入れがあるため、なかなか手
放せない。が、急ぎスキャナが必要になった昨日、いきなり拗ねはじめた。
HDDの中はほとんど空だし、メモリも積んでいるのに、きちんとスキャンしな
い。「可愛がっていたのに…捨てるよ」と言ったら(ほんとに口に出して言っ
た)、一枚だけはきちんとスキャンしたが、こと切れた。焦る。自転車通勤な
毎日で、少々の遠出は平気。なので日本橋(電気街)にすぐに買いに行こうと
考えるが、一応価格コムも覗く。お、近くに安いお店が。早速島田氏に電話し
てもらい、我が愛車(名前はまだない)で向かう。走ったことのない道なので
うきうき。10分ほどで到着。エレベーターに乗り合わせた人と談笑。メビウス
の、ある一機種のために遠くから来たそうだ。何故か技術系の人とは気兼ねな
く話せるんだよな。荷物をキャリアに繋ごうとしたら、思ったよりも大きい。
水平を保ちながら、かくかくと運転。事務所がビジネス街だと、こういうトラ
ブルも1時間以内でクリアできるのだと思った。助かった。 (hammer.mule)
http://www.i-love-epson.co.jp/products/scanner/gt9700f/9700f1.htm
↑またオススメのものを買ってしまった。

・「ウェブデザイナーになってよかった」プレゼント受付中。詳細は1111号。
http://www.dgcr.com/present/

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 

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 担当:濱村和恵
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